最近、お年寄りの運転による自動車事故のニュースが相次いでいます。

 ▼「「本当に悔しい」遺族悲しみに暮れる 立川の車暴走」(朝日新聞デジタル)
 
 東京都立川市の病院敷地内で12日昼、乗用車が突然暴走し、2人の命が奪われた。遺族たちは知らせを受け、悲しみに暮れた。

 立川署には亡くなった2人の家族らが駆けつけた。「まだ40歳手前なのに本当に悔しい」。安和(あわ)竜洋さん(39)の義理の父親(66)は声を詰まらせ、「少しこわもてだけど優しくて思いやりがあった。旅行に行くといつもおみやげを買ってきてくれた。涙が止まらない」と話した。安和さんが勤務する会社の社長(46)は「彼は役員でうちの仕事の要。惜しい人を亡くしてしまった」と語った。

(中略)
 一方、事故を起こした乗用車を運転していた上江洲(うえず)幸子さん(83)は、夫が8月から入院し、ほぼ毎日、見舞いのために車で病院へ通っていた。近くに住む女性(75)によると、夫は高熱が続いて肺炎になり「ここ2、3日が山」と言われていたという。「1人で面倒を見て、疲労がたまっていたんだと思う。11日は徹夜で看病し、『ゆうべは大変だった。お父さんの冬支度を取りに来た』と話していた」と振り返り、ショックを隠せない様子だった。


上の話は老々介護の結果疲れによって引き起こされた、という感じになっていて切ないですが、それとは異なる話としていわゆる「認知症ドライバー」問題というのが取り沙汰されることも増えました。

 ▼「認知障害ある人の運転、高齢男性ドライバーの6割に 国立長寿医療研究センター調べ」(あなたの健康百科)

 超高齢化は社会にさまざまな影響をもたらしているが、交通社会もその一つだろう。国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)の島田裕之部長(予防老年学研究部)らは、6月12~14日に横浜市で開かれた日本老年医学会の会合で、65歳以上の男性ドライバーでは6割以上が中等度の認知障害を抱えていることが分かったと報告した。ただ、認知障害があることが即、交通事故につながるかは不明で、島田部長らは認知機能の低下した高齢者と交通事故の関係を検討する調査の必要性を強調している。

ドライビング能力に問題がでるくらいの認知症が発生していた場合はやはり運転するのは危ないと思うのですが、とはいえみんながみんな交通の便が良い都会に住んでいるわけではない。車がないとやっていけない地域に住んでいる人も少なからずおり、むしろ高齢者はそういうところにこそ集中しているのが実態です。

そうなると、免許返納を呼びかけるだとか何だとかしてもあんまり実効性はないでしょう。たとえば車をマニュアル車メインにして暴走を防ぐとか、そういうハード的な解決を模索するしかないんじゃないかなぁ。 

街中を歩いていてもいつ車が突っ込んでくるかもしれない、とかいう状況になったらホント怖いですよやっぱり。