よい子わるい子ふつうの子2(仮)

18禁PCゲームをメインに、ラノベや漫画についてもダラダラ話を書きます。長文多いです。

時事ネタ

ネットの報道についていろいろ

JASRACが、著作権使用料の徴収方法を巡って敗訴したというニュース。読売新聞の報道をソースとして、まとめサイトである「ハムスター速報」さんが「JASRAC死亡速報!カスラックの使用料徴収方式は独禁法違反と東京高裁が判決」というセンセーショナルな見出しをつけた記事を掲載しておられました。

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-----引用始め-----
JASRACの使用料徴収は競争を妨害…高裁

 テレビなどで流れる音楽の著作権使用料の9割超を管理する「日本音楽著作権協会(JASRAC)」の使用料の徴収方式が、新規業者の参入を妨げているかどうかが争われた訴訟の判決で、東京高裁(飯村敏明裁判長)は1日、「JASRACの方式は新規参入を著しく困難にして自由競争を妨げている」との判断を示した。


 その上で、この方式を容認した公正取引委員会の審決を取り消した。

 公取委が「独禁法違反ではない」と結論づけた審決を、裁判所が覆すのは初めて。1939年の設立以来、音楽の著作権管理事業を独占してきたJASRACのビジネスに影響を与える可能性もある。

 公取委は2009年、JASRACに徴収方法の廃止を命じたが、JASRAC側の異義を受け、昨年6月、一転して命令を取り消していた。

(2013年11月1日15時58分 読売新聞)
-----引用終り-----

ところが、記事本文を読めば判る通り、この訴訟は「使用料の徴収方式」を巡って起こされたものであり、JASRACによる著作権管理が違法、というわけではありません。もちろん徴収方式が変化することでJASRACに何らかのダメージが行く可能性はありますが、ハム速さんの「JASRAC死亡」はさすがに言い過ぎでしょう。

ハム速さんがこのような記事タイトルをつけたのは、意図的なのか勘違いなのかは判りません。ただ、今回の件について言えば読売の見出しに問題があると思う。「JASRACの使用料徴収は競争を妨害」という書き方になっていますから、そりゃぱっと見「徴収」がダメなんだと思いますよ。

この点、MSN産経ニュースのほうはもうちょっと分かりやすい書き方になっています。

 ▼「JASRACの使用料徴収方式 「他業者の参入排除」と高裁」(MSN産経ニュース)

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-----引用始め-----
JASRACの使用料徴収方式 「他業者の参入排除」と高裁
2013.11.2 00:18 [知的財産]

 テレビなどで使う音楽の使用料徴収方法をめぐり、公正取引委員会が独禁法違反で社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)に出した排除措置命令を無効とした審決は違法として、著作権管理会社のイーライセンスが取り消しを求めた訴訟の判決が1日、東京高裁(飯村敏明裁判長)であった。飯村裁判長は、管理する楽曲を一定額で使い放題にするJASRACの「包括徴収」方式は、他の業者の参入を排除するとして、審決を取り消した。公取委は「上告も視野に対応を検討する」としている。

 この訴訟は独禁法の規定で高裁が1審。公取委は昨年、違反事実そのものが認められないと判断、刑事裁判の「無罪」に当たる審決を18年ぶりに出していた。

 飯村裁判長は、包括徴収方式は楽曲の使用割合を反映せずに一定額を徴収するため「テレビ局などがイー社への楽曲利用料の支払いを経費の追加負担と考え、イー社管理の楽曲の利用を避けた」と指摘。同方式が「イー社の事業活動の継続や新規参入を著しく困難にしたと認められ、他の事業者の事業活動を排除する効果を持つ」と判断した。

 ただ、独禁法違反の有無については確定的な判断をしておらず、排除効果以外の争点は「公取委が改めて判断すべきだ」とした。

 公取委は平成21年、JASRACに、楽曲の使用割合を反映する徴収方式に改めるよう求める排除措置命令を出したが、昨年6月の審決で「他の事業を妨げていない」と判断を覆した。
-----引用終り-----

msn産経ニュースのほうは、以下の点で読売オンラインの記事より内容が明確かつ正確です。

 ・「使用料徴収」ではなく「徴収方式」が問題であると見出しで表明している。
 ・JASRACの過去の徴収方式がどんなものであったかを明記している。
 ・訴訟の原告と被告が誰で、その内容がどのようなものかが書かれている。
 ・判決の理由をより長く、丁寧に紹介している。
 ・独禁法違反かどうかの判断を保留したことが追記されている。

というか、読売オンラインの記事は「速報」にすらなっていない雑な内容だったなぁという感じ。読売の記事よんで、今回訴えられてるのがさしあたってはJASRACじゃなくて公正取引委員会の判断だったことを一発で理解した人ってどのくらいいるんでしょうか? 少なくとも私は、てっきりJASRACが訴えられたんだと思いました。法律とかに詳しければちゃんと読めるのでしょうけど……。

そして産経の記事を読む限り、JASRACの「楽曲の使用割合を反映せずに一定額を徴収する」方式がよろしくないということです。つまり、使用頻度が高くなるような大人気の曲ほど「お買い得」になる方式であり、大手が人気楽曲を独り占めしたら中小の事業者は参入しづらいということでしょう。

この方式が変化したところで、多くの人が期待するような「JASRACによる厳しい著作権管理」は、それほど劇的に変化するかどうか判りません(現状ほぼ独占なので強気でいる、と考えれば変化しないとも言い切れないと思いますが)。

共同通信なんかはこの辺を綺麗にまとめた、端的な書き方をしています。

 ▼「音楽使用「新規参入排除」と高裁 JASRAC徴収方式めぐり」(47NEWS)

※「47NEWS」の共同通信配信記事については永続性のあるURLが割り当てられているので、基本記事が消えることは無いと考え、スクリーンショットは省略。

-----引用始め-----
音楽使用「新規参入排除」と高裁 JASRAC徴収方式めぐり

 日本音楽著作権協会(JASRAC)がテレビ局やラジオ局などと結んでいる音楽の著作権使用料の一括徴収方式が独禁法違反に当たるかどうかが争われた訴訟の判決で、東京高裁は1日、「他業者の新規参入を排除する効果がある」と判断し、適法とした公正取引委員会の審決を取り消した。

 独禁法違反の有無については確定的な判断をしておらず、事実上審理を公取委に差し戻す判決。公取委側は上告を検討する。

 問題となったのは局側がJASRACに一定額を支払えば管理曲が使い放題になる「包括徴収」方式。

2013/11/01 18:39 【共同通信】
-----引用終り-----

多少不親切ではありますが、「包括徴収」方式が何かなどを自分で調べていけば、十分な内容が読み取れる記事ではないでしょうか。こうして読み比べてみると、読売オンラインの記事の問題点というのは、次の3点であると思われます。

(1)事態を把握するのに必要な情報やキーワードが書かれていない。 例:「包括徴収」など
(2)不正確で誤解を招く表記。 例:「使用料徴収は競争を妨害」など
(3)漠然とした憶測を書いている。 例:「JASRACのビジネスに影響を与える可能性もある」

この3点セットのコンボによって、読み手が都合よく解釈し、なんとなくわかったような気持ちになる「おもしろい」記事の一丁上がりというわけです。共同通信の記事なら「ん? どういうこと?」と立ち止まりそうな部分もするっと読み飛ばしてしまいがちになるし、正当な競争を「妨害」していた「JASRAC」の「ビジネスに影響を与える可能性もある」のような言い方からは、ハム速さんのタイトルをお借りして言えば、「JASRAC死亡」という方向へ引っ張る意図が透けているようにも見えてしまう。

ちなみに読売オンラインの記事は、現在大幅に内容が加筆・修正されています。

 ▼「JASRACの使用料徴収は競争を妨害…高裁」(YOMIURI ONLINE)

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-----引用始め-----
JASRACの使用料徴収は競争を妨害…高裁

 テレビなどで放送される音楽の著作権使用料を巡り、日本音楽著作権協会(JASRAC)の使用料徴収の方式が独占禁止法違反に当たるかどうかが争われた訴訟の判決で、東京高裁(飯村敏明裁判長)は1日、「JASRACは新規業者の参入を著しく困難にして自由競争を妨げている」と判断した。

 その上で、この方式を容認した公正取引委員会の審決を取り消し、同法違反に当たるかどうか改めて審理し直すことを求めた。

 公取委が「独禁法違反に当たらない」とした審決を裁判所が覆したのは初めて。公取委は上告を検討しているが、音楽の著作権管理事業を独占しているJASRACが徴収方式の見直しを迫られる可能性もある。

 原告は、2006年に新規参入した著作権管理会社「イーライセンス」(東京)。

 公取委は09年2月、JASRACが放送事業者との間で、曲の使用回数を問わず放送事業収入の1・5%を使用料として受け取る「包括徴収」の契約を結んでいるため、「新たな使用料を敬遠したテレビ局などが新規業者と契約しない」と認定。包括徴収が独禁法が禁止する「私的独占」に当たるとして、JASRACに同方式の廃止を求める排除措置命令を出した。

 しかし、これを不服としたJASRACからの審判申し立てを受け、公取委が12年6月、「証拠不十分」を理由に一転して命令を取り消す審決をしたため、イー社が同7月、審決の取り消しを求めて1審・東京高裁に提訴した。

 高裁判決は、民放のテレビ、ラジオ局の計13社が、使用料負担を軽減するため、イー社が管理する楽曲は使わないとの社内向け文書などを作成していた点などを重視。「包括徴収には新規業者を排除する効果があり、審決の判断は誤り」と指摘した。

(2013年11月1日15時58分 読売新聞)
-----引用終り-----

すげぇ分かりやすい(笑)。タイトル変わってないけど。

なんか時系列表みたいなのもつけてくれてるし……。最初の記事は何だったんだっていう感じです。書いてる人が変わったのかしら。あるいは、他媒体の記事の様子を見ながら手を加えていったのかもしれません。

結局、こういうのも「ネットリテラシー」(メディアリテラシー)の一貫ということになるのでしょうか、インターネット上の記事というのは、速報性が高いぶん、情報の精度に欠けていたり、表記が曖昧であることも多く、それゆえ誤解・誤読をする可能性が常につきまとっています。同じニュースであっても、全然違うのは上に見た通り。

他でいえば「時事ドットコム」のニュースでは(これ)、「「排除措置命令を取り消した審決には誤りがある」と結論付けた。」という記述で結ばれていて、独禁法違反の有無については判断せず公取委に差し戻したという内容がいまいち読み取れない(公取委の判断を違法と結論づけたようにも読める)書き方になっています。やっぱりメディアによって結構違う。

すぐに「誤読」を防ぐ方法というのは正直思いつかないわけですが、ほぼ横並びの時間帯で記事が掲載される紙媒体の新聞とかとは違い、ネットの場合報道者によって掲載時間に差ができるのと、同じ報道者であっても加筆・修正が容易であるというところに特徴があります。

ですから、報道の内容を読み比べたり、記事が出てから数日経って内容を読み返すことで、受け取る情報の精度を上げることができるでしょう。こういうのは情報の積み重ねという点で、紙媒体の新聞で特集記事が何日にもわたって掲載されたりすることと似ていますが、ネットの場合自分が積極的にアクセスするつもりがなければなかなか「昔の記事を振り返る」機会を得られないのが問題かもしれません。

とりあえず、1つのニュース、特に時事的なニュースに対しては、できれば複数の報道を見比べる(比べる対象がなければ出てくるまで待つ)というのは、それなりに重要かつ有用な心構えではないかと思います。

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ゴブリン来襲により休校します。

ジンバブエにゴブリンが出たそうです。

 ▼「ジンバブエの4つの学校 ゴブリンで閉鎖」(The Voice of Russia)

-----引用開始-----
ジンバブエの4つの学校 ゴブリンで閉鎖

ジンバブエの南マタベレレンド州にある小学校および中学校では、教師らがゴブリンに襲撃されたことをうけて閉鎖となった。4つの学校が影響を受けた。AllAfrica.comが伝えた。
閉鎖の決定は、ゴブリンが一連の襲撃事件を起こしたことを受けたもの。地元の長老の話では、子供たちはパニックに陥り、学習を続ける状態ではないという。最初の襲撃は今年8月に発生し、10月までに多くの両親が子供を学校にやるのを断念したという。

いつ授業が再開されるかの目途はたっていない。教師らは長老らと相談のうえ、今後の対応策を考える。伝統にしたがえば、ゴブリンの出現は呪いによるものだという。

ジンバブエでは黒魔術が広く信じられており、ゴブリンもその一つ。ゴブリン襲撃による閉鎖はこれが初めてではなく、今年夏には診療所がゴブリンに襲われ、職員らが仕事に出るのを拒否したことがあった。
-----引用終わり-----

ゴブリンとか出ちゃうジンバブエすげーっていう感じなんですが、これを単なる「迷信」を笑うことはできない気がします。

たとえば、朝目覚ましが壊れたせいで寝過ごして、「ついてないなぁ」と思っていたら普段乗っていた電車が事故にあった。あるいは逆に、万全を期して準備をして出勤して、一本早い電車にのったら、たまたまそれが事故にあって怪我をした……。

人はそれを、「神のいたずら」と呼んだり「運命」と呼んだりして、説明しようとしてきた。それは、本当に神が存在し、運命が人間の手の届かないところにあるという信仰の問題であると同時に、人間にとって理不尽に見えるこの現実を、なんとかして耐え、やり過ごすための「知恵」でもあったはずです。

いまでは多くの国、多くの人びとの間ではその地位を科学が占めています。しかし、科学も所詮は説明不可であるという言い方で、最後は諦めるしかないということを示しているにすぎないようにも、私には思われます。

ジンバブエの人びとにとって「ゴブリン」がどのような意味を持つ存在なのかを考えてみる。そうすると、私たちの暮らしの中にも実はひっそりと息づいている不可思議なものの存在を、身近に感じることができるでしょう。そして、そういうものの中にこそ、私たちが世界に対して抱く驚き(thaumazein)の感情が眠っているのかもしれません。

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「黒バス」撤去騒動に思う

連日の時事ネタ。

 ▼「「黒子のバスケ」、TSUTAYAから撤去 脅迫状届く」(朝日新聞DIGITAL)

-----引用開始-----
「黒子のバスケ」、TSUTAYAから撤去 脅迫状届く
2013年10月29日12時56分

 レンタル大手「TSUTAYA(ツタヤ)」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は29日、人気漫画「黒子(くろこ)のバスケ」に関連するすべての商品を、全店舗の店頭から撤去すると明らかにした。全国にある1400店舗以上が対象で、11月3日までに撤去を完了する予定だという。

 同社広報室によると、11月3日までに商品を撤去しなければ、客の生命、身体に危害を及ぼすという内容の脅迫状が今月15日に届いたためで、「脅迫状の内容と、これまでの他社の対応を総合的に判断して中止を決めた」という。

 一方、三省堂書店、ジュンク堂書店、紀伊国屋書店にも脅迫状が届いたが、いずれも撤去はしないとしている。

 TSUTAYA店頭から撤去されるのは、販売・レンタルしている漫画本やテレビアニメのDVD、CDなど。28日に撤去を決め、同日から順次、作業を始めているという。

 「黒子のバスケ」をめぐっては今月15日、コンビニ最大手のセブン―イレブン・ジャパンに、関連商品の玩具つき菓子に毒を入れたという脅迫状が届き、同社が店頭から商品を撤去した。
-----引用終わり-----

一応事実関係としては、脅迫状自体は15日頃に届いていたもので、今回騒動になっているのはそれを受けて「撤去」が決定されたから。

うーん。『黒子のバスケ』は、2012年のコミケでも「脅迫」がおこなわれ、サークル参加や頒布物が禁止されるという事件がありました。今回は一般書店、しかも複数の全国チェーンが相手ですから、規模や影響を考えるとなんかエスカレートしてる感じが……。

 [参考] ▼コミックマーケット83における『黒子のバスケ』サークル・頒布物対応に関する緊急のお知らせ

MSNニュースによると、今回の「脅迫」の内容は、「客に危害を加える」というものだったそうで、店舗にダメージを与えるとかでないところがいやらしい。

 ▼「「客に危害加える」と脅迫状…黒子のバスケ、ツタヤから撤去」(MSN産経ニュース)

-----引用開始-----
「客に危害加える」と脅迫状…黒子のバスケ、ツタヤから撤去
2013.10.30 07:17

 週刊少年ジャンプ(集英社)に連載中の人気漫画「黒子のバスケ」の作者らに脅迫状が相次いで送られているが、今度はレンタルビデオ店も標的になった。レンタル大手「TSUTAYA(ツタヤ)」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は29日、「黒子のバスケ」に関連するすべての商品を全国の約1450店舗から撤去すると明らかにした。「撤去しないと客に危害を及ぼす」という内容の脅迫状が届いたためで、同社は「客の安全を第一に考えた」としている。(サンケイスポーツ)

 作者への恨みからか、それとも愉快犯なのか。いずれにしても卑劣な犯罪だ。

 CCCによると、脅迫状は15日、東京都渋谷区の本社に郵送で届き、「11月3日までに撤去しなければ、客の身体生命に危害を加える」などと書かれていた。同社はその日のうちに警視庁に相談し、脅迫状を任意提出。そのうえでレンタルや販売している単行本全24巻、アニメ版のDVD、CDなどの撤去を28日から始めた。11月3日までに完了させるとしている。

 同社は撤去を決めた理由について「脅迫状の内容と、同じように脅迫状を送られた他社の対応を総合的に勘案し、客の安全を第一に考えた」とした。過去に脅迫によって店頭から商品を撤去したケースも「知る限りない」(広報担当者)という。被害額は定かではないというが、累計約2300万部を発行している単行本など人気作品の全商品の撤去は、大きな痛手だ。

 一方、紀伊国屋書店、三省堂書店、ジュンク堂書店にも関連商品の撤去を求める脅迫状が同時期に届いたが、いずれも現時点では商品の撤去はしないとしている。

 黒子のバスケをめぐっては、昨年10月、作者の藤巻忠俊氏(31)が在籍していた上智大学で、藤巻氏を中傷する文書が液体が入った容器に貼り付けられた状態で置かれているのが見つかった。この事件を皮切りに、関係先に脅迫状が次々に送りつけられた。

 当初は藤巻氏に恨みを抱いていることを記した内容だったが、その後はイベント会場などにイベントを中止するよう要求する内容に変化。脅迫はさらにエスカレートし、今月に入るとコンビニエンスストア大手の「セブン-イレブン・ジャパン」や報道機関などに「(黒子のバスケ関連の)菓子に毒を入れた」とする脅迫文が届き、セブン-イレブンは店頭から菓子を撤去した。

 警視庁捜査1課は威力業務妨害容疑で捜査しており、一連の事件が同一犯によるものかなど調べている。
-----引用終わり-----

実際TSUTAYAに届いた脅迫状の中身については、月刊『創』の編集長・篠田博之氏が何度かに分けてものすご~く詳しい記事を書かれていますので、気になる方はそちらをご参照ください。本文内容の写真もアップロードされています。一応篠田氏の記事を参照しつつ要約すると、「今年度の明治節の翌日」(11月4日)までに「黒バス」関連のアイテムを撤去しないと、「火もしくは銃弾で処罰する」、「あるいは客を巻き込む形で危害を加える」というもののようです。

日展の談合騒ぎと表現の評価について

2009年度「日展」の書道・篆刻の審査で「談合」が行われていたという話。朝日がすっぱ抜きました。これを「不正」と呼ぶか否か、論点はいろいろあると思いますけれど、一応事前公表されていない審査基準を用いて評価を下しているわけですから、問題ではあろうと思われます。

 ▼「日展書道「篆刻」、入選を事前配分 有力会派で独占」 (朝日新聞DIGITAL)

どうでもいい話

最近多めの時事ネタ。本日は読売新聞からこちらの記事。

 ▼「1200円牛重「なぜ国会内だけ」吉野家は困惑

教育は「自殺」しようとしているのか?

本日付けのこちらの記事を読んで絶句しました。

 ▼「国公立大入試:2次の学力試験廃止 人物評価重視に」(毎日新聞)

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国公立大入試:2次の学力試験廃止 人物評価重視に
毎日新聞 2013年10月11日 07時00分(最終更新 10月11日 09時33分)

 政府の教育再生実行会議(座長、鎌田薫・早稲田大総長)が、国公立大入試の2次試験から「1点刻みで採点する教科型ペーパー試験」を原則廃止する方向で検討することが分かった。同会議の大学入試改革原案では、1次試験で大学入試センター試験を基にした新テストを創設。結果を点数グループでランク分けして学力水準の目安とする考えだ。2次試験からペーパー試験を廃し、面接など「人物評価」を重視することで、各大学に抜本的な入試改革を強く促す狙いがある。実行する大学には補助金などで財政支援する方針だ。

 同会議のメンバーである下村博文文部科学相が、毎日新聞の単独インタビューで明らかにした。

 同会議は「知識偏重」と批判される現在の入試を見直し、センター試験を衣替えした複数回受験可能な新しい大学入学試験と、高校在学中に基礎学力を測る到達度試験の二つの新テストを創設し、大規模な教育改革を進めようとしている。11日の会合から、本格的な議論に入る。

 下村文科相は「学力一辺倒の一発勝負、1点差勝負の試験を変える時だ」とし、新テスト創設の必要性を強調。さらに、大学ごとに実施する2次試験について「大学の判断だが(同会議では)2回もペーパーテストをしないで済むよう考えたい」「暗記・記憶中心の入試を2回も課す必要はない」と述べた。

 私立大も新テストを活用するのであれば、同様の対応を求める方針だ。

 同会議の改革原案では、各大学がアドミッションポリシー(入学者受け入れ方針)に基づき多面的・総合的に判断する入試を行うよう求めている。だが、面接や論文、課外活動の評価を重視する新しい2次試験では、従来のペーパー試験に比べ、人手など膨大なコストが発生する。下村文科相は「改革を進める大学には、補助金などでバックアップしたい」と述べ、国が費用面で支援する考えを示した。

【福田隆、三木陽介】

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「毎日新聞の単独インタビュー」で他に比較項が無いため、どの程度正確な内容が書かれているのか定かではありません。しかし、これが本当ならまずいだろうとは思う。

ここで想定されている「廃止」されるべき二次試験がどういうものか具体的にわからないまま書いているから見当はずれなことを言うかもしれませんが、一応国公立の二次試験というのは、センター試験という共通試験では問いきれないような少し突っ込んだ内容を、各大学が自分たちの要求するレベルで改めて問いなおす試験であり、いまそれを「似たようなことしかやってないから」という理由で廃止しようとしている(基礎的な学力の、グレードが高い部分のチェックをなしにしようとしている)のだという前提で話を進めることにいたします。

私は、教育行政に関しては不案内なドシロウトです。しかし、高校・大学と高等教育を受けた身として(学んだことが高等かどうかはともかく、義務教育以上に進学したという意味です)、また現状でも少し教育に関わりのある職場にいる身としては、言いたいこともある。

学力一辺倒批判はもっともです。人物評価、超大事。1発勝負をやめるというのもたいへん結構なことだと存じます。

しかし、だからといって、これまでの学習内容からレベルを下げる必要は無いでしょう。

考える力を重視したいというのは「ゆとり教育」の頃から言われていて、その基本方針自体は私も支持します。しかし、「暗記・記憶だけでなく」というのが「暗記・記憶をやめて」みたいなふうになるのは、どうしてなんでしょうね。「2次の学力試験」を廃止する必要あるんでしょうか。

考える力は確かに大切です。しかし、その力は自然に身につくものではない。学問というのは基礎知識の積み重ねの上に成り立っているものだからです。知識力と思考力とは、決して切り離されたものではない。「学」をことさらに重視した思想家である孔子も言っています。「学而不思则罔。思而不学则殆。」(学びて思わざれば則ちくらし。思いて学ばざれば、則ちあやうし ※学ぶだけで考えなければものごとをハッキリ理解することはできないし、考えるばかりで学ぶことをしなければバカなことを考えてしまう)と。

本を読むにしても、ものを考えるにしても、考えを語るにしても、基本的な知識というのは重要です。さまざまな知識があってはじめて、ものごとを、世界をさまざまな角度から見ることができる。知識の不足はそのまま視野の狭窄に繋がっています。自分の考えを比較することができないのですから。

そして、その「知識」を幅広く身に付けるには、基本的に暗記しかありません。いま暗記教育が役に立たないとかなんだかんだ言っているのは、暗記の問題でも学生の問題でもなく、教える側の問題でしょう。知識は、どれだけあっても多すぎて困るということは無いはずなのに問題が発生しているのなら、教える側が、知識を使いこなすことを伝えられていないと考えるのが自然です。

知識の量を減らせば、使いこなすのは楽になるでしょう。しかし、それに何の意味があるのか。人生の若い時期、一番頭も働いて吸収力もある(と思われる)高校~大学の時期を、無為に過ごす方針に拍車をかけるだけではないのかと思います。

もちろん、勉強(学問)だけが人生ではないというのはその通りです。しかし、それならそもそも高等教育を受けなければ良いだけの話。ここで話題となっているのは、その教育を受け、学問の道へ進みたい(将来企業に就職するにしても)という人が自主的に行く先である「大学」が、どういうスタンスで学生を待ち受けるかという話ですから、勉強(学問)に価値がない等の意見はいったん却下させてください。それをしたいなら、入試制度がどうこうではなくて大学を潰したほうが早い。

専門的な学業の道へ進むなら、「知識の量」というのはもっと重要になってきます。

たとえば思想というのは、過去の人がどんなことを言っていて、何を問題にしていたかという理解の積み重ねのうえに成り立っています。それを学ぶところから、より深い考えができるようになる。自分一人でものを考えるのではなくて、先人たちと対話し、教えを請い、時に争いながら思索を深めていくものです。いきなり自分だけで考えてみたって、既に昔誰かが言っていたことを繰り返すのが関の山。別に個人の趣味の範囲ならそれが悪いわけではありませんが、「学問」という体系に寄与することにはなりません。

これは、文系でも理系でもそうじゃないのかな……。「論文」という形で積み上げられる知のほとんどが、先行研究の参照のうえに成り立っているということは、学ぶという作業の基本に「積み重ね」と「参照」があることを物語っているようにも思われます。そしてそのような「積み重ね」と「参照」の結晶を、私たちは「知識」というのではなかったのでしょうか。

毎日の記事にある「知識偏重」批判というのが、どのようなものを意識しているのか、具体的にはわかりません。しかし、「偏重」しているから減らせば良いと言わんばかりの結論案を見ていると、暗澹たる思いがする。問題は「偏重」していることよりもむしろ、蓄えた知識を使いこなす技術を教えられないことであり、だとすればやるべきことは、学ぶ知識の量を減らすことではなく活かす方法を身につけさせることであるはずです。

だいたい、知識もなしにフランスのバカロレアみたいな問題を「考える」ことができるわけ無いじゃないですか……(「解ける」とは言いません。解くものでもないでしょうし)。

詰め込み教育をやれば良いとは思いません。けれど、学ぶということの基本的な作業性から目を背け、いきなり応用的なことばかりやろうとする昨今の「教育改革」の風潮というのは、私はどうも好きになれない。好きではないというのみならず、間違っていると思います。

こういう教育を続けていると、将来若者を「教える立場」に立つ人たちが、学の本質的なところに触れないままで高等教育を終えてしまう可能性がある。そうなったら、学ぶことの基本を、だれが日本社会の中に伝え残して行くのでしょう。大げさな話ではなく、日本の教育は自壊の危機に瀕しているのではないでしょうか。私にはこういった「改革」の動きが、教育を緩慢に殺そうとする動きに思えてなりません。

ああ、文科省が言ってるんだったら「殺そうとする」はおかしいですね。「自殺」のが良いか。


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イープラス不正アクセス騒動

ライブチケットとかを購入するときにお世話になっている、イープラスさんからメールが来てました。開いて読んで、びっくり仰天。なんか不正アクセス騒動があったとのこと。

話題の賞味期限

「人の噂も七十五日」とは昔の格言ですが、最近は七十五日も話題が保つことってあんまり無いかもしれません。

たとえば、2ちゃんねるで個人情報が流出した事件。あれ2013年8月25日ですから、まだ1ヶ月と少ししか経っていないはずなのに、もうほとんど話題になることがなくなりました。実際に流出してしまった人にとっては「良いこと」なのかもしれませんが、やっぱり早いなぁという印象があります。

ツイッターで冷蔵庫に入ってる写真を晒す等の、いわゆる「バカッター」系事件なんてもっと酷くて、下手をすると1週間もたないこともある。雨後の筍のように同じようなのが出てきているから、1つ1つの事件のインパクトが薄まるのは仕方がないのかもしれませんけれども、人ひとりの人生が台無しになるようなところまで追い込んだりしたわりには、ずいぶんあっさりしている。騒いでいた人たちは、数年後とかにでもあんなやついたなぁ……などと思い出すことすら無いような気がします。

「炎上」の炎は激しく、けれどあっという間に鎮火する。あるいは燃料すらなくなるほどに燃え尽きているのかもしれませんが。

もちろん「炎上」案件にかぎらず、いいこともわるいことも、そんなに長続きしない。日々のニュースはあっという間に忘れ去られ、次の話題に移っていく。以前から言われていたことではありますけど、最近とみにその流れの速さが加速しているように感じます。

立ち止まってじっくりと、いろんなことを考えたいなぁと思うのですけど、なかなか難しいですね。


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都民の日の話

明日(10月1日)は「都民の日」だそうで。

 ▼「「都民の日」について」(東京都生活文化振興部)


 ▼「都民の日」(Wikipedia)

最初こっちに来た時何が驚いたって、学校が休み! 東京都では。私のふるさとの県では「県民の日」とかなかったのに。

いま私は教育産業にちょっと関わりがあるところで仕事していまして、取引先が休みだということで私も休ませてもらえるのかなーとか思っていたら、ダメでした。当然デスヨネー。一部の企業も最近は休みにしているみたいだし、休ませて欲しい(笑)。

しかし都民の日、単に休みなだけかと思いきや、わりといろんなイベントがあったりするみたい。中でも、一部施設が無料になるみたい。まあ数百円のものが多いからそんなにお得感はありませんが……。よみうりランドでは「都民の日キャンペーン」とかもやってるようです。

 ▼「10月1日は「都民の日」です」(東京都 報道発表資料)

「騙されないために」ではなくて。

「艦これって儲かってないんだってね」という話を聞いて、「マジかよ……」という気持ちで貼られたURLを開くと、こちらのまとめサイトさんでした。

 ▼角川グループ会長「『艦これ』、ほとんど儲からない非常にがっかり」(オレ的ゲーム速報@JIN)

で、元記事のほうを手繰ってみますと、こちら。

 ▼「「艦これ、ほとんど儲からない」角川歴彦会長が明かす(The Huffington Post 2013年9月27日)

Huffington Postかよ(※1)……と言いたくなる気持ちをグッとこらえて読んでみますと、どうも書かれている内容は「儲からない」話とはちょっと趣が違う。

(※1):Huffington Postについては以前記事を書きました。「これはひどい、選挙の話」参照。

少なくとも角川の社長は、「「艦これ」の成功にコンテンツビジネスの未来がある」と言っています。ちょっと記事の全文を引用させていただきましょう。重要と思われる箇所を色と太字で強調。

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9月27日、角川アスキー総合研究所がシンポジウムを開催した。その席上、角川グループホールディングスの角川歴彦取締役会長が、今、人気が急上昇しているブラウザゲーム「艦隊これくしょん」、通称『艦これ』について言及した。

「6月に株価が突然1000円上がって、佐藤くん(佐藤辰男角川グループホールディングス代表取締役社長)が一生懸命がんばって業績が上がったのかなと思ってネットを見ましたら、デイトレーダーの皆さんが艦これにハマっておりまして。こんな面白いゲーム作る会社、伸びるんじゃないかという話で……。よく見ると、100%他の会社がお金をパートナーシップで出してくれていて、うちは扱っているだけでほとんど儲からないことが判明しまして、非常にがっかりしているところです」

と会場を沸かすと一転、「艦これ」の成功にコンテンツビジネスの未来があると示唆した

「艦これというゲームを作ったのは角川ゲームスですが、十社におよぶグループの会社で、雑誌に展開したい、コミックに展開したい、小説にしたい、というのが21も集まったそうです。ひとつのIP(知的財産)を使いまわすという、私が3年後くらいに目指していたことがささやかですけれども、艦これというものに現れていることを知って、このささやかなものに角川の運命を預けていいものか……大胆ですけれども、こういうところを買っていきたいと思っております」

「艦隊これくしょん」は、戦艦、駆逐艦などを艦船を女性キャラクターに擬人化し、戦闘を繰り返して育てていくブラウザゲーム。「萌え」と「ミリタリー」というマニア好みの要素を組み合わせた点、課金なしでも楽しめる点が人気の理由とされている。

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◆記事を読んでみる
まず、Huffington Postのほうのタイトルは「「艦これ、ほとんど儲からない」角川歴彦会長が明かす」。これはなかなか衝撃的なタイトルで、「艦これ」の人気を知っている人は思わず読みたくなります。キャッチーで良いですね。

本文では、角川のシンポジウムでの発言であるというところがポイントでしょう。その席上で取締役会長が自社のコンテンツをとりあげた。当然、何かしら取り上げる意味や価値があったということです。おそらく肯定的な文脈じゃないかなぁというのは予想できます。まあ「儲からないからさっさとやめろ」かもしれませんけれど、この時点ではそれは判りません。いや、株価上がってるんだから基本肯定か。

んで、「うちは扱っているだけでほとんど儲からないことが判明しまして、非常にがっかりしている」という、「オレ的ゲーム速報@JIN」で取り上げられた文言がでてきます。ここで多くの読者は、「おっ?」と思うはず。ホントに儲かってないのか……何かとんでもないデメリットでもあったのか、と。

しかし、そこから1行あけて(ここが割りと大事なところで、記事を書いた人は「タメ」を作りたかったんじゃないでしょうか)、「と会場を沸かすと一転」という説明を挟んでいます。これで読者には、先ほどの角川社長の発言が冗談であった(自虐ネタだった)ことが伝わる。言いたいのはそこではない、という。つまりタイトルは「目を引く」書き方をして、釣れた読者にちゃんとした情報を提供しようという構成になっています。

「艦これ」そのものは、直接儲けを生んでいるわけではない。でも、コンテンツビジネスとして見たら成功している(ビジネスとして成功しているということは、儲かっているということです。慈善事業じゃないんですから)。知的財産を生み出すことで、間接的に、しかし大規模に利益を生み出すビジネスモデルとして期待できる、という話ですよね。たぶん。

ただ、後の内容は正直いまいち分かりにくい。「このささやかなものに角川の運命を預けていいものか……」という発言は、預けるつもりがあるのか無いのかわからないし、「知的財産を使いまわす」というのはメディアミックス戦略として以前からずっと行われていたことですから、角川会長の言っている「私が3年後くらいに目指していたこと」というのがそれとどう違うのかわかんない。

つまり、「艦これ」が既存のメディアミックスと異なる新たな現象であるということを角川氏は言っているととれるのですが、そこが具体的に言及されていません。「艦これ」の成功から見えてくる「コンテンツビジネスの未来」って何なの? という、一番面白そうな部分がハッキリしないわけで……これは記事を書いた人が悪いのか、角川氏がそもそも曖昧にしか言えてなかっただけなのかは判りませんけど、どっちにしても記事としては肩透かしかもしれません。


◆記事が「まとめ」られた弊害
で、今回はその記事を「まとめ」たまとめサイトの記事を見て、「『艦これ』は儲かってないらしい」と脊髄反射的反応を返した人がいた、というところから話が始まったですが……。

ここには幾つかの問題があります。既にほうぼうでよく言われていることですので、簡単におさらいするにとどめておきましょう。

まず、元記事の書き手の問題。つまりは、「釣り」(※2)をどう評価するか。この記事は「艦これ」が儲かっていないという「意外性」を最初ににおわせて、それを否定することで内容を伝える構成になっています。ただ、この「釣り」がニュース記事の書き方として相応しいかどうかという問題はあるでしょう。たとえば科学論文で、書かれている内容と全く逆のタイトルをつけたら袋叩きにあうと思います。が、WEBニュースですし、読み物というかコラム的な意味合いが強い記事ですから、個人的にはこれは問題ないんじゃないかなと思っています。

(※2):「釣り」というと悪いイメージがありますが、ここではキャッチーな表現で人目をひきつける、くらいのニュートラルなニュアンスで使っています。

次に、上と関連して読み手のバイアス問題。記事を読んで「釣り」だということが分からない、あるいは「艦これ」をよく思っていないせいで、タイトルだけ見て「儲かってないんだ」と反射的に信じてしまう。これはいわゆるメディアリテラシー以前の、単純な読解力の問題が関わってくることも多いですが、結構ありがちです。私もひっかかりやすい足元の罠。

そして、「まとめ」る主体が持つバイアスないし意識的偏向の問題。今回で言えば、「オレ的ゲーム速報@JIN」の中の人は「と会場を沸かすと一転、「艦これ」の成功にコンテンツビジネスの未来があると示唆した。」以降の記事を乗せず、いわば元記事の「釣り」の部分だけを引っ張りだして掲載しています。それだけならまだしも、「別にいいじゃねーかあんだけ流行ってんだから」などと、「釣り」をベタに事実として引き受けるようなコメントを併記しています。

これによって、「オレ的ゲーム速報@JIN」を見た人は、Huffington Postの元記事が提示する内容と大きく違う印象を受け取るでしょう。「オレ的ゲーム速報@JIN」の書き手の方が意図的に歪めたのか、本気で勘違いしたのかは判りませんけれど、孫引きの形になった記事というのは常にこの危険がつきまといます。当然、いま私が書いているこの記事も同じです。

だからといって、この世から一次ソース以外の記事は消えるべし、というのはいささか乱暴でしょう。一切の引用を許さない文化というのは、蓄積が無くなるのとほぼ同義。話になりません。

そこで重要となってくるのは、やはり読み手の丁寧さというか努力の問題。要は、一次ソースにあたっているかどうか。私も見づらいとは思いますが一応ソースへのリンクを貼っていますし、「オレ的ゲーム速報@JIN」さんはかなり分かりやすく元記事へ誘導しています。ぶっちゃけ、それを確認するくらいはしても良いんじゃないかと思う次第です。

「まとめ記事」には、上に述べたような問題が複合的にからみ合って、ややこしい事態が発生してしまいがちです。


◆きちんとした情報を得て、考えるために
もちろん、これは「まとめサイト」だけに言えることではありません。個人ブログもテレビのニュースも新聞も、程度の差こそあれ同じような問題を抱えています。

私たちは往々にして、自分が読み取りに失敗すると「騙された」といってそのメディアを批判し、メディアが悪かったことにしてしまいがちです。しかし、そういう風に考えている限り、問題は根本的に解決しない気がします。「騙された」「だますほうが悪い」という発想は、情報というのが「与えられるもの」だという意識の上に成り立っているからです。

いまの世の中、情報はいたるところに転がっています。重要なのはそれを自分で集め、選び、そうして選んだ情報をもとに考えることでしょう。集めて選ぶところまで他人にやってもらって、考えるところだけ自分が担当しようというのはいささか都合の良すぎる考えだし、また、うまくいくとも思えません。

もちろん、恣意的に情報操作を行ったりする側(マスコミや、今回であれば「まとめサイト」のような)の道義的・社会的責任が無い、といっているわけではありません。それはそれとして追及する必要がある。しかしそれとは別に、情報に振り回されるのではなくて情報を扱う主体になることを目指すのは悪いことではないハズ。

騙されないためにではなくて、自分がちゃんと考えて判断するために。そういう意識が大切ではないかと思っています。

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