コロナウィルスに起因する新型肺炎が世間を騒がせています。

colona

これだけの感染者が出ている中、SARSのときと比べるとかなり日本政府の動きは穏やか。よく言えば冷静、悪く言えば緩慢です。

ただ現状、素人が騒げば騒ぐほど良くないのは明らか。公的な発表に基づいて(誰かのそれらしい体験談や推測、「関係者から聞いた話」に惑わされず)冷静さを保って対処すべきだというのが率直な感想です。いつの時代も、「大衆」のパニックは怖い。とんでもないデマや陰謀論が出回り、恐ろしい被害を生むからです。関東大震災のときの甘粕事件などを引くまでもなく。

ただ、それとは別に、政府が信用ならないという話をちらほら見かけ、それはまぁそうだよなぁという気がします。

というのは、今回の新型肺炎、致死性がそれほどない(と思われている)ので、日本では大騒ぎしないようにしようとしている。なぜなら、オリンピックを控えているからである、と。経済・政治に打撃を与えるような発表を慎み、「グレー」のまま乗り切ろうじゃないか……そんな思惑が透けて見える、というのですね。

これもまた陰謀論の一種といえばそうなのですが、いかにもありそうだというのが悲しいところです。実際には、いろいろな情報をオープンにし、それらに対して適切な対処をしているというアピールをしたほうが人びとは安心するし事態の沈静化にとってもプラスであることは間違いないのですが、日本の政府はとにかくなんでも隠したがる。そういうことを鑑みれば、今回の件に「大きくしないでおこう」というバイアスが働いて、対応が後手に回っているという話が必ずしも突飛な、現実性の薄い与太話だとは言い切れないのが、繰り返しになりますが、悲しいところです。

実際にそういう判断が働いているのかどうかはわかりません。働いているのだと決めつけて動くのは慎むべきです。ただ、政府に対する信頼が薄れている。たとえばデング熱のときに、同じように「政府が隠蔽している」といった話題はなかったでしょう。SARSのときも、政府の対応の上手い下手は議論されたけれど、意図的な隠蔽や情報統制みたいな話はとくに出なかったように記憶しています。しかし、今回について言えば政府の公的な機関の判断や発表に対して基本的な信頼感が揺らいでいることは間違いなく、その部分が今回の騒動で見えてきた深刻な「病」なのかもしれません。