Twitterで流れていた、「Over」の歌詞の話。「顔の割に小さな胸や……」という部分。
あ、画像に特に意味はありません。ほんとだよ。
で、どうやらまとめサイトから来ていたようですが、元スレのぞきにいったらこんなんでした。
▼「ミスチル三大謎歌詞「左脳に書いた手紙」「顔の割に小さな胸」」
ここで紹介されてる知恵袋の質問とベストアンサー。
▼「ミスチルの「Over」という曲で、「顔の割に小さな胸や」という歌詞が……」(Yahoo!知恵袋)
一応引用しておきます。
正直、読んだ瞬間「嘘やろ?」と思いました。でも、回答を見ると「胸が大きそうな顔をしているのに、実際は胸が小さい」というふうにとっている人がかなり多いんですよね……。実際、Twitterでもこれを読んで「知恵袋史上一番納得した」というコメントが。
過去にも議論になったことがあるようで、やっぱり「胸が大きそうな顔なのに小さい」という説が主流のようです。
▼「Mr.Children(ミスチル)の歌詞について考える」(音楽まとめ)
みなさんどうですか?
私は、知恵袋に書かれている二択をあわせた意味だと思っていました(ただ、どちらかというと「顔が大きい」というほうにアクセントがあるとは思う)。というか、ぶっちゃけこの話を読むまで議論の余地があったことすら知りませんでした。一応そう考える根拠をあげておくと、歌詞です。
歌から音楽を切り離し、さらに歌詞を分解して読むという無粋な真似をしますが、ご容赦ください。
一番はこうです。
で、二番はこう。
顔の割に小さな胸 と 嘘のつけない大きな声
少し鼻にかかる声 と 家事に向かない荒れた手のひら
という「要素」が「今となれば」愛していたものとして並列されてるわけです。
まず、「今となれば」という表現から、《昔は》という前提が浮かび上がります。意味を考えると、「今となれば、こういう要素を愛していたのに……」と気づいた。《昔は、それらの要素を自分が愛しているとは気づいていなかった》ということです。
じゃあ、どうして愛していないのか。簡単にいえば、ここで列挙されているのは一般的に欠点となる要素だからでしょう(鼻声、大きな声、荒れた手のひら)。説明するのもどうかと思いますが、「嘘のつけない大きな声」というのは、もちろん、「正直だ」という褒めことばではなく「声がでかい」という皮肉ですし、もしかすると「空気読まずに思ったことを放言する」という含意まであるのかもしれません。「家事にむかない荒れた手のひら」というのは、手が荒れている(手入れをしていない、あるいはすべすべの手はない)のに別に家事ができるわけではない、というこれも若干ひねった表現でしょう(ふつう、家事をするから手が荒れる)。
後半出てくる「今以上に綺麗になってないで」という歌詞も当然、「今が綺麗のマックス」という意味ではなくて、「今以上にダメダメになってる」という具合に読むところに見えます。
で、「顔の割に小さな胸」というのは、「顔がでかい」というのと「胸が小さい」という2つのマイナスポイントを兼ね備えた女性だった、というふうにとるほうが自然じゃないでしょうか(ちなみにこれは一般論であり、私は別に顔がでかかろうが胸が小さかろうが欠点だとは思わない)。
顔が大きいことと胸が小さいことの、どちらにアクセントがあるのかは議論がわかれるかもしれませんが、「胸が大きそうな顔をしている」(グラマーそうな顔)というプラス要素に反して……というニュアンスは、私には感じられません。
上に挙げた「音楽まとめ」のほうのリンクでは、「君を作る全ての要素を愛してた」で、「全ての要素」なんだからプラスもマイナスも書かれていないとおかしい。プラスは「顔がいい」ということなのだ、みたいな話が出ていましたが、それって「今となれば」を読み飛ばしてるのと、対句要素をスルーしてるのと、「全てを愛してる」という時にはマイナス要素を列挙する場合が結構ある(ダメなもの、醜いものを強調する表現として「全て」という。「女の真実の 全てを愛してくれたなら」とか)ので、正直あんまり説得力ないと思います。
で、ここまでグダグダと書きましたが、私は別にいちいちこんなこと考えて聞いていたわけではないし、また自分の考えが絶対に正解だとも思いません。直観的に採用していた解釈にあえて理由をつけるとこんな感じになるかな、という程度です。そもそも、ミスチルのことに精通しているわけでもないし、過去歌詞についてなされたコメントを読んだわけでもありませんから、まったく見当違いなことを言っている可能性も少なくないでしょう。
ただ、私が「胸が大きそうな顔をしているわりに、胸が小さい」 という意見にまったく説得されないように、「顔がでかいくせに胸が小さい」という考えがまるでピンとこない、という人もおられるんだろうなぁ、と。そして、たとえば桜井さんが「これはこういう意味なんですよ」と言ったところで、それは変わらないんじゃないような気がします。
まあとはいえ、じゃあ好き勝手読んでいいという話にしてしまったら話はそれで終わりなので、議論をするうえでは「少しでもそれらしい」話にせざるを得ない。そして、この「それらしさ」というのが、歌詞の構造やことばの意味といった実証的なものになるか、自分の経験やイメージにあう・あわないという直感的なものになるかというのが分かれ道なんでしょうね。
あ、画像に特に意味はありません。ほんとだよ。
で、どうやらまとめサイトから来ていたようですが、元スレのぞきにいったらこんなんでした。
▼「ミスチル三大謎歌詞「左脳に書いた手紙」「顔の割に小さな胸」」
ここで紹介されてる知恵袋の質問とベストアンサー。
▼「ミスチルの「Over」という曲で、「顔の割に小さな胸や」という歌詞が……」(Yahoo!知恵袋)
一応引用しておきます。
ミスチルの「Over」という曲で、「顔の割に小さな胸や」という歌詞がありますが、これはどういうことを意味してるのでしょうか?
「顔の割合に比べると胸が小さい(顔が大きい?)」ということなのか、「胸が大きそうな顔をしているのに、実際は胸が小さい」ということなのか、どちらなのでしょうか?
で、ベストアンサーがこれ。
後者じゃないですかね。その上で、自分は、顔(第一印象や、醸し出す雰囲気)はグラマラスな感じ(社交的?)なのに、胸(心)は小さい(意外と繊細)。みたいに勝手に解釈してます。
正直、読んだ瞬間「嘘やろ?」と思いました。でも、回答を見ると「胸が大きそうな顔をしているのに、実際は胸が小さい」というふうにとっている人がかなり多いんですよね……。実際、Twitterでもこれを読んで「知恵袋史上一番納得した」というコメントが。
知恵袋史上一番納得した!すげぇ!
ミスチルの「Over」という曲で、「顔の割に小さな胸や」という歌詞があります... - Yahoo!知恵袋 https://t.co/EgJ9HUiX06
— ARUSTAM (@matsuichi9123) 2015, 11月 30
過去にも議論になったことがあるようで、やっぱり「胸が大きそうな顔なのに小さい」という説が主流のようです。
▼「Mr.Children(ミスチル)の歌詞について考える」(音楽まとめ)
5 :吾輩は名無しである:2008/10/20(月) 23:03:39ちょうど聞きたいことがあったoverの歌詞の中で「顔のわりに小さな胸や~」とあるがこれは、①顔が大きいわりに、胸が小さい②胸が大きそうな顔をしているわりに、胸が小さい③その他おまえらはどうとらえる?出来れば理由も。オレは?なのだが、友人は?と言うので周りに意見を求めたところ①:②:③=3:6:1くらいだった9 :吾輩は名無しである:2008/10/21(火) 00:12:57>>5どう考えても2番だろ。ルパン三世の峰不二子みたいな顔なのに胸は小さい。(顔は豪華、胸は貧相)13 :吾輩は名無しである:2008/10/21(火) 19:11:27>>52しか有り得ないだろw
私は、知恵袋に書かれている二択をあわせた意味だと思っていました(ただ、どちらかというと「顔が大きい」というほうにアクセントがあるとは思う)。というか、ぶっちゃけこの話を読むまで議論の余地があったことすら知りませんでした。一応そう考える根拠をあげておくと、歌詞です。
歌から音楽を切り離し、さらに歌詞を分解して読むという無粋な真似をしますが、ご容赦ください。
一番はこうです。
今となれば
顔のわりに小さな胸や 少し鼻にかかるその声も
数え上げりゃ きりがないんだよ 愛してたのに
で、二番はこう。
今となれば
嘘のつけない大きな声や 家事に向かない荒れた手のひらも
君を形成る 全ての要素を 愛してたのに
顔の割に小さな胸 と 嘘のつけない大きな声
少し鼻にかかる声 と 家事に向かない荒れた手のひら
という「要素」が「今となれば」愛していたものとして並列されてるわけです。
まず、「今となれば」という表現から、《昔は》という前提が浮かび上がります。意味を考えると、「今となれば、こういう要素を愛していたのに……」と気づいた。《昔は、それらの要素を自分が愛しているとは気づいていなかった》ということです。
じゃあ、どうして愛していないのか。簡単にいえば、ここで列挙されているのは一般的に欠点となる要素だからでしょう(鼻声、大きな声、荒れた手のひら)。説明するのもどうかと思いますが、「嘘のつけない大きな声」というのは、もちろん、「正直だ」という褒めことばではなく「声がでかい」という皮肉ですし、もしかすると「空気読まずに思ったことを放言する」という含意まであるのかもしれません。「家事にむかない荒れた手のひら」というのは、手が荒れている(手入れをしていない、あるいはすべすべの手はない)のに別に家事ができるわけではない、というこれも若干ひねった表現でしょう(ふつう、家事をするから手が荒れる)。
後半出てくる「今以上に綺麗になってないで」という歌詞も当然、「今が綺麗のマックス」という意味ではなくて、「今以上にダメダメになってる」という具合に読むところに見えます。
で、「顔の割に小さな胸」というのは、「顔がでかい」というのと「胸が小さい」という2つのマイナスポイントを兼ね備えた女性だった、というふうにとるほうが自然じゃないでしょうか(ちなみにこれは一般論であり、私は別に顔がでかかろうが胸が小さかろうが欠点だとは思わない)。
顔が大きいことと胸が小さいことの、どちらにアクセントがあるのかは議論がわかれるかもしれませんが、「胸が大きそうな顔をしている」(グラマーそうな顔)というプラス要素に反して……というニュアンスは、私には感じられません。
上に挙げた「音楽まとめ」のほうのリンクでは、「君を作る全ての要素を愛してた」で、「全ての要素」なんだからプラスもマイナスも書かれていないとおかしい。プラスは「顔がいい」ということなのだ、みたいな話が出ていましたが、それって「今となれば」を読み飛ばしてるのと、対句要素をスルーしてるのと、「全てを愛してる」という時にはマイナス要素を列挙する場合が結構ある(ダメなもの、醜いものを強調する表現として「全て」という。「女の真実の 全てを愛してくれたなら」とか)ので、正直あんまり説得力ないと思います。
で、ここまでグダグダと書きましたが、私は別にいちいちこんなこと考えて聞いていたわけではないし、また自分の考えが絶対に正解だとも思いません。直観的に採用していた解釈にあえて理由をつけるとこんな感じになるかな、という程度です。そもそも、ミスチルのことに精通しているわけでもないし、過去歌詞についてなされたコメントを読んだわけでもありませんから、まったく見当違いなことを言っている可能性も少なくないでしょう。
ただ、私が「胸が大きそうな顔をしているわりに、胸が小さい」 という意見にまったく説得されないように、「顔がでかいくせに胸が小さい」という考えがまるでピンとこない、という人もおられるんだろうなぁ、と。そして、たとえば桜井さんが「これはこういう意味なんですよ」と言ったところで、それは変わらないんじゃないような気がします。
まあとはいえ、じゃあ好き勝手読んでいいという話にしてしまったら話はそれで終わりなので、議論をするうえでは「少しでもそれらしい」話にせざるを得ない。そして、この「それらしさ」というのが、歌詞の構造やことばの意味といった実証的なものになるか、自分の経験やイメージにあう・あわないという直感的なものになるかというのが分かれ道なんでしょうね。