W杯を直前に控えて、サッカーのハリルホジッチ監督が電撃解任されるというできごとがありました。

 ▼「ハリルホジッチ氏解任にザッケローニ氏も驚き 「何かが起こった」」(livedoorNEWS)
 日本サッカー協会(JFA)は9日、日本代表前監督のバヒド・ハリルホジッチ氏との契約解除を発表。

多くのファンやメディアが「え、わけわからん」と愕然とした事態。サッカーにはド素人である私から見ても、3年間代表を率いてきた人物を、この土壇場で変えるという判断には疑問を覚えます。

ただ、同時に、これほど普通ではないことがあった以上何かとんでもないことが起きたんだろうな、という気がしていました。関係者としても、この時期に監督を変えることがどれほど悪影響を及ぼすか計算できないわけではないでしょう。それをおして断行する必要があった、と考えるしかありません。

ただ、そうなるとその事情というのはおそらく決して外に漏れてこないだろうなとも考えていました。もちろん額面通り、「監督と選手のコミュニケーションがうまくいかなかった」ことが原因である可能性もありますが、もしそれが本当ならばこの時期まで引っ張った意味がわからないし、放置したあげくどうしようもないところで変えるという決定をくだしたサッカー協会は恐ろしく無能であるとしか言えません。

表に出ている情報だけではサッカー協会が頭おかしいように見えるけれど、あまりにも状況があり得なさすぎて裏があるのではないかと勘ぐってしまう、そんな状況です。何を言っても陰謀論にしかなんないパターンですね。そして、私はサッカー素人なので、それ以上に詳しいことはわからないし、また陰謀論から離脱するためにあれこれ調べたり考えたりする興味もとくに起きませんでした。

そんな中、協会発表を額面通りにうけとめたうえで、外部目線から批判している面白い記事を、これはたまたまツイッターのリツイート経由で見かけました。内容的な正確さはともかく、わかりやすく考えが伝わってくる良い記事だと思います。

 ▼「ハリルホジッチ解任でサッカークラスタが発狂している理由」(中村慎太郎/note)

整理すると。 


・ハリルホジッチの隠している作戦が何なのか答え合わせが永遠にできなくなった。 

・海外から学ぶから日本式でいくへの唐突な方針転換と、その根拠の乏しさ 

・ハリルホジッチおじいさんがかわいそう。 

・サッカー協会が、ちょっと何いってるかわかんない。 

・少しずつでも、一歩ずつでも前に進んでいると信じていた日本のサッカーが思い切り後退した。しかも、内輪の事情によって!! 


このあたりがサッカークラスタが発狂している理由だ。 

ほんとうにサッカーは将棋やチェスのような「知的な競技」なのか(個人技に頼るところも非常に多いはずで、お互いが同じ駒を持っているという前提条件が成り立たない)とか、結局「ハリルホジッチが何かプランを持っていたはずだ」という一種の陰謀論(それが無かったとしてもかまわない、というメンションはついていますが)がバックグラウンドにあるんじゃないか、また選手は監督の駒として動くのが絶対って本当なのか(強いクラブチームとかでも監督と選手の不和で監督解任って割とよく見る気がする)、といった細かなツッコミはでてきます。

しかし、協会の公式発表を鵜呑みにするならばその主張内容が説得力に欠けるものであるということ。具体的には、日本は海外サッカーから学ばねばならず、海外サッカーの粋を理解できていないのだから、外国人の監督を雇ってその人に任せる。協会はその監督のサポートをする……という方針を協会が貫徹できなかったという批判は妥当なように思います。

また、「これが日本が行った失礼極まりない話であると言うことは、海外にも伝わるはずだ。好意的に取られる可能性はほとんどないだろう」というのも、まあそうかなと思わないでもないのですが、正直外国人監督はキャリアアップと金のために日本にくることがほとんどだろうから、あんまり問題にしなくていいんじゃないかという気もします。ぶっちゃけ、かなりの好条件を積まれて「ハリルがあんな感じでクビになったから俺はやめとこ……」と思う人はそんなに多くはないんじゃないかな。

ともあれ、サッカーファンが協会の公式発表を正面から受け止めた時こういう批判が出てきちゃうってのは、やっぱり発表の仕方とかがまずかったんじゃないかなあという感じしかしません。なんかもうちょっとうまくできなかったんかい、と。

そしてこういう時にうまく対応しきれず結果もでなかったとしたら、お偉いさんが責任とるのがスジ。真相がどうであったかより、出てくる結果に対して誰がどう責任をとるか、ということのほうを外野としては見ておきたいかなと思う次第です。