もう早いところだと私大入試が始まっているようで、私の周辺では学生たちの悲喜こもごもの姿が見られます。

それはまあもうこの時期の風物詩なのでなれたものですが、やっぱりセンター試験失敗してどんよりしている人びとの顔を見たり話を聞いたりしていると、辛くなってきます。「おめーのことなんか知るかよ」と言いたくなるときがないわけでは無いのですが、なんだかんだ、こちらを頼ってきているのを蹴飛ばすのも後味が悪く。そして、その対応をしているうちに自己嫌悪みたいなのが襲ってくるのです。

この時期、だいたい行き詰まっているのは英語か数学ができない人。理由は簡単で、積み重ねがモノを言う教科だからです(どの教科もそうでしょうが、その2つは特に)。一気に点数がバク上げ! みたいにはならない。そして、それぞれ独特の考え方というか、慣れみたいなものがかなり大きなウェイトを占めるという特性が、行き詰まりに拍車をかけます。

たとえば、英語。英語の文章を訳しているのを見ていると、全部「~である」とか「~です」みたいに和訳している人がほとんどです。自分が受験生だったときのことを棚に上げて言うのですが、これはセンス無い。受験英語の半分とまでは言いませんが、1/3くらいは、もっとくだけたラフな文体の作品です。「~だよなぁ」みたいな。そういうのがわかってくるまで読み込んでないから、表面的な文意もとれなくなるんです。あと、理数系の人に多いのが英語だけやってて国語サッパリというパターン。文章構成も読めないし、書かれている内容についての常識的な知識も無いし、ひどいときは単語を調べて日本語書いたら、その日本語の意味がわからないというくらい語彙力が無い。そりゃ無理だよねっていうお話。

この時期にそのへんの根本的な部分を指摘しても手のつけようがないので、精神論を伝えてごまかすしかないわけですが、そのたびに迷いというか悩みというか、そういうものが生まれます。これが自己嫌悪の原因ですね。

ごまかしながらやっていくしかないんだろうけど、しんどいよなぁ。