香川県の高校生が、香川県ゲーム条例に対し、「条例が違法であること」の確認と、「議員の立法不作為責任」追及のため、国家賠償請求を求めての訴訟を起こす動きがあるようです。

個人的には非常に素晴らしいことだと思います。

 ▼「香川県ゲーム条例が憲法違反の確認と、議員の立法不作為責任を求める国家賠償請求訴訟」 (GoodMorning)

まず、事前のステップとして「署名」を行うなどの手続きをちゃんと踏んでいる。(ここで大きな賛同を得られて、人口の1/50以上の署名数を得られていれば、条例の廃止を議会に強制することができました)

次に、法治国家にふさわしい手続きを理解した上で社会にはたらきかける行為をしている。いま「デモ」が流行っているからということで安易にデモに訴えないというあたりが私好みです(集まらない・集まれないという実務的な問題もあったんでしょうが)。あ、ちなみにデモがダメといっているわけではありません。デモはデモで有効な局面もあるはずです。

最後に、主体があくまで個人であるということ。怪しげな政治組織や思想団体の力を借りるのではなく、あくまで香川県に住む「市民」の1人が自治体に対して直接請求権を行使するという、これこそお手本のような民主主義ではないかと思うわけです。しかも、渉氏は高校3年生。選挙権を獲得する(あるいはしている)年です。18歳の若者が主体的に政治に参加するというのは、単純に投票に行くということももちろんそうでしょうが、こうした手続きを多くの若者が知り、実践できることを言うのではないかと思います。

実際にクラウドで支援するのは、渉氏のバックグラウンドなどについてもう少しきちんとした情報を得て、きちんとしたかたちでお金が使われるであろうことを確信してからにするつもりですが、個人的には支援を表明したいと考えています。1口1000円ですしね。そして、多くの人の賛同が集まってこのプロジェクトがきちんと動くということが、表現問題の今後に繋がると考えています。若い世代に、正当な主張で世の中が動くのだという実感を持ってほしいという気持ちもありますし。

話題になった「グレタさん」よりも(よりも、という言い方はよくないのかもしれませんが)、こういう身近なところで民主主義の精神が実践されている例を、メディアはもう少し取り上げても良いんじゃないかと思う次第です。