マジでアニメ化するんですね……。さすがKADOKAWAというべきか。

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ともあれおめでとうございます。ゲームシステムよりキャラクターの魅力で押し出しているこの作品にとっては追い風ですよね。

「ワシが育てた」という感じではないのですが、サービス開始直後からプレイしている、やや(?)マイナーな作品がアニメになるというのは感慨深いものもあり……。かといって、万歳三唱するほど嬉しいか問われるとそうでもなく。

円盤は出るでしょうからその出費とか、イベントの抽選にやきもきすることだとか、そのへんが何よりもまず怖いですね。あと、こういっちゃなんですけどメインストーリーがこれだけ進んでいない状況で、アニメ化しても作品に「オチ」をつけられないと思っています。甲子園をめざしている作品で、「俺たちの戦いはこれからだ!」みたいな終わりにしたり、部活結成したところで終わりにしたりするとさすがになぁ……。『タッチ』や『H2』、『MAJOR』みたいな話数が確保できればいいんでしょうけど、まさかそれはないでしょうし。

そうなると小説版引っ張ってくるのか、あるいはアニメオリジナルストーリーとかにするのかもしれません。ただ、それで果たして1クールで20人近いキャラをじゅうぶんにクローズアップできるのかというあたりも気になる。ケチをつけたいわけではなくて、どうせアニメになるなら「見るに値する」ものを見たいんだけど、なかなか難しそうだゾ、という。

たぶん、予算的な部分を除けば作品にとってはいいことだらけではないかと思います。まず、宣伝効果が凄い。メディアへの露出やイベント開催などの影響を考えれば、確実に作品の間口は広がるでしょう。いっぽう、アニメのできが悪かったからといってゲームをやめるようなヤワなユーザーはほぼいないでしょうし、新規参入者との間に軋轢が起こるようなゲームシステムでもありませんから、作品の名が売れることによるデメリットはほとんどないように見えます。むしろ、ゲーム内でさまざまなキャンペーンや恩恵があって喜ばれることのほうが多いはずです。

とはいえ、完全に黒歴史化した『Ragnarok Online The Animation』とか、悪名高い大炎上アニメ『艦これ』みたいになるとゲームの方の勢いも落ちたりします。悪評がSNS上で広まったりすると、話題にするのをはばかられたりしますしね。特に、現在熱心にハチナイを支えているユーザー層にとっては「新参」の人が文句言うのが面白くなかったりして、ユーザー同士の対立が起きたりすると、ハチナイを取り巻く環境が不穏なものになる懸念はあります。いまの和気藹々としたムードが壊れたとき、ゲームの方のハチナイも焼け野原になっているかもしれません。

怖いのは、アニメを「宣伝材料」と戦略的に位置づけて、なるべく低予算で済ませようという方向に行くこと。作る側は「アニメになればいいや」の精神で、こういっちゃなんだけど有象無象のアニメと同程度の予算、クオリティで作る。ユーザーの期待値は高くてそこに乖離が起きて……みたいなパターン。あの金満Cygamesが手がけた『グランブルーファンタジー The Animation』ですら、「クソではないけど面白いかっていわれると別に……」っていうレベルでしたし。ハードルが、「黒歴史じゃなけりゃいいや」みたいなところに設置されるのはヤだなぁ……。

期待より不安のほうが大きいです。でも、サービス開始から1年、そろそろ勝負に出るところだという判断は間違っていない気もするし、応援しています。願わくは、後世に語り継がれるようなすばらしい作品が生まれんことを。