よい子わるい子ふつうの子2(仮)

18禁PCゲームをメインに、ラノベや漫画についてもダラダラ話を書きます。長文多いです。

2012年01月

エロゲーランキングの有用性

エロゲーのランキングって色々あるけど、どれ見たら一番参考になるかな? みたいな話を友人から受けました。それで思ったことをちょっとだけ書きつらねます。統計学などをやられていた方には当たり前の内容かもしれません。また、おおざっぱすぎて不正確な部分があれば、ご指摘頂けると幸いです。

個人のサイトさんは好みが別れるとして、大がかりなところでは先日、2ちゃんねるの葱板(エロゲネタ・業界板)の2011年度、ベストエロゲーが発表されました。その結果が、こちら

『WHITE ALBUM2』がいろんな意味で圧倒的な感じですね。確かに、素晴らしい内容の作品であったと思います。けれど、そこまで一般ウケする話だったかな? というのも確か。誰もが思うように、こうしたランキングには統計をとる時点である一定のバイアスがかかっています。つまり、完全に一般的なランキングを提出することなど不可能です。

では、こういったランキングには意味が無いのかというと、そういうわけでもありません。無闇にランキングを参考にするというのは実質余り意味が無い行為だとは思いますが、ランキングからどのような層がどういった作品を好むのか、という傾向を読みとることは可能です。言い換えるならば、ランキングを利用するということは、そのランキングが意味するものを読みとることなわけです。

たとえば、「萌えゲーアワード」のランキングについて考えてみましょう。

あの場合、まず「萌えゲーアワード」に参加している作品からしか選ばれませんから、対象がすでに絞られています。「全てのエロゲー」から選ばれるわけではないのですが、それでも分かることはあるでしょう。

萌えゲーアワードの場合、製品についているパスワードを入力してランキングに投票するシステムです。一人確実に一票であり、中古品などではパスワード自体が無い、あるいは既に入力済みだったりもします。つまり、投票者の多くは新品で製品を購入した顧客、ということが言える。これはメーカー/ブランドにとって非常にありがたいお客様です。

また、投票することによって特に大きなメリットがあるわけではありません(萌えゲーアワードから景品が出たりはしますが、それ目当てという人は少ないと思われる)。けれど、アワードで受賞したブランドにとっては賞金も出るし宣伝にもなるしで、割とオイシイ。ですからこの企画に投票する人は、純粋にそのブランドを応援したいという場合が多いのではないか、と考えられます。

つまり、萌えゲーアワードの結果から分かるのは、それが面白いか面白くないかよりもむしろ、その作品なりブランドなりが、どれだけブランドにとって貢献度の高い顧客を掴んでいるか、ということになりそうです。もちろん、投票したくなるような面白さも含まれているでしょうけれど、実はそれ以上のものも見えていたのだ、と。

続けて、件の「葱板ランキング」について検討してみましょう。私自身は投票に参加していないので、不正確な内容が含まれるかもしれませんが、検討のためのサンプルデータですのでご容赦ください。

まず、この統計に参加するためには、普段ある程度以上2ちゃんねるに書き込みをしている人でなければならない、というルールがあるそうです。代理投票もあるそうですが、そこまでして投票する人がどのくらいいるかという問題も発生します。またそもそも、普段2ちゃんねるを見ている人が投票するのは当然でしょう。雑誌アンケートの場合だとまず、「購買層」が問題となり、次にその中でも積極的にアンケートに参加する層、というのが問われます。今回も同様にして考えると、まず「普段から2ちゃんねるを利用している層」でかつ、「書き込みやアンケートに積極的に参加する層」が母集団ということになります。ただ、それがどういう意味のバイアスになるのか(たとえば、年齢が若いとか、暇が多いとか、男性ユーザーが多いとか……)までは、ちょっと分かりませんね。

次に、投票内容を見て貰えば分かりますが、コメント数やコメントの長さもランキング要素となっています。つまりどちらかといえば、作品に関してコメントを付けたがるようなタイプ、批評の対象になりやすいような作品が高得点を獲やすいランキングであると思われます。そもそもランキングに投票しようという時点で、ある程度そういう傾向は高いのかもしれませんが。

とまあ、こんな風に統計データから何が読めるか、ということを色々と考えてやることで、ランキングも意味が出てきます。

『WHITE ALBUM2』については、評価と売り上げがアンバランスで、そのことについて疑問に思う声もでているようです。その原因が何であるかまでは分かりませんが、一つ言えることは、ランキングや批評サイト、ブログなどで情報を発信したがるようなユーザーに好まれる作品であった、ということでしょう。つまり、何かを語りたくなる/語りやすい、そういう作品だ、と。

そんなものは所詮売り上げとは関係ない空しい力だ、と思うかも知れません。けれど、たとえば五年後、十年後のことを考えればどうでしょう。製品は五年、十年したらどんどん新しいものにとってかわられてしまいますが、言説は別です。私を含めたいわゆる「語りたがり」の人は、凄いインパクトを受け取った作品のことを、十年後でも嬉しそうに語ったりするもの。そうなると、『WHITE ALBUM2』は、いつまでも色々なところで話題にのぼり、「有名なエロゲー」になるかもしれないと思います。

結局のところ、ランキングのような統計を利用する場合、そのランキングが意味するものは何なのかを考えると効果的に利用できる。そしてその「意味するもの」は、結果からよりもむしろ、統計を取る母集団のほうから演繹的に考えてやるのが良い。そんなお話でした。個人のランキングでも一応、同じことが言えるはず。統計の利用方法については、もっと細かいことが色々言えるとは思うのですが、複雑になりすぎて私の手に余るので、この辺りで撤退しようと思います。

それでは。

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レビュー:『華麗に悩殺♪ くのいちがイク! ~桃色ハレンチ忍法帳~』

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タイトル:『華麗に悩殺♪ くのいちがイク! ~桃色ハレンチ忍法帳~』(softhouse-seal/2012年1月27日)
原画:のりたま/シナリオ:志田哉,
公式:http://softhouse-seal.com/product/054-kunoichi/index.html
批評空間レビュー投稿:済→ネタバレ有
定価:1995円
評価:E(A~E)

批評空間様への感想投稿は完了しておりますが、ちょっとはっちゃけてしまいました。ネタバレとしておりますが、バレるようなネタはほとんどございませんので、詳しい内容に興味がある方は、上記リンクから拙文をお読みください。

まあ、何というか凄い作品だったと思います。ツイッターでは「体験版が~」というツッコミを何度も頂きました。体験版をやっていなかったことは確かです。が、それとこれとは話が違う。体験版でHシーンがなくても、製品版ではあるだろうと思っていたのですが、まさかHシーンが無いとは。シーンなしで、ちょいHなCG閲覧だけって、ゲーセンの脱衣麻雀じゃないんですから……っ!!!

もしかしたら攻略スコアでテキストが変化するとか、そういうオプションが付いているんでしょうか? そんなことないですよね……? いやはや、マイッタマイッタ。これでゲームが面白かったらまだゆるせ……いや、これでゲームがどんなに面白くても許せませんね。ゲームがつまんなくても、Hシーンがあれば良かったんですが。

ちなみに感想本編でも書きましたが、テキストがちょっと雑というか悲しい感じ。たとえば冒頭の「今より昔の時代」というのが、「頭の頭痛が痛い」と言っているような感じで意味が重複しまくっている、というのが我ながら上手く言えたと思っているので、これで全部代弁させます。他にも色々ありましたが……。

伏線も完璧に投げっぱなしジャーマン。これ、広報の人本当に大変だっただろうなあと思います。むしろ社内で「こんなの絶対におかしいよ!」と声があがっておかしくないレベル。私がこれの紹介ページつくれって言われたら、間違いなく投げます。どこをウリにすれとおっしゃるか。

ちなみに、ゲームはもちろん、混じりっけなしのクソゲーです。大事なことなので何度でも言います。クソゲーです、くそg。要するに要素が少なすぎてやることが全部決まっているのと、敵が単調なルーチンでしか動かないので、本気でただの作業になるからです。

あ、一応ゲームパートにHシーンはあります。ドット絵っぽいのでこう、カクカクと。これは結構エロくて好みというか、この路線で押し切るなら押し切ってくれても良かったんですが、それならもっとバリエーションつけて欲しかったですね。あと、なんだかんだでこの場面のCGください……。

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ゲームパートの交尾はこんな感じ。

低価格作品まで体験版をやっていたら時間がないわけで、低価格の場合は内容はともかく、エロシーンだけは何とかなるだろうという確信に基づいて絵の好みとシチュの好みでほぼ見切り購入していたのですが、絵が好み+私の大好きなくのいちシチュというコンボで、まさかこんな悲劇に遭うとは……。しばらく立ち直れそうにありません。マジショック。

ただ、中味があんまりにもあんまりだったおかげで、二千円ぶんの楽しさは体験できたかもしれません。突き抜けた駄作になると逆に、一見の価値が出てしまうというのがエロゲーの妙な奥深さかもしれませんね。

いやまあ、二千円だから言える台詞ですけど。これフルプライスだったら発狂してます。

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小旅行

温泉へ行こう! ということで、温泉へ行ってきました。いろんなところをグルグルまわり、ちょっと疲れましたので今日はあんまり更新なしということで……。

行く途中の車も、ついてからの宿も、殆どがカップル。カップル天国。参りました。世の中にこんなにカップルっているんですね。あのうちの何割が、実はきょうだいなのかとか考えたんですが、それはそれで羨ましい気がしてしょんぼり。

まあ、いいんですけどね!

途中、赤城神社と榛名神社へ参拝。雪が降り積もって凄く綺麗でした。

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赤木神社へ続く湖に架かった橋がこんな感じ。湖が綺麗に氷って、その上はまっ白な雪。一面雪でまっ白。たまたま天候にも恵まれて、ラッキーでした。氷点下十度とかで、寒かったですけど。

うーん、また温泉行きたい。できれば次は、露天風呂に入れるようなところへ……。

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レビュー:『お尻っ娘ヴィーナス』

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タイトル:『お尻っ娘ヴィーナス』(Apricot Cherry/2012年1月27日)
原画:TOMA/シナリオ:TOMA、なたけ、おくとぱす
公式:http://www.t-apricot.jp/cherry/oshiri/index.html
批評空間レビュー投稿:済→ネタバレ無
定価:6800円
評価:C(A~E)

批評空間様への感想投稿は完了したので、こちらでは攻略的な内容も含めながら、補完的な感想を書いていこうと思います。詳しい内容に興味がある方は、上記リンクから拙文をお読みください。

まず、選択肢は3択が2箇所。計6通りの組合せであるが、ルート開放がある。最初に桜が開放されているかどうかは確認していないが、健也(伽夜)は、雫と桜を終えるまで開放されない。それぞれにルートへ行ける組合せは一通りしか無いので、とりあえず一つ目の選択肢でセーブをしておくことを強くお薦めする。内容はかなり判りやすいので、セーブと「攻略順」があることさえ覚えておけば苦労は無いだろう。

雫ルートは、ほぼ雫と1:1のイチャラブ。桜ルートは、雫が恋敵的なポジションでちらりと活躍する。唯一の3Pがあるのもこのルート。伽夜は1:1だが、シーン数も4つと少なく、ほぼオマケのような扱いであった。感想にも書いたが、コスチュームの変更なども少なく、いささか消化不良。

他の不満点としては、キャラの扱いの不均等。あとは、ハーレムルートが無いことだろうか。どれも「無い物ねだり」ではあるのだが、基本的にエロに偏らせた構成上、シチュエーション面では受け皿を広くして欲しかったというのが本音である。私自身は現状でもそれなりに満足しているが、もっと興奮できるシチュエーションがあったのではないかとか、チアガールの服着て欲しかったとか、思うところがないわけではない。期待と魅力の裏返しで、良質な素材を最後まで料理し尽くして欲しかったなあ、勿体ないなあ、と思ってしまう。

とはいえ、序盤から流れるように美しいギャグのコンボで笑わせ、明るい気持ちでHに向かえる点は高評価。お尻に踏まれて窒息しそうになり、パンツをかぶった完治くんが、そんな時でも紳士的に振る舞おうとする光景は、雫でなくても大笑いしてしまう。

この作品のギャグは、基本的に「絶妙のハズし」。ある程度予測できる常識的な反応や流れをスパスパはずしつつ、最後はそれをお約束にしていく典型的な漫才技法。なのだが、一部知っているのが前提の知識に基づくネタも仕込まれていて、その辺が多用されはじめる中盤あたりからは、人によってはパワーダウンを感じるかもしれない。まあ、さほど長いわけでもないので、中だるみをすることは無いだろう。ぶっちゃけ、だれるまえに終わる。

Hシーンで急に三人称になったり、基本的にお尻メイン(アナール派ではなくて、美尻を眺める)だったりと、かなりクセのある作品ではあるが、その辺を気にしなくても押し切れるパワーはある。やや粗い仕上がりになっているのが残念だが、お値段ぶんは楽しませて頂いたかな、といったところである。

あと、雫さんがアナルに目覚める場面の描写はかなりエロかったです。ああ言うディテールを描けるのは良いですね。実際にあんな気持ちなのかどうなのか、私にはわかりかねますが。

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「まあ」を多用する人は……?

少し前のことですが、これもツイッターでリツイートが回ってきた時にちらりと考えたことです。元々の発言はこちら。一応、全文を引用しておきます。

まあを多用する人は、 自己防衛の本能が強く、自分のテリトリー(領域)を荒そうとする相手には攻撃的な態度で接するタイプ。自分自身に科する理想は高いのだが、同時に劣等感も持ち合わせているので、心の葛藤に悩みやすい。

▼これってバーナム?
さて、「あるある」と思わず納得しかけて、あれ、何かおかしいな、と思いました。「まずは疑ってかかれ」という言葉にしたがって、批判的検討を加えてみましょう。

まず、「自己防衛の本能が強く」という部分。まあを多用しようがしまいが、大抵の人は自己防衛本能が強いと思います。本能、という語の意味は気になりますが、さしあたり《自分を守ろうとする無意識の働き》くらいに考えておきましょうか。人間社会で生きている以上、自分から傷つきたがる人というのは少ないでしょうから、自己防衛本能はほとんどの人が持っています。そして、ここのミソは単に「強い」としか書いていないこと。誰かより強い、何かより強い、という基準が存在しないため、読み手が「自分は結構自分を守りたがるな」と思えば、この部分は該当することになります。読み手が自分で掘って埋まる穴を用意できるような書き方になっているわけです。

次に、「自分のテリトリー(領域)を荒そうとする相手には攻撃的な態度で接する」という部分について。これなどはわかりやすいですね。自分の領域に踏み込んでくるだけならまだしも、「荒らそう」としてくる相手に対し、攻撃しない人のほうがレアでしょう。逃げるにしても、敵意くらいは抱くハズです。攻撃する、ではなく攻撃的な態度、ですから、イラッとくるとか、カチンと着た程度でも該当しますね。ここは、ごくごく一般的な、誰にでも該当するようなことを述べているに過ぎません。

話を進めましょう。「自分自身に科する理想は高い」という文言。これも実は、非常に曖昧で幅広く解釈できます。理想が高いということは、現状では叶っていない理想を持っているということです。普通に考えればこれは、「向上心が高い」という意味。しかし、それだけではありません。現状が思い通りになっていないということは、「現状に不満がある」ということです。つまりこの「自分自身に科する理想は高い」という文言は、現状に納得していない人であれば誰でもあてはまる可能性があるし、現状に納得していても、更に向上しようと考えている人にもあてはまります。このカテゴライズから逃れられる人、そうそうたくさんいるわけない。

更に、「同時に劣等感も持ち合わせている」という部分。劣等感がどの程度のものか述べられていないのがポイントですね。小さな劣等感すら抱かずに生きている人などいないでしょう。つまりこれもまた、殆どの人にあてはまる内容、ということになります。

こうして見ると上述したツイート、もっともらしく言っているけれど肝心の内容は「誰にでも当てはまること」ばかり。いわゆる「バーナム効果」か、それに限りなく近い発言であると言ってしまって良いと思います。十分条件は満たしているけれど、肝心の内容が余りにも幅広すぎるわけです。つまり実質、「まあを多用する人は人間である」と言っているのと大して変わらないのではないか、ということでした。

(ただしここでは、この発言者の方が意図的にそうした、と言うつもりはありません。140文字という制限の中では複雑なことは言えませんし、余計なものをそぎ落とした結果、こうなってしまった可能性は十分にあります。単に、こうして流通した発言の性質は、バーナム効果を孕んでいるということを言っているだけです。もっとも、これが狙ったものだとしたら、字数制限も含めて恐るべき計算に基づいた、もの凄く完成度が高いトラップのような気がします)

▼蛇足
とは言ってみたものの、「まあ」のような語が、何らかの意味を持つことも確かにあるように思います。原理的にはこの文章は「ささくれを向く人は~」でも「爪を噛む人は~」でも、「チョココロネをお尻から食べる人は~」でも同じなのです。しかし、これでは多分、たくさんの人が「おっ?」と思うことは無かったでしょう。

実際問題、少なくとも100人以上の人がリツイートする程には(そのうち、これを信じた人がどのくらいいるのかという問題もありますが)、「それっぽい」感じがする。「まあを多用する人」という問題設定が巧いわけです。ではここにある「それっぽさ」は何に起因するのでしょう。

「まあ」という語は一般に、曖昧さを示す場合があります(それが全てではありません)。『広辞苑』では、「①(かなりの程度であることを表す)まず。まずまず。「-よい方だろう」」として紹介されていました。なんとなく程度が高いのは高いけれど、はっきりとは言えない/言いたくないとき、「まあ」と言うわけですね。「まあいいです」とか、「まあそういうわけで」とか。

もちろん、「まあ」には他の意味もある以上、「まあ」を多用する人がどんな人か、ということは言えません。けれど、曖昧にぼかしたいときに、「まあ」を多用しがちである、ということは言えるかもしれない。あるいは、曖昧に言うための「まあ」を多用する人は、という限定をつければ、人の性格について何か特別なことは言えるのかもしれません。

この辺は、私のようながさつな人間には厳密な考察ができませんので完全に投げますが、「まあ」に限らず「なんか」とか「ちょっと」のような語が用いられやすくなる心理状態について検討した本があれば、読んでみたいかなという気はします。

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レビュー:『フリフレ2』

フリフレ2

タイトル:『フリフレ2』(Noesis/2011年12月22日)
原画:珈琲貴族/シナリオ:神楽坂ナオ
公式:http://www.gungnir.co.jp/noesis/products/frfr2/index.html
批評空間レビュー投稿:無
定価:3000円
評価:D(A~E)

《概要》
湊橋東学園に教育実習生として赴任してきた主人公・汐見海人。彼は煩わしい恋人関係を嫌い、「FreeFriends」(フリフレ)という出会い系サイトで性欲を解消していた。そんな彼が「フリフレ」を通して出会った少女、実習先の学生・篠崎菫。身よりを無くした彼女は、生活の金を稼ぐ為、海人に身体を売る。一度きりの出会いになるはずが、互いに心地よさを感じ、連絡先を教え合う二人。けれど海人と菫は、幼い頃に生き別れた実の兄妹であった。二人の想いの行方は、果たしてどうなるのだろうか。


《感想》
本作のレビューはあまり他の方がプレイしてみたい、と思えるような内容を書けなかったので、投稿を避けました。余り楽しくないかもしれませんが、単純な作品評としてお読みください。

大好評だった低価格帯ソフト『フリフレ』の続編。純愛/凌辱のどちらにもシフトする柔軟性に富んだシナリオと、珈琲貴族氏の描く淡いタッチのイラストが魅力的なシリーズだ。今回も同様のフォーマットは継承。しかし、残念ながら前作比較で明らかにパワーダウンした印象は否めなかった。

前作は家出少女との不倫を描いた作品だったが、互いに家庭内で行き場を失った二人が身体を重ね、心を通わせていく様子が丁寧に描かれていた。底を流れていたのは二人の「寂しさ」である。凌辱ルートも、その寂しさが歪にぶつかった結果として、非常に納得できる、統一感のある内容だったと言える。

本作の場合、菫は金に困っているのが主な事情であり、海人が買春をするのは性欲ゆえ。前作と違って、目に見える形での孤独は存在するものの、本質的にはさほど人に飢えてはいない。本作では「寂しさ」よりもむしろ、「背徳感」が強調されていると言えるだろう。

前作も教え子と教師という背徳感は描かれていたが、本作の場合は兄妹・血縁という葛藤がそれに拍車を掛ける。実際、OHPや各種媒体でもそのように宣伝されていたのだが……。蓋を開けてみると、期待したような葛藤・背徳感はほとんど無かった。

この手の作品において「葛藤」や「背徳感」が成立するには、「社会」がきちんと描かれている必要がある。なぜなら、主人公たちの葛藤というのは自分たちの内面と、それを許さない社会的な通念との間で生じるものだからである。つまり、社会の側、主人公たちを取り巻く「外側」の描写がしっかりしていなければ、それと競り合う主人公たちの内面描写も強度を保てず、心理描写も説得力のあるものになりにくい。

ところが、本作はその「外側」の構築にことごとく失敗した感がある。たとえば、菫が身を売るに至る過程。まず母子家庭で親が急逝したのに、一ヶ月で生活苦に陥るというのはさすがに備えがなさすぎる。保険くらい入っているものだろうし、それすらもできないような苦しい生活であったなら、菫がバイトすらしたことがないというのはどう考えても不自然。趣味と称して抱えている大量の少女漫画も、どうやって買ったのかという話である。

また、安アパートの家賃も払えず今にも追い出されそう、という設定だったはずが、海人のところへ引っ越す際には部屋に入りきらないほどの荷物を引っ越し屋に運ばせている。さすがにちょっとどうかと首を傾げざるをえない。

海人の間抜けぶりもすさまじい。菫を妹と判らなかったのは仕方ないにしても、買春時制服であらわれた彼女を見て、自分の実習先の学生だと気づかない不注意ぶり。いや、グラフィックが制服なだけで、菫はきっと私服で来ていたのだろう、と自分を納得させていたのだが、翌日学校で「ああ、見覚えがあると思ったらうちの制服だったのか」という海人の独白を見て、がっくりと脱力してしまった。実習生なのに相手の制服を見てなにも思わなかったということはつまり、この男、自分が社会的にどう見られるかなどということにほとんど頓着していないのだ。まあそもそも、教育実習期間に制服姿の女学生を買春しようとするのだからそれもむべなるかな、といったところか。

結局、海人と菫にとって葛藤を産み出す原因となるはずの社会的なサンクション(制裁)がほとんどまともに機能していない。加えて海人たち自身の中にさえその意識が希薄なのだから、最早どうしようもない。

きわめつけは、菫が実の妹だと確信した後の海人の行動。事情を打ち明ける為に呼び出すのだが、何故かホテルに行き、躊躇っているうちにムラムラきて、結局打ち明けずに肌を重ねる。そうなったら普通、事実を知りながら二度目の過ちを犯したわけで、逆にハードルがあがって言い出せなくなりそうなもの。ところが海人は、今度はきちんと菫に事実を告げるのだ。

優柔不断さを演出したかったのか何なのか、私には判断がつきかねるが、Hをする前は性欲に負けて言い出せなかったことを、Hしてスッキリしたら言えました、というのは、ちょっとばかりユニーク過ぎではあるまいか。

また、凌辱ルートに突入すると、海人はキャラが豹変。頭の悪いチンピラみたいな態度と思考がだだ漏れになって、情緒もへったくれもございません。まさにやっつけ仕事。

CGは相変わらず綺麗だし、音楽を含めた演出は、チープで無い程度には整っている。けれど以上見てきたように、言い始めるとキリがないくらい背景が雑。スタッフには申し訳ないが、これでは前作ほどの好評は、望むべくもないだろう。

昨今は他ブランドの低価格ソフトの充実ぶりもめざましいものがあるし、一世を風靡した作品を出した底力で、是非次回作は巻き返して頂きたいところである。

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「リアリティ」という語について

▼イントロ
「リアリティ」、あるいは「リアル」という語が、エロゲーを巡る言説では(それに限らず、かもしれませんが)頻繁に使われます。曰く、「キャラクターの心情にリアリティを感じられなかった」。曰く、「バンド活動の描写にリアリティが無い」。曰く、「リアルな人間像がある」……etc。しかし、この「リアル」あるいは「リアリティ」とは、どういう意味なのでしょうか。私は常々、この言葉に違和感を覚えてきました。一つは、意味が比較的曖昧に使われていることについて。もう一つは、本当に「リアリティ」が価値であるか、ということについて。今回は、そんなことを取りあげてみたいと思います。

といっても、ここはムズカシイお話を専門にする場所ではないし、どこぞの講義室でもありません。なるべく解りやすくするため、ある程度端折ってしまう部分があることはご容赦ください。そして、私の話は長いので、短くコンパクトにまとめることを目指します(笑)。

と先に言い訳をしておいて次へ。

▼「リアリティ」(現実/現実性)という曖昧な語
まず、おことわりから。「現実」というと本当はリアリティとアクティビティの違いがあるのですが、ここは「リアリティ」の話をしますよということでした。よって、以下「現実」と書いた場合は「リアル/リアリティ(超先生じゃないよ!)」を問題としているものと考えてください。

哲学事典を引いても良いのですが、もうちょっと近場で済ませましょう。とりあえずWikipedia先生に質問して頂ければおわかりかと思いますが、「リアリティ」という語は哲学のテーマとして長く扱われてきており、本来は軽々しく口にできないような複雑な背景と意味を背負っています(どんな語も軽々しく口にできるものではないのでしょうが)。とはいえ、「だから使うな」では話になりませんので、簡単にまとめると下のようになります。

(1) 「現象」に対する「現実」。たとえば「空耳」というのは、現象としてはある聞こえ方をしているけれど、実際(「現実」)はそうではない場合を指します。人間の感覚は曖昧なものなので、その感覚に頼らない、いわば《世界の本当の像》。

(2) 「虚構」(フィクション)に対する「現実」。虚構というのは、「現実」を模倣して《表現されたもの》を意味します。ベースにあるのが「現実」で、その派生が虚構、ということですね。単純に本物と偽物、くらいのニュアンスで捉えて良いと思います。ちょっとざっくりしすぎですが。ただし、ここではその「偽物」性が問題になります(後述)。

(3) 「理想」に対する「現実」。あるべきありようとしての理想に対して、そうではない状態としての「現実」です。こうなると「現実」は、単なる事実とは違って克服されるべき問題、理想への障害として捉えられることになります。(1)、(2)に比べると「現実」という語に否定的なニュアンスが強いですね。


とまあ、腑分けしただけでも色々とメンドクサイ雰囲気が漂ってきました。そして実際もっとメンドクサイのは、エロゲーの感想や批評で、それぞれの人がどの意味の「リアル」や「現実的」という語を使っているかわからないということです。基本的に「リアリティ」は肯定的な意味で用いられているため、(3)は余り見かけません。

ついでに、(1)の考えにも脱落してもらいましょう。というのは、個々人の感覚に頼らないような、絶対的な「現実」など存在するのか、という問題があるからです。感覚を超えた絶対的「現実」というと、倫理の教科書などで出てくるプラトンのイデアみたいなのを思い浮かべて頂ければ良いでしょうか。つまりこれ、「世界には本当の姿がある」という発想です。

哲学史的なことを言えば、これに異を唱えたのがカントという人でした。西洋哲学の専門家とかがいたら怖いですね。小声で言い直します。哲学史的なことを言えば、これに異を唱えたのがカントという人でした。有名な、「コペルニクス的転回」というやつです。割と重要なところなので、回り道かもしれませんが少しだけ説明させてください。

カントの行った「転回」というのは、いうなれば視点の斬新な変更です。それまでの認識論では、世界の側に真実があり、人間がそれを認識しているけれどズレる、という発想でした。つまり、モノが正しく見えていない、という場合の正しさは、世界の側にあったわけです。しかしカントは、そんなもん人間にわかる?と問い直しました。そして、わからないだろう、と。わからないのであれば、無いも一緒じゃないか。それならちゃんと認識できる部分について限定して話そう。それが哲学の仕事だ、と、まあそんな感じのことを言った。これはつまり、正しい認識の正しさを、世界ではなく認識主体の側に転換したわけです。以上が、カントの行った「転回」です。超大ざっぱですが、高校程度の知識としてはこれで問題ないと思います。

エロゲーを現象ではなく「現実」だ、真の世界だ、という立場はかなりレアい気がしますし(時々見かけますが)、あったとしてもカント先生が言うとおり、現象を超えた「現実」などというものがありえるのかという厄介な問題が発生します。その判断基準についてもいろいろありえるわけですが、一応私たちの素朴な思考のレベルでは、現象を超えた「現実」には触れられない、と考えて、ひとまず今回はこの立場を斥けます。

ということで残ったのは(2)、虚構に対する「現実」ですね。もともとエロゲーというフィクションの話なので、最初からこれだけ話すりゃ良かったのかもしれませんが、手続きすっとばすと後から知人に色々言われそうなので、形式的にですが手続きを踏みました。一緒に地雷も踏んだ気がしますが、それは気づかなかったことに。

▼虚構は「現実」のまがいもの?
では、いよいよ虚構に対する「現実」の話に参りましょう。その意味で「現実」(リアリティ)を大事にする人というのは、基本的にフィクションを下に見ています。先に挙げた、「キャラクターの心情のリアリティがない」云々を例にとれば一発でお解りいただけないでしょうか。虚構は偽物であり、本物の「現実」こそが重要。それに近いほど虚構には価値がある、という立場ですね。こういう立場で「リアリティ」を使う人というのは非常に多い気がします。しかし、本当にそれで良いのでしょうか?

発泡酒のCMで、「ビールと間違えるくらい美味い」というのがありました。これは、ビールという《本物》に、発泡酒が限りなく近づいている、だからこの発泡酒は凄い、ということだと思います。虚構と「現実」の話と似ていますね。もちろん対応は、虚構が発泡酒、「現実」がビール。

しかし、もし発泡酒好きの人がいたら、怒るのではないでしょうか。俺たちは、嫌々発泡酒を飲んでいるわけではない。ビールよりうまいと思って飲んでいるのだ。何が悲しくて、ビールなんぞと間違えねばならないのだ、と。少なくとも私が発泡酒好きなら、偽物のビールとしてしか扱われていないことに対して怒ります。同じことを、虚構と「現実」にもあてはめることはできないでしょうか。つまり、虚構は「現実」との対関係ではあるけれど、もはやその価値や意味は、「現実」から独立していても良いのだ、と考えることはできると思うのです。

もしも単純に「現実」が良いのなら、虚構はただの代用品です。私たちは「現実」を限られた範囲でしか味わうことができないから、その慰めとして虚構(フィクション)を楽しむ。そういう立場はありえると思います。糖尿の検査引っかかったから、ビールはやめて発泡酒、糖質カットもつけちゃおう、みたいな。しかし、その路線で虚構を褒めれば褒めるほど、虚構そのものの価値は下げていることにもなるのです。「リアリティ」は確かに、一つの判りやすい判断基準として機能しています。けれどそれを振り回した瞬間、虚構は絶対に「現実」に勝てなくなってしまう。私は、そのことが常々不満でした。

だからこそ、「現実」的であることを価値と見なさない立場もあるだろうと思うのです。肯定的という意味では、この記事の最初のほうで棄却した(3)の立場と似ていますが、厳密には違います。「理想」は「現実」の延長であり、まさにあるべき「現実」として虚構と「現実」の立場を入れ替えただけにすぎません。ビールが発泡酒になるべきだ(健康に良いんだから!)みたいなものです。私が言っているのはそうではなく、虚構の世界・フィクションの世界が「現実」から独立して、それ自体として別の価値を持つことができるのではないか、ということです。発泡酒にはビールとは異なる、発泡酒独自の美味しさがありえるように。

まったく同じではないにしても、『無限煉姦』のところで書いた、東浩紀の議論などは、実はこの虚構性を巡っての議論を含み込む射程を持っています(大澤真幸『虚構の時代の果て』などとの関係)。これ以上は単に私の立場表明ですし、更にややこしい話になるので一旦筆を置きますが、私たちが「リアリティ」というときにどういう意味合いで使っているのか、まずはそのことに自覚的であるべき。そしてその言葉を用いることで、無自覚に前提されてしまう立場(「現実」>虚構)があるということも意識しておいて良いのではないでしょうか。

▼「リアリティ」を読み・使うために
くり返しますが、「リアリティ」を使うなとか、そういう話ではないです。一つの判断基準として優れた物差しですし、現実の代用品としての「物語」を求めている人は多いでしょうから。ただ、そうでない立場の人がいるということも覚えていて欲しい。

また、書いてある感想や批評を読むと、あきらかに「そうでない立場の人」なのに、「現実性(リアリティ)」とか「現実的(リアル)」という言葉を使ってしまっているがゆえに、感想や批評が妙な具合にねじれてしまっている方を少なからずお見かけします。あるいは、分け切れていないせいでごちゃまぜに評価してしまって内容が分かりにくくなっていたり。

クリエイターさんの発言でもそうですね。「リアリティを追求しました」とかいうのを、文字通りに取らない方が良くて、作品内世界の整合性をとりました、くらいのニュアンスの場合がすごく多いような気がします。「理想の恋人を、すごくリアルに描いたんですよ」なんて言われると、何が言いたいのか解らなくなってしまう。その人にとって理想こそが大事なのか、リアルなことが大事なのか、その二つは矛盾しているのかしていないのか、ぱっと判断できないんですね。

たぶんそう言うときは、読む側が「どういう意味の「リアル」なのか」を斟酌して読めば良い。語りの技術としても、読みの技術としても、「リアリティ」という語に注意すると色々はっきりスッキリするんじゃないかと思うのですが、いかがでしょう?

今回はそんな感じで。
文章の乱れは適宜修正していく予定です。

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【2012年1月31日追記】
この記事を書くきっかけになりました、めざましさんの「めばえ」感想を紹介させていただきます。
 → めざましさんのレビュー(ネタバレ無)

めざましさんはここで、《現実》と《理想》という対立を取りあげておられます。《現実》と《理想》が別々の価値を主張する(《現実》は現実主義を、《理想》は理想主義を唱える)一方、一般的には《理想》のほうがエロゲーユーザーには重視される、というのがここで言われていることでしょうか。これはつまり、私の言ってきた、「現実」から独立した「虚構」というものが、めざましさんの《理想》と対応するように思います。

以下、コメント欄の内容を簡単にまとめることになりますが、めざましさんのご感想を、めざましさんのおっしゃっておられる路線で更に貫徹するなら、《現実》の体現者が莉子、《理想》の体現者が杏奈だった、ということになるように、私には思われました。だからこそ、リアリティという標語が取り下げられたのかな、と。実際、杏奈はあんな姉さんいないだろっていうアンリアルな感じでしたし(笑)。

そんなわけで、大変面白く読ませて頂いたレビューでした。しっかり考えられたうえで書かれ、しかもその考えのプロセスを追い掛けられるレビューというのは良いですね。しかも、作品やキャラへの愛に溢れていると、これは読むのがとても楽しい。めざましさん、楽しい感想をありがとうございました。でも私は杏奈派ですが

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レビュー:『喰ヒ人』

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タイトル:『喰ヒ人』(TinkerBell/2012年1月20日)
原画:あおじる/シナリオ:小峰久生
公式:http://www.cyberworks.jp/tink/kurai/
批評空間レビュー投稿:済→ネタバレ無
定価:8800円
評価:B(A~E)

投稿を終えたのでこちらでも少し。といっても、ほとんど書くことが残っていません。どんな作品であったか、内容が気になりましたら上記リンクより拙文をご覧ください。

攻略ルートとしては、感想にも書いた通り「琴音→悠里→まみ→ハーレム」がお薦め。実はハーレムルートは悠里からの分岐なのですが、悠里見た後、ハーレムに行くのが良いと思います。

一応ちゃんと理由があって、少なくともハーレムは最後です。これは譲れない。本作のハーレムは割とちゃんと「これしかない」終わり方になっているので、これを途中にして(そもそも全EDを見ずに分岐するのかどうか確認していませんが)、他を最後にするという選択肢は考えられません。また、琴音は悪いけど物語の本質に一番かまないキャラなので、最初です。

そうなると、残りは悠里とまみのどちらを前後にするか。効率的にはまみ→悠里なのですが、ストーリーの流れとしては逆です。どうしてかというと、まみルートとハーレムルートは、「3人が3人のままでいられる」という形の裏表になっているからです。これは、クリアすれば納得していただけるのではないでしょうか。まみ→悠里でも大きな問題は発生しませんが、「使用人」の正体などもわかるまみを「一応の」解決編・大団円とみなし、エクストラのハーレムに行くのが妥当に思われました。

ちなみにEDは「琴音1~3」、「まみ1~3」、「悠里1~3」+ハーレムの10個(最初のなんにもせずに終わるのを入れるなら11)。各ヒロインのEND1は、死亡フラグ踏んづけて途中リタイアの場合。フラグ選択肢一つで分岐するから回収は楽です。END2と3の分岐は、基本的に秋夜たちに従うか、反抗するかで分岐。多少分かりにくいこともありますが、たぶんフラグ管理自体は緩いのですんなり見られると思います。面倒なのはハーレムでした。

今回は声優さんのフリートークが割と面白く、特に琴音役の有賀桃さんは「有賀、頑張りました」おっしゃっているだけのことはある。しかし、トークネタがゲームシステムをことごとく無視していたり、台本ネタ多かったりと、収録早かったんだろうなあというのが何となく伝わってくるような内容で……。ともあれ、ありがとう、有賀さん!

過去にやってきたTinkerBellさんの作品中、1、2を争う良作でした。批評空間さんにつけた得点だと77点ですが、投稿するまでは80点いくだろと思っていましたし。独自採点表に書き込んでいたら、段々点数がさがっちゃいましたが、この手の凌辱ゲーとは思えない退廃的な雰囲気が良かったですね。個人的に、抜きゲーほど重厚な背景やしっかりしたストーリーが欲しいタイプなので、最低限このくらいの内容であれば言うことナシです。『アトラク=ナクア』を思い出したというのも、大げさではありません。あとは、もうちょっと展開うまく見せてくれたらな。

追加で、一香の物語(作中舞台の一年前)を収録したディスクが二月ごろ発送されるとのこと。あんまり出番も無かったので、それなら三人娘の後日談やってほしいと思わないでもないのですが、とりあえず葉書を送ろうかなと思います。

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2011年月別エロゲー個人ランクPART3 (9月~12月)

最終回です。

▼9月
【ランキング】
1位:VenusBlood ABYSS 2位:神咒神威神楽 3位:未来ノスタルジア
【短評】
『恋騎士』、『シュクレ』、『SuGirly Wish』などの強豪を抑えてのトップ3は上。どれもハイレベルでしたが、ゲーム性とストーリー性を備えた『VBA』をトップにしました。燃え系の完成度としては『神咒』が相当なレベルに達していますが、『Dies irae』のほぼ続編であることを除けば、避ける要素は少ないでしょうか。『みらのす』は、拳銃もった巫女さんとツインテールを楽しむ作品。萌えよりは読ませる系で、『明日の君に逢うために』以来のPurpleのスマッシュヒット。ただ、双子の不遇っぷりが泣けるというか、もうちょっと全体で各ヒロインに役割を持たせて、物語を有機的に繋げられれば、全体が引き締まったように思います。

凌辱枠では、カガミ氏からの原画交替で内容が懸念されていた『対魔忍ユキカゼ』が抜群のクオリティ。トップ3が強すぎたので今回は圏外ですが、他の月だったら食い込んでもおかしくないレベルでした。他はアイルの人気シリーズ『脅迫3』くらいでしょうか。『獣魔戦姫エクセリア』は雰囲気があったものの、物語もボリュームも今一歩大人しく終わった感じ。アイドルと家族の絆を描いた『D-EVE in you』など、他にも面白い作品がありましたが、どれも上記3本には及ばず。カントク氏を原画に起用した、話題の『your diary』は、「ほんとうの気持ち」を軽く扱いすぎた感じがあり、個人的にはNG。キャラクターが心情を全部セリフで説明しちゃうタイプは少々苦手です。

噂のトンデモゲー、『プリンセスX』がこの月発売ですが、幸か不幸か購入していません。各所で取りあげられた噂を聞くに恐るべき内容のようですが、余程のことが無い限り、私と接点を持つことは無いでしょう。

◎ピックアップ
『VenusBlood ABYSS』(公式) Dualtail/2011年9月30日
毎回システムを斬新に変更する『VenusBlood』シリーズですが、今回は『巣作りドラゴン』を思わせる迷宮構築SLG。迷宮に罠を張り巡らせて進軍してくる勇者や敵の魔族を捉え、調教していくというもの。罠の配置を考えたり、自軍のモンスターをブリーディングする育成要素が非常に楽しめた。調教モードと迷宮に建設する施設の関連が薄かったり、周回要素がやや希薄だったりと、やや詰め切れていない感じは受けるものの、ワンプレイで十分長く楽しめます。

また、ストーリーは『VenusBlood』シリーズ伝統の、価値転覆もの。魔王軍・魔族として迫害されている主人公たちのほうが、実は「まとも」な連中で、正義を振りかざしている方が本当は恐ろしいというのをアピールしています。こちらはいつもより捻りが無かったかもしれませんが、この手の物語が好きであれば問題ないでしょう。鬼畜凌辱に突っ走るルートもきちんとあります。ヒロインもよりどりみどり、シチュエーションがちょっと少ない気もしますが、全体で見れば十分すぎるくらい。総じて良くできた作品でした。

批評空間様に感想投稿済。興味があればご覧ください。→リンク



▼10月
【ランキング】
1位:ワルキューレロマンツェ 2位:恋愛0キロメートル 3位:プリーズ・レ○プ・ミー!
【短評】
私事ですがこの月からリアル生活が超絶忙しくなり、お金の都合もあって購入数が減り始めました。この他には『神聖にして侵すべからず』と『デイドリーム・ビリーバー』しか買っていません。どちらもそれなりに良かったです。低価格ゲーも総回避。いまリストを見ていたらやりたいの出てきたから、そのうち買っているかもしれません(笑)。『翠の海』や『せきさば!』など話題の作品をプレイせずのランクなのでちょっと自分では納得いっていないのですが、廉価版が出るのを気長に待つなりしたいと思います(せきさばはきつそうか……)。

『恋0』と『ワルロマ』は順番逆だろ、という人も多いでしょうか。好みの問題だと思いますが、明るくコミカルなほうが好きなら『恋0』、スポーツものの王道っぽい話が好きなら『ワルロマ』で。『恋0』は美咲の当て馬っぷりに涙。氷室屋は良いキャラだけに、(主に大人の事情で)FD等のルート追加も無さそうなのが残念ですね。『レ○プ・ミー!』は、過去にこのブログで記事作ったのでカットします。

◎ピックアップ
『ワルキューレロマンツェ[少女騎士物語]』(公式) Recotta/2011年10月28日
こもりけい氏の美しいグラフィックが冴える、学園ラブストーリー。発売日の延期に次ぐ延期でいささか待たされすぎた感じもありますが、期待を裏切らない仕上がりのものを受け取ることができました。割とハードなHシーンに、お漏らし搭載は相変わらず。今回は「戦う女の子」がメインでしたが、プリンセスの時同様かそれ以上の羞恥心を演出して、肌色シーンの破壊力が上がっていたように思います。

基本的に陰惨な展開にはならないし、良くも悪くも少年誌の王道スポーツものという感じ。そう言い切るには成長の過程が省かれているかもしれませんが、ヒロインと仲良くなるステップがその分描かれていると考えれば等価交換で良いのではないでしょうか。

批評空間様に感想投稿済。興味があればご覧ください。→リンク


▼11月
【ランキング】
1位:無限煉姦 2位:テンタクルロード 3位:Strawberry Nauts
【短評】
他プレイ作品が『ポコ・ア・ポコ』、『彼女高天』のみ。アタリをひきまくった月です。実は、買った本数が少なかったため、全作品のレビューを投稿しました。手抜きになりますが、そちらでやっちゃいましたということで省略いたします。

見送ったメジャータイトルも多く、『お天気雨』と『真・NOZOKI魔2』、『ましろサマー』、『LEGEND SEVEN』あたりはいずれ買いたいです。……無理だろうなあ。『プリズムセイバー』をやたら友人が薦めてくるのですが、どうなんでしょう。


◎ピックアップ
『無限煉姦~恥辱にまみれし不死姫の輪舞~』(公式) Liquid/2011年11月25日
これについてはブログで以前書きましたので、やっぱり省略。良い作品だったと思います。『euphoria』と同様のテーマを扱いつつ、仕上がりはだいぶマイルドな味わいに。愛しさと切なさが交錯する、美しい物語。

考えるまでもなく、こちらのほうが『euphoria』より数段門戸が広いでしょう。ただ、ブランドイメージがネックになった感じもします。逆で出せば良かったんじゃないでしょうか。クロックアップから『無限』。リキッドから『euphoria』。これなら、誰もが納得だったような気がします。

詳細な内容紹介とレビューについては、興味がございましたら右記リンク先の記事をご覧ください。→リンク


▼12月
【ランキング】
1位:WHITE ALBUM2 2位:美少女万華鏡 3位:めばえ
【短評】
12月は個人的に楽しみにしていたライアーの『大機関』があったのですが、リメイクということで考察外。非常に満足できる内容でしたとだけ。『コロナ』、『フリフレ2』、『制服天使』、『聖麗奴学園』、『妹選抜』あたりを買いましたが、この三本には及ばず。特にコロナは初期不具合に低い自由度と、ちょっと前作比較で残念な感じがしました。

『フリフレ2』はパワーダウン。前作が神がかっていただけかもしれませんが、設定の甘さが目に付きます。実習先の教え子が制服着てたのに、どの学校か気づかないとかどれだけボケているのか。

他の話題作としては、『七つのふしぎ』や『真夏の夜の雪』、『天下御免』、『HOTEL』あたりでしょうか。前者二つは高評価をよく聞くので、いずれは……ってこればっかりですね。でも積むだけだと勿体ないし、お金と時間の目処がついたらということで。究極のNTRと話題の『ガテン系』も手を出したいのですが、明らかに買い時を逃した感。ツイッターとかでわいわい言いながらやるのが楽しそうだったなあと後悔。

なんだかんだで年末年始と年度末はエロゲーに使えるお金がガクンと減るのが悩みどころ。そろそろマシンも新調したいのですが……。そに子がまともに動かないとか、哀しすぎます。

◎ピックアップ
『WHITE ALBUM2 ~closing chapter~』(公式)Leaf/2011年12月22日
本作についても散々書きましたので、以下略ということで。月が下るについていい加減になったと思われそうですが、後期からは投稿を始めたということもあるのです。そのあたりはご理解頂けると嬉しいです。

ともあれ、全体的によくできた話。テキストもしっかりしているし、「IC」とあわせればボリュームも相当。音楽・CGのレベルも高いです。もっとも前編とあわせないといけないのがネックといえばネックなのですが。時間がある人にはお薦めできるものの、そうでない人にはちと厳しい。もちろん、それでもやるに相応しい価値はあると思います。

例の如く内容等について興味があれば右記リンク先の記事をご覧ください。→リンク


これで一応一年通して終わったかなー。やれやれ。お付き合い、ありがとうございました。次は年間通して総評みたいなことを書こうかと思っています。誰かの参考にというよりは、自分の好みとかがどういうものか、振り返ってみる機会になりつつあるかもしれません。日記だと考えれば、それも良し。

ただ、書いてる時間使えばエロゲーの積みが少しは減りそうで……と、段々面倒な気もしてきました。エロゲーマーでブログとか自サイトを更新し続けている人は、本当にそれだけで尊敬。凄いなあ。

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レビュー:『WHITE ALBUM2』

WA2

タイトル:『WHITE ALBUM2』 (Leaf/2011年12月22日)
原画:なかむらたけし、桂憲一郎、柳沢まさひで/シナリオ:丸戸史明(企画屋)
公式:introductory chapterclosing chapter
批評空間投稿:済→リンク ※ネタバレ有
定価:9800円(セット版)/7800円(CC初回限定版)
評価:A+(A~E)

豊作だった2011年の、遅れてきた大本命。ただし、「人を選ぶ」という部分が強くでる作品であることも確か。その「選び方」は、よく言われているような三角関係だとか修羅場だとかでハラハラさせられるという、それだけでは無いように思われます。そもそもこの作品の見所はそこではない、ということを批評空間様に投稿した感想で書いたのですが、いまも基本的に変わっていません。

では何がネックかと言いますと、登場人物の心情や態度。それを理解し、また受け入れられるかどうかが、楽しめるか否かの分かれ目でしょうか。理解できる人が偉いとか、読解力があるとかではありません。恐らくは相当程度、単純な相性が問題を占めています。

たとえば一部では不誠実でクズだと評判の悪い主人公・春希。外側から見たら春希は優柔不断で度し難い最低の人間。作中でもそういう面があるという規定がなされているのは確か(武也や依緒の言うとおり)です。しかし、では、彼はどんなクズなのか。

元から誠実にする気の無い不誠実なのか、それとも誠実にしたいと思っても無能故にそれができない不誠実なのか。そのどちらかで、人物の読み取りは大きく変わります。そして春希は、恐らく後者。それは、雪菜とかずさが作中(ワインで酔っぱらう場面)できっちりと見抜いています。

更に言えば、もしも春希がかずさを簡単に忘れられる、あるいは雪菜を簡単に捨てることができるような人間だったら、二人はこれほどまでに春希に惚れ抜いたでしょうか。

かずさや雪菜は、かわいいとか声が良いとか乳がでかいとか、いろんな要素はありますが、何よりもそんな春希に惚れて惚れ抜いているからこそ「佳い女」なわけです。これ、仕事ができて誠実な奴に惹かれてるだけだったら、言っちゃあ悪いけど、ただの打算的な安定志向と見分けつかないですよ(笑)。

結局のところこの作品は、春希を駄目な人間として扱いながらも、ある意味でそこにこそ春希の春希らしさ・魅力を描いているわけです。そして、そんな春希を好きになってしまうヒロインたちの魅力は、単独ではなく、春希との関係の中で析出されるようになっています。そうやってじっと目をこらすと、私にはこの作品に出てくるのは、愛すべき人びとのように思われたのでした。

他の登場人物も、程度の差こそあれ概ね似たようなものでしょうか。誰もが正論を吐き、同時にエゴイスティックに誰かを傷つけ、そのことを正論で誤魔化そうとする程度には卑怯。そして本作は、そういう人間を矯正させて正しく立派な人間に「成長」させる物語ではない。むしろ、そういうところを拾おうとしちゃう作品。「もう……しょうがないなぁ」(里伽子)のキモチで受け入れてしまう。ここが、おそらく好みの最大の分かれ目です。

そもそも問題が人間としての誠実さであったなら、あんなこんがらがった話にする必要は全くありません。きっちり選んで、綺麗に振って、聖人君子になりましたおしまい、で良いはずです。そうなっていない以上、作品の解決はいわゆる誠実さには無い。社会的には許されないとしても、そこから外れていってしまう人の想いをどうにか救い出そうとしていると読む方が妥当です。その辺を許容できるかどうかで、本作への印象は大きく変わると思います。

あと、妙に自罰的でウジウジした登場人物たちもクセがありますね。卑怯なことをしていると解りつつ、決して開き直らない。後悔し、許しを請い、自分を責め続け、それでも相手を殴るのを止めない。やってしまったことをウジウジ悩むくせに、後悔すると解っている選択肢をその場の欲で選ぶことを止められない「愚者」です。考え無しというのではなくて、考えているのに正解を選ばないという類型。ドラマや映画で出てきたらハラハラするかイライラするかですが、後者に見える方には向かないかもしれません。

春希はたぶん、最後まで「誰に対しても平等」という不可能で馬鹿げた、でも本人にとってはそれこそが大まじめに「誠実」だと信じている考えに取り憑かれています。そのせいで、春希だけが「運命の相手」を選ぶことができない。けれど、物語はそんな春希にとっての「運命の相手」があらわれるわけです。では、どこに・どんな風にあらわれるのか。

このことをもう少し普遍化して言えば、人が理屈抜きで、「この人(もの)でなきゃダメだ」と思える瞬間というのはどんな風に訪れるのか。そして、もしその時が、訪れてしまったら、私たちにはどんな道が残されるのか。無粋なのを承知で本作のトータルを俯瞰すれば、そういう作品として読むことが可能だろうと思います。

でも、そういうのって結構簡単にやってくるんじゃないでしょうか。構図としてはまんま、エロゲ版『こころ』(夏目漱石)と言っても良いくらいですから、少なくとも明治からはあったと思います(笑)。もっと身近にひきつければ、テスト近いから勉強をするのが正しいのに漫画読んじゃうとか、買う必要なんて無いものを買ってしまうとか、明日仕事があるのに徹夜でゲームしてしまうとか。後半の例は単なる逃避かもしれませんけど。

いずれにせよ、理性では「抑えきれないこの想い」(とらドラ)を、まっすぐに信じたいロマンチスト御用達。だからこそ、そんな事態に対して否定的な、あるいはそこに憧れを抱かない人にはピンとこないだろうし、逆に嫌悪すら抱くかも知れません。

なんだか、相性の話ばかりになってしまいました。ただ、内容の「紹介」と私自身の「想い」は既に書いてしまったわけで、補足的な話になるのはご容赦ください。

最後に、音楽の話して終わりましょうか。

ボーカル曲の充実ぶりは過去最高。カバーが、『深愛』、『WHITE ALBUM』、『SOUND OF DESTINY』、『POWDER SNOW』、『ROUTES』、『あなたを想いたい』。オリジナルで『届かない恋』、『After All ~綴る想い~』、『Twinkle Snow』、『優しい嘘』、『愛する心』、『心はいつもあなたのそばに』、『closing』、『時の魔法』。合計14曲です。特に池田春菜さんの『あなたを想いたい』は、雪「」が「」希を想って歌う曲としては会心のネタだと思ったんですが、そういう意図はあったのかなかったのか。

「冬馬」、「雪菜」、「春希」というネーミングはやっぱり『WHITE ALBUM』用にチューニングされているんでしょう。やりすぎてあざとい感がしないでもないですが、個人的にはこういうの好きなのでアリです。

結局のところ私にとって作品との付き合いで一番楽しいのは、その作品との関わりの中で自分にしか取り出せないと思えるような想像力が働く時。本作はそういう楽しさを存分に味わわせてくれました。

ただ、それはまさに私自身のパーソナリティに深く根ざしているわけで、誰かに伝える言葉にするとなると矛盾します。あるいは、少なくともきわめて困難です。結果、長い文章を書いたり、何度も『WA2』の話を取り上げるという行動と込みでそれに近いものを伝えられたら良いなぁという形をとってしまう。そしてタチの悪いことに、伝わっても面白い保障は全くありません。完全に自己満足です。

だから、この作品をひろめたいとかそういう使命感は全然ないのですが、同じようにこの作品を好きな人と語り合いたいという希望はあります。お酒でも飲みながら、わいわい話ができたらきっと楽しいだろうな。

もう少し落ち着いたら、もっとちゃんと誰かに伝えられるような文章にしていくと思います。でも、今書いてるのが一番ナマの気分に近い気はします。

【蛇足】
感想で書いた関連作品一覧は下の通り。参考資料のつもりだったので、こちらにも転記しておきます。遺漏があれば是非教えてください。

(1) 「彼の神様、あいつの救世主」 (小説)――2010年2月(BugBug誌3月号収録)。
(2) 「雪が解け、そして雪が降るまで」(小説)――2010年3月(「IC」初回特典)。
(3) 「祭りの前~ふたりの二十四時間~」(ドラマCD)――2010年8月(公式通販)。
(4) 「祭りの後~雪菜の三十分」(小説)――「祭りの前」添付のブックレット。
(5) 「Twinkle Snow~夢想~」 (小説)――2011年2月(公式pdf公開)。
(6) 「祭りの日」(ドラマCD)――2011年12月(「CC」予約特典)。
(7) 「ピロートークCD」(ドラマCD)――2011年12月(「CC」ソフマップ予約特典)。
(8) 「歌を忘れた偶像」(小説)――2011年12月(「CC」初回特典)。
(9) 「一泊二日の凱旋」(ドラマCD)――2011年12月(コミックマーケット81。公式通販予定)。

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《自己紹介》

エロゲーマーです。「ErogameScape -エロゲー批評空間-」様でレビューを投稿中。新着レビューのページは以下。
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