ミスチルの「抱きしめたい」をパクった歌がある、というので「ど~せちょっと似てるくらいだろ?」と歌詞を見たらびっくり仰天。ほとんど完璧な丸パクリで、ぜんぜん笑えません。一応Amazonの試聴コーナーで序盤だけ聴いたのですが、メロディは違うけどほんとに歌詞そのまんまでした。

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すでに回収が決定したようで、まあ何かと大変ですね……。

ちなみに、Amazonレビューにある歌詞の書き起こしがこちら。

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 ▼「ミスチル「抱きしめたい」、そっくり「パクられた」 平浩二が歌ったシングル、回収が決まる」 (JCASTニュース)

   国民的人気バンド、Mr.Children(ミスターチルドレン)の名曲「抱きしめたい」の歌詞が「パクられた」としてインターネット上で大騒ぎになっている。

   指摘されているのは、歌手の平浩二さん(66)が歌う「ぬくもり」だ。所属事務所やレコード会社はすでに作詞家との話し合いを終え、商品の回収作業に入るという。

   「抱きしめたい」はミスチル2枚目のシングルとして、1992年にリリースされた。作詞・作曲はボーカル&ギターの桜井和寿さん。初期を代表する名バラードであり、好きな曲ランキングでも上位に上がることが少なくない。「出会った日と同じように~」から始まるフレーズを聞けば、ファンでなくとも「あの曲か!」と思い出せるだろう。

   そんな有名曲とそっくりな歌詞の楽曲が、このほどネット上で発見された。1972年のヒット曲「バス・ストップ」で知られる平浩二さんの「ぬくもり」だ。シングル「愛・佐世保」のカップリング曲で、作詞は沢久美さんが担当している。

   リリースは2015年5月と半年以上前だが、12月10日ごろにネット上で類似が指摘されると、途端に騒ぎになった。

   歌詞を見比べると、確かに驚くほど瓜二つである。表記の違いや助詞の有無はあるものの、歌いだしの「出会った日と同じように」に始まり、1番はほぼすべてが同じ詞になっているのだ。

   1番で異なるのは「霧雨けむる」が「霧雨の降る」に、「静かな夜」が「かがやく夜」になっている部分のみ。言葉の並び順まで同じで、ひらがなに直したところ、100文字以上がぴったり重なった。 

(中略)

   平さんのマネージャーは11日昼すぎ、J-CASTニュースの電話取材に応じた。同件については前日に把握したそうで、それまで類似について全く気付かなかったという。

   マネージャーの話によると、11日正午ごろにはCDをリリースした徳間ジャパンコミュニケーションズや作詞した沢さんらと話し合いを行った。沢さんは「知らなかった」と話しているそうだが、徳間側は「弁解の余地がない」とし、商品の回収を決めたという。早ければ本日中にも正式に発表する予定だ。 

なお、作詞家の沢さんは「知らなかった」と主張しているそうです。

 ▼「あまりにもお粗末なパクリ問題に決着」(リアルライブ)

 歌手の平浩二が今年5月に発売した楽曲「ぬくもり」の歌詞が、人気バンドMr.Childrenの名曲「抱きしめたい」と酷似しているとして盗作疑惑が浮上した件で、発売元のレコード会社・徳間ジャパンコミュニケーションズが同曲CDの回収と出荷停止を決めたことを、一部スポーツ紙が報じている。

 「抱きしめたい」は92年12月に発売されたミスチルのセカンドシングルで、今やカラオケの定番のラブバラード。作詞・作曲をボーカルの桜井和寿が手がけた。

 一方、「ぬくもり」はシングル「愛・佐世保」のカップリングとして収録。作詞家で歌手の沢久美が作詞を担当した。

 発売は5月だったが、ここ最近、ネット上でパクリ疑惑が浮上。とはいえ、もはや、パクリというレベルを超え完コピに近いお粗末さ。「ぬくもり」は「出会った日と同じように」から始まる一番の歌詞は、「抱きしめたい」とほぼ同じ。違う箇所は「抱きしめたい」の「霧雨けむる静かな夜」が「霧雨の降るかがやく夜」のみだった。

 記事によると、10日に徳間の制作ディレクター宛てに匿名でメールが届いて事態が発覚。11日午後、沢も出席しミーティングを開き、その席で沢は「ご迷惑をお掛けしています」と謝罪。「私は60を超えていて、ミスチルもよく知らないし、『抱きしめたい』は全く知らない。だから盗作はしていない」と疑惑を否定。しかし、徳間側は「まるっきり一緒なので、言い訳の仕様がない」として、その場で回収と出荷停止する意向を伝えたというのだ。

 平は10日夜のライブ終了後、回収の可能性があることを関係者から聞き、大ショックを受け、椅子にガクッと崩れ落ちという。14日以降に徳間とミスチルが所属するトイズファクトリーとの間で話し合いを行う予定で、その後、平自身が会見や文書でのコメントなどに応じる予定はあるというのだが…。

 「『愛・佐世保』自体がほとんど話題にならず、『ぬくもり』は曲調が演歌調で、『抱きしめたい』を知らない人が聞いたらまったく分からないので、ここまで問題にならなかったのでは。こんな大問題を起こしてしまったからには、もう沢に作詞の仕事は来ないだろう」(音楽関係者)

 とばっちりを受けた平だが、レコード会社のスタッフも含め、ここまで気づかなかった周囲はあまりにもお粗末すぎたようだ。

五輪のエンブレム問題のときにも触れましたが、結局「意図的にやったか否か」ということは悪魔の証明で、本人が認めるか認めないかの違いしかありません。社会的な判断というのは、それとは別のところで行われるわけです。今回の場合、沢さん本人がどれだけ「知らなかった」と言っても、周りがそれを信用するかということと、これが著作権法的に「盗作」と認められるかということには関係がありません。

もし、沢氏が知っていてやったのだとしても、あるいはほんとうに沢氏が知らなかったのだとしても、結局、ミスチルの「抱きしめたい」ほどの有名曲を誰も知らなかったことは業界にいる人として知識不足のそしりは免れえない(あるいはJ-POP界隈についてのリサーチをしていない怠慢は責められるべき)でしょう。

これだけ世界が広がったいま、作詞家個人の「モラル」よりスタッフによるコントロールで権利関係支えていくのが最も現実的な方法だと思うので、やっぱりその辺しっかりやっていくことは必要で、日本の音楽業界のそういう甘さが顕著に出た事件だ、という感じがします。