よい子わるい子ふつうの子2(仮)

18禁PCゲームをメインに、ラノベや漫画についてもダラダラ話を書きます。長文多いです。

趣味

吊るしのスーツは結局高いよねという話。

新入社員のみなさんが5月病になろうかというこの時期、「夏用スーツ」みたいなのが売り出されます。コロナ禍以降、スーツの売上は落ち込み気味だったのが、なんだかかんだ結構回復してきたという話も聞きますし、実際高価格帯のスーツが売れてるなんて記事も見かけました。

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▼「AOKIの1着8万円「金のスーツ」が好調 「計画比135%」も売れたワケ」(IT media news)
紳士服のAOKIが2023年10月に発売した「金のスーツ」の売れ行きが好調だ。1着8万円台の高価格帯商品でありながら、当初の計画比に対して135%で推移している。物価高などで支出を抑える動きもある中、なぜ順調に売り上げが伸びているのか。

ただ一方で、データ的にはそこまで好調でもないという話もあります。

▼「スーツ離れ加速の中で青山とAOKIが選んだ生き残り策は?」(集英社オンライン)
コロナ禍を経てスーツ離れが加速した。帝国データバンクによれば、上場紳士服7社のスーツ事業の売上高は3600億円。回復基調にあるとはいえ、コロナ禍前の水準に戻り切ってはいない。販売店の数は現在約2300で、ピークの2017年度と比較して700店舗も減少するなか、業界トップの青山商事とAOKIホールディングスの方向性に大きな違いが生じている。


「青山商事」は2024年3月期の売上高を1945億円と予想している。「AOKIホールディングス」は1877億円だ。その売上差は70億円を切った。コロナ禍前の2019年3月期は青山が2503億円、AOKIは1951億円だった。かつては550億円以上の差が開いていたのだ。

営業利益率においては、すでにAOKIに軍配が上がっている。第3四半期の時点で青山は3.3%。AOKIは5.4%。勢力図が塗り替わろうとしているのだ。

スーツ市場にも変化の兆しがある。既製品である “吊るし”からオーダースーツに注目が集まるようになった。

「ユニクロ」は2022年3月からオーダーメイド感覚でスーツを選べる「UNIQLO CUSTOM ORDER」をスタートしている。ニュースやインターネットでもオーダースーツに関する記事を頻繁に目にするようになった。

若年層向けのオーダースーツショップを展開する「KASHIYAMA」は、2022年の購入者数が2019年比で1.4倍に増加した(「コロナ禍におけるスーツ市場のトレンド変化」)。20代以下の購入比率は39.1%で、2019年は18.8%だった。20.3ポイントもの増加である。
ただし、オーダースーツがコロナ禍をきっかけとしてトレンド化したわけではない。インターネットの検索需要を調査するGoogleトレンドで「オーダースーツ」を調べると、2019年10月に検索数の天井を迎えている。

つまり、オーダースーツサービスが多数登場したことで競争が激化。手頃な価格になっていたために、すでに人気化していたのだ。そこにコロナ禍が加わって既製品の需要が減退し、相対的にオーダースーツが目立つようになったというのが正しいだろう。

Googleトレンドを見る限り、オーダースーツの需要は全盛期の7割程度で推移している。需要が右肩上がりで旺盛に伸びているわけではない点は、青山とAOKIの行く末を占う上で極めて重要だ。 

上記の記事は丁寧にデータを追いかけていて、かなり興味深いです。オーダースーツの売上も、この物価高の中最盛期の7割り程度ということですから、最近聞こえてくる「オーダースーツが流行っている!」というのも若干、業界のメディア戦略的なところがあるのかもしれません。

ただ、個人的には今の世の中、スーツを買うなら格安のオーダーにしたほうが良いと思っています。

理由として1番大きいのは、吊るしのスーツは身体にあわないことが多いから。

スーツはそもそも「誰が着ても見栄えがするように」、体型を隠しつつかっこよく魅せるような作りをしていると言われますが、肩幅、身幅、袖など細かなところで調整しないとシワが入って残念な感じになる、というのもまた事実です。既製品のスーツだとそのへん、どうしても手が回りません。

たとえば私は、身長に対して肩幅は狭く手が長いので、肩にあわせると丈が長くなりすぎるし、丈にあわせると肩がぶかぶかになります。そして、総丈や肩幅は、既成のスーツでもっとも弄りにくい。これが本切羽の袖なおしとかになると、少なくともスーツ量販店では絶対に直してくれないところです。

オーダースーツは、生地にさえこだわらなければ2万円~3万円くらいで作れる店が増えてきました。SADA、ビッグヴィジョン、DANKAN、ディファレンス、FABRIC TOKYO、Bref……。AOYAMAやAOKIのイージーオーダーラインもきちんとあります。吊るしのスーツでもこの辺の価格帯なら素材的には同クオリティですし、それなら身体に合うものを選んだほうが良いです。

2つ目の理由は、最終的に割安になるから。

既製品のスーツは、「直し」の価格無しで表示されています。たとえば19,800円のスーツがあるとして、AOYAMAならパンツの裾直しに800円くらい。ウェストで1400円、袖なおして2700円、ネーム入れて300円……。シック(パンツのあて布)や滑り止めをつけたりすると、プラス10,000円近く行くなんてことも少なくありません。

ところが、オーダースーツなら、まぁお店によりますが概ねこの辺の料金は無料です。そもそもウェスト、袖なんかはなおす必要がありませんし、着てみて合わないなと思ったら一定期間なら無料で再度なおせるところが多い。ネームはだいたい無料で入れてくれますし、シックなんかもそうですね。スーツを着用する際に有益なオプションをつけようとすると、生地が同程度のクオリティなら、オーダーのほうが最終的に安くなることが多いと思います。

最後に3つ目の理由。知識がつくから。

オーダースーツを作ると、いろいろな要素を自分で決めなければなりません。ベントをどうする、襟をどうする、ゴージラインどのくらいにする、タックは? ポケットは? ステッチは……。煩雑なように思われますが、こういうプロセスを通して、スーツの「見るべきところ」がどこなのか、ということを知れるわけです。自分が着ている服のデザインのポイントを知らないというのも、よくよく考えると恥ずかしい話じゃないですか。既製品のスーツだと、いくら購入してもそういう細かい部分を理解しづらい。オーダーしてみると、結構ちゃんとわかるようになります。

まぁそういうわけで、吊るし(既製品)のスーツよりオーダーしたほうが今はお得だよねという話でした。オーダーが既製品の2倍とか3倍するならまだしも、吊るしより安いくらいですからね……。時間がかかるという一点だけはどうしようもありませんが、それを除けば負けてるところは無い気がします。あえていえば、誰が見てもかっこいいと思えるデザインで作られている(貧相な体型にあわせちゃうとスーツがダサくなるかもしれない)のも欠点かな? でも、そこまで気にする人いないでしょ、たぶん……。

鎌倉シャツのススメ。

※この記事書いててそもそもの前提として、鎌倉シャツが近所に無いぞって話になりそうだと思ったんですが、私の行動範囲だと秋葉原のつくばエクスプレス側、アキバ・トリムに店舗があります(アキバトリム店)。駅近いしアクセス良好でオススメ。
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私は仕事が基本スーツなのですが、見た目的にもスーツを休ませる意味でも、あんまり毎日同じスーツではいけないよなぁとか、それにあわせてネクタイどうすっかなぁ、みたいなことをそれなりに悩んだりします。ただ、シャツはあんまり悩まない。理由は簡単で、基本白で良いと思っているから。

白シャツって便利なんですよ。まず、どんなスーツ、どんなネクタイにも合う。白シャツでダメな組み合わせって基本無いと思っています。そして、清潔感があっておしゃれな雰囲気も出せる。若い人は、結構色柄の入ったシャツを着ていますが、スーツやネクタイにあわせきれておらず、とっちらかった印象になっている人が凄く多い。そもそも、スーツ用じゃねぇだろみたいなシャツ着てる人いますしね。黒系とか、「ホストかよ」って裏で陰口叩かれてるかもしれませんよ……。

まあサックスブルーとかは全然アリだしおしゃれ度高そうに見えるんですが、冬場のカラーリングが難しいじゃないですか。ピンク系も定番ですが、これはホントに似合うかどうかのハードルが高い。そうなると、春夏秋冬いつでも無難で、TPOも選ばずに着られる白こそ最強なわけです。

というか、そもそも仕事にそこまでのおしゃれ感いらないと私は思っていますしね。何よりも清潔感が大事。そういう視点で見ても白は強い。もちろん、シワだらけよれよれじゃあ話になりませんので、きちんとアイロンかけてることが前提ではありますが、パリッとした白いシャツを着ていれば、おおよそどんな人でも「あ、ちゃんとしてるな」という印象を与えられるでしょう。

ってなポリシーで、ひたすら白シャツを着回しているんですが、そうなるとちょっと質とかにもこだわりたくなってきます。んで、シャツもオーダーとかしちゃうわけですよ。3着作っておけば、週に2回着用するとして、年間100回。夏場とか休みの間は着ないことを考えると、70回くらいかな……。まあ1年半~2年は洗濯しながら使っていけます。シャツは消耗品ですから、ダメになるのは諦めるしか無いですね。

オーダーシャツ、割りとお手頃な価格のが多くて数年前は1着4000円くらい(3着12000円とか)で作れたのが、今はだいぶ値上がりしてきました。6000~7000円くらいが標準的かな? それでも百貨店とかで高いシャツ買うくらいなら、身体にあわせて作ったほうがずっと見栄えも物持ちも良いのでオススメです。シャツにそんな金だせんわということなら、完全消耗品と割り切って1000~2000円くらいのアウトレット品で済ますのもアリですけど。

んで、お手頃オーダーシャツ業界で評判が高いのが、メーカーズシャツ鎌倉(鎌倉シャツ)。縫製が非常に優れていて、質もコスパも良いシャツでした。過去形で書いたのは、値上がりによってコスパはそこまででもなくなったから。鎌倉シャツでちょっと良いの1着作る値段で、コルテーゼとかファブリックTOKYOとかダンカンで2着作れちゃうからなぁ……。

とはいえ質は凄く良くて、ブランドの知名度も高い。靴ならREGALじゃないですが、日本の一般的なのビジネスマンが、「ちょっとこだわった」装いをしたければ間違いないのが鎌倉シャツ。その鎌倉シャツが、「初めてオーダーする人」に向けて、店舗限定ですが、パターンオーダーのフェアを昨日(2月1日)から開始しています。1着が税込み1万円を切るというのを安いと感じるかどうかは微妙なところですが、一張羅的な位置づけにするならまあ、高くはないんじゃないかなぁ?

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▼「【パターンオーダーシャツ】店舗限定「初めてのオーダーシャツ」フェア開催!

いつもメーカーズシャツ鎌倉をご利用いただき、誠にありがとうございます。
2023年2月1日(水)から12日(日)まで、
店舗にて「初めてのオーダーシャツ」フェアを開催いたします。

パターンオーダーシャツを初めてご利用の鎌倉シャツ会員様限定で、
対象生地を特別価格1枚8,900円+税にてご提供いたします。
詳しくはスタッフまでお尋ねください。

■開催期間:2023年2月1日(水)から12日(日)

■価  格:対象生地のご注文につき1枚8,900円+税(税込9,790円)
※購入枚数の制限がございます。(おひとり様2枚まで)

■対象生地:
白・ブルー系のベーシックな無地・織り柄・ストライプ等 16種類

■納  期:約2~3週間
※ご注文の状況により、納期が遅れる場合がございます。納期予定はこちら
※フェア品番のご注文納期は、翌営業日の設定となりますので、ご了承くださいませ。

■開催店舗:
日本国内の メーカーズシャツ鎌倉 全店(海外店舗を除く)
※土日は混雑が予想されます。店舗ではお待たせする場合がございますので、予めご了承くださいませ。
※オンラインショップ・海外店舗では適応されません。

■注意事項:
※本フェアは総受注数を2,000枚までとさせていただいておりますため、
ご注文数が上限に達した場合は、フェアを前倒しで終了させていただく可能性がございます。
選べるのは、綿100%の定番生地のみ。一度でも鎌倉シャツで作ったことのある人は対象外になってしまいますが、初めての人が定番のシャツをお試しで作るには良い機会なのかなと。私の聞き間違いでなければ、1回で2着まで注文できます。

鎌倉シャツはオプションが無料なので、既製品だと無いだろ、みたいな仕様にもできるのが嬉しいです。初心者がそんなオプション使うのかって言われると微妙ですが、既に他のところでオーダー経験があって、鎌倉シャツはちょっとお高いからと敬遠していた人でも挑戦してみる機会にはなりそうです。さすがにカフスとかの仕様は今どき流行らんでしょうけど、襟をワイドにしたり、ボタンをフライフロントにしたり。それなりに自由度は高いと思います。

一度作ってみると、既製品との違いも分かってきます。店舗でヒアリングしてもらうと、洗濯での伸び縮みとかも計算してサイズ提案してもらえますし、それだけでも今後、既製品を買う時に、より自分に適したサイズ感で選べるようになります。今後もオーダーを続けるなら、1回・2回と微調整を加えていって自分にピッタリのところを探していく作業も楽しめる。そういう入り口として、今回のフェアを利用してみるのも良いんじゃないかなと思います。成人式はもうおわっちゃったけど、大学の卒業式とか、会社の入社式用に作るのはアリかもしれませんね。

私は別に鎌倉シャツの回し者ではないのですが、いいものを紹介するのは宣伝乙と言われてもまったく気がとがめないし、やっぱり日本のものづくりの中で、良いものを作っているところには頑張って欲しいという思いもある。というわけで、キャンペーンやってますよというお話でした。

背抜きと総裏の話。

行きの電車の中のビジネスマンがスーツの話をしていて、「冬は総裏、夏は背抜き」みたいなことを言っていたんですね。ネット全盛期のいまは、ちょっと検索すればこの知識が微妙に違うということはわかるはずなのですが……みたいな蘊蓄でも良いのですが、この総裏と背抜きの話、スーツ店の店員さんに聞いたり、アパレル勤務の友人や、職人やってた叔父とその娘に聞いたりして得た知識をもとに、知っていると便利な必要最低限のことを書いてみます。自分のメモもかねて。(以前にも書いた記憶がありますが、アップデートされたので)

まず、背抜きと総裏とはどういうのかというと、見た目的にはこういうのです。

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要するに背中の裏地がついてるか否かですね。ついてれば総裏、背中の裏地がなければ背抜きです。わかりやすい。

で、これが「夏用・冬用」の目安にされるというのは、裏地=保温のため、という考え方によります。冬は暖かいほうが良いので総裏。夏は涼しいほうがいいので背抜き、というわけ。一説によれば、大丸のパターンオーダー「TROJAN」が大々的に取り入れて日本で流行したようです。まあ、夏にクソ暑くて湿気が高い日本にはあっていたのでしょう。見た目的にも涼しく見えますしね。

ただ、仕立屋さんからすると裏地というのは「生地を守る」のが第一。裏地がないと、生地が直接身体にあたるので傷みやすい。しかも汗も吸い込むから余計です。デリケートな生地であればあるほど裏地はつけた方が良い、というのが生地屋さん的な感覚なんだそうです。だから、夏でも冬でも総裏がおすすめだし、実際イギリスなんかでは総裏が基本であると。夏の気温が日本と全然違うイギリスと比べられてもなぁという感じはしますが。

他にも、「着心地を良くする」とく目的がある。まあ袖の裏地とかってあきらかに腕を滑らせるためにありますしね。ただ、それなら背中は関係ないんじゃないかなぁと思います。主な目的はやっぱり、生地の保護かな?

しかしそうなると、スーツを使っていて背中がどれほど傷むのかという問題が。ぶっちゃけ、袖や肘ほど傷まないんじゃないでしょうか。だとすれば、生地の保護というのは気休め程度と割り切ることもできそうです。

話はかわって、本来「総裏と背抜き」が夏冬の基準ではなかったのだとしたら、スーツの本場では何をもとに季節をわけているのか、気になりません? それがどうも、生地の目付(重さ)なんだそうです。目付が重い(280ぐらい~?)の生地が冬用。目付が軽いのは夏用、というわけ。目付って何やねんというと、要するに生地の打ち込みの密度のことで、目付が重い=生地の目が細かい(密度が高い)。そのぶん風を通さないし保温性も高いので、冬に向いているというわけです。

そして、日本のスーツメーカーは、おおむね夏用の生地で背抜きのスーツを作り、冬用の生地で総裏のスーツを作っています。だから、日本の既成スーツに関して言えば、背抜き=春夏向け、総裏=秋冬向け、という認識で間違っていないしそのほうがわかりやすいというわけですね。

ただ、以上のようなおおざっぱな知識があると、スーツをオーダーする際には少しバリエーションに変化をつけられます。

たとえば、目付が少し重めの生地(フランネルみたいなガチの冬用生地ではなく)を使って背抜きを作るとか、春夏の生地を使って総裏を作れば、オールシーズン行けるスーツができるでしょう。特に、質の良いウール100%生地を使っている場合は、春夏のつもりでも総裏にして生地を守る、という考えがよさそうです。

もっとも、見てる側に同じような知識がなければ、「あの人夏なのに冬用のスーツきてる……」とか「冬なのに背抜きのスーツとかバカじゃない?」みたいに、季節感がない人だと見なされる可能性もあります。ビジネスウェアとしてのスーツは「見られてナンボ」みたいなところもあるので、周囲がその辺気にするようなら、あんまり知識先行で「常識」から外れたことはしないほうが良いかもしれません。

というわけで結論。日本の既成スーツにおいては、春夏=背抜き、秋冬=総裏で間違ってないということで良さそう。そっから先のごちゃごちゃした話は所詮自己満足なので、スーツ屋さんに何を言われてもまずこれを基本として押さえておくと便利だと思います。

秋葉原アトレの「ワルツ」が閉店した話。

知る人ぞ知るお店、ということになるのでしょうか。秋葉原アトレ1の2階に、「ワルツ」という靴磨きのお店がありました。セレクトショップ「デフリュール」の店舗の一部を間借りするようなかたちで営業していた、人が2人入ればいっぱいになる小さなお店ですが、10年前(2011年)からある老舗です。

有名なシューシャイナー(靴磨き師)松室真一郎氏の弟子筋に当たる方が常駐しており、今のかたは2代目だったと思います。結構若い方。

当初は税込み1000円だったスタンダードコースがいまは税別1500円(税込み1600円)に値上げされていましたが、サフィールの高級クリームで丁寧に磨いてくれ、10分ほどで靴がピッカピカになるのはとても気持ちよかった。あと、靴の呼吸を妨げない(ワックスで光らせない)やり方も好みでした。光らせることより、栄養補給をして靴のメンテナンスをすることに主眼がおかれているというか。

路面の靴磨きだと他には有楽町駅前の「千葉スペシャル」か、上野御徒町の「石塚」を時々利用しますが(ガチのメンテならブリフトアッシュ)、ワルツはアクセスが良くサービスも満足度が高いので月に1度か2ヶ月に1度は行くくらいに気に入っていたお店でした。ところが、今日訪れてみると閉店していたのでビックリ……。

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お店の人にたずねると、事故とか不幸があったとかではなくワルツのスタッフの方のご都合によって今月の20日に閉店したということで少し安心はしたのですが、新年度に向けて最後の磨きをしてもらえばよかったと後悔しています。しょんぼり。

代わりの似たようなサービスが投入されることはおそらくない、ということでしたので、秋葉原で靴を磨こうと思ったらヨドバシのところにあるミスター・ミニットか、つくばエクスプレスの改札前にあるリアットしかないですかね……。他にあればぜひ教えて下さい。

事情ははっきりとわからないのでいい加減なことは言えません。ただ、これもコロナの影響なのかなと疑ってしまいます。ぐぬぬ……。大きいお店が潰れたというわけではないにしても、10年間続いていた、目立たないけれど素敵なサービスが失われてしまったことを残念に思ったのでした。

ハンズフリー靴の話。

NIKEが開発したハンズフリーのスニーカー「フライイーズ」のリニューアル版が今年発売になるようです。かかとを踏んづけることでソール部分が屈曲し、容易に着脱できる構造。なるほど、こういうアイディアもあるんだなと感心しました。

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▼「ハンズフリーで脱ぎ履きできる、新型シューズ「NIKE GO FlyEase」の“履き心地”とは。脳性まひの青年がきっかけで誕生した技術「フライイーズ」が進化」(MELOS)

 フライイーズ テクノロジーがどのようにして生まれたのか。少し振り返ってみたいと思います。フライイーズ テクノロジーの開発は、脳性まひによって手足に障がいがある青年からの手紙がきっかけになったといいます。

 その手紙には「私の夢は、毎日誰かにシューズの紐を締めてもらわなくてはいけないという心配をせずに、自分の好きな大学に進学することです。私はこれまでずっとナイキのバスケットボールシューズを履いてきました。歩くために足首の支えが必要なので、このタイプのシューズしか履けないのです。16歳になり、私は自分一人で洋服を着ることはできますが、今でも親にシューズの紐を締めてもらわなくてはなりません。自分で自分のことを全てできるようになりたいティーンエイジャーとして、これはとても不満に思うと同時に、時に恥ずかしくも感じています」と書かれていたそうです。

 手紙を受け取ったデザイナーのトビー・ハットフィールド氏は、手紙を書いた青年の要望にかなう試作品を開発して青年に届けました。それが2012年のことです。

 それから3年後、2015年にフライイーズ テクノロジーを搭載したバスケットボールシューズ「レブロン ソルジャー 8 フライイーズ」が発売され、以降、片手、もしくは手を使わずに脱ぎ履きができるシューズは、多くの人をサポートしてきました。

Twitterによると、実際の動きはこんな感じ。




私は革靴大好き、紐靴大好きの人間なので、「靴はきつく紐を結べるのが良い」「足がぐらぐら動かないほうが靴擦れしなくて良い」という好みで靴を購入します。しかし、間違いなく紐を結ぶのは面倒だし、膝や足、手の状態によってはしゃがんで紐を結ぶことができないのもわかります。じゃあスリッパが良いかというと、記事にあるように、かかと・足首のホールドがないとうまく歩けないという場合もある。そういう人にとってはこのタイプのスニーカーはなるほど福音でしょう。

また、日本人は紐靴でもあんまり紐をほどいて履かないイメージがあります。実際、REGALの靴がかかとを大きめにしているのは、紐を結んだまま着脱がしやすいようにだという話もあったりするくらいですから、革靴ですら紐を結び直さない。いわんやスニーカーをやというやつで、紐を結んだままの靴に指を入れて(靴べらですらない)履いたり、つま先を地面にとんとんしながら履いたり、下手をするとかかとを踏みつぶして無理矢理足を入れたりする光景をしょっちゅう見かけます。

それを思うと、機能面ではこういう靴って凄く日常生活の中で向いている靴という感じがする。ただ、逆に言えば紐靴でも無理矢理ハンズフリーにしている人が多いので、あえてこの靴でなくても良い、ということになるのかもしれません。

個人的にはお値段的にも1足買って試してみたいんですが、日本で大流行、という感じにはならなさそうなのでセールにかかるのを待とうかな……。

防寒具のダウンとフェザーの違いの話。

寒がりな私は冬になると毎年、「どの防寒具が一番あったけーんだ……」と思います。もちろん1つ1つのアウターに特性はあるので「これが最強です!」という解答はないのですが、一般論として素材による防寒の度合いというのは存在しています。

数ある防寒具の中でも最強と言われるのが「ダウン」。なんせ冬登山の猛者が纏うのもダウンだと言いますから(軽さもあるのかもしれませんが)、その保温性能は折り紙付きです。
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上は最近流行っている「カナダグース」のダウン。10万円オーバーのくっそ高いダウンです。暖かさの基準となるFP(フィルパワー)は、625、675、750、800のラインアップ。一般的には600FP~700FPが良質、700↑のFPが高品質とみなされているようです。

十何万もする高いダウンでなくても、そこそこのお値段でかなりFP高いのあります。しまむらのダウンとか、4,000円くらいで800FPとかいう話ですから……。

話は変わって、最近は「ダウン」と言っているけれど名前だけダウンジャケットが結構あります。これは暖かさが違うので注意してください。

いや、ダウンに種類なんてあるの? と言われそうですが、あります。そもそも「ダウン」というのは鳥の羽毛のこと。ですが一般に「ダウン○○○」と呼ばれる商品の中には、中が羽毛ではなく化学繊維や綿を使っているものも少なくありません。たとえば無印良品の「ダウンベスト」は中綿がポリエステル100%だったりします。こういうのはダウンを使っていないのですから「中綿ジャケット」なり「中綿ベスト」なりと呼ぶのが正式なのでしょうが、今はあまり気にせず「ダウン○○○」と呼んでいるようですね(中綿ジャケットには中綿ジャケットの良いところがたくさんあるので、ダメという話ではありません)。

ちなみに鳥の羽毛を使っているものの中でも、「羽根」であるフェザーとの比率には注意が必要。ダウンの比率が高いほど温かいのは言うまでもありません。90%くらいになるとすごくあたたかい。ダウン70%くらいあると良い感じと言われます。布団だと「高級羽毛布団」と「高級羽根布団」というのがあってどっちも似たような名前なのに値段がぜんぜん違うぞ……? ということがあるのですが、「羽根布団」というのは羽毛(ダウン)ではなく羽根(フェザー)が50%以上のもの、ということです。暖かさもだいぶ違うので、注意が必要かもしれません。

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※参考:「羽毛布団リフォームサービス

ちなみにダウンを使っていないタイプの中綿ジャケットは、ダウンと比べれば保温性に劣ります。ただまあ、使った感じはふつうに温かいです。真冬で氷点下とかじゃなければ全然イケる。

あとダウンと違う良いところとして、まず濡れても保温性が落ちません。次に毛が飛び散らない。セーター着た上にダウン羽織ると、毛がついて大変なことになる場合がありますからね……。また、電車や建物の中で暖房がガンガン効いている都市部では、ダウンだと保温性が良すぎて室内でのぼせるときがありますが、中綿ジャケットはそのへんもクリアーできます。

ただ、暖かさを追求するならやはりダウンが良いかなぁと。

個人的には、ユニクロのウルトラライトダウン系が好きです。ウルトラライトダウンジャケットはダウン90%、フェザー10%。ウルトラライトダウンベストはダウン95%のフェザー5%だったかな。ウルトラライトダウンは「640フィルパワー超」です。

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参考:「CAMP HACK

アウター単体としての用途を考えると心もとないのですが、インナーとしての用途が神。ダウンの欠点って濡れたときの保温性が低下することなので可能ならダウンの外側にアウターを着たい。ウルトラライトダウンなら、外側にコートを羽織ってビジネスにも出かけられるんですよね。モンベルのダウンも良いんですけど値段が倍以上違うのと、外にもう1枚羽織ると暖かくなりすぎるのでユニクロが適性ライン。

東京程度の寒さでそんなに対策しなくてもと言われるかもしれませんが、寒いものは寒いですし、コロナの影響が懸念される中、温かい格好ができるのは悪いことではないでしょう(体温が低下すると免疫力も下がりますし)。今日は東京も激しく冷え込みましたし、風邪などひかないようお互い気をつけていきたいですね。

秋葉原近隣でスーツをオーダーする話。 その3

第3回です。今回は、おそらく初めての方が最も悩むであろう、スーツの各種オプションについて。私自身が最初に戸惑ったことや、「これはいらんかったな」と思った経験などをもとにしたあくまで「初心者向け」の(しかも割と安く済ませようという人に向けた)おすすめであって、オーダー中級・上級者の方からすれば「それはちょっと」というところもあるかもしれませんがご容赦ください。

このシリーズ、「スーツを買おう/作ろうと思っている人にはそれなりに有用な話にする」、というコンセプトで書いてきましたが、結構ご好評頂いているようで個人的には嬉しくε-(´∀`*)。個別メッセージとか久々に頂きました。ありがとうございます。

その1→こちら
その2→こちら

オーダースーツを作る気になった、店も選んだ。さあ行こう! と行ったあとで最も悩むのがスーツのディテールです。初めて、ないしはそれに近い状態でスーツをオーダーするときの基本的な考え方として、私が最もしっくりくるかなというものをご紹介しておきます。基本軸と知識があれば、あとはご自分の好みにあわせて微調整ができると思いますので。

最初に、オプションはほんとうにいろいろあるしお店によっても違います。ですから、最低限押さえておくべきこと+押さえておくとお得なことに絞って(それでも結構長くなりそうですが)ご紹介します。
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あと、初心者向けということもあるので、余計なものはつけません。たとえばベストつけて3ピースにするとか2パンツにするとか、そういうのはナシ。上下セットのスーツを1着、できるだけお安く、というコンセプトです。先に言っておくと、パンツの折り目加工以外有料オプションは考えていません。そして、こういうのを考えるのが面倒な人はONLYのミニマルオーダーかThe Suit Companyで仕立てると、選択肢が制限されているおかげで悩まずに済みます。

では、ざっくり見ていきましょう。


1.スーツの色・柄
ハッキリ言って用途に依ります。礼服としても使うつもりなら濃紺無地1択です(ただ、お葬式用ならまっ黒にしてください。柄ダメ、光るのもダメ。ここでいう礼服なりフォーマルなりというのは、どちらかというとハレの舞台を想定しています)。その他ある程度改まった場面での使用を想定しているなら、下のようになるでしょうか。

★5 :濃紺無地
★4 :紺無地(ちょっと明るめ。ライトネイビー)
★3 :紺のシャドーストライプ/シャドーチェック(いわゆる織柄)
★2 :チャコールグレー/ダークグレーの無地、紺のストライプ系
★1 :その他

一方、ビジネス等での普段遣いやお店でちょっと接客する、子どもの授業参観で人前に行く……みたいな用途で考えている場合はちょっと変わります。

★5 :紺のシャドーストライプ/シャドーチェック
★4 :紺のストライプ系
★3 :濃紺無地、紺無地、チャコールグレー/ダークグレーの無地
★2 :黒のシャドーストライプ/シャドーチェック
★1 :その他

要は、紺の単色系選べば間違いないということです。

なにせ日本のビジネスシーンにおいては紺(暗めの)が基本。世界でもこんなに紺が好き(ギャグじゃないですよ)なビジネスマンいるのかってくらい紺まみれです。シンプルで使っている糸の色は少ないほうがフォーマル感がありますが、織柄までは「無難なオシャレ」として許容される雰囲気があります。ちなみに「織柄」というのは、糸の色を変えるのではなく織り方を変えることで模様を作っているやつです。

こういうのが織柄(シャドーストライプ)
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下がふつうのストライプ。糸の色が変わっていますね。ストライプ柄はフォーマルなほうですが、色を多く使うぶん洒落っ気のある装いとみなされます。ちなみに線の太さによってペンストライプとかチョークストライプとか呼び方が変わりますけど、まあストライプで良いと思います。
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シャドーチェックのスーツとかは遠くで見るとちょっと光沢感があって、近づくと模様が入っているのがかなり小洒落た印象を与えてくれると思います。
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あと、これはちょっと余計な情報かもしれませんが、ガチの無地はかなり素材の質感が出ます。ポリ混紡で本当の紺無地にすると、化学繊維独特のテカリみたいなのがはっきりと見えて、まあそういうのが結構好みだという人もいるので一概には言えませんが、一般的にはちょっと安っぽさが出る、と言われています。

仕立てあがると生地の段階より光って見えるものが多いので、生地を見て「綺麗だなー」と思ったポリ混紡生地が、仕立ててみると思ったよりテカテカしてるのって最初の頃結構あったんですよね。ハッキリとした織柄を入れないタイプの無地を選ぶなら、素材はウール100%が無難かもしれません。まあ、私はあんまり気にしないんですけど(笑)。


2.生地の素材
これも用途によります。普段遣いで激しく使うなら、ウールポリ混紡が良いです。何ならちょっとポリエステルが多めのほうが丈夫ですね。もうこの時点で「スーツ通」の方々の好みからビンボール気味に外れてると思うのですが事実としてそう思うので。

お店(特に吊るしの)に行くとウール100%が高級なもの、「良い」スーツの証ということを言われます。あと、番手が上(super120'sとかいう表記です)のやつが「良い」と。ただ、その「良い」っていうのは誰にとってどんなふうに「良い」のかって話ですよ。少なくとも、初心者にとって使いやすくて良い、という話ではありません。

まあウール100%は高価だし、軽いし通気性も保温性も良い。あと見栄えも良くて分かる人には分かる高級感が出せる。そういう良さがあるのは間違っていないのですが、ポリ混紡にはまた別の良さもあるし、ウールの欠点というのもあります。

実際、リュックを背負う人はウール100%やめたほうが良いです。肩と、リュックのあたる腰の上がすぐ擦り切れます。いやこれホントにお店であんまり言われないんですけど、高品質のウールって擦れに弱いんですよ。価格と耐久性が反比例する感じ。糸が細いんだから当然といえば当然なんですが、super130'sの細番手のスーツ着てリュックとか背負ってるとワンシーズンでつるつるです。まあだから、いないと思いますけど、お高いスーツ着て性行為とかもやめたほうが良いと思います。

あと、ウールは連投にも弱いので1度着たら2、3日は休ませる。できれば週に1回か2回の登板にする。使うたびにクリーニングに出したりせず、1シーズンに1回くらいでとどめる(クリーニングに出すとスーツは熱で傷みます)。ついでに虫さんはウール大好きなので、きちんと管理しないとすぐ虫食いの被害に遭います。そういう管理がちゃんとできないなら、最初はポリ混紡のほうが向いていると思います。

一方、ポリ混紡の素材は丈夫な反面、重いし、硬いし、経年劣化も早いです。特に最後のが厳しくて、天然素材のウールは経年「変化」という感じで味わいが出てきますがポリ混紡は単純に色あせたり生地のコシがなくなってヨレヨレになり、場合によっては破れやすくなり、まあ3~5年でおさらばという感じですね。年に1~2回しか出番のない礼服をポリ混紡で作ると、全然使わないうちにおシャカということもありえるので、こういう場合はウール100%(もしくはウール・シルク混紡とか)をおすすめします。

あとは、ストレッチ素材とか抗菌素材とかありますが、ぶっちゃけいりません。抗菌素材なんて効果まったく見えないですし眉唾だと思います。ストレッチは、確かに動きやすいところもあるんですがやっぱり「伸びる」んですよ。フツーに。だから、せっかく身体にあわせて作ったのに何度か着ているうちにダボッとしてくる。特に肘とか膝周りですね。型くずれするとだらしなく見えるので、最初ちょっときつめに作るとかそういう工夫が必要になります……が、高いお金払って(ストレッチ系素材はちょっと料金高めになります)そんなことするくらいならストレッチ素材にしなけりゃいい話ですよね。

長くなったのでまとめると、普段遣いならウールポリ混紡、改まった場面のみの登板になるならウール100%。ただ、そこそこ登板数多くなりそうでも紺無地とかにしてちょっと高級感出したいならウール100%もありかなと思います。

あと、春夏用か秋冬用か3シーズンか、みたいな話がありますがこれはもうその時々ですね。私は3シーズンが好きなので(というか夏はクールビズでスーツ着ないから)そればっかり選んでますが。


3.スーツの型
スーツの型はぶっちゃけ自分の身体との相性が第一。あとはお好み次第だと思います。細かく見ればなで肩とかいかり肩とかでシルエットがだいぶ変わる場合もありますので、まずはお店の人に相談。これがベストです。お店によっては肩パットが最初から入っているところとか、逆にパットを入れられないところもありますので。

また、スポーツをやっていたとかで胸板がめっちゃ分厚いとか、二の腕が太いとか、ふくらはぎが発達しているとか、いろいろな特徴があると思いますので、最初からこれ、と決めていかずにフィッティングでお店の人に選んでもらいましょう。何度かオーダーチャレンジして、自分の好みが出てきたらそれに合わせてもらう、で良いのではないでしょうか。


4.ジャケットの仕様(ボタン)
まず前のボタンですが、シングルの2ボタンにしましょう。ふつうがいちばん。

シングルかダブルかについては、よほど改まった場面に出るのでなければシングルで良いと思います。ダブルブレストは安くない追加料金取られるところが多いですし、作ってもあんまり出番はありません。ふだんのビジネスにダブルのスーツはちょっと気取りすぎの感じがしますしね……。

んで、ボタン。1ボタンはかなり特殊です。かなりカジュアル寄りのはず。
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段返り3ボタンは、こういう、1番上の襟の裏に3つ目のボタンが入ってるやつ。
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左の襟のところにボタンホールが見えるので、段返り3つボタンのスーツだなと分かるようになっています。
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おしゃれだとは思うんですけど、アメトラの仕様です。いまの日本のスーツは基本、イギリスかイタリア仕様が多くてまわりのグッズもそういうののほうが揃えやすい(特に靴)ですし、あとアメリカ人のような高身長でガッチリした体型の人のほうが似合う仕様です。何か特別なこだわりがないなら、最初は2ボタンで参りましょう。

袖口は、フォーマルなら3つボタン。ビジネスなら4つボタン……と言われますが、まあどっちでも良いと思います。だいたい、他人の袖のボタンの数数える人なんてよほどの暇人です。
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参考画像:「【テーラーが解説】スーツの袖ボタンの数を変える、本当の意味とは?

本切羽(ほんせっぱ)という、実際にボタンを留めるかたちにするのがオーダースーツの証だ、などという説もありますが、個人的にはここらへんマジでどうでもいいと思います。悪く言うつもりはありませんが、本切羽にするのは追加料金がかかる場合がほとんどなので開き見せで良いでしょう。
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重ねボタンにするか並べボタンにするかは、並べボタンが良いと思います。理由は2つ。まず、一部の店舗では重ねボタンにすると追加料金が発生するから。もう1つは、重ねは「イタリア風のオシャレ」であってかなりカジュアルな感じになるのでフォーマルな場に適さないから。要するに、ビジネスなりフォーマルなりで使う時に制限がかかりやすくなります。結婚式の二次会専用のオシャレスーツとか作るときなら良いかもしれません。

あと、ボタンの種類についてですが、無料のボタンで構わないでしょう。色は、ジャケットが濃い色なら同系色のちょっと薄い色。逆にジャケットが薄い色なら同系色のちょっと濃い色か、黒。オーダースーツをすると、天然素材のボタン(主に水牛)を勧められますが、初心者が手を出すのはやめたほうが良いと思います。

まず、高い。ボタン10個とか15個で1000円とか1500円とか、払おうと思いますか? 次に、なくしたときが大変。天然素材なので換えが効きません。似たような色・模様のを探すだけで一苦労です。その店、プラスチックボタンだとまったく苦労がありません。最後に、これを言ったら身も蓋もありませんが、ボタンなんてほとんど誰も気にしません。果てしなく自己満足でしかない世界です。オプションセットとかで水牛釦にできるならして良いかもしれませんが、そうでないならわざわざ選ぶ意味は無いと私は思います。……ただ、私の友人は結構水牛釦好きで作っているんで、オーダー好きの人はこだわりたいところなんでしょうね。

私は水牛釦をあえて選択したことが一度もありません。ホントにフォーマル用に作ったやつだけ、下品な光沢を抑えるために水牛ボタンにしましたがあんまり効果は実感できてないですね……。


5.ジャケットの仕様(ベント)
ジャケットの後ろの切れ目のことを「ベント」と言います。一般的には三種類。センターベント、サイドベント、ノーベントです。

フォーマルな場面でしか使わないスーツならノーベントが良いでしょう。ただ、フォーマルと言ってもほんとうにパーティーとか式典とかそういうレベルのフォーマルです。ちょっと偉い人に会いに行く、とかだとノーベントは気取りすぎの印象があります。

センターベントとサイドベントは、まあどっちでも。好みの問題ですね。
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一応、センターベントがアメリカ流、サイドベントがイギリス流みたいなこと言われますが、いまそこまでハッキリした区別ないんじゃないかなぁ……。サイドベントのほうがちょっと動きやすくて、座るときとかにシワがよりにくいってのはあると思います。あと、既成のスーツはセンターベントが多いので、サイドベントだとちょっとだけオーダー感出るかな? というくらい。


6.ジャケットの仕様(襟とポケット)
ポケットは基本、フラップでまっすぐか斜め(スランテッド)かの選択になると思います。フタがついていないアウトポケットはかなりカジュアルになるので、「仕事用」で考えている今回は除外。
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角度がついたスランテッドのほうが、腰回りが細く見えやすいです。ただ、フォーマルな場面ではまっすぐなポケットが基本となります。あと、スーツの丈を短くすると斜めポケットは下が窮屈に見えてしまいますね。というわけで、原則まっすぐのポケットが良いと思います。ただ、ちょっとオーダー感が出せるのとさっき言った腰回りがスマートに見えることを考えると、スランテッドも悪くないんですけどね。

チェンジポケットは、有料ならまず却下。brefみたいに無料ならつけてもいいかなレベルですけど、知らない人からしたらポケットが増えてる変な服と思われかねないので、「イギリス風のトラディッショナルなスーツにしたい」みたいなテーマ的なこだわりがないならナシが無難です。

スーツの襟(ラペル)はノッチドラペル(ふつうの襟)でいいんじゃないかなと思います。下の画像の上側です。下側のラペルはピークドラペル、あるいは剣襟なんて呼ばれます。襟の切れ込み部分、デカいほうが上向きにとんがってますよね。
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ピークドラペルはもともと、フォーマルな場面とかダブルブレストとかそういうかなりかっちりしたスーツの襟だったようですが、最近は「オシャレ」としてシングルにも取り入れる人が増えてきたようです。スタンダードからはずれるので既成のシングルスーツではまず見かけませんし、ちょっと華やいだ感じもあってオーダーならではのオシャレという感じはするのですが……ぶっちゃけ、スーツの襟をそんなに気にする人いないですよね?

分かる人からすれば、シングルスーツの襟をピークドにしていることが「おしゃれ」ととられるか「キザ」と思われるかはわかりません。ファッションとして浸透してきたというレベルにも感じませんので、古風な考えの人なら批判的に見てくる可能性大。そういうリスクを考えると、あえてピークドにする意味はないでしょう。


7.ジャケットの仕様(裏地)
素材は、よく「キュプラが良いです」と言われます。まあ良いんですけど、追加料金かかる場合がほとんどだし、そこまで着心地に大きな影響がでるものでもないので初心者があえて手を出す必要はないです。ポリエステルで行きましょう。以上。

色は、特段の好みがなければボタンと合わせるのが良いと思います。表地が濃い色なら、薄めの同系色。薄い色なら濃い目の同系色。んで無地。柄を入れたいなら、ヘリンボーンかドットですかね。まあ裏なんで誰も見ないし、ちょっと派手な色(ネイビーならワインレッドとか)を選ぶのもオシャレだし、「オーダーっぽい」感じはするんですけど最初は無難なので良いのかなと。よく履く靴の色が決まっているなら、靴の色に合わせるというのもありますけど黒になっちゃったらアレですし。こんなこと言ってますが、私は紫が好きでしょっちゅう紫をチョイスしてます(笑)。

あとオーダーの場合必ず、総裏か背抜きか、という選択肢が出てきます。これは、基本総裏をおすすめします

これが背抜き。背中のところの裏地が抜けています。軽く、通気性がよくなります。
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こっち総裏。
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最近は情報発信が多くなり、「誤った認識」は正されていますが、いっときは「背抜きは春夏用のスーツ、総裏が秋冬用のスーツ」と言われていました。私の職場でも、ファッションに詳しい女性がそんなことをよく言っています。

ただ、これは既製服メーカーがわかりやすさのために言っていたことであって、もともとのスーツは基本春夏だろうが秋冬だろうが総裏。スーツのジャケットは基本裏地がこすれるので(脱いで置くときは、裏地が表にくるようにして地面に置く)、生地を傷めないという機能的な側面が大きいのだそうです。総裏と背抜きで値段は変わりませんので、それなら総裏が良いかなと思います。

あと、「台場仕立て」のオプションもあります。

この胸ポケットの部分にちょっと生地が飛び出したような感じですね。
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スーツの中でもよく擦れる部分なので補強になる……ということですが、裏だからあんま目立たないし、そもそもたいていオプション料金がかかるので、原則無視で良いんじゃないかと思います。私は基本選択しません。

ただし、「芯地」が絡んでくる場合はちょっと気をつけても良いです。

スーツの芯地というのは、表地と裏地を張り合わせるときの骨組みみたいなもので、吊るしのスーツや安価なオーダースーツだと基本は不織布とかを接着剤でひっつけた「接着芯」になります。ただ、所詮接着剤なので汗水に弱く、熱にも弱く、経年劣化もしやすいです。要するに、接着芯のスーツは型崩れしやすいスーツということになります(ほんとうは、軽かったり安かったりというメリットもあるのですが)。一方、ちゃんと天然素材の毛(馬の毛だったかな?)を縫い付けた芯地を使っているものを「毛芯」と呼びます。

ポリ混紡とかの生地で「数年でチェンジ」を想定しているなら全然それで良いというか、むしろ高い料金払って毛芯にする意味がわからないのですが、フォーマル目的で、質の良いウール100%素材を使った……なんて時には接着芯だと勿体ない(放置してるうちにヨレヨレになったりする)気もします。今回は初心者向けオーダーということなので芯地にはこだわりませんが、台場仕立てを選ぶと芯が毛芯仕立てになる、というお店は結構多いです(ビッグヴィジョンやダンカンは少なくとも)。逆に、毛芯を選ぶオプションってなかったりするので、芯を接着芯から変更したい場合には台場選べばいけるかも、みたいなのは知っておいて損しないかもしれません。


8.パンツの仕様
これで最後です。パンツの仕様。

まず、タック。タックというのは、パンツのウエスト部分の折れ目のことです。スーツの基本はワンタック。タックを入れるとスリム感が損なわれることもあり、一昔まえは「タックを入れるのはおっさん」という認識があってノータックが激はやりしていましたが、最近はワンタックも人権を得てきたようです。
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タックが入っているほうが動きやすいこともあるし、もともとのスーツのあり方としてワンタックが正道ということもあるので、足を細く見せたいとかスーツ自体を細身で絞ったとか、そういうことがなければワンタックで良いんじゃないかと思います。ただし、「世間一般のスーツのふつう」は、おそらく今もノータックよりです。そっちに合わせるのもアリかな。

パンツの脇ポケットが、斜めかまっすぐかL字かを選べる場合もあります。個人的には、絶対に斜めをおすすめします。というのも、L字やまっすぐのポケットにすると手を入れにくい。あと、肘に直線的な動きを要求されて携帯電話の出し入れが非常に面倒です。パンツのポケットに何も入れない人なら構わないのですが、何か入れる可能性があるならば斜め1択でしょう。

裾は、シングルかダブル。下の画像だと、左のネイビーがダブルで右のグレーがシングルですね。
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見ての通り、シングルのほうがスッキリ見えます。あと、よりフォーマルなのはシングル。ダブルはどっちかというとカジュアル寄りです。ガチガチのフォーマルウェアなら、シングルのほうが良いでしょう。

ただ、ちょっとパンツを短めに履く場合、ダブルにしたほうがバランスよく見える場合が結構あります。あと、グッドイヤー製法のがっしりした靴の場合はダブルのほうが映えるとか。

結局の所好みではあるのですが、ダブルにすると「スナップ式」と「縫い付け式」があって、これはお店によって違うので選べません。スナップ式のダブルというのは下のような感じで、スナップでポチッと留めてダブル加工しているんですね。
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上から見るとスナップがはっきりわかるのと、ちょっとダボッとした見栄えになるので(掃除は楽なんですが……)、個人的にはあまり好きではありません。私の場合スナップ式ですと言われたら、迷わずシングルにしています。

次に、あまり話題になりませんが「シック」。パンツで最もダメージを負いやすいのは、股の部分です。ここにあて布である「シック」を貼ることで、だいぶ補強されるんですね。

このシック、お店によって無料のところと有料のところがあります。たとえばbrefは小さいシックは無料。大きいものにすると有料だったかな……。それとは別に、パンツの裏地の素材を股のところまで伸ばしてくれたりもします(相談すれば)。ビッグヴィジョンはシック無料。

お店によって結構違うのですが、ふつうにオーダーしているだけだと特に何も言われない場合が多いので、「パンツの股の部分の補強とかできますか?」と訊ねるのが良いと思います。無料で補強できるなら、是非やっておきましょう。

最後、折り目加工。これに関しては、有料でもやっておくのが良いです。というのも、パンツの見た目は折り目で決まるからです。1000円~2000円くらいでピシッとした見た目が維持でき、かなり効果を実感できるのでおすすめです。ただし、ウールポリ混紡の場合、一般的なシロセット加工はあまり役に立ちません。繊維に樹脂を染み込ませる都合上、化学繊維だと表面で弾かれてしまうんですよね。お店によっては、「この加工はウール100%でないとあまり効果ありません」と止められます。

リントラク加工とか、スーパークリース加工と呼ばれる、折り目に樹脂を流し込むタイプのちょっとお高めの加工だと効果があります。しかも効果もだいぶ長持ち。お得お得。効果が切れた場合でも、街のクリーニング屋さんに頼めば同じ加工をしてくれることがありますし、オーダーしたお店に持っていって再加工をお願いできる場合もあります。



というところで今回はおしまいです。新春のセールを前に必要と思われる情報はこれでほとんど言ったかなという感じですが、最後はメッセージで頂いたご質問へのお答えとか、あとはお店ごとのもうちょっと詳しい情報なんかを掲載できればと考えています。

秋葉原近隣でスーツをオーダーする話。 その2

というわけで、神田~秋葉原あたりのお店でスーツを作ろう話の第二弾です。

 その1 :こちら
 その3 :こちら

今回は、「どこでスーツを作るのが良いか」の回答編になります。実際にいろんな店舗に行き、私自身がスーツを作ってみた経験が基本になりますが、一部友人のお話も参考にしました(特にダンカンとビッグヴィジョンは、それぞれ10着以上作っている人がいるので……)。

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とりあえず、私が重要だと考える各要素ごとに簡単なランキングを作りましたので、これからスーツを作ろうかなという方はご自身が重視する項目と突き合わせてみてください。

なお、今回ご紹介するのは私が実際に店舗に行き、スーツを作ったことのある12店舗。
①bref(神田)※秋葉原アトレにも店舗あり
②DIFFERNCE(有楽町マルイ)
③FABRIC TOKYO(秋葉原マーチエキュート)
④Global Style(淡路町)
⑤ONLY(有楽町)
⑥SADA(秋葉原)
⑦The Suit Company(秋葉原ヨドバシ)
⑧エフワン(秋葉原)※淡路町にも店舗あり
⑨ダンカン(神田)
⑩ツキムラ(秋葉原)
⑪ビッグヴィジョン(秋葉原)※ヨドバシアキバと神田にも店舗あり
⑫ヨシムラ(神田)

チェック項目は、次の4項目となります。
 (1)最安の価格
 (2)その価格で選べる生地の種類
 (3)スーツのできや選べるオプション
 (4)接客・店の雰囲気等


1.価格
SS :ダンカン
S :ツキムラ(3着セット)
A :SADA(初回のみ)、ビッグヴィジョン(セール時)、ONLY(ミニマルオーダーのスタンダード生地2着セット割)
=====2万円の壁========
B :Global Style(2着セット)、The Suit Company、bref、エフワン、DIFFERENCE
C :FABRIC TOKYO、ヨシムラ

「A」ランクとして、とりあえず1着20,000円を切る価格でオーダーできるお店を設定しました。そこから頭一つ安いのがツキムラ。15,000円を切るのがダンカンです。

価格については、九州出身のスーツ店「ダンカン」が最強でしょう。通常時でも他店より安価ですが、特にセール時はぶっちぎり。しかも、だいたい年中何らかのセールをやっています。HPを要チェックですね。ちなみにその中でも更にお得なセールとそうでもないセールがあります。狙い目は盆暮れとGW。

現在開催中の年末~正月のセールでは、各店舗1日5着限定ですが1着12,000円のスーツと1着15,000円のスーツがあります。意味わからないくらい安いです。前者はウール・ポリの混紡生地ですが後者はウール100%。店員さんは「これ、ファビオ(※T.G.ファビオという海外の生地ブランド。ふつうは30,000円くらい)です」と言ってました。そこまでのラインでなくても、REDAやマルラーネといったインポート生地のスーツが19,800円で作れます。そして、年末年始に関しては購入時にサイコロを振ってゾロ目が出たら割引(1ゾロ=1割、2ゾロ=2割……6ゾロ=無料)がつく。ナニソレイミワカンナイ……。

ちなみに私の友人は先日目の前で別のお客さんが6ゾロ出しているのを見たそうなので、マジで当選者はいるみたいですヨ。

とにかく単純なコストで言えば、ダンカンがぶっちぎりの王者でしょう(総合的なコストパフォーマンス、という意味ではまた別かもしれませんが)。他では勝負になっていません。生地の質も悪いものではないです。新しいものはあまりありませんが、基本海外有名ブランドのインポート生地ですからそういうクオリティです。

単体でなくセットとして見ると、ツキムラも安い。生地の制限はあるものの3着50,000円。1着あたり17,000円です。ただ、別人3人で行ってOKかわかりません(Global StyleとかはOK)。たぶんできるんじゃないかなと思いますが……。ダンカンに1人1着限定、先着5名という縛りがあることを考えると、複数欲しいという場合にはツキムラに軍配が上がります。「三着5万で朗らかに(三五朗)」つって、関西ではそこそこ有名なお店なんですけど、あんまり東京では知られていないかもしれません。秋葉原駅前、肉の万世のすぐ近くにお店があります。

その他「A」ランクには、SADA、ビッグヴィジョン、ONLYと並びます。SADAは、初回オーダー時に限り5,000円の割引が付きます。これを使って1着19,800円に。ビッグヴィジョンとOnlyはセット価格ですね。ビッグヴィジョンはペントハウス(アメリカの生地ブランド)のウール100%生地が2着39,000円。ONLYはミニマルオーダーという簡易オーダーで2着割を使えば最安で38,000円で2着作れます。

あとは2万円を超えてきますね。いやまあそれでもかなり安いと思いますが、29,800円とかになってくると既成で良いじゃん面倒くさいって感じも出てくると思いますので……。ビッグヴィジョンの親会社であるヨシムラは、いわゆる高級ラインです。一緒に並べるのはフェアじゃないかなと思いつつ一応。ちなみにですがbrefの親会社は山形屋、The Suit Companyの親会社は洋服の青山です。


2.生地の種類(※安価なプランで選べる種類)
S :ビッグヴィジョン
A :ヨシムラ、Global Style、The Suit Company、ONLY、bref、DIFFERNCE
B :SADA、ツキムラ、FABRIC TOKYO
C :エフワン、ダンカン

これは、「安い価格で買う場合に」選べる生地の種類です。お値段青天井なら、もともとが生地屋のbrefとか強いですし、The Suit Companyもものすごい豊富な量の生地を持っています。

ただ、スーツのオーダーではどの生地でも同じ値段で仕立てられるわけではなく、価格帯によって選べる生地が変わるのがふつうです。ですから、お店に生地がいっぱいあっても自分の作りたい/作れるスーツの生地はちょっとしかない、ということがあり得るわけですね。

いろいろ行ってみた感じ、低価格帯の生地が非常に充実しているのはOnlyとビッグヴィジョン。オーソドックスな無地のものからスタンダードな柄物まで豊富に揃っています。特にビッグヴィジョンは、ウール・ポリ混紡のものだけでなくウール100%の高品質のものも安くて充実したラインアップから選べます。相当お得感ありますね。この価格帯のショップの選択肢としては頭一つ抜けていると思います。

親会社のヨシムラも同様に豊富ではあるのですが、ベース価格帯が上がるのとリーゾナブルなラインはあんまり置いてないので1つ下げました。

The Suit Companyなんかは、さすが青山の系列だけあって種類は多いです。ただ、質がいまいちパッとしない感があるんですよね。ポリ混紡でスレに強いはずなのに結構簡単にやられることもあって。相性の問題かもしれませんので評価には入れていませんが、生地の善し悪しが分かる人は気をつけても良いポイントかも知れません。

逆にセール品にかなりの制限がかかるのが、ダンカンとエフワン。特にダンカンの場合、発注をかけるのではなく自社で入れているぶんをセールに出す形態のようで、安くなる生地が時々によって異なります。あと、売り切れたら終わり。必ずしも一般的な生地があるとは限らず、ぶっ飛んだ色柄しか残っていない……みたいなこともあります。逆に運が良ければ紺無地や紺ストライプ、グレー系が充実していてよりどりみどりな場合も。まあ運ですね。


3.スーツの完成度・デザイン・オプションの選択肢
SS :ヨシムラ
S :bref、ビッグヴィジョン、エフワン、Global Style
A :ダンカン、DIFFERNCE、SADA、FABRIC TOKYO、ツキムラ
B :The Suit Company
C :ONLY

私はスーツのド素人なので、正直細かい「できばえ」についてはわかりません。だから、「素人から見てわかる違い」についてのみ言います。まず「全然ダメ」みたいなところはほぼありません。どこのお店もちゃんとしたスーツが届きました。そして、それが全てです(笑)。よく「縫製が甘い」みたいな話を聞きますが、そんなもん1例や2例見ただけじゃわからないし、個人の職人さんにフルオーダーしたスーツだって割とすぐほつれたことがある(その理由もちゃんと聞いた)んで、知ったかぶりして「これこれだからこの店の縫製はダメ」みたいなことは言えないです。もちろんそういうお話は集合知として意味がありますが、私のときには全然問題なかったです、ということですね。

ただ、縫製工場が国内か海外かはある程度わかるのでお伝えしておくと、ONLYとThe Suit Company、SADAは中国工場固定です。ONLYはテーラーメイドだと国内工場なんですけどね。ビッグヴィジョン、ダンカン、エフワンは中国と国内のどっちか。選べるわけではなくて、状況に応じて変わります。ダンカンの場合12,000のラインはほぼ中国じゃないかなぁ(台湾の場合もある?)。GWのセールとかで、ふつうなら中国になるところ納期の都合で国内縫製、というパターンもあります。ヨシムラ、bref、DIFFERENCEは国内。特にbrefは山形屋系列で、かなりこだわりのある、しっかりした工場でやってると聞きました。ヨシムラの国内工場とビッグヴィジョンの国内工場は同じところです。

ツキムラは今年、中国の工場がコロナの影響で閉鎖。国内がパンクしたのでインドネシアに進出した、というニュースもあり。

 ▼「大阪のオーダースーツ専門店 ツキムラがインドネシアで縫製開始

これ以降スーツをオーダーしていないのでどんなものか未知数ですが、現地工場は経験値が物を言う部分があります。できて一年未満のインドネシア工場では仕上がりにちょっと不安があるかなぁ……というのが本音。ずっと作っていた中国や日本の工場のクオリティにすぐには追いつかないでしょう。これで今までと変わらぬクオリティのものができたら、工場の職人さんの立場がない。

あとチェックしておきたいのはスーツの形状とか、オプション(本切羽、お台場仕立て、ボタン、裏地など)に関する自由度。もうこれについてはヨシムラがぶっちぎり。ほぼなんでもアリです。もともとアイディアスーツみたいなのを作っていた名残なのかもしれませんが、フルオーダーもかくやというくらいめちゃめちゃ細かいところまで聞いてくれる。まさに神。ただ、よっぽどこだわりがある人とかでないなら気にしなくていいところではありますね……。

逆に、素人にも違いがわかりやすいのはbref。有料オプションも豊富なんですが、嬉しいことに他店ならほとんどが有料オプションになるチェンジポケットが無料でつけられます。チェンジポケットってこういうやつ。

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お釣り(チェンジ)の小銭を入れるためのものらしいですけど、実際にはあんま使いませんよね。英国風スーツの標準装備みたいなイメージがあります。間違っていたらすみません。実用的なものではないのにつけると1,000円とか2,000円とられるんで基本つけたことなかったのですが、brefで初めてつけました。

ビッグヴィジョンはスーツの「型」が豊富です。パターンオーダー(イージーオーダー)の場合、予め決められたスーツのパターンから好みのものを選ぶことになるのですが、ビッグヴィジョンはそのパターンがすごく多い。あと、6,000円の「カスタムA」オプションが優秀。本台場仕立て、本水牛の釦、キュプラ裏地にピックステッチをつけて6,000円です。まあ機能性にかかわらない部分はどうでもいいとも言えますが、セットとして「毛芯」がついてくるんですよね。しかも総毛芯(実際には8割毛芯くらいだそうですが)。縫いではなく接着の毛芯だという話もありますが、スーツの立体感と耐久性が上がるのは嬉しいところです。

ちなみに、brefとビッグヴィジョンはスーツのウエストの絞り方が上手な印象があります。スーツのスタイルや材質とか着る人の体型にもよるのでしょうが、ウェストがちょっと引き締まっているほうがかっこいい感じがすると思うんですよね。

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ほんとうはイギリス調のスーツとイタリア調のスーツとかそういう専門的な話ができたら良いのかもしれませんが私にはさっぱりわからないので、とりあえず中年太りが気になってきたオジサンとしては胴回りをきれいに細くする、あるいは細く見せられるスーツの型があってありがたいです。

エフワンも地味に行き届いたオプションがあります。スーツにこだわりのある人的に嬉しいのは、「殺し襟」(一枚襟)になっているところでしょうか。廉価なスーツは襟の部分に生地を2枚縫い付けて立体感を出すのですが、一枚でやっているんですね。時間と技術が必要ですが、そのぶん首筋のフィット感と柔らかさ・軽さが段違いだと言われます。これはどこのショップのオプションでも頼めないような部分なので(都民共済で最初に作ったのも一枚襟でした)そういう意味では貴重です。ただ、ぶっちゃけ私には着心地の違いは全くわかりません。目をつぶって、これが一枚襟か二枚襟か当ててみろと言われても自信ないですね。首の後ろとか肩にそんな繊細な神経通ってないんで……。

Global Styleもスーツの型が豊富で、またさまざまなオプションを選べます。選択肢の多さはほんとうにピカイチで、さすがバカ売れしているスーツ専門店。ただ、オプションについてはそれなりにお金かかります。それでもこだわりたい、というところが出てきた人には良いんじゃないかと思います。

その他、ほとんどのお店は似たりよったりですが、結構対応が分かれるのが「オーダー後の調整」。DIFFERENCEは購入後1年、Global Styleやダンカンなら3ヶ月以内、SADAは1ヶ月以内なら無料で調整(サイズ補正、長さ調整等)できますが、ビッグヴィジョンは初回オーダー時のみで以降は有料。brefはパンツの微補正(±2センチ)のみ無料。エフワンは、体型にあわなければ直しもあるし、採寸ミス等があった場合は仕立て直しも可(これはどの店でもそうかもしれません)。

ほとんど選択肢がないのは、The Suit Company。申し訳程度の形状選択はできるものの、裏地の素材や色、ボタンまで生地ごとに決まっています。ネイビーの表地なら、同系色の裏地固定とか。オーダー慣れしてちょっと変化をもたせたいな、という場合は寂しいですが、完全初心者だと逆に迷わなくて良いのかもしれませんね。

ONLYのミニマルオーダーは更に自由度がありません。作ったのがだいぶ前なので記憶がおぼろげですが、ジャケットの仕様が「背抜き/総裏」と「ベント」の2つ、パンツが裾の「シングル/ダブル」の1つくらいしか選択肢がなかったはずです。基本、「生地を選べて、サイズを細かく調整してもらえる吊るしのスーツ」くらいのものだと考えて良いでしょう。考えることが少なくて楽ではありますが、一般的なオーダースーツという感じからは外れるかもしれません。


4.お店の雰囲気・接客
S(すごい) :ONLY
A(特に用がなくても行きたい) :ビッグヴィジョン、ヨシムラ
B(満足) :ダンカン、bref、DIFFERNCE、SADA、The Suit Company、ツキムラ
C(ふつう) :Global Style、FABRIC TOKYO、エフワン
F(もう行きたくない) :なし

最初にことわっておきますが、どのお店も「ダメ」ってことはありません。基本的に良い接客・良いお店です。ただその中で差をつけるなら……という感じだと思ってください。また、あくまで2020年頃の「神田・秋葉原付近の店舗」に限ります。接客やお店の構造は地域や店員さんが変われば違ってくるでしょう。

有楽町のONLYは、店の広さが凄いのと高級感溢れまくる店構えがほんとうに素敵です。そして、売っているものはそれほどお高い感じでもない(ふつうに8,000円の靴とかが並んでる)のも好感度高いですね(笑)。接客もとても丁寧ですし、生地のことからデザインまで細かく相談に乗ってくれます。店員さんのポテンシャルはミニマルオーダーではもったいなくて、テーラーメイド以上のオーダーのほうが活きてきますね。私はテーラーメイドで1着お願いしたとき、とても勉強になりました。唯一の欠点は、ビルの2階にあるせいで生地を太陽光に当てて見づらいところかなぁ。そもそも反物のかたちで置いてある生地が少ないんで構わないんですけどね。

ヨシムラは、若干人を選ぶ感もありますがとにかく良い生地がたくさんあって楽しい。反物として置いてあるので実際に肩に掛けたり、ちょっと外の光の下で見たりできるのも◎。お店も最近できたばっかりでキレイですし、店員さんも親切です。

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ちなみに上が、あんまり知られてなさそうな神田のヨシムラ。

ビッグヴィジョンは採寸の方が非常に上手でした。初老の男性だったかな……。専門的な視点から押し付けがましくないアドバイスをくれるし、1cm、2cmの違いも面倒をいとわず細かく調整したり、見本をはおらせてチェックしてくれました。近隣ビッグヴィジョンを制覇した私の友人によれば、ヨドバシアキバ地下の店長もかなり記事に詳しくて良いのだとか。

規模は小さいけど神田のダンカンも割と良くて、店員さんが聞けばいろいろ教えてくれるし生地も見やすく陳列されています。店内に影があんまりできない作りになっていて生地の色味とかをちゃんと確認できるのと、店が広くないおかげで引っ張り出して比較とかが楽にできて好みでした。

Global StyleやSADAは、有名店ということで人が多いこともあるのでしょうか。正直ちょっと見づらいです。とくにGlobal Style。店内が暗い・狭いで結構苦しい。店員さんは物凄くデキる人に当たるときと、新卒か? というレベル(私のような素人でも「おい、そのくらいは知ってるぞ」みたいな)の人に当たるときがあって、なかなかスリリングです。FABRIC TOKYOとかエフワンはちょっと狭すぎますね……。1人入ればほぼキャパオーバーみたいなお店ですし、FABRIC TOKYOに関してはシャツのオーダーと半々みたいになっててスーツは生地をゆっくり見られない。もともとネットでの販売に力を入れているせいかもしれませんが、せっかくの実店舗なのにちょっと残念です。brefの神田店はそこそこ広いのに加えて、その生地のスーツの出来上がりがどんなものか実物を相当数見られるので、イメージがわきやすくて良かったです。ただ、着替えスペースが超狭くて使いづらい。鏡も見づらいので、そこはマイナスかな……。


総合おすすめTOP5
1.ダンカン
2.ビッグヴィジョン
3.SADA
4.bref
5.ONLY

というわけで、個人的におすすめTOP5。世間一般のブログとか評価サイトだと、「論外」扱いされてるお店が上位に来ましたよ(笑)。

でもね、やっぱりお安いんですよ。安いのは正義。それでいて、別に質が死ぬほど悪いわけじゃないですからね。むしろ局所的には良いくらいです。

これは友人から聞きかじった話ですが、ダンカンは国内の商社をはさまず並行輸入で海外生地を仕入れている。余りの生地とかもガンガン仕入れる。それで劇的に安い値段で有名ブランドが入ってくるのだとか。もちろん、だから色や柄は選べないし着数制限もかかるんでしょうけど、素材は悪くないわけです。むしろそのへんのポリ混紡より良い生地かもしれない。んで、仕立ての善し悪しなんて10万円以下のスーツならそんな大してかわらない。いや、違うのかもしれませんが私には違いがわからない。じゃあ、安いところで良いかな? ってなります。

ビッグヴィジョンなんかはお値段と生地の選択肢のバランスがすごく良くて、とりあえずここでセール利用して何着か作ればワードローブ完全に埋まるんじゃないかと思います。

私はスーツデザインが好きなのでメインがbrefになっていますが、スーツオーダーを初めてする、あるいはいろいろ試してみたいという場合、ダンカンかビッグヴィジョンはマジで良いと思うし、折しも今は年始のセールの時期。これを活かすのが賢明でしょう。

brefはこの中で唯一2万円の壁を突破していない2プライスオーダーのお店です。個人的に好きなことに加え、国内縫製の安心感や生地のバリエーション、デザインの良さがあるので「きっちりしたものを作りたい」という場合は選択肢に入ると思っています。ただ、他より1万、下手すれば2万高いのでそこはどうかなぁ……。

SADAは初回のみ、5000円引き! と割り切って行きましょう。お友達を紹介すれば、もういっちょ5,000円引きが可能です(笑)。なんだかんだで今勢いのあるお店ですし、スーツ専門店のノウハウについても大手企業なので基本的なところがしっかりしている。初オーダーのお店としては悪くありません。5,000円プラスされると価格帯がほぼbrefとかぶるので、それならbrefかなーという気がするのですが。

ONLYは先述したとおりそこまでオーダースーツという感じはしません。既成とオーダーの中間あたりですが、そのくらいのほうが気楽で良いという場合には丁度良い気がします。2着セットで買わないとという限定がちょっと辛いですが、一気に2つ作りたいという場合にはぐっとお得になります。初めて作るなら、センターベントとサイドベントで1着ずつとか、パンツの裾をシングルとダブルで1着ずつとかにして違いを実際に体験してみる、なんてこともできますからね。


というわけで、神田~秋葉原(一部有楽町)のあたりのスーツオーダーのお店紹介でした。次の第三回は、スーツの何にこだわって買うか、こだわりポイントとして初心者が押さえておくと良いこと(たとえば、「本切羽」とかどうでもいいよねみたいな話)を書いてみようかなと思います。



これが年内最後の更新になるかな? コロナに始まってほんとうにいろんなことのあった1年でしたが、無事に年を越せそうで安心しています。みなさま今年も一年間お付き合いありがとうございました。どうぞ良いお年をお迎えください。そして、来年も無事に、年越しの挨拶を交わしましょう。

秋葉原近隣でスーツをオーダーする話。 その1

この話は何回かにわけて、割とガチ目というか、スーツを買おう/作ろうと思っている人にはそれなりに有用な話にするつもりです。

 その2 :こちら
 その3 :こちら

以前少し書きましたが、神田~秋葉原のあたり(もうちょっと足を伸ばせば有楽町・東京あたりも入るかもしれませんが)にはスーツのお店が多い。それも、既成(吊るし)ではなくオーダーのお店がかなり多いんですね。

Suits Company、SADA、Global Style、ダンカン、ビッグヴィジョン、ツキムラ、ヨシムラ、エフワン、bref、FABRIC TOKYO、OGGI HOUSE、バルコン……最近はテーラーアライアンスジャパンなんていう2プライスオーダースーツ店もできていました。Global Styleの真隣です。渋い人だと深野羅紗店、トータルオーダータツミあたりがリストアップされるかもしれません。

suitsshop
Googleで調べるとこんだけ出てきますが、これでもまだ載ってない店あります。

革問屋が多かった浅草で靴作りが栄えたように、もともと生地問屋が多かったためスーツ店が増えたのだろうと思うのですが、それにしても多い。神田・秋葉原あたりを根城にしている人は、このよりどりみどりなオーダースーツ事情を知らないとちょっと損だと思います。いろんな選択肢から質の良いスーツが、既製品よりかなりお得に作れるんですから。

激戦区でどんなスーツができるのか、どこで買うのが「お得」なのか……というのを素人目線ではありますが、ご紹介しておきます。というか、自分でスーツを作ろうと思って調べた時にアフィリエイト系の記事ばっかりで辟易したんですよ……。革に詳しい人なら、一時期「ココマイスター」の製品がアフィでピックアップされまくったせいでどこを見てもココマイの品が出てくるみたいな状態になっていたのがおわかりかと思います(しまいには「ステマイスター」とか呼ばれてましたが)。だいたいあんな感じ。

そこでまあ、狭い範囲の読者に向けてではありますが利害関係絡まない立場から個人的なオーダースーツおすすめを紹介しよう、というのが今回からのコンセプトになります。

ただまあ、そもそもオーダースーツは何が良いの? って訊かれると困る。ぶっちゃけ自己満足です。……というと話が終わりますけどね。間違ってはいないと思うんですけど。


先日、ワークマンが上下4800円(税込)のセットアップスーツを発売すると発表しました。来年の2月からだそうです。

 ▼「ワークマンが初のビジネススーツを開発 ターゲットは?

 ワークマンがビジネススーツの販売を始める。建設現場とオフィスを行き来するビジネスパーソンなどの需要を想定し、2021年2月頃の発売を予定しているという。

 広報担当者によると、スーツはジャケットとパンツのセットアップで、生地には撥水加工を施す予定だという。価格はジャケットが2900円(税込、以下同)、パンツは1900円を想定している。

現場-オフィス間を行き来する人向け、ということで作業着的な位置づけなのかもしれませんが、それにしても驚異的な安さです。そして、需要がわかってるな、という感じがする。現場に良いスーツは着ていけません。すぐ傷むし。しかし、吊るしでもスーツはそれなりに高い……。

スーツの着用が求められるけれどアクティブに動いたり汚れやすい環境で仕事をする人にとってはかなり心強いアイテムです。一方、それほどハードな使い方は想定していない場合、それなりのおしゃれなセットアップの候補としてユニクロがあります。こっちも10,000円出せば(セール時なら6~8,000円ほどで)割と見栄えのするジャケットとパンツが揃います。

こういう安くて良い品がある中で、わざわざスーツを作る意味あるの? という疑問はまあ出てくると思います。ましてや今はコロナの影響でリモートワークも増え、ますますビジネススーツの出番は減少しています。アパレル系に勤務している友人の話を聞いていても、もはやスーツ文化は生き残りの危機なんじゃないかという気がしてくる。成人式も卒業式・入学式や入社式もなくなれば「定期収入」が激減するスーツ業界は間違いなくヤヴァいはずです。

ただ、だからといって「スーツをまったく着ない」というシチュエーションはユーザーとしては考えにくい。実際、この年の瀬でも街に出ればスーツ姿のサラリーマンを大量に見かけますし、私もなんだかんだ週6スーツです。

そして、ちょっとでも仕事でスーツを着る機会がある人や、オフの日にカジュアルスーツで出かける(そういうドレスコードを要求される場所に行く)人にとっては、オーダースーツという選択肢はかなり良いと個人的には思っています。

理由の1番は、なんだかんだで「きっちりして見える」から。

オーダースーツは基本的に自分の身体にしっかりあわせたものになるので、よほど仕立てが下手とか、体型が一気に変わったとかでなければそれなりに見栄えの良いものができます。気に入らなければ最悪後で調整も効く場合がほとんどですし。ぱっと見でオーダーかどうかはわからなくても、パツパツだったりダボダボだったり、身体にあってるかあってないかは素人でも一発で分かるので、まあ見た目の印象は変わります。私ですら、オーダースーツ仕立てたあとは「お、今日はOYOYOさんパリッとした格好ですね」とか言われましたから。マジで(ちなみに12,000円のオーダースーツでしたけどね)。

スーツは男の戦闘服、とはよく言われますが、要はユニフォームをちゃんとしている。それなりにこだわったものを仕立てていますよということは、大半のビジネスにおいて好印象を与えるはずです。オシャレであれ、と言っているのではありません。きっちりしている、仕事にしっかり向き合っている、誠実である……。スーツをきちんと着こなしていればそういう印象は与えられます。逆に、ダボダボのスーツをだらしなく着ている人に対してビジネスでは悪い印象がつきやすいですよね。というわけで、服装を変えるだけでちょっと印象をプラスできるのは大きい。

2番目。安いから。

これ意外に思われるかもしれませんが、オーダースーツは安いです。単にコスパが良いというのもそうですが、時期や店を選べば単純に吊るしより安価なスーツが作れます。

激安オーダースーツ店で有名なのはおそらくDANKANかSADAあたりですが、今なら新春セールでDANKANは1着12,000円、ウール100%のものでも15,000円でスーツが作れます。ありえない安さです。SADAも初回19,800円とかですね。洋服の青山とかAOKIで激安セールでスーツが10,000円切るみたいなのもありますが、あれパンツの裾直しとかの代金入ってませんから、結局使えるスーツにするのに15,000~20,000円くらいになるんですよ。そんで身体にフィットするわけでもないし、何シーズンか前の(酷いのは3年前とか)型落ちで化学繊維の経年劣化も進んでいます。それ考えると、20,000円前後でスーツ作れるのは安い。私が最初にオーダーしたのは都民共済でしたが、理由はマジで安かったからです。

3番目。楽しい。

正直私はファッションにあまり……いやほぼ全く興味がありません。センスもないし。モヒカンとか鎖ジャラジャラみたいな「やべーやつ」はさすがにチェックしますが、自分の服装も他人の服装もそんな気にしない。だから、スーツ自体の見栄えとかそういうのは割とどうでもいいんです。ただ、スーツって形から色、生地の織り方などなど、奥が深い。

和服のことを考えると分かると思うのですが、スーツ(洋服)はヨーロッパの文化を背負っています。和服にさまざまな「きまりごと」や「背景」があるように、スーツにもぶっとい背骨がある。パンツはシングルとダブルだとどっちがフォーマルなのかとか、ボタンはどこ閉めるのが正解なのかとか、そういう着こなしのレベルから、柄の持つ意味やらイタリア生地とイギリス生地の違いみたいな話までほんとうにいろいろあります。そういうことを知らずにスーツを着る、というのがもちろんふつうなのでしょうが、知ると面白いし「じゃあこういうところはちゃんとするか」と自分なりにこだわるポイントとかも見えてきます。

そういうのを知った上でちょっとしたこだわりを盛り込む……みたいなのは既成のスーツだと難しいのですが、オーダーだとすげー簡単にできちゃうんですよね。生地選んだり、裏地の柄変えたり、ボタン変えたり、襟変えたり。ほんとにどーでもいいところだとしても、そういうふつうの人には見えないこだわりって、なんかオタク心をくすぐるじゃないですか。そのへんが達成できるのはオーダーの魅力かなと思っています。優先度は低いですが。


とまあ、そんな感じで「オーダースーツ良いよ」みたいな話をしたところで今回はおしまい。次回は、実際に神田~秋葉原あたりのオーダー店を利用してみた話とか、個人的なおすすめを書いていこうと思います。前置きが長くなってしまった……反省。

高いスーツは毎日着るなという話。

正確には、高いか安いかではなく生地の質によるのですが、繊細な生地はだいたい高額なので。

最近ってかここ10年くらい、高価なスーツといえばイタリア生地、みたいな風潮があります。日本にも御幸とかスゲーところがあるんですが、正直あんまり話題にならない。

んで、生地もとにかく番手が高くて柔らかいの最高! みたいな感じがします。super100とか150とかありますが、高い番手の生地が基本的には質の良い生地とされ、お値段も高価です。まぁ材料があんま取れないし作るのに手間もかかるから当然なんですが、じゃあそれに見合うほど丈夫かと言われるとそんなことはないんですよね。デイリーユースには向いてない。

案外その辺知らない人が多いので知っておくべきだと思うのですが、高い番手の生地はほんとに傷みやすいんですよ。とくにイタリア系の織物(織り方がイギリスのとは違います)は柔らかくて軽いけれど、そのぶん繊細です。シワもよりやすいしすぐにへたる。

一度着用した後キチンと埃を払って、霧吹きでもして数日吊るしておけばシワは伸びるのですが、逆に言えば数日吊るさないと回復しない。シワ伸ばしにアイロンとかクリーニングみたいに熱を加えるのはもってのほかで、できればワンシーズン終わるまでクリーニング出さないでやり過ごしたいくらいです。安いスーツなら着つぶすつもりでも良いんですけどね。

一週間に一度、できれば二週間に一度くらいの当番なら長持ちします。質の良い、デリケートなスーツは着心地も良いし見た目も良いのでついつい連投させたくなるけど、それやるとあっという間に寿命が尽きます。イギリス系ならまだマシでしょうか。日本の生地はかなり丈夫。

日本でなぜこれほどイタリア生地(ゼニアとかロロピアーナとか)が持て囃されるのかよくわかりませんが、基本的に機能性あんまない生地なんですよね。実用性よりオシャレ重視なスーツがイタリア生地のスーツだと個人的には思っています。

もちろん品質は素晴らしいんだけど、使いこなすのは大変かも。私は、「良いものは使い続けてナンボ」だという流派なので繊細な(すなわち高価な)スーツってあんま性に合わないんですよね。お値段もお手頃で、ガシガシ使ってもすぐにはヘタレない。そういうものに憧れます。

そんな都合のいいものがあるのかって? あるんですよね。日本の誇る最強のアパレルが。

ユニクロ最高や。
《自己紹介》

エロゲーマーです。「ErogameScape -エロゲー批評空間-」様でレビューを投稿中。新着レビューのページは以下。
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