色々凄いニュースが続いていますね。

鳥取大学のがん細胞に関する発見とか……。

 ▼「鳥取大が発見!ガンは容易に正常な細胞へ変えることができる」(NAVERまとめ) 

理研の小保方晴子さんの大発見とか。こちらはノーベル賞確実という話もあります。

 ▼「新型「万能細胞」作製…ES、iPSに続く「STAP」 理研、酸の刺激だけで成功」(msn産経ニュース)
 ▼「「生物細胞学の歴史を愚弄」との酷評にめげずSTAP細胞を作成」(ハフィントン・ポスト)

記事を読んだ限りでの知識ですが、いわゆる万能細胞として細胞を利用する際、iPS細胞だと「成功率」も低く、また発ガンの危険性もある(細胞リセット時に、ガン化する恐れのある手続きを踏まないといけない)ところ、小保方さんの発見したSTAP細胞だと成功率が20倍くらいに跳ね上がり、ガンのおそれもほとんど無いようです。

つまり、非常にコストが安く、安全な細胞を作成できるということで、医療にとっては画期的なわけですが、それより何より、動物細胞が外部刺激によって万能細胞に変化する、という「発見」が持つ意味がきわめて大きい。これまで、動物細胞には外部刺激を与えても万能細胞に変化することはない、というのが「定説」であり、ネイチャー誌が「過去何百年の生物細胞学の歴史を愚弄している」と、一度は過激なことばで研究内容を罵倒したのは、このあたりの事情によるのでしょう。

しかし、今回の研究成果が認められたことで(もちろんここから検証がまた続くのだと思いますが)、生物細胞学の分野では、これまで省みられなかった新たなアプローチが次々に行われ、新たな発見が生まれるでしょう。海外の研究者が「幹細胞生物学の新時代の幕開けだ」と絶賛したのも、決して大げさな話ではないと思われます(参考:小保方さんの発見に海外から賛辞相次ぐ)。

ただ、これだけの発見を前に、日本のメディアの報道する内容といえば、やれかっぽう着を着て研究をしているだの、30歳で女性だの、人柄がどうのという話がほとんど。みんな「どんな人か」のほうに興味があるのは分かるんですけど、なんとも情けない気持ちになります。今頃、ご本人には自伝だとかエッセイだとかの出版の打診がわんさか届いていることでしょう。

大衆受けを狙うのが必ずしも悪いとは言いませんが、そんなところではなく、もっとこの発見の本質と結びつくようなかたちで魅力を伝えるような報道はできなかったのかという気がしないでもなく。いやまあ、それを含めてエピソードを伝えてくれるぶんには歓迎なのですが、そればっかりに終始しているというのはどうも……。常識を疑い、1つのことを掘り下げて研究し、誰に批判されてもこだわって研究し続けた人物と成果とが、表面的なところをさらって終わるマスコミと、それで満足する大衆という図式に消費財として回収されていく様子はあまりに見事で、滑稽を通り越して感心すら覚えます。

まあいずれにしても革命的なできごとであることにかわりはないわけで、今後もすぐれた研究成果が続き、本発見の価値を裏付けてくれることを期待しております。