これはアカン……というか衝撃的な事件。記事によれば、高松市の参議院比例選挙開票時に、ある候補者への得票を減らした「不正」があったというのです。

 ▼「参議院選挙で得票減らす 開票担当者起訴」(NHK NewsWEB) 
参議院選挙で得票減らす 開票担当者起訴
7月15日 18時41分

参議院選挙で得票減らす 開票担当者起訴
 
去年7月に行われた参議院選挙比例代表の高松市での開票作業を巡る事件で、高松地方検察庁は、当時の開票担当者3人が白紙の票を水増しするとともに、本来、集計すべきだった有効投票を集計せず、自民党の衛藤晟一参議院議員の票を312票減らしたとして、公職選挙法違反の罪で起訴しました。また、選挙の翌月、衛藤議員の票を無効票に混ぜるなどの隠蔽工作をしたとして別の3人を在宅のまま起訴しました。

起訴されたのは、いずれも開票作業を担当していた、当時の高松市の選挙管理委員会事務局長の山地利文被告(59)と、当時の市の財政局職員、大嶋康民被告(60)、それに、市の消防局次長の山下光被告(56)の3人で、このほか、市の選挙管理委員会の担当者3人が在宅のまま起訴されました。
 
検察の調べによりますと、山地元事務局長ら3人は、去年7月に行われた参議院選挙比例代表の高松市での開票作業で、白票の数を実際より329票水増しするとともに本来、集計すべきだった有効投票を集計せず、段ボール箱にこん包して、自民党の衛藤晟一参議院議員の票を312票減らしたとして、公職選挙法の投票増減の罪に問われています。
 
また、在宅起訴された3人は山地元事務局長と共謀し、選挙翌月の8月に、有効票が保管されている段ボール箱を不正に開け、中から衛藤議員の票、185票を取りだし、無効票の箱に入れたほか、9月には、山地元事務局長らが箱から無効票327票を取り出して廃棄するなどの隠蔽工作をしたとして、封印破棄の罪に問われています。
 
これまでの調べによりますと、山地元事務局長らは、当初、投票総数が300票余り足りないと誤って認識し、つじつまを合わせるため、一度集計を終えた白紙の票をもう一度集計させて白票の水増しをしたということですが、その後、未集計だった衛藤議員の有効投票の束を見つけたのに集計せず、こん包したということです。
 
検察は、6人の認否について明らかにしていませんが、関係者によりますと、このうち1人は不正な行為を認めているということです。 

得票を減らされたのは、自民党の衛藤晟一議員。「議員」という呼称の通り、氏は当選したのですが……。比例代表なので個人への投票は全体にも影響しますし、そもそも間接民主主義の日本では投票こそ制度の根幹。312人ものひとが民意反映の機会を奪われたわけです。これは、由々しき事態であると言えるでしょう。

記事を見た限り、自民党だからとかそういう政治的な意図があったわけではなく、単に「投票総数が300票余り足りないと誤って認識し、つじつまを合わせるため」 という実にしょうもない……ミスを隠すためか、単に面倒臭かったから程度の理由でこういうことをやったみたいですが、そのことこそが大きな問題だと思います。まだ、政治的な主張のために「悪気があって」不正を行った、とかのほうがマシだった。投票の重要性を認識しているぶん。

こういうニュースを見ると、本当に暗澹たる思いになります。