エロゲーの特典で「キャラクターのシーン追加パッチ」というのがありますが、初回特典や予約特典ではなく「店舗特典」だった場合、どの店舗でも同じシーンが追加されることはなく、店舗によってシーン内容やキャラクターまで違う……ということがほとんどです。

crl
『クリムゾンルナティクス』(2014、Triangle)の店舗特典の一部。

こういうやつですね。で、個人的にはこれはキツイなぁと思うわけです。なぜって、発売前に好きなキャラは分からないから。こんなの今更言うまでもなくあちこちで言われていることだと分かってはいるんですが、ドラマCDやテーマソングCDの場合「中の人」(声優さん・歌い手さん・作曲家etc)で選んだり、あるいは楽曲の好みで選ぶということが一応可能です。

ただ、Hシーンは……。

いや、もちろんシチュエーションで選ぶ、というのはありえるにせよ(裸エプロン大好きとかね!)、やっぱり基本的にはお気に入りのキャラのシーンを見たい、というのが上位に来るじゃないですか。そりゃ歌もテレカも同じですけど、エロゲーでHシーンというのはやっぱり特別だと思うのです。

これは私の考えですが、店舗特典は基本「おまけ」です。あってもなくても、作品本体とはあまり関係のないオプションとしてのお楽しみ要素。しかし、エロゲーはなんだかんだでHシーンを見るために買う(人が多い)わけですから、「買ったお店が違うと見られないHシーンがある」というのは何かもやっとしますし、挙句、ゲームプレイ後に気に入ったキャラのシーンが1つ無い……というのは残念過ぎます。

特典をめぐっては色んな「視点」がありえるので念のため整理しておくと、ユーザー差別を問題にしているわけではないです。予約したら一律シーンが追加されたりキャラが追加されたりということなら、「最初から応援してくれていた人」への差別化としてしょうがないかなと理解できなくもないんですけど(納得するかは別として)、発売前人気投票の延長みたいな感じでHシーンひとつを選ばねばならないというのは、未来予知能力を持たない私にはハードルが高いという、まあそんな感じの話です。

たとえば、次のような感じだと納得できるんですけどね。

 (1)店舗特典付きエロゲーを買うと、個別のコードが配布される。
 (2)そのコードを入力/郵送したら、店舗特典シーンの中から好きなものを1つ選んで貰える。
 (3)特典のハケた数に応じて、店舗には売上金が支払われる。 

穴だらけのシステムですけど、たとえばの話なので。お店の側からすると「特典による(売り上げの)差異化を図りたい」。ユーザー(主に私)からすると、Hシーンに関してはゲームやったあとで誰のシーンにするか決めさせて欲しい。その2つを満たすには、ユーザーがあとから自由に選択できて、かつ売り上げが正確に店舗に割り振られるシステムが求められるわけで……。

まあ無理か。特典系は全部ネットとかにできれば話は変わるかもしれませんけど。

結局、こういう難しさを感じている原因というのは、私の考える「特典」というものの位置づけが、もはや変わってきているのかもしれません。 エロゲーの特典のありかたの話というのは、過去にブログでも何度か書いてきましたが、ユーザーの捉え方・メーカーさんの捉え方・販売店さんの捉え方がそれぞれ少しずつ違うのでしょうし、また変化もしているのでしょう。

その辺、色々調べていずれちゃんとした話ができるようになればいいなぁ。(2日連続の放り投げ)