ヤフオクが、チケットの転売対策に乗り出したということで大きな反響をうんでいるようです。

 ▼「転売する目的で入手したチケットの出品について」(ヤフオク!)

いつもヤフオク!をご利用いただきましてありがとうございます。
 
ヤフオク!では、当社が不適切と判断した商品の削除を行っておりますが、このたび、転売する目的で入手したと当社が判断するチケットを出品禁止物として明示することとしました。

【改定内容】
ヤフオク!ガイドライン細則
B.出品禁止物
18.転売する目的で入手したと当社が判断するチケット

【改定日】
2017年11月8日(水)

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チケット転売については道徳的・法的などさまざまな面から議論がなされ、経済的な視点からはよく、ある種の資本主義原理にのっとった行為であるという擁護が昔からなされてきました。

個人的に、そうした意見に対してまったく反対というわけではなありません。たしかに、ある種の需要が見込めるところにうまいかたちで供給をおこなうことで儲けを得るというのは商売の基本だからです。しかし、市場原理なり資本主義原理なりの適切な範囲に収まっているかというと、必ずしもそうだとは言えないでしょう。

市場原理の理想というのは、単純な競争だけを意味するものではありません。「完全競争市場」というのが「消費者にとっても生産者にとっても利益が最大化する」ことが想定されているように、片方が過剰な利益を得ることは「健全な」市場原理の機能として想定されていません。転売というのは、場合によっては販売側の過剰な利益となり、そのことが健全な市場の維持という目的そのものに反する可能性もあります。

要するに、違法ではないにしても経済的には望ましくない行為であるとは言えるかもしれない、ということですね。

まあそんな小難しいことを考えずとも、ヤフオクの今回の裁定はチケット転売に対して何らかの処置を行う意図を明確にしたものですし、有名無実化しないようガイドラインに沿った厳格なルール運用をお願いしたいところ。これで、少しでも各種イベントの意味不明なチケット争奪戦がなくなるといいんだけどなぁ。