ショッキングなお知らせが飛び込んできました。

 ▼「日本初のアダルトゲーム専門誌パソコンパラダイスが休刊」 (さまざまなめりっと)


 ▼「パソコンパラダイス、休刊していた」 (Slashdot)



ということだそうです。

パソパラについては何度かこのブログでもお話したことがありますが(直近だと、「お宝マーク」のこととかで)、私が初めて購入したエロゲー雑誌ということもあり、非常に思い出深い。いまでも、定期購読というわけではありませんが、2、3ヶ月に1度は購入していました。開けずに終わることも多かったですが……。

う~ん。とにかくショックですねぇこれは。

ただ、個人的なショックとは別に「仕方ないのかな」と思うところもあり。

ただでさえ業界規模の縮小が叫ばれるこんにち、「エロゲー専門誌」というのはなかなか立ち位置が難しい。インターネットで多くの情報は手に入るし、それらをまとめて一覧できるという程度では、WEBのポータルサイトのほうが利便性が高い。攻略だって、いまは専門サイトが充実しています。1000円近く払ってまで、後でゴミ出しが大変な「雑誌」を購入する意味をどこに見出すかという話になって来ざるを得ない。

表紙テレカ、購読者プレゼント、クリエイター・メーカーのコラム、体験版ディスク、エロゲーのコミカライズ、過去の名作の無料配布……各雑誌がさまざまな試みをしていますが、ユーザーが望む情報を提供するという点で、いまのエロゲー雑誌というのは、かなりその役割を減じてきているのかもしれません。新聞ですら部数を維持できていない時代ですからねぇ。

そもそも運営が苦しいからエロゲーメーカーと仲良くやっていかざるをえないし、そうなると批判的なことは書けない。一部雑誌(「○グ○グ」さんとか)で割と顕著ですが、わざとやってるんじゃないかと思うくらい太鼓持ち感が半端ない提灯記事みたいなのをたびたび目にします。ユーザーとしては、忌憚のない業界裏話なら読みたいかもしれないけれど、「大本営発表」ならメーカーのTwitterやらOHPやらで確認できることと大差ないわけで、お金払ってまで読む意味ないよ、ということになってしまうのではないでしょうか。

雑誌をこまめに蒐集している人もいますが、かなりの好事家という位置づけになっちゃいますしねぇ……。資料的価値は非常に高いと思うものの、それが売上に繋がるかというとまた別の話ですし。

結局一般に対する訴求力を持つには、雑誌でしか手に入らないコンテンツを増やし、しかもそれがユーザーにとって意味があるものでなければならない……というのはなかなかハードルが高いですね。それか、『艦これ』で『コンプティーク』がバカ売れしたみたいに、大ヒット作品により掛かる感じで部数を伸ばすという完全依存型も考えられますが、エロゲーというジャンル的に長続きするかわからないのと、そもそもそこまでの大ヒットが飛ばないことが業界全体の問題であるわけで。このあたりについては、機会があれば、まとめてきちんとした記事を書こうかなと思っています。 

ともあれこれで、メジャーなエロゲー専門誌はだいたい以下の5誌。創刊の古い順から並べてみます。

『Bug Bug』 1992年~

『メガストア』 1993年~

『TECH GIAN』 1996年~

『PUSH!!』 2000年~ (前身の『ファンタジェンヌ』、休刊前の『PUSH!』などは除く)

『電撃姫』 2001年~ (1997年に『電撃王』増刊号としてデビュー)

こうして見ると意外と長く続いていますね……。他にも『コンプティーク』とか『二次元ドリームマガジン』のように、専門誌じゃないけどエロゲーを扱っている雑誌はありますが、それは今回除外で。

これまでも数々のエロゲー雑誌が休刊しては新しいものが生まれ……というのを繰り返してきたのを見ているものの、業界初のエロゲー雑誌であるパソパラが休刊、というところに時代の流れを感じます。そもそも現・パソパラ編集部は昔のものとは違う(合併騒ぎなどで大幅に入れ替わったはず)ということはあるにせよ。

上では否定的なことも書きましたが、まだまだエロゲー雑誌でしかできないコンテンツというのは潜在的にはたくさんあるはず。姿を消すには早過ぎるので、一日も早い復活を期待したいところです。