と激怒した豊田真由子議員が話題になっています。離党届を出したということで、都議選を控えた自民党の思惑が透けて見えるところでありますが、それはさておき。

 ▼「自民党の豊田真由子衆院議員が秘書に暴言、暴行 週刊新潮が「その女代議士、凶暴につき」と報道」(産経ニュース)

 自民党の豊田真由子衆院議員(42、埼玉4区、当選2回)が元政策秘書の男性(55)に、暴言、暴行をはたらいていたと22日発売の「週刊新潮」が報じた。元秘書が同誌に告発する形で明らかにされた。

 昼の日本テレビ系のニュースでは、この報道で23日告示の東京都議選への影響について自民党内に危機感が広がっていると伝えられるなど、波紋が広がっている。

 「週刊新潮」の『「豊田真由子』その女代議士、凶暴につき」の見出しの記事によると、元秘書は5月20日、豊田氏を乗せて運転中、後部座席から「この、ハゲーーーーーっ!」「ちーがーう(違う)だーろーーーっ!」などと罵(ののし)られ、左のこめかみ付近を6、7回殴られたという。

 豊田氏は、支持者に送った誕生日カードのあて名と名前が異なっていたことから激怒した。元秘書は20日前後にも暴行を受け、「顔面打撲傷」などの診断書が出されているという。

まあこの人の議員資格云々はともかくとして、ニュースのコメンテーターなどが批判する舌鋒のキレの悪さが面白い。多くの人が、「まあ怒るのはわかるんだけど……」みたいな留保をつけています。

私なんかは留保マニアなので我が身を振り返っていろんなことに留保をつけてしまうのですけれど、普段あまりそういうことをしない(特に政治家などの不祥事に対しては)キャスターやコメンテーターの皆々さまが、軒並み奥歯にものがはさまったみたいな言い方しているのを聞くと、この人達きっと普段怒鳴りまくってるんだろうなぁとか邪推してしまう。

相手が悪いから我を失うほど怒鳴り散らして相手の尊厳を傷つけていい、というのは理屈として納得できるという人もいるのかもしれませんが私はあまり好きではありません。傷つけられたからやり返していい。不正をされたから不正をかえしていい、というのはなるほど現実的な対処としては妥当だし、「正当防衛」や「緊急避難」のように法的にも妥当性があるのは認めます。悪いことでもおかしいことでもない。

しかしそれをわかったうえで、やはり好きではないのです。私自身はいたずらな暴力(ことばによるものも含む)を否定する立場であり、できるだけ自分がそれを振るいたくない。ましてや多くの場合、起きてしまって取り返しがつかないことに対する怒りというのは「憂さ晴らし」以上にならないことがほとんどです。相手にことの重大さを分からせるとかなんとか理由をつけてみたとしても。

もちろん命の危険がせまっていてそれを防ぐためとあれば別でしょうけれど、自分が恥をかいたからとか損害を被ったからということであれば、そのことに対する報復措置みたいなことは考えたくない。深刻な被害を被ったことがないから言える綺麗事かもしれませんけれど、そこにこだわっていきたい気持ちはある。

そう考えると、自らの魂に従って不正を拒み、最後は裁判の結果に従って毒をあおって死んだソクラテス(プラトンの描く)はスゲェなと思います。今になってようやく、『クリトン』のあのこだわりがなんとなくわかった気がする。

端的に、「私はそれをしない」といい切れる自信と強さを持てるかって言うと、持てないんですけど、やっぱ憧れるなぁ。