最初に、拍手のほうでいろいろ励ましのお言葉をいただきまして、ありがとうございます。何か同情買うのうぜー、と言ってくれる人もいて、まあ私もそうだなぁと思うのでまことにアレなんですが、それはそれとして、暖かい言葉をもらえると、それがどんなにか気休めであっても、自分が受け入れられる場所があるんだなーと思って支えになりました。レビューも、ぼちぼち書いていこうかと思います。

さて、お礼はこのくらいにして今日のお話。

日本の誇るべき……かどうか知りませんけど、まあ昔からの伝統的な文化に「立ち読み」というのがあります。

立ち読みがマナー違反かどうか、ということについては色々な議論の積み重ねがありまして、ここで私が自説を展開しても過去の議論の低レベルな焼き直しにしかならないと思うので自粛します。ただ、お店によって立ち読みOK・立ち読み歓迎を公言しているところもあれば、立ち読み禁止を打ち出しているところもあるので、その方針に基本的には従うべき、というところはひとまず揺るがない前提としてあるでしょう。とりあえず今回の記事が、立ち読みの是非を論じたいわけでも、立ち読みを推奨または否定したいわけでもない、ということだけおことわりしておきます。

んで、今回話題にしたいのは先週の日曜日の話。

私、秋葉原のK-BOOKSさんにラノベを買いに行きました。 

K-BOOKSさんはラノベにシュリンク(本にかけてある透明のフィルム包装)がかかっておらず、大量にラノベを購入すると「シュリンクはがすの面倒だしゴミになるし資源の無駄だよな~」 という私にはありがたいので、ラノベは特典等がついていない限りここで買うようにしていたのですが……。

新刊が平積みしてあるところで、「おいおい」という光景を目にしました。

立ち読みしていたお客さんの1人が、目をこすり、唇を引っ掻いた手で、そのままラノベをさわっていたのです。買うのかな? と思ってしばらく遠巻きに見守っていた(観察している私もたいがい嫌なやつです)のですが、そのまま平積みのトップに戻して去って行きました(ちなみに本は、『ハイスクールDD』でした)。

「え~」と思って見ていると、他に立ち読みしているお客さんも、本が汚れそうなことを平気でやっています(笑いそうになって口元をおさえたり。唇を触っている人は思いの外多かった)。

以前、お茶の水丸善の新書コーナーでくしゃみをした人が、立ち読みしていた新書で口をおさえていた光景に絶句したことがありますが、これも正直ちょっとなぁという感じ。たしかに本というのは書店においてある時点でたくさんの人が触る可能性があるし、「図書館」や「古本」という文化がある以上、他の誰かが触ったことに対してあまり神経質になるのもどうかとは思うのですが、図書館や古本というのは「そういうもの」と理解しているから構わないというところもあります。

たとえば古書なら、よほどの稀覯本は別として、書き込みやヤケ、折れ目や汚れがあれば値段が下がります。本の価値として、内容だけでなく「状態」というのも一般には加味されているわけです。つまり、立ち読みで本が汚された場合、その本の価値は下がるという考え方は許されるでしょう。購入者は、価値が下がった本を買ってしまう可能性がある。また、中古で売ろうとしたときに、「中身が汚れている」ということで買取価格が下がった場合などは(あんまり無いとは思いますが)、実害も出るわけで。

実際、電化製品や日用品では「展示品」だからという理由で安く売られる場合もありますよね。

この辺の問題は立ち読みする側のマナーというのは当然のこととして、店舗側の責任問題でもある。たとえば、立ち読みを許可しているなら、立ち読みされた本をできるだけ購入者に売らないような工夫(立ち読みできる本は1冊だけにしておくとか、レジで新品と取り替えるとか……)があってもいいでしょう。また、立ち読みで本を傷めないように注意書きをする、というのも必要なことだと思います。

K-BOOKSさんは長期立ち読みをしている人に「立ち読みは巻数の確認程度にしてください」と声をかけているのを何度かみているので、内容をじっくり読むような立ち読みはダメなのだと認識しています。しかし、ラノベコーナーでずーっと立ち読みしている人はかなり多いですし、その結果本を傷めかねない行為がこうして行われてしまっているわけですから、商品管理が不徹底である、と言ってもまあ問題ないでしょう。もしかするとK-BOOKSさんの「立ち読み禁止」は、本が傷むことを気にしているというより、狭い店内で移動のじゃまになることを問題視しているだけなのかもしれません。

シュリンクはいまでもあんまり好ましくないんですが、どういう状態の本を「掴んでしまう」かわからないことを考えると、今後はラノベもシュリンクのついたお店で買おうかなぁと考えています。 立ち読みは、やるならやるで最低限、「買う人」のことを考えてほしいなぁと、そんなお話でした。