男性の生涯未婚率(50歳時点での未婚率)が23%に到達したそうで。

 ▼「独身貴族ほど「老後資金の不足」に苦しむワケ」(東洋経済オンライン)

冷蔵庫に“第3のビール”は1本もない。服やかばんはブランドもので固められている――。

正社員で、ある程度収入のあるようなおひとりさまが送る、こんな優雅な生活を見て、うらやましく思う人も多いでしょう。実際、生涯未婚率(50歳時点での未婚率)が高まり、直近の2015年では男性が23.4%、女性が14.1%と過去最高値を更新し、あえて「結婚しない」人も中には出てきています。

しかし、こうした「おひとりさま」たちが直面するのが、老後資金の問題です。場合によって異なりますが、家族世帯の5割増しから2倍程度の老後資金を用意しておく必要があると思います。なぜならば、おひとりさまのほうが2つの理由で老後資金へのニーズが高いからです。

第1に、日々の生活コストが高いことがあります。正社員でそれなりの年収を得ながら独身生活を送っている人であれば、結婚して子育てをしている世帯と比べればおカネの余裕が生まれるため、それを自分が「今をエンジョイ」するために回してしまいます。子どもを1人育て上げるためには、学費関連費用だけで少なくとも1000万円以上がかかります。統計的には、子育て全体の費用が2000万円程度かかるという見方もあります。

独身者は、その”浮いた”分のおカネを自分のためだけに使えるのです。20~30代のうちはそこまで収入に余裕がないかもしれませんが、それでも40代、50代と独身生活を重ねていくうちに給料が上がると、昇級分もそのまま眼前の楽しみのために使ってしまいます。

しかし、同じレベルの生活を定年後も維持できると思ったらそれは大間違いです。公的年金は、月20万円ももらえません。会社員や公務員が厚生年金に加入していた場合で、平均的には16万~17万円程度になるでしょう。退職金だけでは、おそらく老後をやりくりするだけで精一杯で、現役時代の独身生活のようには使えないでしょう。定年後も生活水準を落とさずに暮らしていくためには、現役時代におカネを貯めておくしかありません。

第2に、身の回りの世話をしてくれる配偶者や子どもがいなければ、サービスとしておカネで買うしかないということがあります。たとえば、食事を作る余裕がなくなれば、給食サービスを利用する、その他の家事にまで支障が出るようになったら、介護サービスを利用するしかありません。終身介護つきの老人ホームに入れば、家事や介護の心配は減るものの、入居時や毎月支払うおカネが負担になります。いずれにせよ、「おひとりさまは自分の老後もおひとりさま」という覚悟を決めて、おカネを貯めていく必要があります。

これを「男女雇用機会均等法」のせいだ、と見る動きもあるようです。もちろん、研究所にはそれなりのデータなり根拠なりがあってこうした主張をしているのでしょうが、私が知る限り社会学的なスタンダードでは、この因果関係は正確な表現とはいえず、誤解を招く可能性があると思います。

 ▼「「生涯未婚率」上昇続く 広がる男女差、背景に再婚 」(NIKKEI STYLE)

 50歳までに一度も結婚しない人の割合を表す「生涯未婚率」が上昇し続けています。最新の2015年は男性が23.4%、女性が14.1%でした。1980年と比べて男性の未婚者の割合は約10倍、女性が3倍に膨らんでいます。

 上昇のきっかけの一つは86年に施行された男女雇用機会均等法だといわれています。男女の採用差別が禁じられたことで賃金格差が縮まり、男性に頼らず自立できる女性が増えたのです。

 最近目立つのは男性の未婚率が急上昇していることです。5年ごとの国勢調査を基に計算される生涯未婚率は、85年までは女性が男性を上回っていました。これが90年に逆転、今は男性が女性を約10ポイントも上回っています。

 バブル崩壊後、不安定な非正規雇用に就く男性が増えました。経済的な安定が得にくくなり、結婚をためらう人が増えたというのが一般的な説明です。しかし経済的な事情が背景であるなら、男女とも同じように未婚率が上がるはずです。男性だけ突出して上昇している理由をニッセイ基礎研究所の天野馨南子研究員は「再婚が背景にある」と説明しています。

上のような表現をすると、「女性が社会に出たから未婚率が高まった」という話になる。実際そういうことを言って、少子化やそれに伴う経済不振の原因を女性の社会進出だと主張して非難する人というのは少なからずいます。

しかし、現実問題として女性が社会に進出したのは(バブル前後はいざしらず)景気の低迷と労働人口の減少によるものです。もっといえば、昔ほど男性の稼ぎがなくなり夫一人の稼ぎで家庭を支えることができなくなったため、女性も働く動きが出てきたのであって、女性が働いたからどうのこうの、というのは対立を煽って問題を見えにくくするので避けた方がいいのかなぁと思ったりもします。

それはさておき、男性の未婚率が30年で10倍になったというのは結構驚きです。というか1/4の男性が未婚なわけで、このままいくと、男性の1/3が結婚していないというのは遠からず来る未来という気がします。

結婚という文化に対する見方も大きくかわってくるのかもしれません。というより、一夫多妻や一婦多夫のようなかたちが認められる時代が来てもいいのかなぁという感はあるのですが、近世以降の日本の歴史的な背景を鑑みると難しいか。しかし、正直「自由恋愛」をきちんと考えると異性婚や一夫一婦制にこだわる必要ってあまり感じない(「風俗の乱れ」みたいな話は別として)んで、そういうラディカルな議論をどんどんしていける土壌ができればと思います。

政権握ってる保守層が美しい国日本の伝統がどうこうをいまのような形式的なレベルで言っていたり、革新層が自分たちの改革路線を「保守」することにこだわって抜本的な変革を躊躇ってる状態では難しいかもしれませんけれど。