「希望の党」の選挙カーがあちこちで目と耳に入ってくるようになりました。いよいよ選挙だなぁという感じがしています。

個人的に注目しているのは、東京2区の鳩山太郎氏。あの鳩山一族であり、悪い意味でのボンボン。都議で全然ダメなことがわかって政治から離れていたはずですが、なんとびっくり希望の党で公認もらって立候補です。

 ▼「【総選挙】鳩山太郎(元ニート)「希望の党」公認で東京2区に出馬へ。父・鳩山邦夫が21年前に当選した地。激戦必至に」(にんじ報告)

衆院議員13期、法務大臣や総務大臣を歴任した故・鳩山邦夫氏の長男で、バラエティ番組でニート生活を披露していた鳩山太郎さん(42)が、このたびの衆院選に出馬すると報じられています。

選挙区は東京2区。小池新党こと「希望の党」の公認だとのことですが・・・・

以下の画像は1990年代のアニメ「まもって守護月天!」を再生するためだけのレーザーディスクを所有するという鳩山太郎氏

東京2区といえば、1996年、第41回衆議院議員総選挙において当時民主党に所属していた父の鳩山邦夫さんが当選。

それ以来、同選挙区では民主党が4連勝。その後自民党が勝ちましたが、政権交代となった2009年の選挙では再び民主党が勝利。ただ、最近2回の選挙では自民党の辻清人さんが連勝している、という選挙区です。

前回(2014年、第47回)は、辻清人さんが圧勝で、2位には民主党の中山義活さん、3位が維新の大熊利昭さんなどとなっています。前回の民主党票と、希望の党と選挙協力するといわれている維新票をあわせると、ちょうど辻清人さんの票と同数程度となり、激戦は必至・・・・・

辻清人、鳩山太郎、共産党という希望あふれる選挙が期待できそうです。

……RPGとかで「希望の塔」とかってダンジョンがあったら、ぜったいヤバいボスがいるパターンですよねぇ。

それはさておき、希望の党の公約が発表されて話題を呼んでいます。

 ▼「希望の党、「花粉症ゼロ」も公約 小池代表らが発表」(朝日新聞デジタル)

 小池氏は記者会見で消費税の増税について、「好景気の実感がないまま、個人消費はまだまだ改善していない。消費税だけでなく社会保障にも不安がある。そういう中で予定通りに引き上げるのはいかがか」と述べ、2019年10月に予定される消費税の10%への引き上げを凍結する考えを強調した。

■希望の党の公約

①消費税増税凍結

②議員定数・議員報酬の削減

③ポスト・アベノミクスの経済政策

④原発ゼロへ

⑤雇用・教育・福祉の充実

⑥ダイバーシティー社会の実現

⑦地域の活力と競争力の強化

⑧憲法改正

⑨危機管理の徹底

■「希望への道」しるべ 12のゼロ

①原発ゼロ

②隠ぺいゼロ

③企業団体献金ゼロ

④待機児童ゼロ

⑤受動喫煙ゼロ

⑥満員電車ゼロ

⑦ペット殺処分ゼロ

⑧フードロスゼロ

⑨ブラック企業ゼロ

⑩花粉症ゼロ

⑪移動困難者ゼロ

⑫電柱ゼロ

朝日新聞の見出しだと「花粉症ゼロ」が公約のように言っていますが、完全な公約というよりは「努力目標」のほうに分類されていますね。まあとはいえ、どうやってそれをやるのかという方法と、財源どうすんのかっていう問題があってその辺をきちんと開示してくれないと困るんですが……。

結局、ぜんぶ耳に聞こえの良い話をずらっと並べただけでリスクの話がない。「希望」の党だからそりゃそういうものなのかもしれませんが、過去民主党が政権を握ったときから、国民がいわば「だまされて」きたのはそのせいだったはずです。

何かを採るなら何かを捨てなければならない。いまの日本で、全部が全部やりたいようにできるなんてことはありません。あることを進めるために、別の何かを切らなければならない。その説明を先に聞いていないから、「これをやるためにあれをカットします」と言われたときに抵抗が起きて、全然進まないとか反感買うとかそういう話です。

増税先送りにしても、結局「見えないリスク」と「目先の利益」の比較になるから、リスクを大きく取る人はいくらでも大きいことが言えるし、リスクを無視するのも簡単。この手の話で、歴史から学べると思っている人は私からすればかなりズレていて、結局は設定したあるゴールを実現する力があるかどうかです。そして、そのためのリスクを説明したうえで、ゴールを目指す価値があるかどうかを議論するのが本筋でしょう。

たとえば、○○大学に行くにはこの学校に行って、この塾に通って、場合によっては浪人を覚悟しなければならない。行ったあとどうなるかはともかく、とりあえず「行く」ということを目標にするなら、そのために資金はこのくらいかかるし、遊びの時間はこのくらい減るし……それでもやりますか? ということを問う。

こんな感じで目標それ自体の是非を問うだけでなく、そこへいたる手段についても考えるのが選挙だと私は思っています。そうすると、価値や方法をめぐってちゃんとした議論ができる。

というか、完璧な政策なんてありえないし、あっちをやればこっちができないとなるのが普通です。「仕分け」じゃないけどAをやればBができなくなる。それは別に「失敗」ではなくて「選択」のハズ。なのに、政府が新しいことをするためにこれまでやっていたことができなくなると、その段階になってから文句を言い始める人がいて、だんだん声が大きくなり、政策の失敗だということになって政権が交代する……みたいな流れがこのところずっと(第二次安倍内閣成立まで)続いてきました。その原因はやはり、リスクを説明しない政党と、訊ねようとしない有権者にあったのではないかと。そのあたりを改めれば、良き民主政治が少しは可能になるのではないかと、そういう希望を抱いてはいます。

ただ残念なことに、昨今の、「これこれはバカだ」みたいな罵り合いをしているイメージ戦略だけの政治家と、知識をひけらかすだけで話を聞く気のないインテリなみなさまからは、いい意味での民主的な選挙は無理なんじゃないかなぁ。だってたぶんあの人達、「バカに任せるより俺(私)がやるべきだ/俺(私)の考えを採用すべきだ」としか思ってないような気がするから。

リスクを含めた判断材料のための「きちんとした」説明をできないのは、国民の側に聞く姿勢がないからだと言われたらまぁそうかもしれませんけど、それを育んでこなかったのもまた政治であり教育なわけで、どうにも難しいところです。

なんかもう毎度のことではありますが、今回も不安な選挙になっちゃったなぁ。愚痴っていても仕方ないとは思うんですけどね。