何度か記事を書いた気がするのですが、私は革製品が好きです。

その理由は、メンテナンスの手間はかかるものの、10年、20年の単位で長く使えるから。仕事で使ってる革靴はかれこれ15年近い付き合いになりますし(底の張り替えとかはしましたよ)、文庫カバーも7年くらい使ってます。財布やパスケースは雑に扱っていたせいか何度かダメにしちゃったせいで、今使っているのはまだ3年目くらいですが、ようやくメンテナンスのやりかたがわかってきて、これからは大事にしようと思っています。

やっぱり使ってるモノに対する愛着ってあるじゃないですか。特に革製品は使い込んで風合いが変わったりしわができてなじんでくることを「育つ」なんて言いますし、一緒に人生を歩んでる感じがするんですよね。ロマンチックですみません。

密かなもくろみとしては、じいさんになって、あんまり価値もよくわかってない孫に、愛用のペンケースとか文庫カバーとかを継承させる……みたいなことを考えていたんですが、孫を手に入れるにはまず子を作らねばならず、そのためには配偶者が必要になるわけで、これのハードルが異様に高かったですね。10年前くらいから予想はしていましたけど。そのうち養子とか迎えようかしら。 

冗談はさておき、リアルでも革革言ってたんで、鞄買いたいんだけど……みたいな相談を受けました。本人は本革が良いっていう話しをしてるんだけど、よくよく聞いてると合皮のほうが良いんじゃなかろうかと思う案件だったんですよね。

ぶっちゃけ、何でもかんでも本革が良いかっていうと、本革至上主義者とかじゃなければたぶんそういうわけでもないです。合皮の製品も買います。基本的に合皮はウレタンの場合が多くて、好き嫌いで言えば嫌い(ウレタンは2、3年で崩壊するから)なんですが、便利は便利なんですよね。

まず、 コストパフォーマンスからすれば、正直、革製品を長く使っても微妙。15年の間に合皮の製品を5回買い換えても、革製品1つのほうが高かったりする。また、合皮はメンテナンスも楽です。革は雨をはじめとする水に弱く、傷もつきやすく、油がぬけてきたら定期的な手入れが必要になったりと、とにかく劣化を防ぐためにいろいろやらないといけません。しかし、合皮であれば雨も傷も基本的に放置でいいし、汚れたらさっと拭くだけで良い。もともと数年でダメになることを見越しているので、多少乱暴に扱っても心が痛みません。気楽に使えるというのは日常生活を考えるとすごいメリットです。

たとえば、仕事用の鞄に1つ合皮のやつがあると、雨の人か汚れやすい場所に行くときに重宝します。流行もの(ジャケットとか靴)で長く使うつもりのないものなら合皮で十分でしょう。つまり、何年も保たす気が無いもの、ハードな使い方をするものであれば、合皮のほうが向いてると思います。

ただ、そう考えると、長く保たせるつもりで買った何万もするものに合皮が使われていたりすると、やっぱり微妙な気分になるわけです。そんなことあるの? と思うかもしれませんけど、普通にあります。全部が合皮じゃなくても、一部(飾りの部分とかに)合皮が使われているというのは珍しくなくて、何年かするとそこだけボロボロと崩れてきて、非常に不格好なことになります。私が昔使っていた帽子は、1万ちょいでしたが、デザインのためのベルトが合皮だったせいで、後からそこだけハゲてきて非常にがっかりしました。 友人のブーツも似たようなことになっていたなぁ。あ、ブックカバーの合皮とかは、加工の方法が違うのかやたら長持ちするような……。あんまり崩れる印象が無い。

そんなわけで、 革製品/皮製品については適材適所なんで、うまいこと見分けて使い分けると良いんじゃないかなと思っています。