民進党の玉木雄一郎議員が笑い者になっています。原因はこれ。

tamakin



四方八方からカノン砲打ち込まれて、もはや空く穴もないくらい完璧な蜂の巣になっている状態ですが、左右とわず、日本の政治のダメなところがにじみ出ている感じがします。ざっと大枠で3つ。

まず、指摘にもあるように「リーマンショック」が英語では「the financial crisis」とだけ言うことを知らないという無知さ。これはまあ、いちばんどうでもいいことですが政治家としては恥じるべきことだろうと思います。その程度の人が国政で偉そうな顔をできるということも問題でしょう。

次に、安倍首相の発言および日本語版資料の説明を、正確に拾っていないということ。

一応動画と書き起こしが有りますので、この辺ご覧いただければいいかなとは思うのですが。

 ▼「安倍首相「リーマン前に似てるとは言ってない!」→サミット記者会見で繰り返し言ってました」(BUZZAP!)

安倍首相が「リーマン前に似ている」と言ってるじゃないか! という記事を持ってきたのは、若干皮肉を込めているわけですけれど、確かに「リーマン前に似ている」という発言はしていません。それは読み手/聞き手の解釈です。しかも、個人的にはだいぶ外していると思います。

安倍首相が、世界経済が危機的状況にあるという認識を示し、それに対して各国首脳陣が異論を唱えた、という流れについてはその通りだろうと思います。それをもって安倍首相の経済オンチぶりをあざ笑うのは別に構わないのですが、「リーマン前」という部分がどうもおかしいように思われます。

これ、解釈としてはリーマン・ショックの前に似ている→これからリーマン・ショックのような大きな経済危機が起こる、と首相が言ってるという話ですよね? でも、安倍首相のスピーチも、また示されたグラフデータも、リーマンショック前後、どちらかと言えば「後」のことを問題にしており、リーマンショックで発生した経済打撃と同じことが、現在既に起こりつつある、という認識を示しているわけです。「リーマン《前》」に似ている、という内容とは、これは全く違う(用語も表面的な意味も、それが示唆する内容も違う)はずです。少なくとも慎重な検討は必要なはずです。

にもかかわらず、その辺の正確な意味取りをせずに批判の的にしてしまう、というのは軽率ではないでしょうか。要するに、相手の言いたいことをきちんと理解せずに議論しようとしているわけですから、まあ控えめに言ってお話になりません。内容を批判したいのではなく、批判のための批判みたいになってる。

最後に、そもそも「リーマン・ショック」という語が消されていたとして、何がどう「悪質」な情報操作なのでしょうか。その部分の説明なしに、ただ悪質な情報操作だという結論だけを言うというのは、これを印象操作と言うのではないでしょうか。国政に携わる者であればそういう部分にこそ慎重であるべきだし、少なくとも、議員が採るべき手法ではない(文字数が足りないとか寝言を抜かすなら、そもそも言うべきではない)のではないかと思います。

まあ、今回はたまたまこの人が引っかかったというだけで、自民も民進も大差ない議員が雁首揃えてる感は否めないのですが、ホントこの辺なんとかしないといかんのじゃないかなぁ。