人間は、視覚や嗅覚・聴覚に頼って世界を認識していますが、だからといって人間の見えるもの・感じるものが世界の全て、というわけではありません。犬や猫は違う世界を見ているだろうし、昆虫だってそうです。

 ▼「ショウジョウバエは人間のガンを明確に感知できることが判明(ドイツ・イタリア共同研究)」 

 嗅覚が発達した身近な動物といえば犬だ。訓練された犬は、麻薬や人のニオイなどをかぎ分けることができると言われており、最近ではガン患者特有のにおいを嗅ぎ分けるガン探知犬などもいる。
 人間のガンを嗅ぎ分けるのは犬だけではないようだ。なんとショウジョウバエにも、人間のガンのニオイを感知することができるという。しかもその精度は高く、異なった5種の乳がん細胞を明確に識別することができたという。

「ニオイ」というとかえってイメージしづらい気がしますが、要するに、ガン細胞の周りに発生する特殊な揮発性分子を判別できる、ということのようです。そんなものがある、というだけでも驚きですが、それを見分けることのできる生物がいるとは……。

よもやハエをガン検査に使うことは無いでしょうが、ハエたちの認識のメカニズムを明らかにできれば、ガン検査や治療に役に立つのかもしれません。

それにしても、ありきたりな感想になってしまいますが、ハエにはどんな風に世界が見えているんでしょう。いや、目の前に居る人間の「誰か」でさえ、私と世界の見え方は違っているかもしれないわけで。そう考えると生物って不思議ですねぇ。