東京都内の「発表」感染者数が2日連続で100人を割り込みました。今日は46人。検査数自体が減っているわけではないので、一定の検査数に対する陽性者の割合は減りつつある、という見方ができそうです。

もの凄く持って回った言い回しになったのは、実数が減っているかどうかはよくわからないからです。

たまたま、ここ2日ほど陽性患者の少ない母集団を引いている可能性はじゅうぶんにあります。また、繰り返し言われているように日本のPCR検査は実施数自体が少ないですからコロナ患者の正確な数を把握する上ではほとんど役に立ちません。ここ2日の推移だけを見て、コロナおさまってきた! と言うのは早計です。

ということはもちろん、コロナはまだまだ続いている……かどうかも分かりません。正確な判断はできないのです。ただ、公表されている数でも都内の医療機関はキツい状況だと聞き及んでいます。そして、コロナ患者の実数が公表数より少ないということはありえないので、間違いなくまだ気を緩めてはいけない状況であると言えましょう。

その辺を抜きにしても、油断するよりは警戒している方が良いに決まっているので、「まだ気をつけないとダメだ」と発信している人の方が信を置けると私は思っています。

新型コロナは潜伏期間も長く発病にばらつきが出やすいですし、上記の通り日本の検査数の少なさを考えると1週間程度のまとまった期間で推移を判断する方が(毎日のデータで一喜一憂するより)マシではあります。その点から見ても、コロナが失速しているかどうかを判断するのはまだ早く、連休明けくらいにならないと何も言えないというのが実情だと思います。現状のデータで何かを判断するなら、厳しい予測が基本となるでしょう。

しかし、このところ比較的状況が悪い方へ動かなかったことに加え、夏場になるとコロナの活性が弱まるのではないかという希望的観測も流れ、弛緩した空気が流れている気がします。今日は仕事に行く時も帰る時も、ひとがすごくたくさんいました。マスクしていない人も多かった。買い物で列ができているお店も2桁レベルで見かけました。やべぇ……と思いました。

自粛がひと月に及んで疲れてきたことや、ゴールデンウィークを前にしたこと。あるいはこの春の陽気で気持ちが浮き立ってきたことも後押ししているのかもしれません。

たまたまなら良いのですが、油断が出てきているとすれば危険だと思います。もちろん、何ごともないかもしれません。でも、今はまだ油断すべきではないと思う。勝って兜の緒を締めよ。ゾンビ映画では、油断したものからゾンビになるのです。

経済のことをまったく考えていない話しをしていますが、ここで気を抜いたら今までの我慢も無駄になるということでもう一踏ん張りではなかろうかと。嫌がられても嫌われても、政府自治体には踏みとどまって欲しいと願っています。

更に願わくは、この状況で自粛をしている国民に見返りを用意しても良いのではないかと。端的に言えば、保障はある程度してほしいなということです。政府の役割は国民の生命や生活を守ることでありますから、全ては無理にしても、もっと大胆な保障を行ってかつバランスをとれるような努力はしてほしい。ただ「我慢してね」であと1ヶ月は、破綻する可能性もあると思います。少なくともストレスは溜まっていくでしょう。

あとは言うまでもなく、状況に応じて柔軟に動く姿勢は持って欲しいですけどね。こういう状況ですから前に採った政策が誤っていたとしても、そんな恥ではありません。手探りで進めていって、失敗したなと思ったら君子豹変で良いと思います。