よい子わるい子ふつうの子2(仮)

18禁PCゲームをメインに、ラノベや漫画についてもダラダラ話を書きます。長文多いです。

2017年08月

【企画】好きなエロゲを3つ挙げろ リンク集

※本記事は、2017年8月31日まで固定でトップに掲載される、企画記事です。続きを読む

【企画】「好きなエロゲを3つ挙げろ」(3)『Phantom -PHANTOM OF INFERNO-』

◆まえがき
この記事は、ブログ「それなんてえrg」(@sorenanteerg)のぐぬぬ様の発起による企画「好きなエロゲを3つ挙げろ」企画の一貫です。企画参加一覧はこちら。第一回は『僕と、僕らの夏』の記事を、第二回は『WHITE ALBUM』の記事を書きました。今回最終回ということで、予定通り『Phantom』やります。

(自分の記事一覧)
(1)『僕と、僕らの夏』(light、2002年)
(2)『White Album』(Leaf、1998年) 
(3)『Phantom -PHANTOM OF INFERNO-』(ニトロプラス、2000年)


◆第三回:『Phantom -PHANTOM OF INFERNO-』

○基本情報

『Phantom -PHANTOM OF INFERNO-』(ニトロプラス、2000年)
原画:矢野口君
シナリオ:虚淵玄
音楽:ZIZZ STUDIO、CHOIR
プロデューサー:でじたろう

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もともとはPC版の18禁ゲーム。その後さまざまに展開されて、もう数えるのもめんどくさいくらいになっているのでその辺は省略します。ニトロの処女作にして出世作で、発売当初はあまり話題にならなかったのですが、次第に口コミで面白さが伝わって「演歌CDのような」ロングセラーとなりました。そのため、発売当時より後になってからプレイした、という人が多いのではないかと思います。

ふとしたことから「暗殺者」の世界に足を踏み入れた主人公・ 吾妻玲二(あづま・れいじ)が、同じ暗殺者仲間のアインやドライ、マフィアの女幹部クロウディア、一般人……ではないけど普通の女学生・藤枝美緒らと恋に落ちたり殺し合ったりする作品。

ハードボイルド路線で、しかもこだわりは女の子より銃器、スタッフも「映画っぽいものを作りたかった」みたいなコメントを残しており、エロゲー雑誌より銃雑誌で好意的にとりあげられた、みたいな逸話が残っているあたりが当時の立ち位置を物語っているでしょうか。

この一年前にオーバーフローが設立、同時期には『PureMail』が発売。約一年後にアージュから『君が望む永遠』が発売されて、ニトロを含めた「千代田区連合」が助走をはじめていた時期です。他と違うかわったことをやろう、みたいな熱気がエロゲー界に漂っていて、なんかよくわからない、奇妙なのを通り越して奇怪な作品も多く見かけました。そういう空気の中だから生まれた、というのは違うかもしれませんけれど、ある種の傾向を代表しているところはあるのかなと思います。


○あらすじ
家族でアメリカに旅行に来ていた吾妻玲二は、偶然殺人現場を目撃してしまう。彼が目撃した殺人犯は、当時アメリカ中で話題になっていたマフィアの幹部連続殺害犯「ファントム」だった。玲二は拉致され、彼が目撃した「ファントム」の少女・アインから暗殺者としての訓練を受ける。やがて玲二は、「第二のファントム」・ツヴァイとして組織の中で確かな地位を築いていくのだった。

○レビュー
『ファントム』に対する私の「好き」は、純粋にエンターテインメント的な面白さ。これに尽きます。

たとえば、ただの一般人だった少年が、試練を経てとんでもないスーパーマンになるというサクセス・ストーリー的な面白さ。暗殺者という職業(?)への憧れ……。これはちょっと説明が必要かもしれませんが、『魔術士オーフェン』を楽しみに読んでいた世代なので、割と暗殺者に魅力を感じるのです。他には、ハードボイルドな世界観に対する世界観のもつカッコよさとか。まあそういうたぐいのものです。

中でも特筆すべきは、洗練されたキャラクター造形と、いい意味で先が見えないストーリーテリングでしょう。登場人物たちがどれも個性的で味がある。ピカレスクロマンには絶対必要な反吐が出そうな悪党から人情味のあるヤクザ屋さんまで、バリエーション豊かなキャラが出てきますが、彼らひとりひとりが自分の生き方を持っていて、発言や行動に説得力がある。「なるほどなぁ、こいつならそうする(言う)よな」と納得できるわけです。

また、セリフや行動の1つ1つが渋いというかかっこいいというか。絵になる感じですね。一枚絵が表示されなくても、そのシーンの映像が浮かんでくる。

あと、ヒロインがかわいい。えぇ……? と疑問符つける方がおられるかもしれませんが、無表情なアインが変わっていく様子は、古めかしい表現で「超萌える」し、ドライやクロウ、美緒もそれぞれの流儀で玲二に対してこだわりを見せる。さっき「萌え」って言っちゃいましたけど、実はちょっと違うのかな。なんというか、「いい女だな~」っていう感じ。男視点ではなく。ドライみたいな男キャラいたら人気爆発じゃないかと思いますよ。

そして、予想できない展開の物語。意外性があるわけではないのですが、簡単に人が死んだり裏切ったりする世界なので、誰がどう動いて話がどこに落ちるかまったく読めない。

いやまぁ、もちろん予想というか推測はできます。文字通りに予想ができないのでは単なる電波系か理不尽なゲームです。ただ、予想が当たっている確信がないからドキドキしながら読める。この楽しみは、ある種の物語の醍醐味のひとつではなかろうかと思います。そして、ストーリーの先読みができないからこそ、キャラが生きる。物語の進行のためにキャラが動かされているようなわざとらしさがなくて、キャラがそれぞれの思惑で動ききった結果が、振り返ってみると物語になっていたという、爽快な読後感が待っています。

私は、自分の中の物語の面白さというか好きの度合いの判定基準に「続きを想像したくなること」というのを設定します。自分が続きを読みたいと思えるくらいキャラが魅力的で、また続きを想像できるくらい設定がしっかりしている。そして、作品がエンディングを迎えたあとも世界は続いているんだろうな、続いていてほしいなと思わせるような余韻がある。「同人誌」というスタイルだって、物語に対するそういう種類の想像力から生まれてきたところはあるんじゃないでしょうか。

『ファントム』という作品は、そのへんバシバシ想像力を刺激してくれます。大満足。昨今の充実した演出の作品に慣れてくると、声がついていなかったりイベント絵が少なかったりというのがどうも物足りなく感じるかもしれません。ただ、いまにして思えば演出が控えめなのもよかったかな。

白黒の映画か必ずしもカラーに劣るとはいえないように、過剰に見えない/見せないことでかえって想像力が刺激され、味わい深いものが出てくる。そういう作品だったように思います。

【企画】「好きなエロゲを3つ挙げろ」(2)『WHITE ALBUM』

◆まえがき
この記事は、ブログ「それなんてえrg」(@sorenanteerg)のぐぬぬ様の発起による企画「好きなエロゲを3つ挙げろ」企画の一貫です。企画参加一覧はこちら。前回は『僕と、僕らの夏』の記事を書きました。

(自分の記事一覧)
(1)『僕と、僕らの夏』(light、2002年)
(2)『White Album』(Leaf、1998年) 
(3)『Phantom -PHANTOM OF INFERNO-』(ニトロプラス、2000年)


◆第二回:『WHITE ALBUM』

○基本情報

『WHITE ALBUM』(Leaf、1996年)
原画:ら〜・YOU(カワタヒサシ)、水無月トオル
シナリオ:原田宇陀児、青紫
音楽:石川真也、中上和英、下川直哉
公式サイト:WHITE ALBUM(18禁)

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いや、お前じゃない。交通費やるからチェンジで。


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これこれ。

『WHITE ALBUM』といえばビンタ、ビンタといえば『WHITE ALBUM』……かどうかは知りませんが、まあ有名になったシーンです。

『To Heart』でスマッシュヒットを飛ばしたLeafが送り出した恋愛ゲーム。主人公・藤井冬弥(ふじい とうや)は高校時代から付き合っている恋人にして駆け出しのアイドル・森川由綺がメインルート。由綺と同じ事務所の人気アイドル・緒方理奈や同じ大学に通う河島はるか、澤倉美咲、家庭教師先の生徒・観月マナがヒロインとして登場しています。PS3版からは追加ヒロインで如月小夜子が加わりました。

PC版、PC新パケ版、PS3版、PS3版を逆移植したPCリメイク版(綴られる冬の想い出)という4本が出ていますが、個人的にはオリジナルか新パケのPC版がオススメ。HシーンがないPS3版と2012年のリメイク版は個人的にイマイチ。ただ、ボイスついてたり、グラフィックが一新されているのとOS環境的にプレイしやすい(PCリメイク版はDMMでのDL販売もあります)んですよね……。

なお、PC版のビンタ絵はこんな感じ。

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私は結構好きなんですが、若干古めかしいでしょうか。


○あらすじ
大学生の藤井冬弥と、恋人・森川由綺。由綺がアイドルとしてブレイクしたことで、順調だった二人の関係にはすれ違いがふえ始め、それまでの「恋人」関係が変化しはじめる。

2行で終わってしまった。

○レビュー
当時から「浮気ゲー」として名を馳せた、プレイするたび胸が痛む作品。いやまあ、当時まだ若くて(いまでも若いけど)レンアイに過剰な幻想を抱いており、しかもまだ経験の浅いノービスエロゲーマーだった私には相当ハードル高かったです。ゲームを進めたい・物語を読み進めたいけど、進めるとこの由綺を裏切ったあげくフらにゃあならん、と。

いやね、由綺がクリスマスの予定とか聞いてくるのに他の女と約束入れてて嘘ついて断って悲しそうな顔されたり、なんとなく察した由綺が「他に好きな人ができたの?」みたいなこと聞いてきてそれに返答したりするところで必ずといっていいほど出るんですよ……。

選 択 肢 が よ!!!!

「好きな人がいる」とか「行けない」とか。なんじゃそりゃ。せめてもうちょっと気の利いたセリフ言わせてくれよ! ホント、何の苦行だよって感じです。まあ、選んでもその通りにセリフ喋らない某きみ○ぞの孝之くんよりマシかもしれませんけど。

あーもー、なんでこんなの選ばせるんだよ、ふざけんなよ、むりだろこれ……。とりあえずセーブしといて……。あーうぜー。ありえねー。マジ勘弁してくれー……。

てな感じで部屋の中をぐるぐる歩き回って、水飲んだりトイレ行ったりしてまたディスプレイの前に戻ってきて、頭かきむしりながら天上見上げて、マウス(当時はボールマウス)をごろごろ転がしたり指で叩いたりしながらゲームプレイ。

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こんな留守電残す彼女をね、フるわけですよ。ありえねー。ありえねー(大事なことなので二回)。

でも、理奈ちゃんとか美咲さんかわいいから転んじゃう冬弥くんの気持ちも分かるっていうか美咲さんとにゃんにゃんしたいし……。というわけで、「くやしい……でも進めちゃう」状態で全身をビクンビクン震わせながらやってた次第です。

ぶっちゃけ申しまして、このインパクトのせいで異様に心に残っているだけかもしれない疑惑。

スタートから強烈でしたからね。だいたい恋愛ゲームって「つきあうまで」を描いて、恋人になるのがゴールっていうのが当時のスタンダード(『ときメモ』が典型でしょうか)だったんですが、『白バム』はプロローグがこんな感じで始まってます。

俺に優しく笑いかけてる彼女は、森川由綺。…俺の恋人だ。高校の時からつきあいがある。始まりは…

んで、ここで選択肢ドーン! 「1.なんとなくつきあってた 2.俺が告白した 3.俺が告白された」。続けて、

そんな彼女と俺が出会ったきっかけは…

もいっちょ選択肢ドーン! 「1.席が隣だった 2.保健室に連れてってあげた 3.ノートを見せてあげた」。ただ、テキストは変わるだけでストーリー関係なしですけどね。

出会いも告白もすっとばして、同棲してるところからゲーム始まるっていうのはそれなりに衝撃的なところがありました。

もうちょっと外形的なことを言えば、Leafがブレイクしたビジュアルノベルシリーズから「ゲーム」に切り替えたんだとか(本作はランダム性の強い好感度システムが採用されていて、スケジューリングなどで試行錯誤する必要がある、いわゆる古いタイプの「恋愛SLG」に近い)、全ヒロイン攻略しても誰も傷つかないのが当たり前だった『To Heart』的な世界観を壊してきた作品だとかいうようなこともあって、それはそれで1つの記事では収まりきらないくらいの話になっちゃうとは思うのですが、ここではしません。「好き」な理由にはならないですからね。それよりは、やっぱりストレートに中身の魅力を語りたい。

さて、浮気話から入ってしまったせいで、なんかそういう特殊な心の痛みみたいなのを求めるマゾユーザー様御用達の作品みたいな感じの紹介になってしまったかもしれませんが、『白バム』のよさはそこがメインではないと思っています。

むしろ、そういうマゾいのを積極的に求めているわけではない私のような人でも思わず話を読みたくなるような女性陣と、彼女らをもってしてもなお裏切りたくないと思わせる正妻・由綺というヒロインたちの魅力。そして、その魅力を余すところなく表現したストーリー展開と、音楽を含めた演出。これがやっぱりキモじゃないかなと。

たとえば、さっき紹介した冒頭部分。これがうまい仕掛けになってる。いきなりあんたに恋人いますよーって言われても実感わかないし、たぶんみんな大して考えずに、適当にクリックするんですよたぶん。

ところが、ゲーム進めていくとだんだん由綺と付き合ってる実感がわいてくる。由綺一筋でいくにしても、他のヒロインに懸想するにしても、凄いエネルギー使って真剣にそのヒロインのことを考えて、彼女たちを「選ぶ」んです。なんか、藤崎さん狙ってたけどステが運動と容姿に寄ったんで古式さんにしよーとか適当やってた自分が恥ずかしくなったりならなかったり。そうやって物語にぐっと入り込んでいけるのは、やっぱりすごく楽しかったなァ。

個人的には美咲さんがホント好きで、彼女の葛藤とか、身を引こうと決意してもやっぱり戻ってきちゃうところとか、その後の嬉しいような切ないような反応とか、あと全身から漂う幸薄そうなオーラとか、全部ひっくるめて超愛おしい。最終盤、金網のシーンは今までプレイしてきたエロゲーの中でも屈指の名シーンだと思っています。

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そんなこんなで、ストーリーは三角関係もの・浮気ものとして目新しくもないのですが、登場人物が魅力的で、その彼女たちのことを考えてああだこうだ思い悩めるところがすごくよかったです。

あと、ちょっと目線が変わりますがテキストも好きなので触れておこう。

『白バム』は基本、冬弥くんの一人称視点で書かれていて、それ自体は珍しいことでもない。普通に冬弥くん視点で読み切れるし、感情移入してやってた1、2回目あたりは特に問題なかったんですが、途中で「あれ?」と思うところがでてきました。というのは、冬弥くんの言ってることとか解釈おかしくないか? という。

どうでもいい日常会話とかはそうでもないんですけど、肝心なところで彰(親友)に向けてる目線とか、はるかへのコメントとかが、どうもズレてるなという感じ。いわゆる鈍感系主人公みたいなわざとらしいズレかたではないのですが、事実なのかどうなのかよくわかんない、冬弥くんの解釈によって捉えられた現実が微妙に混ざってるんですね。

それがいちばん大事な出方をしていたのはたぶん、次の場面。由綺ルートのクライマックスです。

「由綺…?」
俺は勇気を出す。
「英二さんのこと…好きなの…?」
嫉妬からでも、由綺を責める気持ちからでもなかった。自分自身の、由綺への気持ちを確かめる為の(或いはとてもエゴイスティックな)問いかけだった。

由綺は俺をじっと見ている。涙の粒は、心なしかずっと小さくなったような気がする。
「判らない…」
由綺は頷いた。
「私…緒方さんのことが好きなのかなんて…。好きかも知れないし…そうじゃないかも知れない…。どうなのかなんて…」
「そう…」
それでも俺の中に、彼女を問いつめようとかいう気持ちは浮かばなかった。代わりにわずかな寂しさと、そしてさらに由綺を想う気持ちとが少しずつにじんだ。

ここの「頷いた」が引っかかるんですよ。「好きなの?」と聞かれて「判らない」なら首をふりそうなところですが、由綺は頷いています。で、現実に由綺はどういう動作をしたかはわからないんですけど、少なくとも冬弥くんはこれを「頷いた」(由綺は英二が好きだ)と解釈している。そう読むと、後も割としっくり読めたりします。

もちろん私の解釈がおかしいかもしれないし、極論ここライターさんのタイプミスかもしれないんですけどね。

ただ、現実にそういうフィルターをかけちゃう冬弥くんがどういうヤツなのかとか、そのフィルターを通して見ていたヒロインたちってフィルター取っ払ったらどうなるんだろうとか、そういうところから登場人物たち(冬弥くんも含めて)の姿が違って見えてくる。

中にずっぽり入った状態から少し距離をとったときに、また奥行きが出てくるのはテキストの力だと思います。どんどん登場人物たちに対する関心が高まっていって、1つ1つのセリフや場面をじっくり見ようという気になるんですよね。それでまた彼女らが好きになるという好サイクルが達成されていました。

と、なんだかまとまらない感じになってしまいましたが、まあ好きな作品について書くとあれもこれも書きたくなってとっちらかるのが宿命ということで勘弁してください。

明日は『Phantom』予定。今度の記事はもっとうまくやるでしょう……(フラグ)。

【企画】「好きなエロゲを3つ挙げろ」(1)『僕と、僕らの夏』

◆まえがき
ブログ「それなんてえrg」(@sorenanteerg)のぐぬぬ様の発起による企画「好きなエロゲを3つ挙げろ」に参加させて頂くことになりました。面白そうな企画に参加させていただき、たいへん光栄です。かつ、最近エロゲーのレビューをほとんど掲載していないのに恐縮です……。お声をかけてくださったお友達に感謝。

企画の主旨は、ブログ持ちのエロゲーマーが好きな作品を3つ、フリースタイルで記事にする、というお話でした。難しい思惑があると私のようないい加減な人間は参加しづらいのですが、時間的なものも含め、非常に融通の効くかたちでありがたいなという。

本記事の末尾に、参加ブログ一覧と各記事へのリンクを掲載(予定)ですので、是非そちらも御覧ください。


◆記事を書く3作品
なんだかんだプレイしてきた年数は多い中で「3本」というのはなかなか難しい。あれもあるしこれもあるし……と迷ってしまいます。『淫妖蟲』『VENUS BLOOD』『秘蹟神姫アルカナセイバー』『魔法少女イスカ』『魔法剣姫アークキャリバー』あたりからピックアップして、抜きゲー縛り触手祭り……というのも考えたのですが、単なる性癖暴露となりそうだったので脳内会議で却下。

以下の3作品を3回にわけて掲載することにしました。(もしかすると1記事で3作品想定だったのかもしれませんが、分割OKとの許可をいただいたので。筆が遅くてすみません)

(1)『僕と、僕らの夏』(light、2002年)
(2)『White Album』(Leaf、1998年) 
(3)『Phantom -PHANTOM OF INFERNO-』(ニトロプラス、2000年)

にしておきます。基準についてはしょうもない自分語り以上のものにはならないと思うので省略。もしかすると『鬼畜王ランス』(アリスソフト、1996年)か『無限煉姦』(Liquid、2011年)にどれか挿し替えるかもしれませんが、そのあたりは感触次第で。

というわけで、紹介していきます。


◆第一回:『僕と、僕らの夏』

○基本情報
『僕と、僕らの夏』(light、2002/02/01)
原画:笛
シナリオ:早狩武志
音楽:樋口秀樹
公式サイト:僕と、僕らの夏(18禁)


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…………間違えました。

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こっち正解。

作品は3本出ていて、PC版オリジナル、DC版(追加シナリオあり、Hシーンなし)、PC完全版(PC版、DC版+マージ版)。操作性・シナリオ等々の面から見て完全版以外をプレイする積極的な理由はあまりありません。

主となる話の流れは3つで、恭生と貴理が恋人になるルート、恭生と有夏が恋人になるルート、恭生が貴理にフられるルート。これに、それぞれのルートを別の登場人物の視点から見たストーリーが加わっています。

○あらすじ
主人公・古積恭生(こせき・たかお)は都会に住む少年。かつて山村留学で滞在した村が水源確保用のダム建設によってなくなると聞いて、再び村にやってきた。秋には村から住人全員が立ち退くことになっているため、これが村に滞在する最後のチャンスだ。

恭生は、留学時に友人となった同級生の原英輝、市村貴理。先輩の小川冬子らと再会する。恭生たちは、三年前に「宝物」をタイムカプセルのようにして埋めていた。彼らは村がなくなるまえに、どこに埋めたか忘れてしまったその「宝物」を掘り出すことを決める。

過去の思い出と未来の別れの間でたゆたう山村で、彼らが紡ぐひと夏の物語。

○レビュー
私が「好きな作品」と言われると、まっさきに出てくるのがこの『僕夏』。理由はずっと考えているけれど、正直はっきりとわかりません。超メジャー作品挙げるよりツウっぽいみたいな見栄があるだろうと言われりゃそうかもしれないし、貴理ちゃんとの初Hが良かったからだろうと言われればそれもあるだろうし、冬子さんがめちゃ好きだからだっていうのは確かにそうなんですけど、どれも自分の中ではしっくりこない。

まあ好きってのはそういうものだ、むしろ理由が説明できないところにほんとうの「好き」があるのだと開き直っても良いのだけれど、それじゃあ紹介にならないし、ことばにできないものがある一方でことばにしないと見えてこないものもあると思うので、手を替え品を替え、言語化に挑戦していたりします。

さて、私がこの作品から受ける最も強い印象(ひとことで作品をあらわせば……みたいな)は、「喪失」です。作品は受け取る人によってさまざまな表情を見せるから、私の印象がすべてだとは思わないけれど、似たような感じを持つ人は多いのではないでしょうか。当時から「ノスタルジック」とか「甘酸っぱい青春」みたいな、ちょっと痛みとか苦味を伴う物語だというコメントが多かったように記憶しています。

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ダムに沈む町、避けられない別れ。そういった、失われてゆくもの、もう取り戻せないものというのが全体の基調にある。何かを守って、大事なものを手に入れて……というストレートな青春の描き方ではなく、裏側からというか、失うことを通して対象への想いを表現しているのだと思います。

実際、『僕夏』は複数キャラクターの視点を通して「失恋」も描かれています。これなんかはハッピーエンドじゃないとだめ、という人からは厳しい評価になりそうですが、恭生や冬子さんの想いというのは、その喪失感によって描くのがふさわしい、あるいはそうやってしか描けない部分が確かにありました。

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そういう想いの描き方、すくい取り方がメンドクサイのは事実でしょう。ストレートに描くほうが爽快だと言われればそりゃあもうおっしゃる通り。持って回ったぶん奥深くなったとか人生の真実があるんだとか言うつもりはまったくありません。

単に、私はそういう回りくどいのが好きなんですよね。何かに届いた喜びを味わえるサクセス・ストーリーが嫌いなわけじゃないですよ。ただどっちかというと、何かに届かなかったことで浮かび上がってくる対象への思い入れ、みたいなやるせなさ・切なさのほうが「わかる」気がする。あるいは、そっちのほうも汲み取ってほしい。……あんまり成功体験を持っていないせいでしょうか。

ともあれ、恋愛とか青春とかまあそういうモノを、よかった・成功した・手に入れたという面からだけではなく「裏側」からも積極的に描いていて(※勘違いされないように言っておくと、ストレートに「も」描いています。ひたすら失うほうにばかりフィーチャーしているわけではありません)、そういうところが好きなのだと思います。

あと、ちょっと内容から離れた話をすると、展開というか構成というか、その辺が上手だったというのも大きいでしょうか。私はさっきから「喪失」だなんだと言っていますが、恭生にとって村がなくなるということへの距離感というのはとても微妙です。だって、恭生は「よそ者」ですから。

で、その距離感が、ユーザーである私にも割としっくりくるんです。私が、自分の住んでいる村がなくなる主人公だったとしたらなかなかその感覚に入り込めなかったと思うんですが、外からやってきて何となくぼんやり惜しんでいる人、というポジションは分かりやすい。そこからスタートして、村で生活している人たちの様子を見て……とやっていくうちに、彼らのことがわかってくる。各キャラクターの視点によるストーリーテリングも、そういうしっかりとした土台があるから活きているように思います。

まあ何かあんまりうまいこと言えた気はしない(いっつもそうだ)し、今更この作品をやろうかっていう人は少ないと思うのでアレですが、紹介はこんなところで。プレイしたかたおられたら、『僕夏』についてお酒のみながら一晩とか話をしたいなーというのが、ひそかな野望です。




◆企画「好きなエロゲを3つ挙げろ」参加ブログ一覧(敬称略)
 ○「相互ブログ共同企画「好きなエロゲを3つ挙げろ」
 (蒼の彼方のフォーリズム・フレラバ・サノバウィッチ)※作品名のみ
2 そこはかとなくエロゲを綴る
 ○「好きなエロゲを3つ紹介するブログ合同企画
 (神樹の館・きっと、澄み渡る朝色よりも、・SWAN SONG)
3 気がつけば複数買い。
 ○「ミッション:好きなエロゲを3つ選ぼう(合同参加企画)
 (憂ちゃんの新妻だいあり~・お兄ちゃん、右手の使用を禁止します!・プラマイウォーズ)
4 すときゃすてぃくす
 ○「好きなエロゲを3つ挙げろ すときゃすてぃくす編
 (カスタムメイド3D2・古色迷宮輪舞曲・倉野くんちのふたご事情)
5 悩むなら はじめてしまおう エロゲーマー
 ○「お題「好きなエロゲを3つ挙げろ」
 (恋春アドレセンス・カスタムメイド3D2・SWAN SONG)
6 私情主義
 ○「「好きなエロゲを3つ挙げろ…」にお呼ばれしました!
 (遺作/野々村病院の人々/グロリア)
7 Reverie Note -Egoistic-
 ○「好きなエロゲを3つ挙げる【Special】
 (パルフェ・装甲悪鬼村正・家族計画)
8 御巫祭り(改)
 ○「好きなエロゲを三つ挙げる
 (夢幻廻廊・ク・リトル・リトル・プリンセスX)
9 Ossan Gamer Diary
 ○「好きなエロゲを3つ挙げる!
 (同級生2・車輪の国、向日葵の少女・あやかしびと)
10 飢えた鼠はエロゲを噛みぬ
 ○「好きなエロゲを3つ語る記事
 (天使のいない12月・Nega0・ユメミルクスリ)
11 ジグザグパラドックス
 ○「企画『好きなエロゲを3つ挙げろ』
 (Fate/stay night・ドラクリウス・恋する少女と想いのキセキ)
 ○「【企画】好きなエロゲ3選
 (宵待姫・Dies irae・さよなら、援交娘さん。)
 ○「【企画】 アダルトPCゲームに溢れる旅情感 3選
 (祝福のカンパネラ・きっと、澄みわたる朝色よりも・カタハネ)
15 エロゲ価格相場を見守るブログ
 ○「【企画】好きなエロゲを3つ挙げる
 (SHUFFLE!・キラ☆キラ・この大空に、翼をひろげて)
16 ビビろぐ
 ○「【企画】 好きなエロゲを3つ挙げるよ
 (ななついろ★ドロップス・星空のメモリア・そして明日の世界より――)


調整不足

なんかいろいろなトラブルが相次いで、出張先の予定が狂いまくりワロリンチです。やってらんねー。

正直、この手の話はある程度事前にラインを決めておいてほしいし、奏しておいたほうが会社的にも損失でないと思うんですよね。なんでまたギリギリまで「見切り」を引き伸ばすのか。個人の動きならそれでいいんですけど、組織がそれはまずかろうという。

ネトゲーの組織的な戦闘なんかが典型で、とくにメリットもないのに予定をずるずる引き延ばしたり、行くか退くかの判断を先伸ばしにするのは全体にストレス溜まるわけですよ。特にその指示に従わざるを得ない側からすると。

と、愚痴ってみたところで何が解決するわけでもないので、まあ気持ちを切り替えてやっていきましょうかね……。 

高校野球がみられない!

出張にきてさまざま不便なことがあるのですが、高校野球が見られないのがけっこうダメージ……。今日は桐陰とか注目カード多かったのになぁ。無念。

例年、甲子園を見ながら昼からビールという生活を夏の楽しみにしていたのですが、しゃーない。

よく、高校野球は大人の都合で球児を利用して感動を演出している、みたいな批判があり、それはそれでまぁ事実なところもあるのかもしれませんが、別に「感動」というのは個人的にはあまり重要なアスペクトではないと思うんですよね。感動方面にフォーカスした熱闘甲子園とか見ないし。

高校野球がおもしろいのは、純粋にゲーム内容です。ド素人がやってるみたいな見苦しさはなく見ごたえがあり、しかしまだ未完成な部分があるので思わぬ逆転劇や白熱のシーソーゲームなどドラマチックな展開が生まれやすい。

プロ野球やメジャーリーグのような個々のプレーの完成度、レベルの高さを楽しむのとはべつに、ストーリーというかゲームの展開を楽しんでいます。それは、感動うんぬんとかとはあんまり関係ない話だと思うんですよね。べつに高校球児がやってなくても面白いだろうし。

私のまわりの高校野球ファンには、案外エモーショナルな方向には興味ない人は多いです。もちろん世の中の大勢からはそういった要望があることもわかるのですが、高校野球には感動がある、って売り文句だから誉めるがわも貶すがわもそれに乗っかって思考停止しちゃってるところがあるのかもしれませんね。 

コミケ申し込み締め切りの話。

この前終わったばかりのはずですが、C93の申し込み、絶賛期限が迫っています。

郵送は本日(16日)まで。WEBは明日17日が決算の締め切りです。

参加を考えておられるかたはご準備などお急ぎ下さい。

雨と出張

盆もまだあけていない&コミケが終わってすぐですが、ちょいと遠いところまで出張になりました。行き先を言うと身バレしそうなので言いづらいのですが、割とファーラウェーです。遠く、遠く。

面白そうな企画にお誘い頂いたりでちょっと頑張りたいなーとは思っているのですが、果たしてどのくらい向こうで時間に空きができるのか。案外余裕だったりするのかもしれませんが、まあとにかく荷物まとめないとですね……。

しかしホントに雨がうざい。夏って感じじゃないよなぁ。

寄る年波

コミケが終わりました。参加者ならびに運営スタッフのみなさま、お疲れ様でした。もうこれで、夏が終わったなぁと感慨にひたっております。

コミケ終わり、戦利品の整理でも……と思っていたのですが、過酷な(?)戦場の疲れで思うように身体が動かず、なかなか作業が進みません。昔はこういうのも頑張れたんですけど。

昨日はほとんど何も買わないつもりのはずが、気づけばがっつり買い物をして、荷物が異常に膨れ上がってしまいまして……。いやぁ、コミケの魔力って怖いですね。結局大荷物抱えてひぃひぃ言いながら帰宅し、そのまま泥のように眠りました。

聞道、今年のコミケは来場者数50万人で約3万人ほど少なかったそうで。西を1つ使えなかったぶん参加サークルが減り、そのサークル関係者が来なかったということだとしても、結構な減少ですね。まあ永遠に肥大化し続けるコンテンツというわけでもありませんから何か大変なトラブルというわけでもなさそうですが、このあたりが「ピーク」になるんでしょうか。あるいは今後、海外からの参加者がふえ続けてもっと伸びるのでしょうか……。

来年からはビッグサイトが使えなくなるということもあり、今後のコミケが注目されています。実際参加した側の感想としては、いつもとはだいぶ異なるサークル配置や列の動線、参加者の言動などを見ても、大きな分岐点にさしかかっているんだなぁという感じ。

私のような「若造」でも、自分の年齢を感じるようになるくらいコミケは続いてきたわけで、こうした大きな転換点を迎えることははじめてではありません。ここからどう変わっていくか、個人的にはちょっと不安もありつつ、楽しみです。

そういえばサークル申し込みの締め切りが近いので、そろそろやっとかないとですね。

コミケ3日目

というわけで、始発組で行ってきます。

今日はおそらく気温もあがり、東館は地獄の様相を呈すること間違い無し。あんまり大手さんにはいかない予定ですが、それでもきっついことになりそうです。ヤダナー。

参加される方は、体調面・お財布面ともに気をつけて、悔いなくコミケを終えるように頑張りましょう。体力的に今日は帰ってきたらぶっ倒れるだけだと思うので、先行投稿で。

それでは……。
《自己紹介》

エロゲーマーです。「ErogameScape -エロゲー批評空間-」様でレビューを投稿中。新着レビューのページは以下。
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