先日、私のTLで少し話題になっていたこのツイート。



「塚本幼稚園」がタイムズから取材を受けたと「誇らしげに」掲載されているけれど、肝心のTime誌の内容は「塚本幼稚園は、残忍な戦争介入や、悲劇的な敗北を齎した愛国主義へと子供達を洗脳する施設」として塚本幼稚園を紹介するものであった、というもの。

ただ、どうもこの「誇らしげに」のあたりに誤読か情報操作があるように思われます。このツイートがされた時はどうだったのか知りませんが、すくなくとも現時点では、塚本幼稚園側はこのTIMES誌のインタビューを訳文とともに掲載しているからです。

 ▼「イギリスのタイムズより取材を受けました。」(塚本幼稚園)

tukayou02

「自由主義の日本において、塚本幼稚園は、1945年にさかのぼる残忍な戦争介入や、悲劇的な敗北を齎した愛国主義へと子供達を洗脳する施設である」という上記ツイートの訳文は、この塚本幼稚園掲載の訳文と完全に重なるので(「齎した」の訳語のチョイスや句読点などが凡そ偶然の一致とも思われないので)、ことわりがきはされていないけれど抜粋でしょう。そうなると、訳自体最初からHPに併記されていたのだと思われます。

んで、おそらく多くの人はこのツイートを見て、「取材を受けたことに舞い上がってどんな内容書かれたか分かっていない間抜けな施設」として塚本幼稚園を捉えたのではないでしょうか。

実際、ツイートへのリプライにはそういうものが並んでいます。

tukayou


しかし、既に見たように塚本幼稚園側は訳を掲載しているわけで、その内容を把握せず掲載していると考えるのはあまり自然なこととは言えません。

もとのツイートをした方が、意図的に情報操作をしたのか否かは定かでありませんが、それに食いついた人たちが、情報元である塚本幼稚園のHPを見ていない場合が多いというのは確かなことではないかと思われます。

私自身は、塚本幼稚園の教育体制に賛成しないというか、むしろ批判的な側のつもりです。

というか、いま話題の森友学園(塚本幼稚園と同系列)は財務省から国有地を購入した件で明らかにヤバい問題抱えてますし、下記のような文章を書いて載せちゃうあたり、私とは相容れない(現在は削除されています)。少なくとも、私の考える「まとも」の範囲を逸脱している。何やねん、K国、C国って……。

 ▼「インターネット上での当園に対する誹謗・中傷記事について

tukayou04


まあ「愛国」の大義名分のもとに彼らが不正行為をはたらいていたのだとすればまこと恥ずべきことでしょうし、国士の皆さま方におかれましてはそこに自浄作用を加えてほしいと希望する次第です。

しかしながら、同じくらいお近づきになりたくないのは、こうした園の態度に対し脊髄反射的に、そして自分が正義であることを疑わずに叩こうとする人たち。なぜなら、彼らとは議論ができないからです。

レッテル貼りを批判しながら相手に「愛国者」のレッテルを貼ることは疑問に思わず、全体主義を批判しながら自分と対立する意見に不寛容であり(おそらく、こういう問題提起を彼らのコミュニティの内部でやると袋叩きにあうでしょう)、そのことに無自覚な人たちのほうが、こうした問題に対しては有害だと思う。

たとえば今回の幼稚園の件は、私は若干感心したところがあります。というのは、もし自分たちに批判的な文章だと知りつつ、それでもHPに掲載したのだとすれば、事実を歪めずに伝えるという一貫したリベラルな思想を公平に貫いている(都合の悪い事実だからといって隠したりしない)。ある種堂々とした態度だと思えるからです。もちろん、「かもしれない」というだけですが。

しかし、そういうプラスの拾い方は出てこないし、しようともしない。相手を低く見ることを優先し、事実誤認であってもそれを確認しようという気持ちもないわけです。

相手を最初からバカだと決めてかかる態度も、自分たちに対する無反省も、一部の層だけの問題だろうとは思います。右も左も、この手の問題にしっかりと取り組んでいる人は少なくない。けれど、その問題多き「一部の層」は往々にして声が大きく、また活動的でもあるので、表に出てくることが増えてしまう。

こういうのこそ本来は思想的な身内が、つまり今回であれば左翼系の論者こそが戒めて正当な批判を行えるように持っていくべきだと思うのですが、まあそんなめんどくさいこと誰もしたがらないんでしょうし、だからこそ日本の保守も革新も微妙なことになってるんじゃないかなぁ。

しゃーないといえばしゃーない。ただその行き着いた先が、民進党のしょうもない質疑に自浄作用がまったく働かないクソみたいな国会答弁なんだとしたら、呆れるのを通り越して悲しいものがありますけれど。