猫と触れ合いながら憩いの時間を過ごすことができると人気の「猫カフェ」。

先日、その猫カフェの1店舗で猫の管理が行き届かず、 業務停止命令が出されるという事件が起こりました。

 ▼「猫カフェ 全国初の業務停止処分」 (NHK NEWS WEB)
東京・墨田区の猫とふれあうことのできる喫茶店「猫カフェ」が、猫を繁殖させすぎたうえ、病気をまん延させるなど適正な管理をしていなかったとして、東京都はこの店を動物愛護法に基づいて21日から30日間の業務停止処分にしました。都によりますと、猫カフェの業務停止処分は全国で初めてだということです。
 
処分を受けたのは東京・墨田区江東橋にある猫カフェ「ねこのて」です。

東京都によりますと、この店は、ビルの2階にある広さ6畳ほどの部屋で営業していましたが、適正な管理を怠って猫を繁殖させすぎたため、当初は10匹程度だった猫が一時、60匹余りに増えていました。
 
このため店内の衛生状態が悪化し、およそ7割の猫にくしゃみやせき、目やになどの症状を伴うかぜをまん延させ、獣医師に診せるなどの対応も取っていなかったということです。

利用客や近所の人から「猫の健康状態が悪そうだ」とか「悪臭がする」などという苦情が相次いで寄せられたことから、都はことし2月に業務改善命令を出していましたが、その後も改善が見られないことから、動物愛護法に基づいて21日から30日間の業務停止処分にしました。

都によりますと、猫カフェの業務停止処分は全国で初めてだということです。
 
店の責任者は都に対して「処分を受け止め、今後、改善していきたい」と話しているということです。

まあいつかはこういうことになるお店が出るだろうなとは思っていましたが……。ちょっと想像以上にひどい話ですね。

私は別に猫愛好家ではありませんし猫そのものになったこともないので、猫が可哀想だ云々ということを言うつもりはありません。また、真の猫好きなら「猫カフェ」のような猫の扱いに対しては怒りを発するべきだ、みたいな思想信条も持ち合わせていないです。

ただ、60匹の猫が密集し、糞尿まみれの店内で飲食をするというのはどう考えてもありえんだろうと。とりあえず、飲食店として論外ですわな。なので、「動物愛護法に基づいて」業務停止というのは若干不思議というか、そっちかよ、という感じはします。いやもちろん、猫も気の毒だとは思うんですけど。

 ▼猫カフェ「ねこのて」 

nekonote

問題のお店のHPでは、「営業停止」ではなくて「休業」ということになっています。あんまり反省してる感じがしないんですけど、大丈夫なのでしょうか……。

今回の件に関しては、J-CAST NEWSさんが非常に詳しい取材をしていて、興味深い内容を読めました。

 ▼初の業務停止「猫カフェ」とはどんなところだったのか 「処分」でもぬぐいきれない再発の予感

   今回の業務停止処分に至るまで都に協力したのがNPO法人「東京キャットガーディアン」の山本葉子代表だ。J-CASTニュースの取材に対して、山本代表はまず、

「全国で初めて業務停止処分までこぎつけた都の職員の頑張りを評価したい」
 
と話した。都の担当部署には毎日「早くあの猫カフェをどうにかしろ!」といった訴えが数十件入ってきた。それを少ない人数で対応するとともに、22回もの立ち入り検査を実施し、指導してきた。一方で、「常軌を逸した運営」をしているのは明らかなのに業務停止まで半年かかった。これは都の職員の責任ではなく、動物愛護法はあるのだが強制力を行使する権限がなかったためだ。少しでも早く猫を救わなければならないはずなのに、動物愛護法はある意味絵に描いた餅のような存在になっていている、と批判した。

   山本代表はオーナーとも会っている。改善命令が出た後に店に行くと、猫の一部は別の部屋に移動させられていた。その部屋はコンクリート床が剥き出しの崩れたような部屋で、エアコンもない。猫たちは凍え身を寄せ合って震えている姿を見たときは愕然としたという。

   山本代表は、猫カフェの実態としてブリーダーが経営している事が多く、今回のオーナーもブリーダーという一面があった、と明かした。ブリーダーだからこそ去勢はしないまま猫の数が雪だるま式に増えていった。しかも、自分がブリーダーだという意識も知識もほとんどなく、店内には抗生剤を溶かしたものを置き、具合の悪い猫たちに飲ませたりするといったいいかげんな医療行為を行い、ほとんどの猫を病気にしてきた。そればかりではない。去勢していない多数の猫を放置することによって、やってはいけない掛けあわせで子猫を誕生させていた可能性がある。本当に52匹の猫を売ったとしたならば、それを知らずに買っている「被害者」がいる、という。

この辺見る限り、たしかにまた「再発」しそうではあります。

あと、ちょっと意外だったのは「実は猫カフェは利益が出ない業態で「ニキビが潰れるより早く潰れる」と言われるほど」だという話。ということは猫カフェって、本当に単なる趣味か、あるいはペットショップのCMみたいな役割を果たしているということなんでしょうか。

このお店に限らず、見えないところでいろいろな問題が起きているのかもしれませんね。