よい子わるい子ふつうの子2(仮)

18禁PCゲームをメインに、ラノベや漫画についてもダラダラ話を書きます。長文多いです。

事件レポ

地下鉄でのゴタゴタの話。

また争いか、という感じですが、私の行動範囲が悪いのか私に何か惹きつける体質でもあるのか……。今日は乗っていた地下鉄の中で口論がありました。原因は、おじいさんの咳です。

※今回、身バレを警戒して少しフェイクを入れています。というのも、その騒ぎが起きた時に乗っていた成人男性が私くらいでしたし、場合によっては動画とか撮影してる人がいるかもしれないので、万一に備えてちょいちょいつくった話を入れていますが、セリフと全体の流れはそのまんまです。

新宿方面に向かう電車に乗っていると、私の左斜め前方の1人席に座っていたおじいさんが咳き込みはじめました。その音を聞いて、おじいさんの前に座っていたおばあさんが即座に座席を立ち、1つ横のブロックの席へ移動します。

しかしその後もおじいさんの咳が止まることはなく(私より前に乗っていたようでしたが、最初は咳してませんでした)、おじいさんの3人ぶんくらいあけて横にいたおばさんが、窓をおろしてあけました。途中の駅で人が乗ってきたのですが、やっぱりおじいさんの咳が続いていたせいもあり(私もめっちゃ気になって見ていたのですが、おじいさんいも咳を止めようと苦心している感じはありました)、その周辺はぽっかり空いています。明らかに下車駅ではなさそうなところで降りる(乗った次の駅で降りて、そのままホームに経って次の電車を待つっぽい)人もいました。

しばらくして、横にいたおばさんがたまりかねたように声をあげました。「あなたね、咳してるんだったら、外にでちゃだめでしょ、降りませんか?」

しかし、おじいさん、ちらっとそっちを見ただけで無視します。

おばさん、立ち上がっておじいさんに接近。「降りてください。みんな、迷惑してるんです」

身に覚えはないのですが、どうも「みんな」と言うからには私も入っているようです。私はそっちをガン見しましたが、興味ありそうに見ているのは車内の1/3くらい。あとは我関せずという感じでした。

「俺は、コロナじゃないから。ワクチン打ったし」
「検査したんですか? PCR検査」
「してないけど……ワクチン打ってるんだから」
「打ったってかかるんですよ! 検査してから乗ってくださいよ!」(キレ気味)
「乗らなきゃ、病院もいけねぇだろ」
「タクシーでいいじゃないですか! ちょっとは周りのこと、考えてよ」
「俺はコロナじゃないんだから、あ、あ、あんたが降りればいいだろ」

タクシーのほうも、いい迷惑だなぁとか思いながら聞き耳ずきん。ただこれ落とし所見当たりません。どっちか降りるのかいなと思っていましたが、おばさんはそのまま立ち上がって元の席に戻りました(戻るんかい!)。

いやまー、ワクチン打ったからってコロナ回避できるとは限らないし、咳き込んでいたら外出は控えたほうが良いのは当然だし、検査してないのにコロナじゃないとは言い切れないのでおじいさんバリバリにダメな感じではあるんですが、私人が彼を無理やり降ろすのもできないはずなんですよね。できることとしては、言われても困るでしょうけど、運転手さんに「相談」するか、メトロの営業所に頼むくらいなんでしょうか……。あとはおじいさんの言う通り、嫌なら自分が降りるか。

個人的にはやっぱり、鉄道の側で対処すべき案件なのかなぁとは思います。飲食店がそうするように、発熱者や疑われる症状がある人は乗車をお断り、乗った後で発覚した場合はそこで下車してもらう、みたいな。

感染が拡大して今後こういう場面を見ることが増えるのかもしれないと思うと、正直とても暗い気持ちになります。都内に住んでいるからということがあるにせよ、私のような人畜無害な一般人ですらこういう騒ぎに遭遇するのが1度や2度ではないですからね(このブログで何度か書いている通りです)。これから更に罹患者が増え、病院の状況も悪くなって生命の危機を実感しはじめると、みんな気が立って反応も過激になったら大惨事もありえそう。

本来はそうならないよう事前に行政が呼びかけたり、対応方法を示すことは大いに意味があるのですが、日本の場合はきっと、ことが起こってからだいぶ経ってようやく「お気持ち」を表明する程度が関の山なんでしょうかねぇ。

………
……

咳だけに。

ブチ切れおねえさん。

コンビニでお茶を買おうと並んでいたのですが、レジが進まない。見ると、若い女の子が何度も何度もスマホの画面を見せ、店員さんが読み取ろうとしてはエラー(このレジでは支払いができません)が表示されています。

そんなやりとりが2、3分続き、一レジなので人が溜まってきました。すると、私の前のお姉さんがヒールを床に叩きつけて凄い音を立て始めます。

カツッ! カツッ! という鈍い音が店内に響き始め、女の子と店員さんがわたわた。

結局女の子は支払い方法を変更して購入したようでしたが、ブチ切れたお姉さんの怒りは店員さん(初老の男性)に向けられます。

「お箸は…」→無言で首を横に
「レジ袋は…」→無言で首を縦に
袋詰めでもたつくういに、PASMOを持った手でレジ台をコツコツと連打。最後は円を描くようにレジ台を引っ掻き始める。

と、こんな感じ。レシートも受け取るや否や、叩きつけるようにレシートBOXに入れて立ち去って行きました。

苛立つ気持ちはわからないでもないのですが、そんな当たり散らしても何がどうなるわけでもなし、アレを我慢できないというのはなんか生きづらそうですね。

のぞきみ。

きみのぞではありません。

これ書くと朝に乗っている路線がバレそうですが、今朝愉快な? 時間がありました。

私の少し前の方、地下鉄のドア側に立っていた女性が「覗かないでよ!」と絶叫。なんか、後ろの男性が自分のスマホを覗いていたと言い始めました。ガラス戸に映っている視線で分かったのだ、と。

シャツにネクタイ姿のサラリーマン風の若い男性は、覗きを否定した上で、「お前がゲームしてようがニュース見てようが興味ねぇわ」みたいに言い返しました。

するとその女性、「私がLINEやってたの見てるから、見てないってアピールしてるんでしょ!?」みたいなことを叫びます。すぐには意味がわからなかったのですが、どうやらLINEやってるのを見たから、見ていないフリをするためにLINE以外の名前を挙げた、という主張だったようです(今でもあんまり意味がわかりません)。

すげーなもう何でもあり、LINEって言ってたら「見たから言えるんだ」とかのたまったんだろうなぁと感心しつつも流れを見守ります。

ほんとうに覗いていたのかは分かりません。ただ、男性の方はもう相手をしていられんという気配でガン無視。女性はその後二言三言文句を言った後再びスマホと睨めっこ(時々後ろを見ながら)。微妙な空気の流れる車内でしたが、次の駅で女性が下車して多少緊張感は解消したのでした。

私はそのふたつ後の駅で降りましたが、男性はまだ乗っていたのでその後の顛末はわかりません。

痴漢とかでは無いから事件性はないものの、なんか満員電車の新たな怖さを見た気がします。無用なトラブルを避けるため、これからは吊革につかまるだけでなくて、目も閉じておかないとダメかもしれません。危ないですけど。

Zoffのおもらしの話。

先日、メガネ屋さんのZoffからメールが届きました。

zoff


2021/05/15(土)
 お客様各位

このたび、当社が運営するメガネブランド「Zoff(ゾフ)」において、外部から不正アクセスがあり、調査の結果、お客様の個人情報(氏名・性別・生年月日・メールアドレス)の流出があったことが判明いたしました。お客様に多大なるご迷惑とご心配をおかけしますことを、心より深くお詫び申し上げます。

詳細につきましては、下記をご参照くださいますようお願いいたします。

1.不正アクセスの状況

マルウェアを利用した第三者によるサーバーへの不正アクセスが確認され、調査の結果、お客様の個人情報(氏名・性別・生年月日・メールアドレス)の流出が判明しました。
※クレジットカード情報は含まれておらず、漏洩は確認されておりません。
※マルウェアとは、不正かつ有害な動作を行う意図で作成された悪意のあるソフトウェアの総称です。

外部からアクセスがあったと書いてありますが、「マルウェアを利用した」ということは、誰かが「踏んだ」のでしょうか。そこははっきり書いていませんね……。ただ、どうも会員情報などの一部が流出した模様です。

取材をしたわけではないので確かなことは言えませんが、Zoffに登録する個人情報って基本的には住所氏名年齢と電話番号、あとメアドでした。その辺が漏れたというだけかととるか、それ結構重要な情報だよねととるか……。私なら後者です。Zoffの顧客だということはわかるわけですから、Zoffを装ってダイレクトメールを出し、詐欺のカモにすることも可能かもしれません。

どの範囲の顧客情報がどの程度流出したのかの説明はやっぱりほしいですよね。

今後詳細は以下の場所で発表されるそうですので、Zoffに情報登録してるわ! という人はどうぞご確認ください。

▼「不正アクセスによるお客様情報及びお取引様情報流出についてのお詫びとお知らせ|株式会社インターメスティック」(Zoff)

巧妙(?)な偽Amazon詐欺にご注意を、という話。

今日はフィッシング詐欺の話です。当ブログでは何度か取り上げてきていますが、まさか今更と思っていたら職場でネタにしていたらマジで引っかかった人がいたっぽいのでやっぱりまだまだ根強い勢力なんだなぁと痛感しました。注意喚起がてら記事にしておきます。

つい数日前、私のプライベートメールにこんなのが届きました。
amasagi

検索用にコピペしておくと、文面はこうです。

Amazon お客様 残念ながら,アカウントAmazonを更新できませんでした。

このカードは期限切れですか?請求先住所が変更される理由はさまざまです。アカウント情報の一部が間違っているため、お客様のアカウントを維持するために、Amazon情報を確認する必要があります。これでアカウントを確認できます

また、24時間以内に確認がない場合は、アカウントをロックするように警告します
 
ログインアカウントのメールアドレスがログインされていない場合
お問い合わせ:Amazonカスタマーサービス
お知らせ:
 
• パスワードは誰にも教えないでください
• 個人情報とは関係なく、推測されにくいパスワードを作成してください。数字と記号には必ず大文字と小文字を使用してください。
• アカウントを安全に保つために、アカウントごとに異なるパスワードを使用してください

見た瞬間、「は?」となりました。

まず、「Amazon お客様」「アカウントAmazon」をはじめかなり日本語が不自由です。この時点でもう怪しさ5凸を通り越して上限解放MAXレベルです。

jyogen

次に、表記がばらばら。たとえば「残念ながら,アカウント」の読点は「,」(半角カンマ)なのに、「いるため、お客様の」は「、」(全角読点)になっています。また、一部で「。」(句点)があったりなかったり……。とくに最後の箇条書きのところは、1つ目と3つ目に句点がないのに、2つ目の末尾には句点が置かれています。素人のメールならともかく、企業、それもAmazonほどの大手企業がこんなクソみたいなメールを送ることはまずありえません。送っていたとしたら、担当者と上司は交替させられるんじゃないかってレベルです。

3つ目。Amazonのカード更新は先日やったばかりです(笑)。飛んで火に入る夏の虫たぁこのことよ。燃えろ。

これは詐欺かなー、詐欺だなー、と思い、一応安全を確保したうえでリンクをクリック! するとこんな画面に飛ばされました。

amasagi2

はい、詐欺ですね。フォントが違う(たとえば、「新しい」の「新」の「木」の部分に変なハネが入っていたりしますよね。ぱっと見でかなり違和感があると思います)。ページ自体も思いっきりハリボテで、リンクをクリックしてもこのページから一切移動しません。ただ、URLには「amazon」の文字が入っており(amazon.co.jp.sxlz.org.cn/ap/signin)、完全にやっつけではない感があります。

あとブラウザで並べると、タブのアイコンが全然……というほどでもないかもしれませんが、しっかり比較して見れば分かるくらいには違いました。

amasagi3amasagi5


左が偽アマゾンのアイコン。右が本物のアマゾンのアイコンです。なんかブランド品の鑑定みたいになってますが、矢印の色幅や曲線の角度が全然違う。ブラウザ上で並べるとかなりハッキリとわかります。

PC慣れしていない人でも分かるかな、というのはこういうところですね。

もちろん、メールのヘッダー見てドメインからWhois情報調べれば一発でAmazon公式でないことがわかります(登録者は中国でした)。リンク先もAmazonとは無関係。ただ、メールのヘッダーを見たりドメイン確認するかと思える人はそもそも引っかかりません(たぶん)。重要なのは、詳しくない人でもフィッシングを回避するにはどうすればいいか、というところです。

そこで、自分が今よりも未熟だったころにどんなことを考えて危機管理していたか思い出しながら、対処法をピックアップしてみました。

 1.「ID・パスワードの入力を迫る」内容に対してはまず疑う。
※最近は、何のサイトか明言せず、単に「荷物が届いています。ログインして確認してください」みたいなパターンもあります。とにかくIDとパスワードのセットを収集されると怖いです。

 2.「アカウントを停止する」、「罰金が発生する」、「料金を支払え」、「今だけ(あなただけ)○○」等の煽り文句があったら、驚く前に疑う。
※金を払え、とか停止するぞ、と脅されると人はつい不安になり、きちんと確かめずに対処に走ってしまいがちです。特に心当たりが複数ある人や気の弱いは……。そういう心理の隙をついてくるのがフィッシング詐欺ですから気をつけるのも難しいですが、ここは大事なところです。最近は、「ワクチン摂取の権利が当たりました。3日以内に振り込みと連絡先を」とかいうタイプもあるようです。

 3.日本語に不自然なところがないかチェック。
※海外からのメールで不自然さがわかりやすいのは、私の経験上次の4つです。
  ・助詞(てにをは)
  ・敬語
  ・表記(句読点)
  ・フォント
最近は機械翻訳ではない、きちんとした日本語文面のメールも増えてきましたが、上記4つはなかなか誤魔化しきれていない感があります。

 4.文面の一部をコピペして検索。
※有名なやつならだいたい誰かが詐欺だと報告しているか、知恵袋・教えてgooのような質問サイトに投稿があります。

 5.メールのリンクを使わず、本家サイトから同様の内容を確認できるかチェックする。
※今回であれば、AmazonにGoogle検索から入って同じ内容が自分に届いているかチェックします。これは結構重要で、そもそもどういう組織からのメールであるかが書かれていなくてわからないような場合は100%詐欺です。

という感じでしょうか。「1」~「3」のステップは疑いを持つのに役立つくらいですが、「4」「5」でだいたいの場合詐欺かそうでないかがハッキリします。

今回のメール、昔の私なら「4」で確定にしたと思います。2018年に同様の手口が広がっていたようで、すぐに検索ヒットしますから。

 ▼「Amazon をかたるフィッシング(2018/11/30)」(一般財団法人 セキュリティ対策協議会)

個人のブログなんかも引っかかりますね。

 ▼「あなたのアカウント Аmazon を更新できませんでした。」(satoの雑技術ノート)

というわけで、こういうメールはフィッシング詐欺ってことで良いでしょう。個人情報は入力しないよう、みなさまくれぐれもお気をつけ下さい。

マスクしない人ほど?

今日も都内の感染人数が600人を超えましたが、もうそんなに騒ぎにもならんなーという感じ。しかし、人びとがピリピリしているのは事実としてあるわけで。

ずっとクシャミしてるおっさんとずっと咳き込んでるおっさんが街を歩いていたのですが、二人ともマスクしてない。その様子を見ていて周りの人が眉を顰めてました。

これだけ長く続くとあちこちで抑えが効かなくなった人ってでてきますからねー。こういうのを引き締めるために、都知事にはしっかりとしたタクトを振るってほしいのですが……最近の大喜利芸を見ていると望み薄いかな?

Loseさんが『まいてつLR』の評価をきっかけに批評空間の自社データを全消しした話。

エロゲーマー(批評空間界隈)にとっては看過できない爆弾が投下されました。「11・22事件」です。

公式の声明が出ているのでまずはそちらから。

 ▼「『ErogameScape -エロゲー批評空間-』データ削除依頼に関するお詫びとご説明

(2020年11月22日 19:02)
■本声明について

2020/11/22に『ErogameScape -エロゲー批評空間-』様(以下『批評空間と略します)』に依頼して対応いただきました、弊社ブランドLose(以降 弊ブランド)に関する全データの削除に関し、事前説明を行わなかったことで多くの混乱を招いてしまいました。
以下、削除依頼に至りました経緯をご説明申し上げ、お詫び申し上げます。

■弊ブランドのレビューに対する考え方について

弊ブランドタイトルを購入くださり、プレイ下さった方からび評価については、それがお褒めであれご批判であれ、弊ブランドが関与すべきものではないと考えております。
この考え方は、ブランド設立直後から現在にいたるまで一貫したものであり、今回の依頼に至る以前には、いただいたレビューに対する削除・修正の依頼等は行ったことがございませんでした。

■この度のデータ削除依頼に至りました経緯について

弊ブランドタイトル『まいてつ -Last Run!!-』は、日本国外に向けても同時発売を行い、評価が大きく割れる部分も含んだ作品となりました。
そうした要素を排除しきれなかったことを原因とした論争が逸脱し、ユーザー様同士が作品以外の部分で対立されるようになってしまった事態を確認するに至り。
かかる事態は何としても避けるべきであると考え、批評空間様へのデータ削除をお願いしたというのが、この度のデータ削除依頼までの経緯となります。

かかる事態を招いてしまった責任は、ひとえに弊ブランドのみにあるものと認識しております。

■謝罪

前記のとおり「ユーザー様同士が作品以外の部分で対立されるようになってしまった事態」を避けるべきであると考え、弊社作品に関してのページを全て削除させて頂きました。
削除の結果、多くのユーザー様にいただきましたレビューに弊社が介入してしまったことは、申し開きもできない事実です。
成すべきであった事前のご説明・ご対応を怠り、多くのユーザー様に大きなご迷惑をおかけし、混乱を与えてしまいましたことを深くお詫び申し上げます。

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うーん、意味がわかりません。どうして、ユーザー同士の対立を嘆いてデータ全消しという結論に至るのでしょうか。私の感想はツイッターで書いたのですが……。



ってな感じ。一応Loseさんから公開された文書の要旨をまとめてみます。読みやすいようにフランクにしましたが、ほぼ間違っていないはずです。おかしかったらご指摘ください。

①Erogamescapeにある「Lose」関連データの全消しをしました。説明せずにやってしまってごめんなさい(※消したことへのお詫びではない)。

②低評価されたから消すわけじゃないですよ。いままでそんなことしたことないし。

③消す理由は、『まいてつLR』の内容を巡ってユーザー同士が作品以外のところで争うようになったからです。(※原文では「ユーザー様同士が作品以外の部分で対立されるようになってしまった事態」)

④こういう事態になった理由はLoseにあります。

⑤ユーザーのレビューに介入したけど、事前に説明しなくてごめんなさい。

ということなのですが、とりあえず詫びのほとんどはユーザーのレビューに介入したことではなく、事前の説明を怠っていたことについてなされています。何度読み直しても、事前に説明しなくてごめんなさいしか言ってないですね(レビューに介入したことは「申し開きもできない事実」とは言っているけど、「申し訳ない」とは言っていないとか)。

そもそも、作品以外のところで争ってるのに作品の作り手が出張る意味あるのか、というのも大きな疑問です。何をしに出てくるんでしょうか。

そして、作品以外の部分でのユーザー対立がどんなものなのか、それがなぜ「何としても避けるべき」なのか、過去作品も含めたLoseの全レビューを消すことでどのようにそれが解消されるのか、まったくわかりません。この説明だけなら、『まいてつLR』のレビューだけを停止すれば良いし、データベースは残して点数とレビューだけを消す、という対応で良いはずです。

それでは収まらないというのなら、他のレビューも消すべきです。そうでなければおかしいはずです。



というご意見もありますがまさにそのとおりだし、事態はそれにとどまらない。理屈の上ではこの世からLoseというブランドを消さないといけないのではないかと思うのですが。特にErogamescapeが悪い、という話でない限りは特定サイトのレビューおよびブランド情報が目の敵にされるのは不自然ですし、レビューがそもそもダメで作品を生み出した責任が自分たちにあると仰るのなら、という話です。ブランドごとなくなれ、と言っているわけではありませんよ。……私の議論、間違っていますか?



と、ここまで来てちょっと話の前提がわからないという方がおられるかもしれませんので、今更ながらエロゲー批評空間さん(「Erogamescape」・「エロスケ」)についてかんたんなご説明。

「Erogamescape」とは、エロゲーユーザーが集まって作る批評サイト。発売された作品を登録し、プレイした人が感想を入力したり点数をつけたりしています。プレイを検討している人がサイト上の点数を参考にしたり、過去にどんな作品が発売されているかを確認したり、あるいは個人のプレイデータの備忘録としても機能していました。

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こんな感じでゲームのユーザー採点を見られる他、ブランドの出している作品一覧、クリエイターの情報なども確認できます。

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また、自分のプレイした作品を見たり(のみならず、他ユーザーの採点履歴も見られるので、自分と趣味の合う人のおすすめ作品などもかんたんにチェックできます)……。

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プレイ履歴を確認したりできるので、個人データベースとしても有用でした。

実際私も、1990年代に発売されたエロゲーを調べる際には非常に便利に使わせていただいており、エロゲーマーなら誰しも1度や2度はお世話になったことがあるのではないかというくらいメジャーなデータベースサイトです。

そこに、メーカーさんが直接関与してそのメーカーの過去作の記録を軒並み消去したというわけです。Twitterでもこのできごとは注目を集め、さまざまな発信がなされました。








個人のプレイ記録として作品データだけでも復活させられないか、というユーザーからの要望に対し、Erogamescape管理人のひろいん氏はこう返答しています。




という説明をし終えたところで……。いったい何が問題なんだ? という方もおられるでしょうか。いやぁ、これは結構大きな問題なんですよ。3つほど問題点を挙げてみます。

まず、ユーザーのプレイ記録が本人の意図とは無関係なところで消えてしまったということ(おそらく、データとしては残っているけれどアクセスできない状況にされた)。先述した通り、個人のエロゲー履歴として活用していた人も多かったはずで、『ものべの』や『まいてつ』をはじめさまざまな作品を排出してきたLoseさんに関連したデータを見られなくなったということは、少なからぬ人が影響を受けているはずです。そして、それはメーカー側の要望により復旧させることができない。場合によっては逆に「自分の知的財産を侵害された」と訴訟を起こす人が出てきてもおかしくない(メーカー側に、ユーザーのレビューを消す権利があるの? と)案件かもしれません。勝てるかどうかは知りませんが。

次に、データベースとしての価値の問題。Erogamescapeさんは、おそらく日本で屈指の、下手をすれば最も多くのエロゲーに関する情報を集積し、公開している(しかも無料で)サイトです。その中には多少真偽の疑わしいものもありますが、それでも多くの人の誠実な努力によって、かなり精確な情報が手に入るサイトでした。エロゲーに関する集合知の結晶と言っても過言ではありません。そのデータベースから、Loseというエロゲー史的に大きな影響力を持ったブランドのデータが欠損するというのはたいへんな損失です。

「ブランドLoseに関する情報は掲載しておりません」とでも書けば終わりなのでは? という人がおられるかもしれません。理屈の上ではアリだとしてもやっぱり気持ち悪いですし、当時のユーザーたちがリアルタイムでどんなことを受け取ったか、最初はどういうふうにこのゲームが受け取られたか、といった記録が失われるのは相当の痛手です。

話が少し寄り道しますが、Erogamescapeさんで古い作品を見ると、それこそ2000年代前半の感想から2020年の感想までを一望できるんですね。たとえば、これは1996年発売の『Pia・キャロットへようこそ!!』のデータです。

 ▼「Pia♥キャロットへようこそ!! ~We’ve been Waiting for you~ (カクテル・ソフト) (1996-07-26)

2001年とか2002年の感想から、2020年の感想まで並んでいます。そうすると、昔は「ボリュームがある」と言われていた作品が「あっけない」と言われるようになっているだとか、昔は陳腐と言われていた属性が今ではかえって斬新になっているとか、そういう変化が手にとるようにわかります。これ、凄い面白い

まさにサイト自体が「歴史の生き証人」みたいになっているわけで、そうした通時的に積み重ねられたデータってエロゲー界隈にとって一種の財産だと思うんですよね。それが失われて(Lostして)しまった、というのは個人的にすごく痛手です。あ、これはLoseとLostをかけたギャグです。念の為。

閑話休題、問題点の三番目。それは、こういうデータベースにメーカー(ブランド)が介入できる、しても良いという前例を作ってしまったことです。実際に介入した理由が何であったかはハッキリしません。しかし、こういうはっきりしない理由でも介入が許されるのであれば、たとえば自社の作品が低評価されたらデータ削除を依頼する、ということをしてくる会社が他にもあらわれるかもしれません。そうなると、もうこの手のサイトの維持は困難でしょう。

昔はErogamescapeほど信頼でき、メジャーな批評サイトはなかったからここに載ることの宣伝効果が大きかったというのはあるのでしょうが、今は各種通販サイトでユーザーの評価も見られるし、宣伝なら自社HPがあります。「切っても痛くない」どころか「不特定多数の人から風評被害を受けている」とメーカーが判断すれば「縁切り」が続く可能性もあるわけです。これは由々しき事態であると思われます。

一説には今回の件、コンシューマ進出を狙い「エロ」で活動していた痕跡を消したいLoseさんの陰謀だ、という話まで出てきています。



真偽の程はわかりませんしなるほどなぁという気持ちを抱かないでもないのですが、知名度やコンシューマー進出後もユーザー層がかぶることを考えると正直その線はない(し実質無理)んじゃないかと思っています。個人的には。ただ、そんな話が出てくるくらい「わけがわからない対応」であることは間違いないわけでして、そっちのほうがよろしくないかな。もしかするとメーカーさんしか知らないような深い事情があるのかもしれませんが、それは目下のところ、ユーザー側にはまったく提示されていませんからね……。

何より悲しいのは、Loseさんのこの対応は、エロゲーユーザーの活動や想い、歴史をかなり蔑ろにしていると感じるからです。批評という行為が、作品を勝手に使ったピンはね行為だ、と言われるなら仕方ありません。でも、Loseさんは公式にはそう言っていないわけだし(受け入れるべきものだ、とおっしゃっています)、これまでにユーザーの感想を「利用」してきた部分だってあるはずです。そして、Erogamescapeに投稿された感想には、そうしたユーザーの想いや歴史が少なからず積み上がっていたはずです。

それを、傍から見ている限りでは必然性の感じられない理由で削除する。そしてその「説明」もよくわからないし、謝罪しているのは事前に断らなかったことについてであってユーザーの感想を消したということに対してではない。しかも、ユーザーが悪いんです、と原因をユーザー側に押し付けてメーカー(ブランド)側の都合ではない、というアピールをしている。

これに誠意を感じろというのは無理だろうというレベルだと、私は思います。



私の「お気持ち表明」はこのツイートに尽きているのですが、プラスするならほんとうに残念です。『ものべの』や『まいてつ』という素晴らしい作品を作り、ユーザーフレンドリーなイベントなども開催してユーザーを大事にしてきてくれた、そういうLoseさんがこういう結論を下すにいたったということが残念でならない。

今更撤回してどうこうなるものでもありませんし、こういうことをした会社の説明を聞いて納得できることは、私は無いと思いますのでこの話の掘り下げはこれで終わりになると思います(表面的なことではあれこれ言うかもしれませんが)。落とし所のない問題になってしまいましたね。

私はLose作品のレビューを書いていないので直接的な被害はそれほどでもありませんが、書いていたらもっと暗澹たる気持ちになっていたでしょう。本当はもうちょっと明るいタッチで、おもしろ目の記事を書こうかなと思っていたのですがやっぱり無理でした。そういうテンションでは書けない話でした。

「全削除」という1手は妙手などではなく、頓死一直線の悪手であるということが広く知れ渡れば、第二・第三のLoseが出現することは防げるのかもしれません。そのことに望みを託しつつ、記事を終えたいと思います。(なんかどうしようもない事情があった、ということが後にわかれば謝罪をしたいと考えています。記事は削除せずに)

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追記(11/23) えびさんからの情報で、感想そのもののデータは残っている、というお話です。「ブランド情報以外、ほぼすべてのデータは残っていますが、可視化出来ないようになっている状態です。つまり、データを復旧することは簡単で、Loseさんがごめんなさいして、管理人さんに復旧を申し込めば、すぐに元に戻るでしょう」とのこと。

詳細は当記事コメントの6番を御覧ください。



えびさん、ありがとうございました。

車中の掴み愛。

今日は出先から直帰だったので久々に早く帰れるとウキウキで中央線快速に乗っていたところ、四谷を越えたあたりで車中に怒声が響きました。

「ンじゃオラァ!!」

みたいな感じで何が起きているかは分からなかったのですが、すぐ横の優先席で男が立ち上がり、メガネにリュックの男性に掴みかかっています。

すわ、愛の告白……のわけはなく、ケンカです。私はガン見してましたが、乗り合わせたほとんどの人が一瞥して目を背けたり寝たフリを始めました。

関わりたくないオーラ全開です。

まぁ暴力沙汰とか私もできればゴメン被りたいし状況が悪化しても特に声かけたりしなかったとは思うのですが、万一に備えて携帯に110を打ち込みました。今思えば、車掌さん呼びにいくとかのほうが妥当だったかもしれません。

結局それ以上何かが悪化することはなく、当事者たちは御茶ノ水で下車したのでその後どうなったかまでは知らないのですが(降りたのも目的地だったからなのかどうかわかんないですしね)、まぁ近くでゴタゴタされるのは心臓に悪いんでやめてほしいですね。

てか、公共機関の中で怒鳴りまくる人って何なんでしょう。マジで理解できん。酔っ払いとかだったのかなぁ。何にしても、自分は絡まれないよう祈るばかりです。正直言って逃れる術か思いつかないですし。下手すりゃあ半端に言い返して揉めちゃったりしそうなんですよね、私。

ツイートの「ウソ」が明かされる過程に見る、ツイッターの凄さと怖さの話。

他人事にあんまり首を突っ込むのもどうかと思いつつ、ちょっとした疑問が予想外の方向に転がって、ツイッターの凄さとか怖さを思い知ることになりたいへん興味深かったので、経緯もろともメモを。

ことの発端はこのツイート。

これがタイムラインで回ってきたのですが、出典はなんだろう? と。この方が続けてツイートしているのは、『日本之下層社会』でした。横山源之助の超有名作です。

ただ、『日本之下層社会』は明治32年刊行です。まえがきその他は、明治31年の記載になっていました。「明治28年」という表記はめちゃめちゃ引っかかる。それに、『日本之下層社会』ってそもそもこんな話じゃなかったような……。もっとデータみっちり、下層民のことバリバリみたいな感じで、「書生」と詐欺みたいな話題は出てくる余地がなかったような気がします。

で、気になりだすととまらない。手元の岩波文庫、国会図書館のデジタルコレクション(これ)、あと全集の目次(これ)をざっと確認しました。でも、「名の美、実の醜」なんて話はどこにも出てきません。う~ん?

文章自体は素人がすぐ書けるようなものでもないからなにかからの引用であることは間違いないにしても、これホントに『日本之下層社会』なの? という疑問と、違うのなら何からの引用なのか知りたいという欲がむくむくとわいてきました。

明治28年頃の横山は毎日新聞でルポ記事などを書いていたので、もしやそれではないかとアタリをつけてツイートをしてみます。すると、さっそくフォロワーさんからの反応が。



はお~ん、なるほど……。というか、ツイッターに投げた途端、一瞬で悩みが解決しました。持つべきものはフォロワーさん。集合知の凄さを身にしみて感じました。ありがとうございますm(_ _)m

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閑話休題、どうやら『日本之下層社会』ではなく立花雄一が横山源之助の著述を編集した『下層社会探訪集』(『下層社会探訪』という本はありませんでしたので、誤記だと思われます)からの引用だった模様。コミックシーモアのサイトから一部を無料で試し読みできたので(こちら)、目次をサーチしてみると、確かにありました。

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ただこれ、『日本之下層社会』を編集したものではありません。その前後年代の横山源之助の文章を編集したものです。『日本之下層社会』の文章も含まれていますが、それ以外のものも混ざっている。そして本文の構成や引用の仕方から見るに、スクリーンショットで引用されているのは、毎日新聞に書いていた記事ですね。

kaso03 kaso04
この「同」は明らかに『毎日新聞』のことですし、「名の美、実の醜」は新聞掲載のものだった、ということでほぼ間違いなさそう。

つまり「名の美、実の醜」の文章は、『日本之下層社会』からの引用ではなく『下層社会探訪集』という本からの引用だった。ただし『下層社会探訪集』は横山源之助の著作ではなく(編者がつけたもの)、横山が毎日新聞に書いていた記事からの引用であるというのが最も適当な言い方になるでしょう。

で、そうなると今度はどうして@rikei0danshi氏がそんな不正確な引用もとを示したのかが気になるのですが……。



なんかこんな(上ツイート)話が出ていました。5chで別の人がアップロードした画像を拾って使ったのだ、と……。まあ実際に自分がその本を持っていれば手間を省くためにそういうこともあるかもしれません。ただ、事態はもうちょっとフクザツ。

というのは、5chのこの(下画像)カキコ。

kaso07

最初のツイート主 (@rikei0danshi氏) のツイートが14日の7時で、5chのスレが13日の18時。どうも5chのほうが先に同じ内容のことを書いています。田端大学、ホリエモン、イケハヤ……と内容もまんま同じですね。要は@rikei0danshi氏が5chのスレから内容を「パクった」という主張のようです。

ほんとうに@rikei0danshi氏が「パクった」のかについては、自体真偽は定かではありません。もしかすると、この書き込みをした人が@rikei0danshi氏本人かもしれない。あるいはこの前に@rikei0danshi氏が同じことを主張していて、この書き込みのほうが「パクった」のかもしれません。そこはわかんない。

ただ、この書き込みと『下層社会探訪集』の名前を書いていた5chの書き込みとIDが一致しているのはたしかです。ということは、これを5chに書いた人はこのスクリーンショットが『下層社会探訪集』からの引用だということを知っていたのは間違いありません。

プロフィールからすると@rikei0danshi氏、文筆業的なこともしておられるようなのでそんなにいい加減なことをなさるのか疑問ではあるのですが(やったら信用を失うわけですし)、出てきている情報から考えると、自分で読み、調べたものをネタとして利用したわけでないのは間違いないように思われます。本当に読んで画像の切り抜きまでしたなら、少なくとも書名を間違えるということは無いはずです。

なにかの勘違いだったとしても(勘違い説は考えにくいシチュエーションですが)、多くの人に誤った知識を植え付けているという責任は発生するでしょうか。

結果的には、「名」と「実」を主題に他人を揶揄するようなツイートをしている本人が、かえって「名」にこだわって「実」を落としているというなかなかパンチの効いた皮肉というか、攻撃力の高いブーメランになっているのかもしれません。


さて今回の件、ツイッターで発信したことで私は瞬時に自分の疑問を解消するヒントを得ました。一方で、ツイートを鵜呑みにしたせいで誤った知識(あれが『日本之下層社会』からの引用だという)を身に着けてしまった人もたくさんいます。下手をすれば、学校や大学で知ったかぶりをして大恥かくかもしれません。ンなことになったら大怪我です。ツイッターこわい。

また、ツイートがバズったせいで「事実と違うことを言っている」、「パクったかもしれない」ことが発覚しています。私はまったくこれが明らかになるプロセスに参加していませんが(5chとご本人のツイートのみで完結している)、雑にやっていたにしろ倫理観が欠如していたにしろ、狭いコミュニティの中でなら通用していたことが大きな世界にいきなり引っ張り出されて破綻する。これもまた、ツイッターの怖さと言えるのではないでしょうか。(幸か不幸か炎上案件にはなっていないのでこのままフェードアウトしそうな気もしますが。このブログの読者の方には、放火しにいく人もいないでしょうし)

私も、こんな偉そうな記事書いてますがそのうちテキトーに知ったかやらかしてブーメラン自爆する可能性が高そうです。ほんと気をつけよう……。



あと1点引っかかることがありまして。それは、「しかして」の使い方。「しかして」って順接表現なんですよね。実際横山源之助は『日本之下層社会』で「而して」を順接で使っています。

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「屑によって値段が違うとはいえ、日本紙の屑の代価は1貫目につき17銭、ボロ屑は(1貫目につき)10銭、洋紙の屑にいたっては1貫目につき7銭、薪や炭の破片は立場に持っていかず自分のものとして使い、陶器の破片のようなものは10貫目につき12銭である。そして(而して)、屑拾いが1日に拾うのは2貫目を上回ることはめったになく、たいてい1貫目と500目前後であり……」(抄訳)
てな具合ですね。他にもいくつかありますが、基本順接の接続詞として使われています。

……なのですが、「名の美、実の醜」では「しかして」が逆接のように見える。

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そのことばは美しく、その名(見かけ)は実によくみえる。しかし(しかして)、その中身を見れば、1つとしてことばの美しさに伴うものはなく、すべて言いようもなく醜く穢らわしいものであふれかえっている。(抄訳)

この「しかして」は逆接だと思うんですよ。頑張れば順接=「そして」で読めなくはないけど、かなり無理があります。

明治28年時点の横山が「しかして」を誤って使っていたのか、「しかして」を順接としても逆接としても使っているのか(そういう使い方があるのか)、編集の時点で何か変な操作が加わって誤記が生じたのか……専門家ではありませんからそこまで調べようとは思わないし実際に調べる力もないのですが、どうなんでしょう。

こっちのほうは残念ながらツイッターでは助けが得られませんでした。私、気になります。

Twitterの対話は難しいという話。

キーボードを叩きながら、こう考えた。智に働けば角が立つ。マジに返せば流される。ネタに走ればクソリプだ。とかくにTwitterはやりにくい……。

というわけで、本日は自分のTwitter体験語り。仕事の話するより「引用」ができてしまうぶんこちらのほうが緊張しますね。

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先日下のようなことを呟いたところ、「コロナなど存在しないのだ」というニュアンスの(これも私の解釈ですが)お叱りを受けまして、何らかの返答を試みてはみたものの、結論から言うと難しさを痛感したというストーリーになります。

あくまでも私視点の一方的な語りになりますとお断りした上で、時系列で。


まずこのツイートに対して、フォロワーさんからリプライが来ました。私のツイート自体問題だらけじゃねーかというツッコミがある方もおられるかと思いますが、ちょいと目をつぶっていただけると幸いです。

これに対し、私もリプライを返しました。いきなり乱暴な言葉づかいだったのでちょっとムッとしていたのはここだけの話です。

私は「PCR検査数は10倍くらいに増えとる」の意味がわからなかったので、自分が言った「ちょい前まで100人台だった」という表現が誤解されているのかなと勝手に解釈して、その説明をしました。今にして思えば「10倍ってどういうことですか?」と聞けばよかったのかもしれませんが、Twitterだとそういう応答に凄い時間がかかる(リアルタイムではないから)場合があって面倒なんですよね……。

結果的にこれは、まったく的はずれな回答でした。こーへいさんは「こいつ何言ってるんだ?」と思われたことでしょう。スミマセン。

次に、この手の話題になると「陽性率」が取り沙汰されて、それを根拠に「陽性率があがっているのがヤバいんだ」という論法を使う場合があるけど(NHKの報道によれば、東京は6月22日の週の2.5%から、7月20日の週は7.7%に上昇している)、私はその立場はとらないということを表明しておきます。

ちょっと前は私も陽性率問題にしていたし実際論の補強に使えなくはないんですが、無作為抽出の陽性率ではないので簡単には使えないという判断です。

それから、「まったくマシではない」という考えの根拠を説明しました。ここは私の主観なので賛否わかれるところだとは思いますが、PCR検査数が増えていようがいまいが、数が増えていることがはっきりわかっていること、そしてその数の最低ラインが長期的に見て下がっていないことが問題なのだ、という主張をしたつもりです。

これはまあ、これ以上の話ではありませんね。

最後に「こちらは以上ですが何かありますか?」というボールを投げて、キャッチボールの意思があることを示しました。

と、こんな感じ。人によっては慇懃無礼だと言われるかもしれませんし、いきなり罵倒されたので私も意地になって丁寧な表現を使ったところはあるのですが、ことばが足りなくて意思疎通ができていなかったと考えたので極力行間を埋めきった返答を心がけたつもりでした。

そういうこちらの働きかけに対し、先方からは特に説明無く画像のリプが来ます。

Σ(゚д゚ )え、こんだけ!? まずは見たけど次はないパターンっすか。要求コミュ力高いなぁ……。

これ正直かなり解釈に苦労しましたが、書かれている英文とGoogle画像検索で出てくるこの画像の使われ方を調べた結果、だいたいこういうことかな? という線でリプライを飛ばしました。この前、意図を質問しなかった反省を即座に反映させたんだぜ……フフフ。


どうやら正解だったようです。やったぜ!


しかし、このやり取りが続くとこちらとしても相手の考えをきちんと解釈しきれる自信がないし、いわゆる陰謀論的なストーリーを念頭に置いている人に対してこれ以上話せることも無いなと思ったのでお別れを告げました。


ところが翌日になって、追加で再リプが来ます。時間ができてこちらのリプライをきちんと読んでくださったということなんでしょうか。ありがたいことです。


……ただ、正直最初何を仰っているのかわかりませんでした。

画像を見て、「10倍」の解釈が違うのかな、ということがようやく理解できた気がしたので、こんな返信をしました。


どうでしょう。たぶん、そんなに間違っていないと思うのですが……。

140字でうまく書ききれているかわかりませんが、比較対象の取り違えですね。私はPCR検査数が「昔と比べて今は」10倍になっていると考えていたのに対し、こーへいさんは「感染者数に対して」10倍だと言っているつもりであった、と。

この解釈で正しいなら、要するに陽性率を逆向きに表現しているということだと思います。そして、私は陽性率の話を避けたことが完全にスルーされた(または伝わっていない)気がしますし、陽性率の話をするなら今は上がっている(つまり、感染者数:検査数 の比率の差が小さくなっている)のだから問題は深刻化していると受け取らねばならないはずなのですが、そういう解釈をしていないということは、また互いの「見えない前提」が理解を妨げている感じがします(勝手な想像ですが、3月とか4月段階の陽性率を想定しておられるのかなぁ? でも最初の文脈的にそれは無理だし……と、ちょっとよくわかりません)。

あと、もう1つリプライが来ていました。

正直に言うと、これで心が折れました。

このパンフのおかしなところを1つ1つ取り出していくことは可能なのでしょうし、実際にいくつかはすぐにでもできます。たとえば1つ目の下線が引いてあるものはPCR検査そのもののはなしではなく、市販のキット(話題になった楽天とかのやつ)に関する言及です。また新型コロナウィルスの存在自体はWHOや種々の医学論文によって(未査読のものではない)存在が確認されていますし、「Aは証明されていない、だからBだ」という飛躍のある論法が使われています。また、根拠として挙げているものの多くが同じ団体が主張している内容で、マッチポンプ的です。

他にも、キャリー・マリスの発言についてはロイターのファクトチェックが入っていて、「誤解」であると宣言されています(これも精確に読むのが難しい記事ではあるのですが、話題になっているPCRの問題というのは、感染力があるウィルスとそうでないウィルスを区別できない、という話だという内容ですね。あと言った人間がそもそも違うっていう話)。

しかし、私程度がきちんと検証できることには限度がありますし、あくまで自分が実験したりデータをとったことではなく信頼できると一般に考えられていることからの「孫引き」的な参照が精一杯です。それでは、「信頼できると考えているモノ」の全体が違うこの方には通用しないだろうなというのはわかっていました。

実際、先のロイターのファク著チェックに対して、お相手は完全に否定的な姿勢を貫いています。(ちなみにこのロイターの記事ツイートに対する「反論」は他の方のものも相当数ぶら下がっていて「はぅ」となります)

過去のツイートを遡ると、同じ画像を常に相手の方に突きつけているので、これが「真実」であるというスタンスは揺るぎないものなのでしょう。

何が事実で何が真実かは現在進行系で揺らいでいる、という立場の私と相性が悪いですし、ここから意見をすり合わせていくのは相当な困難が予想されます。また、連日の猛暑もあってそれだけのコストをかける気力がわきません。

加えて、私のようにクドクドとした説明、回りくどいやりとりを望んでおられない感じがあったことも二の足を踏ませる原因となりました。先方のリプライはいつも端的で、そのぶん解釈の余地が多くなりがちなのですが、こちらにもシンプルな内容の提示を求められているんだろうなと。ダラダラした文章は不適切かもしれない。そう考えると、言える内容が思いつかなくなり……。

おざなりですが、こんな風に返すのがやっとでした。


参りましたとシャッポを脱ぐのも業腹ですし、この内容に対して無条件降伏はしちゃいかんだろうという思いはあったのですが、さりとて気の利いたことも言えず。

どうすればよかったのかはもちろん、そもそも攻略ルートが存在していたのかどうかもわかりませんが、Twitter上での意見のやりとりはホント難しいなと思いました。

いや、対面でも難しいし論文読んでディスカッション云々でも難しいんでしょう。

ただそれはあくまで、「話を聞く難しさ」「解釈する難しさ」「正確に伝える難しさ」みたいな、コミュニケーション一般に根ざす困難です。Twitterの場合はそこに加えて、即応性に乏しい、140文字しか書けない、持っている前提や思想が全然違う人とのコミュニケーションが発生しやすいという環境的な要因が過剰に加わってくる感じがあります。

対話をしていこうっていうポストモダン以降の学びや意思決定の立場からすると、こういう場面と向き合い続けていかなきゃならないんでしょうけど、ホントこれどうやって向き合い続ければ良いんでしょうね。個別の教育、特に義務教育を充実させて批判精神ならびに相互理解の精神を醸成するとか、そんなお題目は思いつくんですけど、具体的に何をすれば良いのかはわかりません。もっと全然違うアプローチが必要なんでしょうか?

そんなことを考えながら、私は茫然として流れ行くタイムラインを見送っていたのでした。
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エロゲーマーです。「ErogameScape -エロゲー批評空間-」様でレビューを投稿中。新着レビューのページは以下。
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