NIKEが開発したハンズフリーのスニーカー「フライイーズ」のリニューアル版が今年発売になるようです。かかとを踏んづけることでソール部分が屈曲し、容易に着脱できる構造。なるほど、こういうアイディアもあるんだなと感心しました。

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▼「ハンズフリーで脱ぎ履きできる、新型シューズ「NIKE GO FlyEase」の“履き心地”とは。脳性まひの青年がきっかけで誕生した技術「フライイーズ」が進化」(MELOS)

 フライイーズ テクノロジーがどのようにして生まれたのか。少し振り返ってみたいと思います。フライイーズ テクノロジーの開発は、脳性まひによって手足に障がいがある青年からの手紙がきっかけになったといいます。

 その手紙には「私の夢は、毎日誰かにシューズの紐を締めてもらわなくてはいけないという心配をせずに、自分の好きな大学に進学することです。私はこれまでずっとナイキのバスケットボールシューズを履いてきました。歩くために足首の支えが必要なので、このタイプのシューズしか履けないのです。16歳になり、私は自分一人で洋服を着ることはできますが、今でも親にシューズの紐を締めてもらわなくてはなりません。自分で自分のことを全てできるようになりたいティーンエイジャーとして、これはとても不満に思うと同時に、時に恥ずかしくも感じています」と書かれていたそうです。

 手紙を受け取ったデザイナーのトビー・ハットフィールド氏は、手紙を書いた青年の要望にかなう試作品を開発して青年に届けました。それが2012年のことです。

 それから3年後、2015年にフライイーズ テクノロジーを搭載したバスケットボールシューズ「レブロン ソルジャー 8 フライイーズ」が発売され、以降、片手、もしくは手を使わずに脱ぎ履きができるシューズは、多くの人をサポートしてきました。

Twitterによると、実際の動きはこんな感じ。




私は革靴大好き、紐靴大好きの人間なので、「靴はきつく紐を結べるのが良い」「足がぐらぐら動かないほうが靴擦れしなくて良い」という好みで靴を購入します。しかし、間違いなく紐を結ぶのは面倒だし、膝や足、手の状態によってはしゃがんで紐を結ぶことができないのもわかります。じゃあスリッパが良いかというと、記事にあるように、かかと・足首のホールドがないとうまく歩けないという場合もある。そういう人にとってはこのタイプのスニーカーはなるほど福音でしょう。

また、日本人は紐靴でもあんまり紐をほどいて履かないイメージがあります。実際、REGALの靴がかかとを大きめにしているのは、紐を結んだまま着脱がしやすいようにだという話もあったりするくらいですから、革靴ですら紐を結び直さない。いわんやスニーカーをやというやつで、紐を結んだままの靴に指を入れて(靴べらですらない)履いたり、つま先を地面にとんとんしながら履いたり、下手をするとかかとを踏みつぶして無理矢理足を入れたりする光景をしょっちゅう見かけます。

それを思うと、機能面ではこういう靴って凄く日常生活の中で向いている靴という感じがする。ただ、逆に言えば紐靴でも無理矢理ハンズフリーにしている人が多いので、あえてこの靴でなくても良い、ということになるのかもしれません。

個人的にはお値段的にも1足買って試してみたいんですが、日本で大流行、という感じにはならなさそうなのでセールにかかるのを待とうかな……。