また争いか、という感じですが、私の行動範囲が悪いのか私に何か惹きつける体質でもあるのか……。今日は乗っていた地下鉄の中で口論がありました。原因は、おじいさんの咳です。

※今回、身バレを警戒して少しフェイクを入れています。というのも、その騒ぎが起きた時に乗っていた成人男性が私くらいでしたし、場合によっては動画とか撮影してる人がいるかもしれないので、万一に備えてちょいちょいつくった話を入れていますが、セリフと全体の流れはそのまんまです。

新宿方面に向かう電車に乗っていると、私の左斜め前方の1人席に座っていたおじいさんが咳き込みはじめました。その音を聞いて、おじいさんの前に座っていたおばあさんが即座に座席を立ち、1つ横のブロックの席へ移動します。

しかしその後もおじいさんの咳が止まることはなく(私より前に乗っていたようでしたが、最初は咳してませんでした)、おじいさんの3人ぶんくらいあけて横にいたおばさんが、窓をおろしてあけました。途中の駅で人が乗ってきたのですが、やっぱりおじいさんの咳が続いていたせいもあり(私もめっちゃ気になって見ていたのですが、おじいさんいも咳を止めようと苦心している感じはありました)、その周辺はぽっかり空いています。明らかに下車駅ではなさそうなところで降りる(乗った次の駅で降りて、そのままホームに経って次の電車を待つっぽい)人もいました。

しばらくして、横にいたおばさんがたまりかねたように声をあげました。「あなたね、咳してるんだったら、外にでちゃだめでしょ、降りませんか?」

しかし、おじいさん、ちらっとそっちを見ただけで無視します。

おばさん、立ち上がっておじいさんに接近。「降りてください。みんな、迷惑してるんです」

身に覚えはないのですが、どうも「みんな」と言うからには私も入っているようです。私はそっちをガン見しましたが、興味ありそうに見ているのは車内の1/3くらい。あとは我関せずという感じでした。

「俺は、コロナじゃないから。ワクチン打ったし」
「検査したんですか? PCR検査」
「してないけど……ワクチン打ってるんだから」
「打ったってかかるんですよ! 検査してから乗ってくださいよ!」(キレ気味)
「乗らなきゃ、病院もいけねぇだろ」
「タクシーでいいじゃないですか! ちょっとは周りのこと、考えてよ」
「俺はコロナじゃないんだから、あ、あ、あんたが降りればいいだろ」

タクシーのほうも、いい迷惑だなぁとか思いながら聞き耳ずきん。ただこれ落とし所見当たりません。どっちか降りるのかいなと思っていましたが、おばさんはそのまま立ち上がって元の席に戻りました(戻るんかい!)。

いやまー、ワクチン打ったからってコロナ回避できるとは限らないし、咳き込んでいたら外出は控えたほうが良いのは当然だし、検査してないのにコロナじゃないとは言い切れないのでおじいさんバリバリにダメな感じではあるんですが、私人が彼を無理やり降ろすのもできないはずなんですよね。できることとしては、言われても困るでしょうけど、運転手さんに「相談」するか、メトロの営業所に頼むくらいなんでしょうか……。あとはおじいさんの言う通り、嫌なら自分が降りるか。

個人的にはやっぱり、鉄道の側で対処すべき案件なのかなぁとは思います。飲食店がそうするように、発熱者や疑われる症状がある人は乗車をお断り、乗った後で発覚した場合はそこで下車してもらう、みたいな。

感染が拡大して今後こういう場面を見ることが増えるのかもしれないと思うと、正直とても暗い気持ちになります。都内に住んでいるからということがあるにせよ、私のような人畜無害な一般人ですらこういう騒ぎに遭遇するのが1度や2度ではないですからね(このブログで何度か書いている通りです)。これから更に罹患者が増え、病院の状況も悪くなって生命の危機を実感しはじめると、みんな気が立って反応も過激になったら大惨事もありえそう。

本来はそうならないよう事前に行政が呼びかけたり、対応方法を示すことは大いに意味があるのですが、日本の場合はきっと、ことが起こってからだいぶ経ってようやく「お気持ち」を表明する程度が関の山なんでしょうかねぇ。

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咳だけに。