よい子わるい子ふつうの子2(仮)

18禁PCゲームをメインに、ラノベや漫画についてもダラダラ話を書きます。長文多いです。

コミック (レビュー)

レビュー:『7時間目の音符(ノート)』2巻

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志摩 時緒 『7時間目の音符(ノート)』2巻
(芳文社、2012年6月12日)

先日2巻が発売された「まんがタイムきらら フォワード」連載の『7時間目の音符-Score of seventh class.-』。友人に猛プッシュされていたこともあって、購入してみました。オビのキャッチコピーは、「読んで悶え転がること必至のイチャラブコメディー」。

で、感想ですが。

無理。


英語で言うと、MURI

大事なことなのでもう一度言います。

こ れ は 無 理 !


なにこれ。何なの? 第一類取り扱い危険物? 爆発しますか? 火、近づけても良いですか?

それともいじめ? 寂しい高校生活を送ったボクチンに対するいじめですか? いじめですね? よろしい、ならば戦争だ!! うぼあああああああ!!!!

……取り乱しました。

内容は、とある高校の吹奏楽部の日常を描いた話。日常と言っても、恋愛です。恋の話ばっかりです。ファック!

視点人物は二年生の男子部員・吉野葉平(よしの ようへい)。恋人は、三年生で部長の女子部員・冴木あずみ(さえき あずみ)。基本的にはこの二人が、四六時中いちゃいちゃチュッチュしてるシーンを延々描いた作品です。

どんな感じかというと……1巻の1話を紹介したほうが早いですかね。学内で、女子がつきあっている男子からネクタイをもらって身につけるという行為が流行っている。で、あずみも葉平からネクタイ欲しいなあと思いつつ、素直に言い出せずにうじうじしているのですが、葉平が気を利かせてあずみにさりげなくネクタイを渡す。で、あずみが「私中学もリボンだったから、ネクタイの結び方よくわかってなくて。だから………ね?」とか言い出して、葉平にタイを結ばせようとする。んでんで、二人の顔が近づいたところで、こう、ムチューッっとキッスを……。

うわああああああああああああああ


あーもう、書いてるだけで、書いてるだけでっ! きーっ! 「だから………ね?」じゃねーよ! ぱーやぱーや!!

べ、べつに羨ましくなんて無いんですよ! ホントに! ホントにホント!! ごめん嘘! 羨ましい! 凄く! かわって!

……たぶん、これを読んで「リアルだ」と思う人はあんまり居ないと思う。少なくとも私の乏しい三次元恋愛経験を総動員する限りは、このルートにいくフラグは現実世界のどこにも転がっていない。ただ問題は、私の豊富な二次元恋愛経験の中にもやはり、これほどこっぱずかしい恋愛はほとんど存在しないということです。……ゑ、リアルにある? ハハハ、またまたご冗談を…………冗談ですよね?

あのね、高校生の男の子がね、合宿中にね、他の男子どもがいる中でね、「そろそろちゅーしたいです」とかってね、メールはね、しないとね、OYOYOは思うの。

思うのですが、でも、これはアリ。全然アリです。何というか、観念的な恋愛のある種の極限を突っ走ってる。肌に合う・合わないはあるにしても、こんなこっ恥ずかしいこと、妄想でもなかなかできない。私は数多くのエロゲーをこなしてきて、ストレートなエロやふつうのイチャラブには抵抗力があるつもりでしたが、これはちょっと想像の遥か彼方でした。おれたちにできないことを平然とやってのけるッ! そこにシビれる! あこがれるぅ!! っていう感じです。ヨゴれちゃった私に、この世界は眩しすぎる。でも、そのまぶしさに群がってしまうのです。さながら誘蛾灯に吸い寄せられる蛾のように。

自分のトラウマが刺激されるとかそういうのではなくて、見ているだけで、この世界を想像するだけで、ひれ伏してしまうような恥ずかしさが溢れてくる。これはもう、凄い漫画だと思います。話はベタだし、絵もそんなに(こういっては何ですが)上手、というタイプではない(キャラはしっかりかきわけられています)。でも、コマ割りやセリフを含めた空気感の演出と、その演出効果を余すことなく使い切ったエピソードの数々は見事のひと言。とりあえず180ページほどしかないのに、1巻読むのに悶えすぎて1時間くらいかかりました。

2巻は、気になっていた葉平とあずみのなれそめの話が出てくる他、佐藤米子先生と米沢君の恋がちょっと進展しそうな気配。新入部員の坂本美鶴(トロンボーン)も夏祭りなどで色々絡んできて、部内に恋愛ストームが吹き荒れそうな予感。見所は、あずみ先輩の騎乗位(笑)と水着なのですが、1巻に負けず劣らず燃え尽きるほどヒートな良い展開でした。

コメディ要素は少なめで、もう何か知らんけどとにかくイチャつきたい、この世の果てでイチャラブを高らかに歌い上げたい、という人のための漫画。お薦めです。

というわけで、本日はこれまで。また明日、お会いしましょう。

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レビュー:『ゲノム金/銀』

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古賀亮一『ゲノム金』/『ゲノム銀』(コアマガジン、2012年)

きたぜー! というわけで、発売されました『ゲノム』金・銀!! いや実はちょっと前に発売されていたのですが、本日とうとうゲットしました。やったねぱうぱう~♪(久しぶり)

『ゲノム』というのは、古賀亮一氏の描かれているコミックス。当初はBIBLOSの『カラフルBee』や、『カラフルコミック・PUREGIRL』で連載されていましたが、雑誌が廃刊になってしまいまして……。・゚・(ノД`)・゚・。。現在は『新ゲノム』として、『コミックメガストア』で連載が続いています。

この「金・銀」は、いわゆる廃刊雑誌に掲載されていた「旧ゲノム」4巻分をまとめたもの。すんげー分厚いです。一冊1400円。ちょっとお高い。書き下ろしの内容もちょこっとです。

でも、断言します。旧版を持っている人も買って損無し! 持ってない人には断然お買い得です!

残念ながら、旧版にあった他の漫画家さんからの応援イラストなどは削除されているのですが、その他の要素は基本的に全部移植。オマケ漫画からカラーページ、作者近影にいたるまでくまなく収録されています。また、これまでカラーの無かったキャラのカラーやら、4コマ漫画が追加されていて結構楽しめる。

『旧ゲノム』の1巻が出たのは1998年。約15年も前ですから、噂は聞いているけど読んだこと無い……という人も多いはず。そういう方にチャンスが来たのは良いことだし、私ももうすっかり忘れていたので、新しい気持ちで楽しめました。そういえば昔はこんな絵柄だったなぁ……。

内容はなんというか、一応成年誌ということもあって、基本的にはエルエルという主人公? のエルフ少女が、昆虫のコスプレをしてエロいことをされるという話。ただ、露骨にエロいことはされません。せいぜいヌードくらい。あと、「ワルイコのカラー学習漫画」をうたっていて、ちょっとしたうんちくも一応は入っています。

ただ恐らく、この漫画を買う人の大多数は緑色の謎生物(ロボ)、パクマンさん目当てでしょう。

そう。パクマンさんです。エロと下ネタの伝道師。僕らのヒーロー。

こういったら失礼ですが、私は正直古賀亮一さんのギャグはあんまり好きではなかった。なんかシュールになりきるでもなく深読みさせるでもなく、勢いもあるようでない、という中途半端な感じがしていて、苦手な部類でした。

しかし、このパクマンさんはすごい。熱くなったり捨て鉢になったりを無軌道に繰り返し、何やら意味深なセリフはことごとく無意味で、頭の中はエロで一杯。ボケからツッコミまで、全てを一人でこなす完璧超人です。

私の世代でヒーローといえば、孫悟空でもケンシロウでもなくパクマンさんでした(嘘)。「クイズ100人に聞きました」で抱かれたい男ナンバーワンといえばパクマンさんでした(嘘ですよ)。オトナになったらなりたい職業ナンバーワンはパクマンさんでした(略)。

まあ、そのくらい凄い。エロ漫画界の革命児。緑の弾丸。これ別に、思い出補正とかじゃなくて今読んでも面白かったです。げらげら笑いました。

しかし、もう15年ですか……。15年もこのテンション続けていられるというのは、古賀氏も本当にすごいと思います。昔、河合克敏さんが『帯ギュ』の4コマ漫画で、椎名高志さんと温泉で話をした時に「頭が良くないとギャグマンガはかけない」と思った、みたいなことを書いておられましたが、この領域に来ると頭が良いだけでもムリではないか。「頭がぶっとんでないと」(褒めています)かけない気がします。

なにはともあれ、マイナーメジャーながらある種「伝説の」ギャグマンガ。もの凄く下品なはずなのに下品さを感じさせない愛くるしい? キャラクターたちの、非常識きわまりない下ネタ乱舞が楽しめます。明るい笑いが好きという方、噂を聞いて興味を持った方がおられたら、この機に是非入手されることをお薦めします。

と、言ったところで本日はこれまで。それでは、また明日。

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漫画買ってきた話

この前からちょっと気になっていた、わだぺん。著『東京自転車少女』と、松本規之著『南鎌倉高校自転車部』を購入しました。

南鎌倉
『南鎌倉高校自転車部』。店員さんがもの凄いオシのPOPを書いていました。

別にそれほど自転車大好きというわけではないのですが、女の子が自転車に乗ってる姿を見るのは好きです(爆)。自転車漫画、最近恐ろしく流行っているけどどうしてなんでしょう。ロードレースか自転車業界のステマでしょうか。

東京自転車
『東京自転車少女』。わかりやすく好みな絵柄。一時期話題になっていました。

読んでいないので想像ですが、おそらく自転車を通して地域の景色を見ていく、みたいな「世界の車窓から」のようなほのぼのした話なのではないかな、と。読んでから感想かけと言われそうですが、これから読みます! 面白かったら自転車買っちゃうかも! という感じで。なんかママチャリでもいいんですが、オサレな自転車も一台ほしいよなあと思ったり思わなかったり。

昔は「変速ギア」が大好きで、何段変速という語感の格好良さに憧れてゴテゴテした自転車やマウンテンバイクが良いなあと思っていましたが、最近は「やっぱ前にカゴついてるの最高だわ」という輸送手段としての自転車がメインなので、なんだかんだでママチャリか(笑)。

というわけで本日は短いけれどこんなところで。それでは、また明日。

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レビュー:『罪と罰』(漫F画太郎版)

一部地域で話題の、漫F画太郎著『罪と罰』、2巻を購入しました。

ちなみに話題というのは、表紙です。1巻はこんな感じで……。

罪と罰1

2巻はこれ。

罪と罰2

なんとびっくり、画太郎先生が萌え絵を……なわけがなくて、2巻の表紙はかんざきひろさんが担当されています。『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』のイラスト担当の、あのかんざきひろさんです。言うまでもないことですが、1巻の方も画太郎先生とは別人ですね。

ちなみに1巻の中身は完全に画太郎ワールドでした。原作ドストエフスキーとなっているけど、「独自の解釈で再構築され」すぎです。だいたい、主人公の名前がエビゾー=ラスコーリニコフって。金貸しの老婆に逆レイプされるという原作レイプな内容で、面白いのか面白くないのか真剣に考えた末に考えるのをやめました。

スーパーどうでもいいことですが、ドストエフスキーの『罪と罰』の主人公ロージャ(ロジオン・ロマーヌイチ・ラスコーリニコフ)は、イニシャルがロシア語で「РРР」。これはひっくり返すと「666」(キリスト教で悪魔を指すとされる数)となり、また「ラスコーリニコフ」という名前は「切り裂く」という意味の「ラスコローチ」から来ているなど、いろいろ仕掛けが施されているのですが、その辺は一切無視。あ、でも斧は持ってました。

果たしてこれは『罪と罰』なのか否かとか、そういう話はもうホントどうでもよくて、ああ、画太郎先生元気に生きておられたんだなという感慨を抱くとともに、芸風を内容から表紙にうつし、「絵」で亜空間から勝負を仕掛けてきたそのチャレンジャーっぷりに感涙を禁じ得ない。ほらほら、みんな表紙さえ良かったら買っちゃうんでしょ~? でもザンネンデシター! みたいなノリでありながら、ちっとも不快じゃないというか、良い感じでネタとして昇華されています。虚構新聞にキレていた人がこれ読んだら、卒倒するかもしれないですけど。

ちなみに2巻は、買った(もちろん限定版)だけで、読んでいません。読む気もありません。本棚に、表紙が見えるようにして、飾る。おそらくこれが、この本のただしい扱い方です(爆)。どんな内容なんだろう。画太郎先生だからきっと面白いんだろうなぁ。もしかすると画風が全然かわってるかもしれないぞぉ。わくわくするなぁ……。そんなことを考えながら、ずっと眺めているだけで良いのです。

というわけで、読んでみるまで内容が確定されない「シュレディンガーの本」として、『罪と罰』2巻は永遠に私の本棚で、開けられることなく飾り続けられることでしょう。

……では、また明日。

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レビュー:『まねこい』

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モリタイシ『まねこい』 (小学館、2009年~2012年)、全7巻

少年サンデー誌で『いでじゅう!』などを手がけたモリタイシ氏がゲッサンで連載していたラブコメ、『まねこい』。非常に好きな話だったのですが、残念なことに先日完結し、最終巻が発売。

まずはあらすじから。同じクラスで学園のマドンナ、ホンチーこと本田知華子(ほんだ・ちかこ)に恋する平凡な男子高校生、薗田波留(そのだ・はる)。そんな彼の前に、「招き猫」の化身、招木猫太郎(まねき・ねこたろう)があらわれる。猫太郎は特殊な力で波留の願いを叶えに来たというが、どうやら恋愛成就が本業ではない(金を招くのが本業)らしく、ちぐはぐな対応ばかり。それでも恋のアドバイスで波留をはげましつつ、二人三脚で恋の成就を目指します。一方、一人では恋もできないような、冴えない波留を好きだという女の子・奈波や、ホンチーを狙う歴研部長・歌丸なども登場し、波留の恋路は荒れ模様。波留とホンチー、二人の恋を軸にして描かれる、たくさんの登場人物たちの、楽しくも切ないラブストーリーです。

さて本作、なかなか面白いです。とにかく最初から話の方向性がしっかりできあがっていてブレない。ヘタレだけど強く優しい波留の人間としての魅力がしっかり描けていて、何とか恋を成就させてあげたいなぁ、という気にさせられる。ありがちな話と言えばそうですが、それだけに三角関係の緊張感や波留の届かない想いのはがゆさなど、ポイントとなる部分がしっかり抑えられていて安定感があります。また、キャラ同士のかけあいも生き生きとしていて本当に楽しい。ニヤニヤしながら先の展開を読み進めることができました。

ただ、終わってみれば残念ながら成功した作品とは言い難い感もあります。微妙な言い方になるのをご容赦いただきたいのですが、面白くて好きな話である一方、どうもつきぬけていない。あるいは、何となくかゆいところに手が届いていない感がある。それは、コミックスを追いかけているときからずっと感じていたし、最終巻になってその想いが余計強くなりました。

詳しくはネタバレになるので言わないとして、モリタイシ氏が最終巻で「人生、必ずしも努力が報われるとは限らないし、時には取り返しのつかない失敗をしてしまうこともある」と言うように、本作の終わりはちょっと切ない描写があります。私はこの手の終わり方がもの凄く好きなのですが、しかしそんな私でも、本作でこの持っていきかたはあんまり無かったかな、という感じ。やりたいこと、言いたいことはわかるものの、それが言いたいなら別の見せ方があっただろう、と思います。

踏み込んだ話をしないと卑怯ですかね。ちょっと内容バレが怖い……。まあギリギリのラインまで行ってみましょう。

たとえば「努力が報われるとは限らない」と言いたいなら、招き猫という超常的な力の持ち主を出さず、キャラクター達には等身大の自分の力だけで勝負させたほうが説得力があったでしょう。また、積み重ねていったことが一発でダメになる、という理不尽さみたいなのを描きたいのなら、延々と過程を描くことに力を入れず、一旦完成させたと見せかけて、それを崩すほうが効果的です。つまり、恋愛を道具立てとして何か別のことを語ろうとしていたのなら、やや中途半端な表現になっている。

逆に、恋愛それ自体を描きたかったというのなら、このキャラクターたちが何をもって「恋愛の成就」という風に考えているのかを明確に示す必要がある。けれど、そのことが、最後までハッキリした像を結ばなかったように思います。誰かのことを一途に想い続けるという自分だけの世界で完結することなのか、想いが通じあうという相互の内的なことなのか、単に「つきあってくれ」という告白に返事をするという形式的なことなのか。本作では「嘘」というのが一つの重要なキーになっているのですが、それにしても色々な「嘘」の種類があるわけで、その「嘘」の何をホンチーや波留が課題としているのか、その辺のことがどうも見えてこない。6巻までで積み重ねられてきたものが何であって、最終巻で変化したものが何だったのか。その辺のことが曖昧というか雑なまま走りきってしまったので、漠然とした「恋」の輪郭のままで終わってしまった印象が拭えません。私なら、最後のシーンは描かず、『まねこい』という世界の恋愛は、あれこそが最高のかたちでの成就だった、と言い切ると思います。それが、最後をああしたせいで、1~6巻までのプロセスの意味が浮遊してしまった。(指示語ばかりですみません……)

キャラクター的なことを言えば、波留の魅力は丁寧に描かれているものの、メインヒロインであるホンチーの魅力がいまひとつ。多分彼女の最大の魅力は、彼女自身にあるというよりもむしろ、波留に好かれているところなのではないでしょうか。逆に、そこ以外に読者に訴求力を持ち得ていない気がする。つまり、読者が波留の目線に立ちづらい・波留を応援しにくい作品であったとも言えます。見た目でいえば近藤さんが一番……。

また、作中色々なキャラの恋が描かれるのですが、ちょっと多すぎてとっちらかった感がある。メインである波留とホンチーを含め、レギュラー陣だけで6組前後の恋模様が描かれるのですが、7巻の作品にそれというのはさすがに詰めすぎ。必然的に1つ1つの描写が薄くなってしまい、「設定だけ」が走っている部分が増えていました。

まとめると、等身大で生身の恋愛を描くのであれば、超常能力をもったアドバイザーの存在は余り必要ないというかむしろ邪魔にすら思えるし、そういうのを活かしたいのであれば、もっと明確に、テーマに沿った描き方をすべきだったのではないか、と。

重ねて言いますが、フォローでもなんでもなく、面白いです。私がこんな偉そうなことを言えるのも、話の骨格がきちんとしていて、しかもキャラの心理描写という肉づけも丁寧にされているから。それが上手く動いていればなあ、というあと一歩のもったいなさが引っかかっているというだけなのです。

微妙な評価になってしまいましたが、このはがゆい感じも含めて読む価値アリの作品。私はそう思います。モリタイシ氏は久々の登場でしたが、どんどん技術も面白さも磨きがかかってきているので、あとは歯車が噛み合うのを楽しみに待ちたいです。

それでは、本日はこの辺で。また明日お会いしましょう。

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麻雀漫画の話

日頃の言動からお気づきの方もおられるかと思いますが、私は麻雀が結構好きです。中学生くらいから始めて、高校を出た頃にはフリーへ通い、大学中も細々と続けてきました。もちろん脱衣麻雀は大好物です。いわゆる下手の横好きというやつで、そんなに強くはありません。関西だと割と勝てたのですが、関東だと防御力の低さが裏目って、とにかく勝てない日々が続きました。最近はちょっとマシになったけど、それでも別段上手いとは言えないでしょう。

ただ、好きは好きだったので麻雀に関する本だの漫画だのゲームだのは大量に味わってきました。というわけで、本日は何となくお薦めの麻雀漫画をピックアップしてみようと思います。一部を除いて、いまでも割と手に入りやすいものをチョイスしたつもり。本当なら昔近代麻雀で読み切りがあった、制服三姉妹が借金のカタで脱衣麻雀に呼び出される話とか(タイトル忘れてしまいました……)の話とかもしたかったのですが、タイトル忘れてるし誰得なのでこんかいはやんぴ。

なんだかんだで結構面白いのを紹介したつもりなので、麻雀漫画を読みたいという方の参考になれば幸い(有名すぎて逆にみんな知ってるかな……)。他にも面白いのあるぞ、という方はこっそり教えてくださると嬉しいです。ま、前置きはともかく、進めて参りましょうか。

◆片山 まさゆき『打姫オバカミーコ 』
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『牌賊オカルティ』、『ミリオンシャンテンさだめだ!!』など数々の名作を送り出す片山漫画の中でも、ひときわストーリー性が高いのがこれ。駆け出し女流プロ、丘葉 未唯子(おかば・みいこ)が、元風王位王者、波溜 晴(なみだめ・はる)に弟子入りし、競技麻雀でのしあがる様子を描いた作品です。片山氏といえばいわゆる「オカルト」打ちと「デジタル」打ちの両方にバランスよく目配りができる逸材。本作は牌効率や点数期待値のようなデジタルな側面からのアプローチをメインとして、初心者のための麻雀戦術指南書として十分すぎる内容なのですが、それでも最後は「自分が納得できる」打ち方とは何か、という命題におちつける辺りが片山氏らしく、おそらく多くの麻雀打ちが最後に抱く、「デジタルではわりきれない思い」を表現しきっています。脇役は相変わらず味があるし、ところどころに挿まれるギャグも面白く、15巻続いたのも納得の名作。最終巻末で、自身の代表作と言うだけのことはあります。


◆押川 雲太朗、荒 正義『反逆の麻雀 リスキーエッジ』

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押川氏の独特の雰囲気が炸裂しまくる本作。押川漫画の名作は多々あれど、私が推すのは断然これ。デジタルとは無縁の完全なオカルト(「運の流れ」主義)で、しかもかなりご都合主義が入っているのですが、主人公が無敵ではなくて勝ったり負けたり、騙したり騙されたりをくり返すので、非常に緊張感があります。100%純粋な精神論しか言っていないのに、ここまで麻雀を熱く、スリリングに魅せることができるというのは本当に凄い。手段としての麻雀ではなく、現実の全てを卓上のできごとに還元して表現するというのをやってのけた出色の漫画です。コンビニとかで売っている質の粗いコミックスのほうが手に入りやすいでしょうか。

◆大和田 秀樹『ムダヅモ無き改革』
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政治ネタ多数のパロ。痛烈に民主党を皮肉ってみたり、自民党を持ち上げてみたりと、いわゆる「ネトウヨ」的な配慮に充ち満ちた作品。最初はただ時事ネタにぶら下がった勢いだけかと思いましたが、それもここまで続けばある意味大した物。スタンスはそうとう偏っていますが、意外と的を射たことを言っていたりもするのであなどれません。まあそれでも、ギャグと割り切って楽しめる大人向け。内容がどうこうというよりは、話題書的なノリで読んでおくと話題を作りやすい本だと思います。一般人にもネタが通じやすいという意味では、麻雀漫画の入り口としては悪くないのでしょうか。問題は、たぶんこの漫画を読んでも別に麻雀をやりたくはならないところでしょうね……。

◆能條純一『哭きの竜』
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「あんた、背中が煤けてるぜ」。言わずと知れた劇画麻雀漫画の傑作。セリフ、カット、展開の全てがカッコイイ。この作品に何か言葉を重ねるのは無粋というものなので、まあ読んでみてくださいということでひとつご容赦下さい。

◆山根 和俊、 青山 広美『バード -最凶雀士VS天才魔術師』
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山根和俊さんと言えば、チャンピオンの『ギャンブルフィッシュ』や、昔ジャンプノベルで連載されていた『ジハード』の初期のイラストレーター。非常にエロい絵を描かれる方で、本作でも存分に腕を振るっておられます。ストーリーとしては、ラスベガスの超一流マジシャン、「バード」が日本の裏社会に跋扈するイカサマ雀士たちと戦うというもの。トリックの派手さや展開の面白さもさることながら、とにかくエロいのが良いです。特に1stシリーズの敵役・「蛇」は、勝負に負けた女の子を後ろから犯しながら入れ墨を彫ったり、立会人の女極道を休憩時間中にトイレで犯したりと、まさに犯りたい放題。何か麻雀と全然関係ない話で盛り上がって申し訳ありませんが、たぶん作品のコンセプト自体がそういう感じなので、かなり作品に寄りそった、まっとうな紹介をしていると思います(笑)。

◆小林 立『咲 -Saki-』
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アニメ化もされ、大人気。言わずと知れた萌え麻雀漫画の雄。さまざまな「能力」を持った女子高生雀士たちが、部活で戦うという話。確実にリンシャン牌でツモるとか、東場だけ異様に強いとか、気配を消して見えなくなるとか、とりあえずギャルゲーの脱衣麻雀キャラをそのまんま漫画にしてみました的なノリを更に進めて、少年漫画異能バトルのノリを麻雀に持ち込んだ感じです。まあそんなことはどうでもよくて、のどっ乳の乳袋とか、そういう方面でも盛り上がれるのが良いところ。なにげに河の捨て牌とか色々こだわりをもった描写がされていたそうですが、足とか乳に目がいって、言われるまで全く気づきませんでした。

◆福本 伸行『アカギ ―闇に降り立った天才』
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ざわ…ざわ…。麻雀は人生哲学。捨て牌から相手の人間性まで読み取ってしまうアカギは、学者に生まれていたらきっと出色のテキスト読みになっていたことでしょう。いつになったら鷲頭篇終わるのか……。

◆福本 伸行『天 ―天和通りの快男児』
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『アカギ』と同じ世界観で、『アカギ』の後の世界が描かれるのがこの『天』。進行が遅くてざわざわしがちな『アカギ』より、麻雀漫画としてはこちらのほうが面白いと思います。天才的な直観を持ったキャラが、鬼のようなヒキを見せて戦う、という意味では『アカギ』と共通していますが、そこに抗う凡人、ひろゆきの姿が光る。またこちらはメインに東西ヤクザによる団体戦の麻雀対決がもちこまれ、変則ルールではあるものの、それによってかえって、ランダムさの中に潜む戦略性のような、麻雀というゲームの本質的な面白さを際立たせています。特に銀次が絡む回が面白く、「3、7牌」をマークすることで麻雀がどれだけ有利になるのかや、「完全なガン牌」よりも不完全なガンのほうが見破りにくい、といった盲点ともいえる真理をズバッと突いてくるのが凄い。派手な運要素の影に隠れがちですが、地味に使える(かどうかはわからないけど、使うとかっこよくみえそうな)戦術も頻繁に出てきて、偏った参考書にはなります。符計算の重要性を、本作で覚えたという人も少なくないのでは?

◆星野 泰視、さい ふうめい『哲也 ―雀聖と呼ばれた男』
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少年マガジン誌で連載され、人気を博した作品。阿佐田哲也の小説をもとにした半フィクション伝記。戦後当時の様子がよく伝わってくるとともに、少年漫画独特のバトル的なノリもあって楽しめます。競技麻雀の顔色をうかがわなければならない近代麻雀系のコミックとは違い、割と堂々とイカサマを主人公たちが使いまくるのが特徴。作中、さまざまなイカサマ技が登場し、それがまた格好良くて、読者を魅了しました。この漫画の影響で、「燕返し」や「2の2天和」を練習した人も多かったはず。近代化・合理主義の波に呑まれて忘れ去られていく、昔気質な「博打打ち」たちの矜持を描いた名作。

◆嶺岸 信明、来賀 友志『天牌』
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麻雀漫画最高峰との呼び声も高い有名作品。ひょんなことから麻雀の道に踏み込んだ青年、沖本瞬(おきもと・しゅん)を中心に、麻雀に命を賭ける男たちの生き様を描いています。役満連発あたりまえなので闘牌などは全く参考になりませんが、麻雀を通した駆け引きの妙で白熱した勝負を魅せたり、「人事を尽くしてもどこかで運に頼らなければならない」という人生の真理を指運に託すなど、演出装置としての麻雀の使い方が抜群に巧い。

◆天獅子 悦也、安藤 満『むこうぶち』
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人の鬼と書いて、「傀」(カイ)。そう呼ばれている謎の男が主人公。バブルの時代、高レートのマンション麻雀を荒らしまくる、謎の男、傀。どんなときも冷静沈着な仮面を崩さず、誰が相手でも淡々と勝利を積み重ねます。描かれるのは、そんな傀に破れていく、欲望に狂った人間たち。「ご無礼」のひと言とともに、彼らを絶望のどん底にたたき落とすところで、毎回話は終了します。たとえるなら、『アウターゾーン』や『笑ゥせぇるすまん』の麻雀版。高レート麻雀という欲望のただ中に身を潜め、不敵に笑う鬼に食われる、哀れで滑稽な「獲物」たちの人間ドラマをお楽しみ下さい。

◆伊藤 誠『兎 野性の闘牌』
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『咲』のコンセプトを『咲』より前に、麻雀ファンむけにやっていたのが多分この作品。危険を察知して危険牌を切らずに打ち回す能力の持ち主、「兎」をはじめ、ドラが乗りまくる「ジャッカル」や、スピード感溢れる闘牌で相手を圧倒する「ヒョウ」など、独自のスタイルと麻雀観を持った個性的なメンバーが集まる代打ち集団「ZOO」の活躍を描いた話。レベルの高い絵と、渋い展開が人気を呼び、PSのゲームにもなりました。ラス親で和了したら「もってきたかな」。残り100点になったら、点棒くわえて「これが原点だ」などなど、名ぜりふも多数。最近は進み具合が遅い上に能力がインフレを起こしてちょっと残念なことになっていますが、それでも魅力的な作品であることは間違いありません。

◆谷口 亜夢『雀鬼サマへの道』
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ちょっと異色というか、雀鬼こと桜井章一に、作者である谷口氏が色々教わって、その内容をわかりやすく漫画にしたのが本書。恐らく文章にすると非常に長くてわかりにくいであろうことを、絵と適切なセリフ、コメントでとてもわかりやすくまとめてくれています。基本的な牌効率のような話からフリー雀荘へ行くときの注意点など、これから麻雀をしようという人、あるいは始めたばかりの初心者に向けた内容が多く、博打や暴力のニオイがしない、現代の競技麻雀に向けた良質な入門書。麻雀をやっていると必ず出てくる「雀鬼流」とは何か、コンセプトはどういうものかも、具体例を踏まえながら丁寧に解説してあって、「今更聞けないなー」という背景知識が色々分かったりします。雀鬼流は選ばない、という人でも、知識としては知っておいて損しない(少なからず使い手はいるので)でしょうから、そういう方にも。



という感じで紹介してみましたが、いかがでしょうか。『凍牌』や『キョウ』なんかも候補としてはあったのですが、色々考えてこんな感じにしてみました。どうして13本なのか、ということは勘の良い人ならご理解いただけると思いますので、説明はいたしません。是非、最後はご自分のベストな麻雀漫画を見つけてください。

それでは、本日はこの辺で。また明日。

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レビュー:『かくしデレ』(18禁)

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ひょころー『かくしデレ』(ヒット出版、2012年) ※18禁

エロ漫画のレビューは初めてですね。わるい子のみんな向けです。よい子はみないでネ。

2008年にデビューした、氏の4年ぶんの作品をまとめた単行本。正直あんまり期待してなかったのですが、ビックリするほど良かったです。女の子がかなり可愛らしく、特に2011年以降はぐっと綺麗に。表紙のイラストも良いのですが、中身のほうも負けず劣らず。線がはっきりしていてスッキリした絵なのに、肉感とか質量が薄っぺらになっておらず、基本画力の高さがうかがわれます。カバー裏にある「あとがき」(印刷スペースが無かったらしいです)によれば、デビュー後に「商業誌でコレはいかん」と思い、修行しなおしたとか。なるほど初期と比べると、随分メジャー受けしそうな絵柄に。

ただ、絵もさることながらストーリーが面白い。それほどひねった話ではないけれど、導入・展開・オチとしっかりしています。今回要約をしてみると、凄くやりやすかった。

勿論エロ漫画ですから、それぞれの話で中心となる軸がストーリー漫画のようにばしっと決まっているわけではありません。しかし、魅せたい女の子のキャラクターとシチュエーション、それにあわせた枠組みの固め方が上手だな、という印象。たとえば痴漢ものの「誰恋トレイン」なら、単に痴漢をすればいいとか痴漢を盛り上げるためのシチュエーションを盛り込むだけでなく、「誰か判らない相手に痴漢を迫られる」という部分をうまく絡めて、展開に起伏を付けています。それを最後は、スッキリした落ちにもっていくので、読後感が良い。本巻中唯一、ちょっと暗めの話だった「うわきなトコロ」も、ほどよいダークさに仕上がっていました。ライトコメディで押すという作り手のコンセプトに、「寝取り」のようなシチュエーションですら、その本質的な背徳さを損なわずに引き込んでいるのが見事でした。

上にちらりと書きましたが、和姦中心。というか無理犯りはほとんど無し。ただ、シチュエーション的にはそういうのもうまく取り入れていました。女の子達はどっちかというと巨乳気味で貧乳は無し。ロリ系も1人と、割と成長したキャラがお得意みたいです。掲載雑誌のカラーかもしれないので何とも言えませんが、頭身高め、大人っぽいキャラのほうが生き生きとしていた感じ。

まあ、何にしてもエロいしカワイイし面白いしで、言うこと無し。

後は、収録された各ストーリーがどんなものだったか簡単に紹介して終わりたいと思います。

◆かくしデレ
滝沢家にやってきた、弟・弘明のクラスメートは、ポニーテールがトレードマークの美少女、野ヶ浦ののか。妙に滝沢(兄)に挑発的で突っかかってくる。売り言葉に買い言葉で2人の喧嘩はエスカレート。結局最後は、ののかをベッドで犯すことに……ってあれ、なんでそうなるの?? どうやらののか、滝沢(兄)に惚れていたようで、犯してもらいに来ていた模様。ベッドの上で必死に快感と嬉しさをこらえながら、ツンツン強がってみせる姿が最高にかわいいののか嬢。強がり娘が照れながら悶える姿が好きな人は必見です。

◆誰恋トレイン
残業を終えて帰宅途中の会社員・亮。終電を待つ駅で遭遇したギャル系の可愛い女の子。電車を待つ姿を後ろからのぞき込むと、なんと彼女は痴漢ものの携帯小説を書いていた。しかも彼女は、なぜか亮のことを知っているようで……? 知り合い「らしい」なぞの謎の彼女に請われるまま、亮は「取材」と称した痴漢プレイをすることに。謎のかわいこちゃんと車内で背徳プレイ。燃える展開に、オチもきっちりついてなかなかの良作にしあがっています。

◆いっしょに!
卒業を控え、最後の作品の完成に執念を燃やす漫研部の部長。そんな彼を好きな後輩の副部長・市井ハナ(メガネっ娘)は、去ってしまう部長に寂しさを感じつつ手伝いを申し出る。深夜の部室で互いの想いを告白しあった2人は盛り上がってそのままお楽しみに突入。途中顧問の教師に見つかりそうになりつつも、想いを遂げた2人の行く末やいかに。

◆妹チョコH
容姿端麗・成績優秀・運動神経抜群のツインテール女・高岡美咲。ただし、性格に難アリ。彼女の義理の兄・高岡誠は日頃から性格の悪い美咲にバカにされ続けてきた。ところが2月14日、バレンタインのムードを嫌って部活をさぼって誠が帰宅すると、誠の部屋で美咲がひとりエッチをお楽しみの真っ最中。驚く誠に、テンパった美咲が勢いで本心を告白して……。ベタベタの展開ですが、それだけに破壊力は高め。ひねらない話でもきっちり仕上げれば楽しめるという好例です。

◆初×初シンドローム
一学年上の黒髪美少女、三橋ちづると付き合いはじめた大樹。期末テストの勉強を見て貰うことになって、彼女がひとり暮らしをするアパートに招かれる。彼女の部屋に招かれてウキウキのはずが、大樹の心を占めるのは学校のイケメン教師、池田先生とちづるが不倫関係にあるという噂。噂の真偽を確かめようと思い切って話を切り出した大樹にちづるは――。タイトル通り、「ウブ」な2人の微笑ましいラブストーリー。「ファーストキスだったのに、大樹君のせいで鼻水の味になっちゃったよ」というセリフが魂を揺さぶります。

◆花と豚と定食と
定食屋チェーンでアルバイトをする巨漢デヴ、鈴木。バイトの帰り道、常連のロリ系花織桜子に、格闘ゲーム「ストリート的ファイティングPortable」(ストポー)で勝負を挑まれる。曰く「これで対戦して私が勝ったらお付き合いしてもらえませんか」。罠か夢か美人局かと疑う鈴木だったが、どうやら本気らしい桜子と勝負。男らしく負けた鈴木は、桜子とHすることになるのですが……。お互い初Hで純愛物語のハズなのに、トロルがロリ魔女を無理犯りしているようにしか見えないのは、私の心が汚れてしまったからなのか。まあ、そんなこんなでアンバランスな2人のお話。ちなみに桜子は、ロリだけど結構胸があります。というかここまでつるぺたキャラいないですね。

◆シス☆コン
ドジで可愛い義妹の結衣。父母が海外旅行に行ったタイミングで、「バージンはおにいちゃんにあげるって決めてたもん!!」と義兄(目つきが悪くてエロゲー大好き)に衝撃の告白。モテなく、さえなく、ひねくれ者の義兄でも、結衣にとってはかっこよくてやさしくてたのもしいお兄ちゃん――。という告白に胸を打たれたのか、エロゲー大好きな義兄的にエロゲーシチュエーションに燃えたのかは定かでないが、そのまま結ばれたきょうだい2人。オチはまんま昼ドラでした。

◆みゆき~漫画道~
部費に窮した漫研部。起死回生を図り、即売会でエロ同人を売ることに。問題は、経験の無いみゆきには何をどう描いて良いか解らないこと。そこで、同じ部でエロ漫画大好きなあゆとエロ漫画合宿をひらくことに。ところがあゆは、他の男子部員たちも合宿に招待して、全員に媚薬を盛る暴挙に。そのまま合宿は大乱交パーティーに発展、というお話。2008年と収録作中で一番古いためか、線も太く、絵柄はちょっと違います。エロシーンの躍動感とかコマ割りは現在に通じるものがあるので、多少の違和感に目をつぶれば充分楽しめる内容。

◆うわきなトコロ
恋人・宗太郎に浮気されたと勘違いした貞淑な美女・梢。動揺と不安で正常な判断を失ったところに変な勢いがついて、宗太郎の友人で大嫌いなチャラ男、英二とラブホへ行くことに。「本番はダメ」という約束のハズが、胸、お尻と責められて蕩けさせられ、とうとう……という話。浮気した宗太郎を怒るより、浮気相手の女性が自分と真逆であることを不安がったり、恋人を想いながら間男に抱かれる梢の描写が秀逸。特に、途中で宗太郎から電話がかかってきてフラフラしながら携帯を取りに行くところはすっごいエロかったです。後味もそこまで悪くなく、これまで体験してきた寝取りものの中でもトップクラスに好きかもしれない。個人的には本巻の中で一番のお気に入り。

◆デレ隠し
最後に載っているおまけカラー漫画。「かくしデレ」の2人が動物園デートに向かう途中、バスの中で盛り上がってしまって途中下車。そのままトイレで一仕事。4Pですが充分起承転結がついていて、ひょころー氏の構成の上手さがにじみ出ている一本です。

ということでまとめでした。販売店舗によってはオリジナルの小冊子が付いているので、目当てで何冊か買うのも良いかも。私はメロンで購入したのですが、とらでも買おうか真剣に悩んでいます。キャラとしては「初×初」のちづる先輩か「かくしデレ」のののか嬢が好きなのですが、漫画的に一番良かったのは「うわきなトコロ」かなあ。引け際も抜群。作風はこの中では異質なのですが、このタイプの話を今後も是非続けて欲しいと思います。

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こんな感じの小冊子が特典でついています。内容は収録作の後日談的エロ漫画。

というわけで本日はこれで。また明日お会いしましょう。あー、明日は月曜日か……。

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レビュー:『一緒に暮らすための約束をいくつか』

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陸乃家鴨『一緒に暮らすための約束をいくつか』(芳文社、2011年~)、全2巻。

オビの文句にある通り、女子中学生と三十路男の二人暮らしが描かれる本作。先日、心待ちにしていた第2巻が発売されたのですが、意外と呆気なく完結してしまいました。2巻で終わりかぁ。・゚・(ノД`)・゚・。

作者は、陸乃家鴨(おかの・あひる)氏。別名義(厦門潤)でエロ漫画描いたり、亜藤潤子名義で少女漫画描いたりとマルチに活躍しておられます。絵柄は成年誌っぽい絵柄といえばそうですが、非常にスッキリしていて表情豊か。表紙の絵も可愛いじゃないですか! 全体的に独自のスタイルが確立されていて、表現に安定感があります。掲載雑誌は『週刊漫画TIMES』。聞くならく、不定期連載だった模様。

大人の男が少女を「拾って」、養い育てるパターンの話というのは、『源氏物語』の昔にはじまり、チャップリンやら、最近だと話題になった宇仁田ゆみ『うさぎドロップ』などなど、映画に小説に漫画にと名作が数々ありますが、そういった作品と本作が異なるのは、少女が大人の男を拾う(捕まえる)側面が強く打ち出されているところでしょうか。

35歳の「ほぼ」フリーター、藤木悟郎(ふじき・ごろう)。彼はひょんないきさつから、高校時代の親友であった三浦久志(みうら・ひさし)と美香(みか)夫婦の忘れ形見、三浦紗那(みうら・さな)と一緒に暮らす決意をします。

「大人になったとき、まだゴローに恋人がいなかったら、私をお嫁さんにして」

その約束を覚えていた紗那は、大喜び。しかし、身寄りが無いわけではない(祖父母はいる)紗那と、まったく関係のない悟郎が一緒に暮らすにはクリアーしなければならない課題がたくさんあるわけで……。悟郎の「恋人」、原由香利(はら・ゆかり)をはじめ周りの人間を巻き込みながらスタートした、2人の共同生活も2年と半年が過ぎ、紗那が中学3年になった時から物語は始まります。一緒に暮らす以上、絶対に守る「約束」をしよう。たとえば、朝ご飯は必ず一緒に食べる。そんな日常を維持するための些細な、けれど絶対に破ってはならない約束を――。21歳離れた2人、悟郎と紗那のラブストーリー。

大筋は、エロのある『うさぎドロップ』ということでだいたいOK。ただ、より複雑な事情や感情を入れようとして、とっちらかった感が強いです。作品のまとまりは、前半は育児に、後半は揺れ動く2人の感情にと狙いを絞ったぶん、『うさぎドロップ』のほうが高いし、2巻完結という短さから見てもわかるとおり、本作は後半かなり駆け足になってしまい、いろいろ描写不足なのは否めません。けれど、育児ものという側面をスパッと見切り、シンプルに恋愛ものと考えた場合、いましがた書いたようなことは必ずしも欠点ばかりとは言い切れないでしょう。

悟郎(作中ではゴローと呼ばれますが、某AVを思い出すのでなんとなく回避)がどうして紗那と一緒に暮らそうと思ったのか。ネットの評判や、私の周辺の感想を聞いていると、身寄りがないわけでもない紗那を悟郎が引き取ることになった事情が強引で説得力がない、中年男と女子中学生を一緒に住まわせるという設定のために無理をしているようにみえた、という意見をちらほら見かけます。

この批判が間違っているとは思いません。たしかに、結構無理している。でも、そうしたことによって描かれているものが変わっている、ということに目を向けないのは、いささか勿体ない気もします。

「身寄りがないからひきとる」というのは、外側の理由付けとしては完璧ですが、裏を返せば引き取る側は単なる偶然で相手を引き取ったにすぎない。でも、悟郎は違います。悟郎は紗那でなければ引き取らなかったし、紗那も悟郎だからついていったということが、ハッキリと示される。そのためには、紗那にも悟郎にも、他に手段はいくらでもあったのに、敢えて一緒に暮らすことを選んだ、という設定が必要だったわけです。ある意味、スタート時点から2人は恋におちていた。その展開として本作のやり方があまり上手くないというのは認めざるをえないところかもしれませんが、単純に他の類似作と比べて、「あっちのほうが理由がちゃんとしてるのにこっちは無理矢理感がするからダメ」というのは、少々乱暴。

ともあれそんなわけで、本作は年の差カップルの同棲ものとしての側面がかなり強くなっています。個人的にはキーとなる台詞が2つあって、1つは「好きだったから、よけいにわからないものなんじゃない?」という紗那の言葉。もう1つは、「どうすればいいかではなくて、どうしたいのか」だ、という由加利の言葉。この作品で描かれる、相手に向けられる「好き」と、自分の気持ちとしての「好き」のあり方がくっきりと出ている。どちらもとても良いシーンです。

また、由加利との恋愛がエロ有り(肉体的)になっていることで、紗那とのプラトニックな恋愛が際立つ仕掛けは上手。もの凄い年の差カップルという特殊な状況を通して、逆にどんな恋人にも共通する、普遍的な恋愛の「こころ」のあり方を描いた、後味の良い作品。ちょっと紗那に対する性欲が薄すぎて、恋愛ファンタジーだなとは思うのですが、若い人にはこのくらいのほうが楽しめるのではないでしょうか。……うん、ちょっと連載する雑誌間違えたかもしれませんね……。

というわけで本日は漫画の紹介でした。段々エロゲーの話が減ってきた気がしますが、もうすぐ月末なのでまた頑張ります。それでは本日はこの辺で。また明日、お会いしましょう。

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レビュー:『僕らはみんな河合荘』

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宮原るり『僕らはみんな河合荘』(少年画報社、平成23年)

『恋愛ラボ』などの4コママンガで知られる宮原るりさん初のストーリーコミック。北高に通う男子高校生、宇佐(うさ)くんが視点人物(名前はたぶん、まだ出てきていません)。

両親の転勤によって安アパート「河合荘」で一人暮らしをすることになった宇佐。クラスの「変人」たちの担当をさせられ、「変ショリ」とあだ名をつけられた中学時代の思い出を払拭すべく、「自由な新生活」で青春を謳歌することを夢見るものの……。たどりついた河合荘は、変人たちの巣窟だった。穏やかな暮らしを求め、河合荘を出て行こうとする宇佐。しかしそこには、一目惚れした可憐な先輩、河合律(かわい・りつ)も暮らしていて――。結局、入居を決めた宇佐と、河合荘の愉快な住人たちが織りなす、心温まる(あと、ちょっと下品な)物語です。

ストーリーものなのですが、4コマ出身という出自ゆえか、1話のうちでツカミ→オチがくり返され、こまめに場面が展開します。かといって4コマを繋げてストーリー仕立てにしたようなブツ切れ感はありません。全体的にとても読みやすく、歯切れの良いテンポで進行します。

絵柄は見ての通り(カバー絵との乖離はあまりありません)。少女漫画よりの線の細さで、あまり描込みをしないタイプ。多くのコマはキャラ中心で、背景無しかトーンのみというのが結構多いです。そのぶん、勝負所のキャラの表情や態度はわかりやすく表現されていて好印象。第4話のシャボン玉のシーンと、第8話の麻弓がキレるシーンがとても好き。

人によってはタルい恋愛に感じるかも知れませんし、宇佐が律に惚れるのもほぼ一目惚れのように見えます。けれど、ありがちなボーイ・ミーツ・ガールとはちょっと違う。宇佐は一度は律についていけないと思うし、律も最初は宇佐と距離をとっている。そんな2人が、共同生活の中で少しずつ接近していくわけです。それを支えているのは、相手のことを「知りたい」という想い。

「変ショリ」の宇佐の良いところは、相手にただ「変人」というレッテルを貼るだけではなく、そのうえでなお、相手の真意をくみ取ろうとするところです。「一人は嫌いじゃないのに、「一人だ」って思われるのは嫌で……」。そう呟く律は、誰かの理解を拒んでいるようで、むしろ理解してほしいと願っています。彼女は、ただしく自分をわかってくれる人を求めている。そして、宇佐は彼女を理解しよう、理解したいと思う。好きだから知りたいのではなくて、ただ知りたくて、知っていくことが恋として描かれています。『僕らはみんな河合荘』に描かれているのは、そんな穏やかで優しい気持ち。

他の見所としては、余り穏やかではない下ネタの数々も挙げておくべきでしょうか。ヘタレMのロリコン、社会的には真っ黒だけどあだ名はシロこと城崎(しろさき)の変態ネタはかなりトバしてます。管理人・住子さんとのタッグが絶妙。あんまりずっとこの調子だとさすがにお腹いっぱいになりそうですが……。

軽やかに流れる日常と優しい気持ちを楽しみながら、下ネタに舌鼓を打つ。そんな、ちょっとした息抜きに最適の作品です。現在まだ2巻までしかでていないので、追いつくのも簡単。ハードな日常に疲れたナー、軽いタッチのラブコメ無いかナー、という方はどうぞお試しアレ。

それでは本日はこの辺で。また明日お会いしましょう。

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《自己紹介》

エロゲーマーです。「ErogameScape -エロゲー批評空間-」様でレビューを投稿中。新着レビューのページは以下。
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