というわけで、神田~秋葉原あたりのお店でスーツを作ろう話の第二弾です。

 その1 :こちら
 その3 :こちら

今回は、「どこでスーツを作るのが良いか」の回答編になります。実際にいろんな店舗に行き、私自身がスーツを作ってみた経験が基本になりますが、一部友人のお話も参考にしました(特にダンカンとビッグヴィジョンは、それぞれ10着以上作っている人がいるので……)。

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とりあえず、私が重要だと考える各要素ごとに簡単なランキングを作りましたので、これからスーツを作ろうかなという方はご自身が重視する項目と突き合わせてみてください。

なお、今回ご紹介するのは私が実際に店舗に行き、スーツを作ったことのある12店舗。
①bref(神田)※秋葉原アトレにも店舗あり
②DIFFERNCE(有楽町マルイ)
③FABRIC TOKYO(秋葉原マーチエキュート)
④Global Style(淡路町)
⑤ONLY(有楽町)
⑥SADA(秋葉原)
⑦The Suit Company(秋葉原ヨドバシ)
⑧エフワン(秋葉原)※淡路町にも店舗あり
⑨ダンカン(神田)
⑩ツキムラ(秋葉原)
⑪ビッグヴィジョン(秋葉原)※ヨドバシアキバと神田にも店舗あり
⑫ヨシムラ(神田)

チェック項目は、次の4項目となります。
 (1)最安の価格
 (2)その価格で選べる生地の種類
 (3)スーツのできや選べるオプション
 (4)接客・店の雰囲気等


1.価格
SS :ダンカン
S :ツキムラ(3着セット)
A :SADA(初回のみ)、ビッグヴィジョン(セール時)、ONLY(ミニマルオーダーのスタンダード生地2着セット割)
=====2万円の壁========
B :Global Style(2着セット)、The Suit Company、bref、エフワン、DIFFERENCE
C :FABRIC TOKYO、ヨシムラ

「A」ランクとして、とりあえず1着20,000円を切る価格でオーダーできるお店を設定しました。そこから頭一つ安いのがツキムラ。15,000円を切るのがダンカンです。

価格については、九州出身のスーツ店「ダンカン」が最強でしょう。通常時でも他店より安価ですが、特にセール時はぶっちぎり。しかも、だいたい年中何らかのセールをやっています。HPを要チェックですね。ちなみにその中でも更にお得なセールとそうでもないセールがあります。狙い目は盆暮れとGW。

現在開催中の年末~正月のセールでは、各店舗1日5着限定ですが1着12,000円のスーツと1着15,000円のスーツがあります。意味わからないくらい安いです。前者はウール・ポリの混紡生地ですが後者はウール100%。店員さんは「これ、ファビオ(※T.G.ファビオという海外の生地ブランド。ふつうは30,000円くらい)です」と言ってました。そこまでのラインでなくても、REDAやマルラーネといったインポート生地のスーツが19,800円で作れます。そして、年末年始に関しては購入時にサイコロを振ってゾロ目が出たら割引(1ゾロ=1割、2ゾロ=2割……6ゾロ=無料)がつく。ナニソレイミワカンナイ……。

ちなみに私の友人は先日目の前で別のお客さんが6ゾロ出しているのを見たそうなので、マジで当選者はいるみたいですヨ。

とにかく単純なコストで言えば、ダンカンがぶっちぎりの王者でしょう(総合的なコストパフォーマンス、という意味ではまた別かもしれませんが)。他では勝負になっていません。生地の質も悪いものではないです。新しいものはあまりありませんが、基本海外有名ブランドのインポート生地ですからそういうクオリティです。

単体でなくセットとして見ると、ツキムラも安い。生地の制限はあるものの3着50,000円。1着あたり17,000円です。ただ、別人3人で行ってOKかわかりません(Global StyleとかはOK)。たぶんできるんじゃないかなと思いますが……。ダンカンに1人1着限定、先着5名という縛りがあることを考えると、複数欲しいという場合にはツキムラに軍配が上がります。「三着5万で朗らかに(三五朗)」つって、関西ではそこそこ有名なお店なんですけど、あんまり東京では知られていないかもしれません。秋葉原駅前、肉の万世のすぐ近くにお店があります。

その他「A」ランクには、SADA、ビッグヴィジョン、ONLYと並びます。SADAは、初回オーダー時に限り5,000円の割引が付きます。これを使って1着19,800円に。ビッグヴィジョンとOnlyはセット価格ですね。ビッグヴィジョンはペントハウス(アメリカの生地ブランド)のウール100%生地が2着39,000円。ONLYはミニマルオーダーという簡易オーダーで2着割を使えば最安で38,000円で2着作れます。

あとは2万円を超えてきますね。いやまあそれでもかなり安いと思いますが、29,800円とかになってくると既成で良いじゃん面倒くさいって感じも出てくると思いますので……。ビッグヴィジョンの親会社であるヨシムラは、いわゆる高級ラインです。一緒に並べるのはフェアじゃないかなと思いつつ一応。ちなみにですがbrefの親会社は山形屋、The Suit Companyの親会社は洋服の青山です。


2.生地の種類(※安価なプランで選べる種類)
S :ビッグヴィジョン
A :ヨシムラ、Global Style、The Suit Company、ONLY、bref、DIFFERNCE
B :SADA、ツキムラ、FABRIC TOKYO
C :エフワン、ダンカン

これは、「安い価格で買う場合に」選べる生地の種類です。お値段青天井なら、もともとが生地屋のbrefとか強いですし、The Suit Companyもものすごい豊富な量の生地を持っています。

ただ、スーツのオーダーではどの生地でも同じ値段で仕立てられるわけではなく、価格帯によって選べる生地が変わるのがふつうです。ですから、お店に生地がいっぱいあっても自分の作りたい/作れるスーツの生地はちょっとしかない、ということがあり得るわけですね。

いろいろ行ってみた感じ、低価格帯の生地が非常に充実しているのはOnlyとビッグヴィジョン。オーソドックスな無地のものからスタンダードな柄物まで豊富に揃っています。特にビッグヴィジョンは、ウール・ポリ混紡のものだけでなくウール100%の高品質のものも安くて充実したラインアップから選べます。相当お得感ありますね。この価格帯のショップの選択肢としては頭一つ抜けていると思います。

親会社のヨシムラも同様に豊富ではあるのですが、ベース価格帯が上がるのとリーゾナブルなラインはあんまり置いてないので1つ下げました。

The Suit Companyなんかは、さすが青山の系列だけあって種類は多いです。ただ、質がいまいちパッとしない感があるんですよね。ポリ混紡でスレに強いはずなのに結構簡単にやられることもあって。相性の問題かもしれませんので評価には入れていませんが、生地の善し悪しが分かる人は気をつけても良いポイントかも知れません。

逆にセール品にかなりの制限がかかるのが、ダンカンとエフワン。特にダンカンの場合、発注をかけるのではなく自社で入れているぶんをセールに出す形態のようで、安くなる生地が時々によって異なります。あと、売り切れたら終わり。必ずしも一般的な生地があるとは限らず、ぶっ飛んだ色柄しか残っていない……みたいなこともあります。逆に運が良ければ紺無地や紺ストライプ、グレー系が充実していてよりどりみどりな場合も。まあ運ですね。


3.スーツの完成度・デザイン・オプションの選択肢
SS :ヨシムラ
S :bref、ビッグヴィジョン、エフワン、Global Style
A :ダンカン、DIFFERNCE、SADA、FABRIC TOKYO、ツキムラ
B :The Suit Company
C :ONLY

私はスーツのド素人なので、正直細かい「できばえ」についてはわかりません。だから、「素人から見てわかる違い」についてのみ言います。まず「全然ダメ」みたいなところはほぼありません。どこのお店もちゃんとしたスーツが届きました。そして、それが全てです(笑)。よく「縫製が甘い」みたいな話を聞きますが、そんなもん1例や2例見ただけじゃわからないし、個人の職人さんにフルオーダーしたスーツだって割とすぐほつれたことがある(その理由もちゃんと聞いた)んで、知ったかぶりして「これこれだからこの店の縫製はダメ」みたいなことは言えないです。もちろんそういうお話は集合知として意味がありますが、私のときには全然問題なかったです、ということですね。

ただ、縫製工場が国内か海外かはある程度わかるのでお伝えしておくと、ONLYとThe Suit Company、SADAは中国工場固定です。ONLYはテーラーメイドだと国内工場なんですけどね。ビッグヴィジョン、ダンカン、エフワンは中国と国内のどっちか。選べるわけではなくて、状況に応じて変わります。ダンカンの場合12,000のラインはほぼ中国じゃないかなぁ(台湾の場合もある?)。GWのセールとかで、ふつうなら中国になるところ納期の都合で国内縫製、というパターンもあります。ヨシムラ、bref、DIFFERENCEは国内。特にbrefは山形屋系列で、かなりこだわりのある、しっかりした工場でやってると聞きました。ヨシムラの国内工場とビッグヴィジョンの国内工場は同じところです。

ツキムラは今年、中国の工場がコロナの影響で閉鎖。国内がパンクしたのでインドネシアに進出した、というニュースもあり。

 ▼「大阪のオーダースーツ専門店 ツキムラがインドネシアで縫製開始

これ以降スーツをオーダーしていないのでどんなものか未知数ですが、現地工場は経験値が物を言う部分があります。できて一年未満のインドネシア工場では仕上がりにちょっと不安があるかなぁ……というのが本音。ずっと作っていた中国や日本の工場のクオリティにすぐには追いつかないでしょう。これで今までと変わらぬクオリティのものができたら、工場の職人さんの立場がない。

あとチェックしておきたいのはスーツの形状とか、オプション(本切羽、お台場仕立て、ボタン、裏地など)に関する自由度。もうこれについてはヨシムラがぶっちぎり。ほぼなんでもアリです。もともとアイディアスーツみたいなのを作っていた名残なのかもしれませんが、フルオーダーもかくやというくらいめちゃめちゃ細かいところまで聞いてくれる。まさに神。ただ、よっぽどこだわりがある人とかでないなら気にしなくていいところではありますね……。

逆に、素人にも違いがわかりやすいのはbref。有料オプションも豊富なんですが、嬉しいことに他店ならほとんどが有料オプションになるチェンジポケットが無料でつけられます。チェンジポケットってこういうやつ。

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お釣り(チェンジ)の小銭を入れるためのものらしいですけど、実際にはあんま使いませんよね。英国風スーツの標準装備みたいなイメージがあります。間違っていたらすみません。実用的なものではないのにつけると1,000円とか2,000円とられるんで基本つけたことなかったのですが、brefで初めてつけました。

ビッグヴィジョンはスーツの「型」が豊富です。パターンオーダー(イージーオーダー)の場合、予め決められたスーツのパターンから好みのものを選ぶことになるのですが、ビッグヴィジョンはそのパターンがすごく多い。あと、6,000円の「カスタムA」オプションが優秀。本台場仕立て、本水牛の釦、キュプラ裏地にピックステッチをつけて6,000円です。まあ機能性にかかわらない部分はどうでもいいとも言えますが、セットとして「毛芯」がついてくるんですよね。しかも総毛芯(実際には8割毛芯くらいだそうですが)。縫いではなく接着の毛芯だという話もありますが、スーツの立体感と耐久性が上がるのは嬉しいところです。

ちなみに、brefとビッグヴィジョンはスーツのウエストの絞り方が上手な印象があります。スーツのスタイルや材質とか着る人の体型にもよるのでしょうが、ウェストがちょっと引き締まっているほうがかっこいい感じがすると思うんですよね。

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ほんとうはイギリス調のスーツとイタリア調のスーツとかそういう専門的な話ができたら良いのかもしれませんが私にはさっぱりわからないので、とりあえず中年太りが気になってきたオジサンとしては胴回りをきれいに細くする、あるいは細く見せられるスーツの型があってありがたいです。

エフワンも地味に行き届いたオプションがあります。スーツにこだわりのある人的に嬉しいのは、「殺し襟」(一枚襟)になっているところでしょうか。廉価なスーツは襟の部分に生地を2枚縫い付けて立体感を出すのですが、一枚でやっているんですね。時間と技術が必要ですが、そのぶん首筋のフィット感と柔らかさ・軽さが段違いだと言われます。これはどこのショップのオプションでも頼めないような部分なので(都民共済で最初に作ったのも一枚襟でした)そういう意味では貴重です。ただ、ぶっちゃけ私には着心地の違いは全くわかりません。目をつぶって、これが一枚襟か二枚襟か当ててみろと言われても自信ないですね。首の後ろとか肩にそんな繊細な神経通ってないんで……。

Global Styleもスーツの型が豊富で、またさまざまなオプションを選べます。選択肢の多さはほんとうにピカイチで、さすがバカ売れしているスーツ専門店。ただ、オプションについてはそれなりにお金かかります。それでもこだわりたい、というところが出てきた人には良いんじゃないかと思います。

その他、ほとんどのお店は似たりよったりですが、結構対応が分かれるのが「オーダー後の調整」。DIFFERENCEは購入後1年、Global Styleやダンカンなら3ヶ月以内、SADAは1ヶ月以内なら無料で調整(サイズ補正、長さ調整等)できますが、ビッグヴィジョンは初回オーダー時のみで以降は有料。brefはパンツの微補正(±2センチ)のみ無料。エフワンは、体型にあわなければ直しもあるし、採寸ミス等があった場合は仕立て直しも可(これはどの店でもそうかもしれません)。

ほとんど選択肢がないのは、The Suit Company。申し訳程度の形状選択はできるものの、裏地の素材や色、ボタンまで生地ごとに決まっています。ネイビーの表地なら、同系色の裏地固定とか。オーダー慣れしてちょっと変化をもたせたいな、という場合は寂しいですが、完全初心者だと逆に迷わなくて良いのかもしれませんね。

ONLYのミニマルオーダーは更に自由度がありません。作ったのがだいぶ前なので記憶がおぼろげですが、ジャケットの仕様が「背抜き/総裏」と「ベント」の2つ、パンツが裾の「シングル/ダブル」の1つくらいしか選択肢がなかったはずです。基本、「生地を選べて、サイズを細かく調整してもらえる吊るしのスーツ」くらいのものだと考えて良いでしょう。考えることが少なくて楽ではありますが、一般的なオーダースーツという感じからは外れるかもしれません。


4.お店の雰囲気・接客
S(すごい) :ONLY
A(特に用がなくても行きたい) :ビッグヴィジョン、ヨシムラ
B(満足) :ダンカン、bref、DIFFERNCE、SADA、The Suit Company、ツキムラ
C(ふつう) :Global Style、FABRIC TOKYO、エフワン
F(もう行きたくない) :なし

最初にことわっておきますが、どのお店も「ダメ」ってことはありません。基本的に良い接客・良いお店です。ただその中で差をつけるなら……という感じだと思ってください。また、あくまで2020年頃の「神田・秋葉原付近の店舗」に限ります。接客やお店の構造は地域や店員さんが変われば違ってくるでしょう。

有楽町のONLYは、店の広さが凄いのと高級感溢れまくる店構えがほんとうに素敵です。そして、売っているものはそれほどお高い感じでもない(ふつうに8,000円の靴とかが並んでる)のも好感度高いですね(笑)。接客もとても丁寧ですし、生地のことからデザインまで細かく相談に乗ってくれます。店員さんのポテンシャルはミニマルオーダーではもったいなくて、テーラーメイド以上のオーダーのほうが活きてきますね。私はテーラーメイドで1着お願いしたとき、とても勉強になりました。唯一の欠点は、ビルの2階にあるせいで生地を太陽光に当てて見づらいところかなぁ。そもそも反物のかたちで置いてある生地が少ないんで構わないんですけどね。

ヨシムラは、若干人を選ぶ感もありますがとにかく良い生地がたくさんあって楽しい。反物として置いてあるので実際に肩に掛けたり、ちょっと外の光の下で見たりできるのも◎。お店も最近できたばっかりでキレイですし、店員さんも親切です。

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ちなみに上が、あんまり知られてなさそうな神田のヨシムラ。

ビッグヴィジョンは採寸の方が非常に上手でした。初老の男性だったかな……。専門的な視点から押し付けがましくないアドバイスをくれるし、1cm、2cmの違いも面倒をいとわず細かく調整したり、見本をはおらせてチェックしてくれました。近隣ビッグヴィジョンを制覇した私の友人によれば、ヨドバシアキバ地下の店長もかなり記事に詳しくて良いのだとか。

規模は小さいけど神田のダンカンも割と良くて、店員さんが聞けばいろいろ教えてくれるし生地も見やすく陳列されています。店内に影があんまりできない作りになっていて生地の色味とかをちゃんと確認できるのと、店が広くないおかげで引っ張り出して比較とかが楽にできて好みでした。

Global StyleやSADAは、有名店ということで人が多いこともあるのでしょうか。正直ちょっと見づらいです。とくにGlobal Style。店内が暗い・狭いで結構苦しい。店員さんは物凄くデキる人に当たるときと、新卒か? というレベル(私のような素人でも「おい、そのくらいは知ってるぞ」みたいな)の人に当たるときがあって、なかなかスリリングです。FABRIC TOKYOとかエフワンはちょっと狭すぎますね……。1人入ればほぼキャパオーバーみたいなお店ですし、FABRIC TOKYOに関してはシャツのオーダーと半々みたいになっててスーツは生地をゆっくり見られない。もともとネットでの販売に力を入れているせいかもしれませんが、せっかくの実店舗なのにちょっと残念です。brefの神田店はそこそこ広いのに加えて、その生地のスーツの出来上がりがどんなものか実物を相当数見られるので、イメージがわきやすくて良かったです。ただ、着替えスペースが超狭くて使いづらい。鏡も見づらいので、そこはマイナスかな……。


総合おすすめTOP5
1.ダンカン
2.ビッグヴィジョン
3.SADA
4.bref
5.ONLY

というわけで、個人的におすすめTOP5。世間一般のブログとか評価サイトだと、「論外」扱いされてるお店が上位に来ましたよ(笑)。

でもね、やっぱりお安いんですよ。安いのは正義。それでいて、別に質が死ぬほど悪いわけじゃないですからね。むしろ局所的には良いくらいです。

これは友人から聞きかじった話ですが、ダンカンは国内の商社をはさまず並行輸入で海外生地を仕入れている。余りの生地とかもガンガン仕入れる。それで劇的に安い値段で有名ブランドが入ってくるのだとか。もちろん、だから色や柄は選べないし着数制限もかかるんでしょうけど、素材は悪くないわけです。むしろそのへんのポリ混紡より良い生地かもしれない。んで、仕立ての善し悪しなんて10万円以下のスーツならそんな大してかわらない。いや、違うのかもしれませんが私には違いがわからない。じゃあ、安いところで良いかな? ってなります。

ビッグヴィジョンなんかはお値段と生地の選択肢のバランスがすごく良くて、とりあえずここでセール利用して何着か作ればワードローブ完全に埋まるんじゃないかと思います。

私はスーツデザインが好きなのでメインがbrefになっていますが、スーツオーダーを初めてする、あるいはいろいろ試してみたいという場合、ダンカンかビッグヴィジョンはマジで良いと思うし、折しも今は年始のセールの時期。これを活かすのが賢明でしょう。

brefはこの中で唯一2万円の壁を突破していない2プライスオーダーのお店です。個人的に好きなことに加え、国内縫製の安心感や生地のバリエーション、デザインの良さがあるので「きっちりしたものを作りたい」という場合は選択肢に入ると思っています。ただ、他より1万、下手すれば2万高いのでそこはどうかなぁ……。

SADAは初回のみ、5000円引き! と割り切って行きましょう。お友達を紹介すれば、もういっちょ5,000円引きが可能です(笑)。なんだかんだで今勢いのあるお店ですし、スーツ専門店のノウハウについても大手企業なので基本的なところがしっかりしている。初オーダーのお店としては悪くありません。5,000円プラスされると価格帯がほぼbrefとかぶるので、それならbrefかなーという気がするのですが。

ONLYは先述したとおりそこまでオーダースーツという感じはしません。既成とオーダーの中間あたりですが、そのくらいのほうが気楽で良いという場合には丁度良い気がします。2着セットで買わないとという限定がちょっと辛いですが、一気に2つ作りたいという場合にはぐっとお得になります。初めて作るなら、センターベントとサイドベントで1着ずつとか、パンツの裾をシングルとダブルで1着ずつとかにして違いを実際に体験してみる、なんてこともできますからね。


というわけで、神田~秋葉原(一部有楽町)のあたりのスーツオーダーのお店紹介でした。次の第三回は、スーツの何にこだわって買うか、こだわりポイントとして初心者が押さえておくと良いこと(たとえば、「本切羽」とかどうでもいいよねみたいな話)を書いてみようかなと思います。



これが年内最後の更新になるかな? コロナに始まってほんとうにいろんなことのあった1年でしたが、無事に年を越せそうで安心しています。みなさま今年も一年間お付き合いありがとうございました。どうぞ良いお年をお迎えください。そして、来年も無事に、年越しの挨拶を交わしましょう。