私の出身校の先生が、なんか用事があってこっちへいらっしゃるというので週末ちょっと会ってきました。

その時、いまの学校の様子などをうかがうと、まあその先生の主観ではあるんだけど、「ギスギスしてるよ~」とのこと。どうも、一種のエリート主義が行き過ぎた感じになっているようです。

私の通っていた高校は、一応地元では進学校でとおっており、私の在学中から成績によるクラス編成をおこなっていました。

といっても、それは字面から想像されるような差別的なものではなく(もちろんまったく差別的なものがなかったわけではないのでしょうが、それはどんな編成をしても大なり小なり生じるものでしょう)、全体的な学力が伸び悩んでいる学生には、それにあわせた進度のクラスを用意する、というもので、強制的に「下のクラス」に編成される生徒もいましたが、ボーダーラインの20名ほどは直接面談でたずね、望んで積極的に「下」へ行く人もいる、というシステムでした。

つまり、教師も生徒も、「できない奴を押し込めてる」という感じでは捉えていなかったし、実際大学受験の結果などを見ると、案外下のクラスのほうが浪人率が低かったりもしたんですよね。

成績に関係なくクラスを編成して、生徒同士がお互いに教えあう「学びの場」をつくる、というような教育論があるのは存じていますが、とりあえずその辺の話はおいときまして。

で、それがどうも、教師の側が「勘違い」をしたのか元からそういう人だったのか、何かある学年の主任に就いた先生が、とにかくエリート意識をバリバリに押し出して、上位のクラスの生徒たちには「下のクラスの奴らとは話をするな」みたいなことをバリバリに(今日は「バリバリ」をいっぱい使うつもりです。敢えてね!)言う。いっぽう下位クラスの生徒には、「上の邪魔だけはするな」みたいなことを平気で言う。そういうので2年間育ててきて、いま3年生になった学生が最高学年という状態だそうです。

ひぇえ……となりまして、PTAから苦情とか出なかったのか聞いたんですが、まあ凄い出たらしいです。ただ、その学校出身の先生で校長だか理事長だかに可愛がられているのと、上位層の模試の成績がかつてないくらい良いことで、反対する動きを黙らせているんだとか。私立の進学校のスクールカーストって怖いですねぇ。

ただ、私の主観では、やはり学校としてはあまり良くない状態だろう、と。

それは、教師と生徒の間で信頼関係が結べないからです。

どうも、その話を聞いて私が真っ先に懸念した、生徒同士の差別のようなことはほとんど起きていないようでそれはまあ不幸中の幸いというかなんというかな感じなのですが、ある意味当然でもあるとは思います。実際、私立の進学校に通うような学生は「いい子ちゃん」が多く、良くも悪くも差別は良くない、というような「当たり前」の思想を学んできたし、本音はどうであれ建前ではそれを保つようなスキルは身につけているんですね。

ただ、そんな生徒たちに対して、バリバリに差別を推進するような先生があらわれたらどうなるか。

当然、生徒たちは教師陣に対して著しく反発をおぼえ、不信感を抱くはず。少なくとも私がそういう環境にいたら、間違いなく抱いています。というような話をしたら、私の恩師も実際そんな感じだよ、と。

彼はバスケ部の顧問をしているのですが、とにかく高2(いまは高3)の生徒から過去にないくらいいろんな相談を受けた、とおっしゃっていました。

また、「下」のクラスになった学生の成績やモチベーションの下がりっぷりは半端無く、学校史上例のないくらい成績がわるく、また欠席率も高いのだとか。単にその先生の主観だけではなくデータ的にも(私はそのデータとやらを確認していないので裏はとっていませんけど)出ているなら、やはり問題含みの部分は大きいのだろうと思います。

頭で考えていてもなかなかできないくらいテンプレート的な(そういう意味ではいっそすがすがしいまでの)「上を育てて下を潰す」方針である意味感心するのですが、個人的にはやっぱりあまり好きじゃない。これでもし進学成績で良い結果が出たら、学校側としてはその方針を維持するんでしょうか。やめたほうがいいと思うんだけど。

もうまったく関わりも持っていないとはいえ、一応母校のことなので、ちょっと心配になったというお話でした。