長く生きていると、なんとなく特別なことにめぐりあうことがあります。これといって人に自慢できるようなこともなかった私の40年ほどの人生の中でも、「この思い出は残しておきたいな」というイベントが両手の指では数えられない程度にはありました。

そういう時、私は写真を撮るだとか、記念の品を持っておくといったかたちで思い出を「残す」ことにこだわります。そんなのしなくても良いよという人もいるし、形にすることで不純なものになるとか、ココロの中に残っていれば良いのだ! という人もいるでしょう。ただ、私みたいな俗物は、やっぱり形になると安心するんですよね。それが良いことか悪いことかはわかりませんが、でも形にして残しておいたおかげで、10年、20年経ってもふとしたきっかけで思い出をたどることができる。悪くはないかなと思っています。

で、そういう人間からするとこれは良いなと思ったのが下の記事で紹介されているサービス。「リトルピカソ」さん(HPこちら)というお店のようです。

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 ▼「「天才」「かわいすぎる…」子どもの作品が、世界にひとつだけのアイテムに。」(BuzzFeed Japan)

保育園で初めて描いたクレヨンの作品。どう飾っておくか迷っていたところ、見つけたのが、絵をポーチやバッグにしてくれる「リトルピカソ」というサービスだったそうです。

「ウワァァ届いたァァァ見てぇぇぇぇ!!」というツイートが22万いいねされ、「天才」「かわいすぎる…」などと話題になった、このポーチ。

一見するとカラフルなかわいらしいポーチですが、これ、世界にひとつだけの商品なんです。もともとは…

「娘が保育園で初めてクレヨンでお絵かきして持って帰ってきた絵で作ってもらったポーチだよ!!!去年の5月頃の絵かな…かわいい…」

(中略)

今回、娘さんの絵を「ポーチ」に変えてくれたのは、「リトルピカソ」というオーダーメイドのお店でした。

LINEやメールで作品を送ると、相談のうえ、トートバッグやポーチにしてくれる「子どもの絵で作る鞄と雑貨世界に一つだけのオーダーサービス」。

「もともと子どもの絵が大好き」だったという手塚隆子さんが、現在は個人で運営をしています。昨年2月からはじまり、じわじわと広がりを見せていました。

かつこさんも、「飾るにしても何かないかなぁ」と雑誌の記事を見つけ、このサービスを選んだといいます。

「自分の子どもの絵が『ピカソ』って言ってもらえてる感じがステキだなあって。親バカですけど、どんどん絵が上手になっていってて、いつのまにかあのぐるぐるだけだった絵が人の顔になっていってたりして絵をみるたび成長を感じるんですよね」

生地や縫製にもこだわってつくられているにもかかわらず、スピード感も抜群。デザインのやりとりを経て、3週間も経たずに商品が届いたそうです。

ホームページを見ると、「お子様は 世界一のデザイナー✨ オリジナルデザインを一緒に作りましょう!」という文字が目を引きます。まあそうですよね。誰がなんと言おうと、親にとっては我が子の描いた絵が世界一の絵。ピカソだろうがレンブラントだろうが絶対に勝てない最強の画家です。その絵を、持ち運べるかたちにできるというのはロマンがあるなぁと。

実際、現在大人気でオーダーが殺到しているのだとか。

サービス自体は、「自分の絵をグッズにできる」というものですから、それこそオリジナルTシャツの派生みたいなものでしょう。ちっとも真新しくはありません。けれど、これは単に「絵」がグッズになっているわけではなくて、「一回きりの思い出」が持ち運べるかたちになっている、というところがポイントなのでしょう。

思い出を形にする。そこに商機があった、と。お見事です。

あと、まあ急に下世話になりますけど「我が子」を狙い撃ちにしているのがうまいですね(笑)。お値段も、5000~7000円程度とそこそこお手頃。それでいてクオリティも高そうなので、そりゃ人気でるわなぁという。

オタク系のイベントとかでも、こういうサービスをこのくらいの値段でできれば(ライブグッズみたいに「みんな」に提供されるものではなく、その人だけの、思い出を形に残せる)、かなり人気がでるんじゃないかなぁという気がします。