某まとめサイトを読んでいて驚いたことなど。野球で「長打率」というのがあって、私、結構長い間「長打(二塁打以上)」を打つ確率のことだと思っていたのですが、これ違うらしいですね。

 ▼「長打率」(Wikipedia) 

長打率は、打数が記録される打席において打者が打撃によって獲得できる1打数あたりの塁打数の期待値(平均値)を表す指標である。以下の式で求められる。
 
 長打率 = 塁打÷打数 

これだとちょっと分かりにくいかもしれないので具体的に例を示しますと……。

あるバッターが、10打席立って単打(シングルヒット)3本であとは凡退だったとすると、10打数で3つ塁を進んだので、長打率は0.300ということになります。 

また、10打席でホームラン1本、あとは凡退という打者がいたとすると、彼は10打数で4つの塁を進んだので、長打率は0.400です。

仮に、10打席でホームラン3本、あとは凡退という打者ならば、10打数で12の塁を進んだので、長打率1.200となるわけですね。 

「長打率」ということばは、どうも「長打」とは関係ないし、「率」ともあんまり関係なさそう。ひたすら誤解を招きやすいネーミングだったというわけです。なんてこったい。

おかげさまをもって、ソフトバンクがCMで「熱血スラッガー松田宣浩、なんと2本に1本は長打(長打率.502 ※過去2年間) !」などと見当違いなことを言ったり、TVドラマ『ルーズヴェルト・ゲーム』で「【長打率】2塁打以上のヒットを打つ確率」と誤った字幕を出したりという悲劇が発生してしまうわけです。

長打も率も関係ないのに「長打率」とはこれいかに、というとんち問答みたいな話になってきましたが、おそらく、「1打数あたりの進塁打期待値」というのがある程度妥当な言い方ではないかと思われます。ただこれだと、一目見てピンとこないんですよね。しかも英語が「Slugging percentage」だったとは。そら「率」と訳したくなる……。

というわけで、おそらく多くの人が「勘違い」しているであろう長打率。名付けを間違ったかわいそうな奴の典型みたいになっているので、ちょっとでも誤解が解けるといいですね。いっそ、本当に「二塁打以上を打つ確率」というのを指標として作って、あらためて「長打率」と付け直したほうが早い気がします。