文脈の忖度って結構面倒な話だと思います。

たとえば「見ため良し頭脳明晰だが裏は高慢」という某エロゲーのキャラ紹介がここにある。

shizune


「見ため良し」であることや「頭脳明晰」なことと「高慢」というのは対立する概念ではないので、逆接にするのは厳密には誤りと言えるでしょう。しかし、ちょっと踏み込んで読み取って「表向きは評価が高い」のに「裏ではクソ」という対立だと考えれば逆接することに問題はないように思いますし、そのくらいなら読み取れるだろう、という人は少なくないでしょう。私自身も、妥当な読み取りの範囲だと思います。

しかし、そういった読み取りが特性上難しいという人もいますし、また書き手は難しくないと思っていても読み手にとっては難しいという「ズレ」も当然発生します。だから、こうした読み取りにおける「忖度」を強要したり、過度に礼賛するのはよくないというのはその通りだろうと思います。

とはいえ、物語は論文ではないのですから、そんなガチガチ・バリバリに幅のない読み方しかできないような文章で書かれても味気ない気がするのです。余白と言うか幅というか、多少あっても良いんじゃないかなと。真っ白すぎても困りますけどね。