エロゲーかよってツッコミ入れたくなるようなセンセーショナルな見出しがついていますが、おそらく実際には結構難しい案件。当たり前の話ですけど「洗脳」っていうのは女子大生側の関係者の言い分ですからね。ほんとうに「洗脳」と証明できるようなことなのか、自由意志にもとづく選択的恋愛の範疇なのかは、ぶっちゃけ分からん。物理的に監禁とか暴力があったわけでもなさそうですし。

ただまあ、そういう定義は度外視してクソなことは間違いありませんけれど。

 ▼「慶応大教授が女子大生を「洗脳」不倫 “先生とだったら世界征服も”」(デイリー新潮)

 慶応大学2年生の斉藤菜穂さん(21)=仮名=に、アラビア語などの講義を担当する総合政策学部・奥田敦教授(57)が接近し始めたのは、昨年の秋だった。

「(奥田教授に)勉強に集中するように言われてサークルも辞め、帰宅も遅くなり、“研究室に泊まるから”と、帰らないことも増えました。ボーイフレンドとも別れ、冬休みも研究室に通うようになった。“思い出も捨てなきゃいけない”と、クローゼットからぬいぐるみを出して捨ててしまい、年が明けると“こんな自分にした親が悪い”と、私たちをなじるようになりました」

 と、菜穂さんの異様な振る舞いを明かすのは、彼女の母親である。以来、菜穂さんは頻繁に外泊するようになり、2月下旬には妻子のある奥田教授と二人きりで沖縄に行くこともあったという。

“先生とだったら世界征服もできそう”“死ぬのが怖くなくなってきた”とのメモを残すようになり、人格まで変わり始めた菜穂さん。両親が探偵に調査を依頼すると、「研究室」と言っていた行先は奥田教授のマンションだったことが発覚する。ところが、大学は両親の再三の訴えにもかかわらず、事態を事実上、放置したままだった。

記事が事実だとして、端的に問題なのはこの教授センセイが不倫をしていたということと、それに関する情報を大学側が把握していながら長期間放置していたということ。あとは、洗脳していたかどうかはさておきあまり健全とは言い難いような女学生の状態、といったところでしょうか。

とくに大学側の対応は結構たたかれてもおかしくなく、そうとう奇行が目立ち学生からの訴えも多く、普段からハラスメント一直線みたいなこの人を「飼い」続けていたというあたり。場合によっては何人かの偉いさんの首がすげ変わる(飛びはしないだろうけど)んじゃないですかね。

実際問題この手の人間関係ベースの不祥事というのは組織が大きくなればどこでも起きるし、どれだけ身辺調査に力を入れても限界があります。だから予防以上に対応のほうがその組織の真価が問われるわけで、後手後手にまわったうえに誰も得してないっぽい今回の件は、下手を打ったなぁという印象しかありません。たぶん、あっちゃこっちゃの事なかれ主義が連鎖してこういうことになったんだろうなぁ。

まあ何はともあれ、本件が無事……は無理にしても、良い落とし所でおさまることを祈るばかりです。