また新たな「規制」が生まれたようで。

 ▼「酒類CMの自主規制 「アニメ」「25歳以下」「ゴクゴク」はNG」(NEWS ポストセブン)

 有名俳優が海の見える縁側でビールをゴクゴク飲み干す──ビール党にはたまらないそんな“定番”のテレビCMを最近見なくなった。アルコールの広告規制が静かに進んでいるからだ。

 日本酒造組合中央会、ビール酒造組合など業界9団体でつくる「飲酒に関する連絡協議会」が昨年7月、広告の自主基準を強化し、〈テレビ広告で喉元を通る「ゴクゴク」等の効果音は使用しない〉〈お酒を飲むシーンについて喉元アップの描写はしない〉という規制を設けた。

 自主規制といっても、内閣府のアルコール健康障害対策関係者会議ワーキンググループの会議で「アルコール依存症の人に苦痛を与える」といった指摘がなされ、業界がその指導に従ったものだ。

 さらにこの時の規制では、酒のCM出演者の年齢も引き上げられた。かつてタレントが20歳になってアルコール飲料のCMに起用されるのはステータスだった。

「20歳になったばかりで、初めてのお酒のCMで楽しみにしています」

 2009年にサントリーのCMに初起用された堀北真希は記者会見でそう喜んだ。しかし、新基準ではそれまでの「未成年を使わない」から「25歳未満を使わない」に引き上げられた。これも「若いタレントのCMは未成年者にも飲酒への関心を高めている」との内閣府会議の指摘を受けたものだ。

 現在テレビで流れているアサヒスーパードライのCM「心がつながる春」編には花見を楽しむ若者が大勢出演しているが、「エキストラも含めて出演者は全員25歳以上です」(アサヒグループホールディングス広報部門)という。

私はお酒やタバコに対して特別思い入れはありませんしむしろ何らかのかたちで制限するならそれは良いことだと思っていた人間ですが、正直ここまで来ると規制、規制で息苦しくなってきたなぁと思います。

何度か言っているのですが、これがほんとうの自主規制であれば別にかまわない。しかし、内閣府という公共組織が「指導」や「指摘」をしたというのが問題です。

以前とりあげた、道徳教科書の「パン屋」が国や郷土を愛する店としてふさわしくないだとか、そういう判断に対して国が積極的に口を出し、次々に民間の活動に制限をかけているというそのことが、私には恐ろしく感じられる。

たとえばこれが、「運動ができない人に苦痛を与えるからスポーツのCMを流すのはやめよう」とか、「糖尿病の人に苦痛を与えるからスイーツを美味しそうに食べている絵柄はNG」だとか、そういう話になったらどうでしょう? あるいはもっと、想像もつかないような馬鹿馬鹿しい規制が生まれるかもしれません。そんなことないと言い切れるでしょうか。いま行われていることが、そういう話と紙一重であると理解できるかどうかが、危機意識の有無の分水嶺ではないかなと思う次第。

公的な規制が細かく口出しをし、それに従う前例ができあがっていくというのは、どんなに馬鹿馬鹿しいと思ってもいざそういうものが出てきた時、「いままでも従っていたし……」となんとなく追随する流れを作ってしまうということです。あるいは、逆らいにくい空気ができあがってしまうということです。

ヘイトスピーチ法や、青少年健全育成条例(これは国ではなく自治体のものですが)の可決に際して多くの人からは「弱者を守ることができる」という肯定的な声が聞かれましたが、やはり私としては、国や自治体が積極的に出てくるような話にすべきではなかったと思うのです。

行き着く先の管理社会・監視社会が恐ろしいなぁと。

これで自民党に対抗する勢力があって、行き過ぎに歯止めがかかる目処があるならまだ良いんですけど、残念なことに野党第一党と目される民進党があの体たらくですし、そういう状況下で国があまり大きな力を持たないほうが良いんじゃないかなぁというのが正直なところなんですけど、その辺どんなもんなんでしょうね。