昨日お酒の話を書いたら、なんかタイムリーな感じでこんな記事が目に止まりました。

 ▼「ビール系の税額統一へ、発泡酒・第3は増税 財務省方針」(朝日新聞DIGITAL)

 財務省は、ビール系飲料にかかる酒税の税額を統一し、ビールの定義も約110年ぶりに見直す方向だ。ビールより税金が安い「発泡酒」や「第3のビール」の開発競争が過熱していたが、ビールを減税して名乗れる対象も広げることで、海外で通用するビール開発につなげたい考えだ。

 いまの税額は350ミリ缶の場合、ビールが77円、麦芽比率が25%未満の発泡酒が47円、麦芽を使わないものもある第3のビールが28円。財務省は、全体の税収が変わらない水準の55円を目安に税額をそろえたい考えだ。減税となるビールは小売価格が下がり、増税の発泡酒などは値上がりする可能性がある。年末にかけて与党やビール業界と調整し、来年度税制改正に盛り込むことをめざす。

 発泡酒や第3のビールは、ビールの高い税金を払わないで済む飲料として商品化が進んだ。財務省は開発競争が進むと税収がさらに減りかねないとして、昨年から与党とともにビール系飲料の税額を統一する方向で検討してきた。

要するに、発泡酒だの第三のビールだのを作ってそちらの売上が伸びれば伸びるほど、酒税として入ってくるぶんが減るから税金一律にします、ということですかね。

ビール党の人からすれば、値下がりしてくれて嬉しい。アルコールが入れば発泡酒でも第三のビールでもいいや、という人からすれば値上がりがウザい……という感じになりそう。

お酒の売上を少しでも伸ばすため、価格を下げる工夫をしていたらちゃぶ台返しを食らったような感じですが、それを正当な企業努力とするか、品質を向上させるのではなく「抜け道」を探すような態度こそが日本の酒造業界に悪影響を与えているのだと捉えるかによって、こういう税制改革への見方は変わってくるのかもしれませんね。

個人的には、何というか若干微妙さを感じるのは、「ビールの定義」みたいな話にしないでほしいなぁというところでしょうか。税制の勝手次第でこれまでビールじゃなかったものがビールになるとかいうのは、なんか無粋な気がします。かつての焼酎分類とかと似たような、しょうもないことになりそうな感じがする。

たとえば、いまは発泡酒扱いの一部ベルギービールが「ビール」扱いになるからって、内容が変わるわけじゃない(この辺参考)。でも、いま「発泡酒」扱いになっていて値段がちょっとやすかったりすると、それだけで「これはあんまり美味しくないんじゃないか」みたいなことを言う人がいるわけでして。そういうの、やっぱりもったいないと思うんですよね。

今回、おそらく発泡酒扱いのベルギービールも晴れて「ビール」の仲間入りを果たすわけですが、そういう外形的な制度による分類に頼りすぎるのは、お酒の持ち味を殺してしまうのかなと。国の制度としてそういうかたちをとるのはまぁ仕方がないとしても、お酒メーカーさんとか販売店さんは、「税制上はビール扱い」の品でも一緒くたにビールとせず、個別の特徴とかをきちんと打ち出して欲しいなぁと思います。