女性絡みの下世話なスキャンダルみたいな話になってますが、ひっでぇ話ですよね、これ。

 ▼「司法試験漏えい:明大院教授「女子学生食事に誘う」評判も」(毎日新聞)

毎日新聞 2015年09月08日 11時38分(最終更新 09月08日 12時42分)

 司法試験の問題を教え子に漏らしていた疑いが発覚した明治大法科大学院の青柳幸一教授(67)は、2006年に現在の新司法試験が導入された時から、試験問題の作成に当たる「考査委員」を務めてきた大ベテランだった。発言力が強く、司法試験の世界では有名人だったという。新試験制度の導入から10年目。法曹養成制度を揺るがしかねない事態に、教授を知る専門家や関係者は衝撃を口にした。

 司法試験の問題は、考査委員それぞれがたたき台を作り、意見を出し合い作成する。青柳教授は、今年の司法試験の問題作成で、自身の専門である憲法の問題形式を取りまとめる「主査」を務めた。

 「エネルギッシュで、常に議論をリードしていた」。青柳教授と面識がある考査委員の一人は打ち明ける。「学者としての功績は知らないが、考査委員の経歴が長く、受験業界では有名人。考査委員の中でも発言力が強かった」という。一方でこの委員は「事実とすればばかばかしい。守秘義務を守るのは当たり前で、個人の問題ではないか」とあきれた様子だった。

 青柳教授の授業を受けた明治大法科大学院の男子大学院生は「法律の基本や歴史的背景などが分かりやすく、授業の評判は良い。ただ、女子学生を高級な食事に誘うと評判で、実際に行った知り合いもいる。法曹への信頼に関わるので、教える人と試験問題を作る人は分けた方が良い」と話した。

 明治大法科大学院の同僚の男性教授は「大変な衝撃を受けた。学生に司法試験に合格してほしい気持ちは教授としてはみな同じだが、試験内容を教えるのはゆがんだ親心だ。不正な手段で合格した人がいるとなると法曹界全体が揺らぐ」と肩を落とした。

 また、他大の法学部教授は「恐れていたことが現実になった印象だ。正義を実現する法律家を育てる試験で、こんなインチキがなされ、まじめに取り組んできた学生たちが可哀そうでならないし、許せない」と憤った。「法科大学院はどこも人手不足。人員配置の課題と悪質な教員の存在が掛け合わさり、起きるべくして起きた」と指摘する。

 新司法試験を巡っては07年にも、考査委員だった慶応大法科大学院の男性元教授が学生向けの答案練習会を開いていたことが判明し、法務省は出題の担当から学者枠を大幅に減らすなどの対策を取っている。だが、大学教員が考査委員を務める方式は改まっていない。上川陽子法相は8日の閣議後の記者会見で「ワーキングチームを設け、原因を調査するよう指示した」と話した。

 明治大の福宮賢一学長は「司法試験制度の根幹を揺るがしかねない事態で重く受け止め、大学として関係者の方々におわび申し上げます。今後も事実関係の確認を進め、厳正な対応を行う方針です」とのコメントを出した。【山本将克、平塚雄太】 
 
上記記事で委員のひとりが述べている通り、どちらかといえば個人の問題であるというふうに受け取っている法曹関係者は多いのではないでしょうか。

しかし、以前にも似たようなことがあって結局それが改まっていないことを含め、事態は司法試験制度全体にかかわるシステム的な問題という感じがあります。作問はだれがおこなうのか、出題を決定するのは誰なのかといった事務手続き的なことから、かかる不正をおこなうことが取引材料となるような「うまみ」を発生させているという業態(法科大学院の合格率があがって受験生が集まるとか、そういう話も含め)にいたるまで、いまいちどしっかりと見なおして欲しいところです。

少なくとも司法関係者というのは、それだけ責任ある立場なわけですし。

明治大学は、「司法試験制度の根幹を揺るがしかねない事態であると重く受け止めており」云々というコメントを出していますが、そのことばがポーズでないことを願うばかりです。

この件については、もうちょっと情報がでて来たら改めて書くかもしれません。とりあえずいまは、メモ書き程度で。