共同通信社の記者による「不祥事」が立て続けに起きて話題となっています。

1つは、JAXAのロケット打ち上げに対して「失敗」という表現を執拗に用い、言質を取ろうとしたことに対して。

 ▼「「それは一般的に失敗といいます」JAXA打ち上げ中止会見での共同記者の“指摘”に批判続出」(女性自身)
これに対して岡田氏は「ある種の異常を検知したら止まるようなシステムの中で、安全、健全に止まっているのが今の状況です」と返答してやり取りは終了するかと思いきや、最後に記者はこう言う。

「わかりました、それは一般に失敗といいます。ありがとうございます」

やり取りの中で“失敗”という言葉にこだわり、失敗ではないと否定したJAXAに対して、「それは失敗といいます」と締めくくった記者。この“指摘”にネット上では、批判が殺到した。

もう1つは、匿名のTwitterアカウントを使って共同通信の記者がヘイトスピーチを繰り返していたことに対して。

 ▼「【独占】ツイッターでヘイト発言を繰り返していた「桜ういろう」は、共同通信のデスクだった」(NEWSポストセブン)
 Twitter上で過激な発言を繰り返し、炎上を繰り返していたユーザーが大手メディア共同通信社の記者だったことが「週刊ポスト」の取材でわかった。

 ユーザー名は「桜ういろう」。いわゆる“左翼アカウント”として、数年前からユーザーに認知されていた。フォロワーは1.6万人にのぼる(現在はアカウントごと削除)。作家の百田尚樹氏や有本香氏らの有識者に執拗に絡み、〈【朗報】ホラノ門ニュース(編集部注:百田氏が出演していたニュース番組『真相深入り!虎ノ門ニュース』を指しているとみられる)の百田尚樹氏、やっと自分をサイコパスであることを自覚する。コバンザメの有本香氏もすかさず「『天才』は往々にして勝ち組サイコパス」とヨイショ!つーか、気付くの遅すぎ〉などと過激な投稿を繰り返していた。一般ユーザーに対しても〈ネトウヨ(ネット右翼の略称)は知識が足りない〉などと馬鹿にした言動が目立ち、問題視されていた。

 桜ういろうの発言がSNS上で大炎上したのは昨年7月。在日ウクライナ人政治評論家のナザレンコ・アンドリー氏が〈人類史上、最も人を殺したカルトは「共産主義」という〉と投稿したところ、桜ういろうは〈日本人は満州や朝鮮で、ソ連人に強姦され虐殺されました。日本人にとってナザレンコ・アンドリーさんの祖国ウクライナもまた加害者なんですよ〉〈お金が欲しいのは仕方ないかもしれませんが、どうかインチキ宗教のお金目当てで日本人を扇動するのはやめてください〉とリプライを送っていた。

前者はまだ、ある種の信念にもとづいて自分の考えを述べていたのだと言い張れないこともないでしょうが、後者はまぁ完全にアウトでしょう。

私が考えるに、問題は2つあります。1つは、マスメディアが「客観的で中立的な情報を伝えようという努力を放棄している」こと。これは、「情報が客観的・中立的ではないこと」ではありません。そんな情報を届けることは不可能です。しかし、そうあろうとすることは重要です。

打ち上げを「失敗」だと言いたかったのだとしたら、そう主張している別の専門家の発言を引っ張ってくるべきであり、記者の恣意によって「一般的には失敗と言います」などとご注進することは、メディアの領分を逸脱した行為といえる。「JAXAはこう発表した」「これに対して次のような意見もある」で良いはずです。

もう1つは、マスメディアが、自らを政治的な道具のように用いていること。桜ういろう氏の件は、単に頭のおかしな個人の暴走などではなく、現代のマスメディアが内側に抱え込んだ病理が顕在化したものだと私には思われます。自分たちを、世論を作ることができる偉い存在だと勘違いしている。JAXAの職員に投げかけた無礼な発言にも、そうした意識が透けて見えます。

自分たちの思ったように世の中の言説を動かそうとする。それはもう、メディアの報道ではなく、プロパガンダかアジテーションです。致命的なのは、おそらく当の本人たちがそのことに気づいておらず、自浄作用が望めないこと。批判を受けても、自らの報道の姿勢を顧みて一から出直す、というようなことにはならないでしょう。

すべてのマスメディアが同じだと言い切るのは乱暴かもしれませんが、日本のマスメディアの質の低さが垣間見える事件だったように思われます。