月刊のほうのスピリッツで連載中のゆうきまさみ先生『でぃす×こみ』、とうとう単行本が発売されていたので買ってまいりました。

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万年選外ながら、漫画家を目指す女子高生・渡瀬かおる。しかしある日、ビッグな新人漫画賞を受賞! だが授賞式で仰天&顔面蒼白―――。それもそのはず、「あたしが描いた漫画じゃないっ!!」!!

なんと、かおるの名前を騙って、しかも“BL漫画”を応募したのは―――実の兄だった!? 

笑劇必至、ゆうきまさみの新境地!! 努力の妹×天才の兄が織りなす、凸凹漫画家コメディー!
 (小学館サイトより)

 公式サイト(1話試し読みができます)は、こちら

ゆうきまさみがBLを!?」というコピーで脚光を浴びた本作ですが、読み終わってみればゆうきまさみ先生らしい深みのあるコメディでした。

苦しんで苦しんで、それでも認められない漫画家のたまご・かおると、就活に失敗しまくる社会不適合者ながら、彼女の漫画を手伝う中で妹が「楽しそうだったから自分もやってみよう」という理由で生まれて初めて描いた漫画が賞を受賞してしまった兄・弦太郎というでこぼこコンビ。順風満帆に見える作家「渡瀬かおる」のバタバタした内側を描いています。

タイトルには、ディスコミュニケーションだけでなく(英語タイトルはDiscommunicationとなっています)、コミックへのdis、のようなニュアンスも込められているのでしょうか?

漫画が大好きでたまらないのに才能がない凡人と、その道にまるで興味がないのに誰よりも優れた天才というのは、喜劇のようでいて悲しくもあり、このあと2人がどんな壁にぶつかり、どうそれを乗り越え、最後にどんな結論を出すのか、というのがとても楽しみ。

また、ゆうきまさみ先生といえば『じゃじゃ馬グルーミンUP! 』のようなラブコメ路線が個人的にはかなり好きなのですが、今回はそれを期待できるのではないかな、と。たとえばですが、BL漫画を描く渡瀬先生の家におしかけのアシスタントやライバル少女漫画家が押し寄せて一悶着……なんて展開が目に浮かぶようです。

ストーリー的なウリとは別に、毎回4P、カラーでゆうき先生のBLっぽい漫画が載っています。そしてこの部分、「作中作のBLを描かにゃならんのだがどーやっても普段と違う絵なんて描けん」のだけど「なんとか「いつものゆうきの絵とどことなく違う」ところまで持って行けないか」ということで、他の作家さんに着色をしてもらっているそうです。そのせいか、確かに毎回雰囲気が一寸ずつ違っていて面白いですね。

1巻はまだ大きな問題もおこらず、かおるも弦太郎も現状にあわてふためいて、勢いだけで必死にいろんなことを取り繕おうとしている段階ですが、これが落ち着いてからどうなるのか。2巻を心待ちにしています。