アリスソフト往年の名作『鬼畜王ランス』。『アリスの館456』に『零式』などとともに収録されたゲームの1本だったのですが、当時のランス全シリーズに登場した主要キャラに、一部アリスソフトの他作品からの出張キャラを含め、当時アリス所属だったほぼ全ての原画家さんが参加してつくられた、まさに「オールスター」作品でした。

※「館456」の収録は『ランス1~3』で、『鬼畜王』は単体の発売でした。記憶がごっちゃになってた。謹んで訂正いたします。攻略病さん、ありがとうございました。お恥ずかしい……。

加えて、戦略SLGとしてのクオリティの高さ、行動自由度の高さによるやりこみ幅の広さ、ストーリーの面白さなどが相俟って当時のエロゲー界を席巻。私の近所でも「鬼畜王ランスでエロゲーにはまった」という人があとをたたかった(その後、『ママトト』などにはまっていく泥沼コースをたどる)という意味で、個人的に思い出深い作品でもあります。

そんな「鬼畜王」、フリーソフト化していたのですが、いまいちプレイ環境がマッチせず遊びたいのに遊べないという声もちらほら聞かれていました。折角フリーになってもプレイできないんじゃ仕方ないしもったいないなぁと思っていたら、どうやら凄いものができていたようで。

 ▼「鬼畜王 on Chrome

アリスソフトの 配布フリー宣言 に基づいて配布されている「鬼畜王ランス」を Google Chrome 上で遊べるようにしたものです。

kitikuou_chrome

なんと、有志の方がChromeで動くようにしてくださったという! いやあ、ありがたい話です。がはは、グッドだ! って感じです。

「このサイト自体は実行環境のみ提供するもので、遊ぶためにはゲームの CD イメージを別途ダウンロードする必要があります。」とのことですので、スマホのChrome等でプレイできるのかどうかはわからない(スマホにデータ落とせばいけるのかな?)のですが、少なくともOS問わず、CDを焼いたりする手間もなしで簡単にプレイできるというのはかなりハードルが下がります。物理的にも心理的にも。

20年経ったいまでもこうしてプレイ環境づくりに腐心する方がおられるあたり、ほんとうに愛されてる。それだけ色褪せない魅力を持った作品だったんだなぁと改めて思います。感心を通り越して感動する。

と同時に、他のエロゲーもこういうふうになればなぁと、ユーザーとしては思います。もちろん著作権のこととかもあるから簡単には言えないんですけど、エロゲーにかぎらずゲーム界隈のひとつの問題として、過去の作品を参照しづらいというのがあると思うんですよね。

これはいろいろ損です。

たとえば中古にプレミアがつきすぎて話題になった作品でもプレイできないとか、 品物はあってもプレイ環境が整わないとか(とくにPC98時代の作品など)……。そういうのは、「業が深い」熱心なエロゲーマーほどむず痒い思いをしていることでしょう。コンシューマなら、ファミコンとかPCFXとかゲームギアとか。

また、エロゲーについていろいろ語ることをしている(最近してないけど)身からすると、過去の作品が手軽にプレイできるようになれば、ゲーマーの世代間の差を埋めるのにも一役買ってくれるんじゃないかという気がする。

他にも、もし日本文化としてゲームを研究する、みたいなことをやろうとした人がいたとして(実際やってる方もおられますが)、過去の作品を手に入れるのが難しいというのは致命的に足を引っ張りかねません。

全部フリーにしますみたいなのはさすがに無理としても、何とかして「ちょっと頑張れば気軽に昔の作品ができる」ようなやり方が整えばなぁと常々思っています。最近のダウンロード販売路線は、あるいは救いの主たりえるのでしょうか?