カフェインが記憶の定着に良い、という記事を読みました。

 ▼「記憶を長時間維持したいなら、濃いめのコーヒーを「学習後」に飲むと効果的であることが判明:米研」 

主任研究者のYassa博士によると、これまでの研究では、カフェインは長期の記憶維持、固定にはほとんど影響しないとされてきたが、そういった研究ではカフェインが実験の「前に」投与されるケースがほとんどで、覚醒、集中といった他の効果が影響して、「記憶の固定」に限った効果の有無がはっきり証明されてこなかったのだとか。今回の研究により、カフェインには記憶を維持する効果が確かにあることが判明したわけだ。

おお、凄い! という気持ちと、本当かなぁ? という気持ちが半々くらい。「眉に唾をつけて」いる状態です。どうでもいいけど、単純にカフェインの量をとりたいなら、コーヒーより玉露のほうが良いです。

 ▼参考:「代表的な飲料に含まれるカフェイン含有量

NO種類量(ml)カフェイン
含有量(mg)
備考
1玉露150180 
2コーヒー(ドリップ)150100 
3コーヒー(インスタント)15065 
4ココア15050 
5栄養ドリンク(カフェイン入り)10050  


Nature Neuroscience」誌にこの論文(Post-study caffeine administration enhances memory consolidation in humans)が掲載されているということで、もちろんそれなりに信憑性はあるのでしょうが、だからといって鵜呑みにできない、というところもあり。

一年ほど前ですが、赤ワイン健康説に関する学術論文が真っ赤な嘘だった、みたいな話もありました。

 ▼参考:「「赤ワインは健康にいい」論文、データ捏造で米教授に懲戒解雇
米コネチカット大学(University of Connecticut)は12日、同大所属の教授について、科学専門誌11誌に発表した赤ワインの健康効果を主張する論文に100を超えるデータの改ざん・捏造があったことが明らかになったとして、懲戒解雇したと発表した。
これはまあ掲載された雑誌が「Nature」グループのものほど権威がない(だから、たぶん査読もしっかりしていない)んだろうと思いますけれど、こういう何らかの商品が爆発的に売れるきっかけになりそうな「研究成果」については、ちょっと身構えてしまいます。三大誌の権威があれば、極端な話、さらなる検証でデータは間違いだと分かりました、ということにしても、数ヶ月、場合によっては数年の間、「カフェインは頭に良いというデータがある」という風に言って売上アップを見込めるわけで。ジェックマンもこんなこと言ってますしね……(「ノーベル賞を受賞したランディ・シェックマン教授、3大科学誌に対し不満の意を示す」)。

まあ「効果があったらラッキー」くらいに考えておくのが良いのでしょうか。プラシーボ効果で思わぬ結果が得られるかもしれませんし。なんだかんだ言いましたが、「勉強」した後にはカフェインを摂取しようかと思います(笑)。

あと、コーヒーの効能や問題点については、こちらのサイトさん(「珈琲の効用(効能)と害について」) が非常にまとまった記事を書いておられます。コーヒー好きの方や、健康にご関心ある方は、お読みになると面白いかと。