よい子わるい子ふつうの子2(仮)

18禁PCゲームをメインに、ラノベや漫画についてもダラダラ話を書きます。長文多いです。

2015年03月

名刺交換キャッチセールスの季節

3月は去るとはよく言ったもので、寒いなぁと思っていたらあっというまに春の陽気を通り越し初夏かと思うほどの暑さになり、桜の花が咲き乱れ、大きめの制服を着て花びらの舞う校庭でバックから青姦 クラス替えや配置転換、新入生やら新入社員が入ってくる4月を迎えようとしています。

新たな門出の時期ということで私もさわやかな気持ちで日々を送りたいのですが、そんな気分に水を差してくる人たちがいます。

いわゆる「名刺交換してください」軍団(仮称)です。

いかにもなフレッシュマンスーツに身を包んだ若い男女が、「わたくし、○○と申すものですが会社の研修で名刺交換をしてくるように言われておりまして……。お手数でなければお名刺を交換していただけませんか」と声をかけてくる。「いま忙しいので」というと、「ほんの少しの時間で良いんです。ちゃんと成績を残さないと怒られるので……」などと食い下がってきます。数日前にJR有楽町で。昨日は東京駅で。今日は品川駅で、今月に入ってから3度遭遇しました。(名刺交換なので、スーツを着ている人間狙い撃ちで声をかけているんだと思います)

ほんとうにそういう研修をさせられている新人さんもいるのかもしれませんが、多くの場合彼らに名刺を渡すと、電話で「押し売り」をされます。そういうタイプのキャッチセールス。いくらか亜種の話も聞きますが、多くの場合不動産関係、特にマンションの購入などを薦めてくるようです。それも、ひっきりなしに電話をかけてきて、最悪職場に突撃するとまで言ってくるのだとか。ほとんど犯罪(宅地建物取引業法違反)です。(実際に自分が名刺を渡したわけではないので伝聞ですが)

実際東京駅構内には、注意を喚起する掲示がしてあります。人多すぎて見られないような位置にですけど。あと書き方がすげーわかりにくい。

ネットでも、ずいぶん昔からこの手の話は多数あがっておりまして、たとえばこんな感じ。

 ▼「名刺交換の研修を装ったキャッチセールス?」(Yahoo!知恵袋) ※2010年頃の話
 ▼「「名刺交換してください」街中のさわやか新入社員にご注意」 (NAVERまとめ) ※昨年4月頃の話から
 ▼「新人研修の一環で名刺交換、応じたら営業電話がかかってきた」(IRORIO) ※昨年10月頃

街頭で新人教育のために名刺を集めさせる手法は、名刺集めのノルマを達成しないと帰社できないようなブラック企業でなくても実践している会社はあるようで、特に不動産関係に多いらしい。

国民生活センターによると、名刺を集めること自体が問題ではなく、マンションなどの販売・勧誘などにおいて「相手を威迫したり、電話による長時間の勧誘で相手を困惑させたりする行為」は宅地建物取引業法で規制・禁止されており、冒頭の投稿者が勧誘電話を「しつこく粘られた」とする悪質な勧誘こそが問題。 (IRORIOより)

気の毒に思って名刺を渡した……というと美談のように聞こえますが、上記サイトにも書かれている通り、「残念ながら名刺を街頭で渡してしまう側の方が不用意」です。「ビジネスで使う物とはいえ、個人情報も記載された名刺は、見知らぬ人との交換には応じない方が身のため」というのはもっともでしょう。

とくに新社会人の人は肝に銘じておいてください。名刺を作ったばかりの頃はついいろんな人に配りたくなるかもしれませんが、ほんとうに信頼できる人にしか配らないほうがいいです。私はそうしています。その結果裏切られたと思ったこともありますが、それは自分の見る目がなかったとあきらめもつきますからね。とりあえず名刺を渡す人というのを限られた範囲にしておけば被害は最小限に抑えられるし、また問題がおきたときも解決しやすい(少なくとも原因元くらいは判明しやすい)ものです。

こんな不信感のせいで若い人を応援できないというのには忸怩たる思いもありますが、やはり心を鬼にして断るか、どうしてもという心優しい人がもしいらっしゃれば連絡先も電話番号も書いていない専用の名刺でも作っておくといいんじゃないでしょうか。たぶん、どっちか書いてくれって言われると思いますけど。それ言ってきたらほぼキャッチ確定なのでスルー。言ってこなければ新人さんのノルマ達成に一役買えるというすばらしい解決策! ……そんな面倒なこと私はしませんけど。

あと、もし会社でそういう「新人研修」をやっている企業があれば、おせっかいながらやめておいたほうがいいと進言したいところです。「押し売り」行為をするつもりはなくても、そういうことをしている人たちがいてそいつらと間違われるというのは新社会人のいじめにはなっても教育にはならないでしょう。是非、若い力をもっと建設的なことに使ってあげて下さい。

戦略としての「マナー」

先日のエロゲーの日、発売日イベントのために並んでいると、近くを通りかかった女性の集団が「何これ? 何の列?」「あれだよ、オタクのイベント」みたいな会話をしているのが耳に入ってきました。で、無料配布のビラとクリアファイルをチラ見して、「キモーw」「オモテでやらないでほしいよね」という感想を漏らしていた。

喧嘩売られてるな、と正直思いました。

私はエロゲーが好きです。だから、よく知りもしないでエロゲーをバカにされるのは納得がいかない。いや、知ってて言われるのもアレですけど、知っていればそう頭ごなしに、一言のもとに却下するような態度はとれないだろうと思う。まあだから、上のようなテンプレ的「知りもしない人」にはぶっちゃけカチンと来ます。お前らに人の好きなモノをとやかく言われたくないわい、と。エロゲーマーがキモいとか、私個人がキモいとかそういう話ならまあ甘んじて受けいれるにしても、エロゲーをバカにするな、と。

ただ同時に、エロゲーマー側にもまったく責任がないかというとそういうわけではないだろうとも思います。責任とかいうとなにか大きな話になりそうですから何か別のことばがないかな……。う~ん、戦略というか。要は、エロゲーマーを見てエロゲーを敬遠する人がいるのだとしたら、そういう事態を招くような態度をとらないということに最低限の気を使ってもいいのではないか、という話。

たとえば、えっちな絵の描いてあるポスターやチラシをそのままぶらさげて街中を歩く人、レシートや紙袋をその辺にポイ捨てしている人や、友達同士で盛り上がりながら道幅いっぱいに広がって歩きときどき奇声を発している集団、道端で堂々とパッケージをあけて中身を出している猛者……等々を当日見かけたわけですが、そういう態度が非常識ととられ、そういう非常識な人たちが好んでいるコンテンツは気持ち悪い、あるいはそのコンテンツにハマると非常識な人間になる、という風にとられるということはあるのではないでしょうか。

(恥ずかしい話ですが、こういうことを書いている自分もまた、きちんとした態度がとれているかというと自信はありません。どころか明らかにダメ判定です。写真撮影をお願いする際にはどうしても通行のじゃまになりますし、レシートを空き缶用のゴミ箱に捨てたりもしますし、いただいたビラもその場ですぐにしまわず、少し離れたところでケースに入れたりしていますから。自戒も込めて、ですね)

実際にはコンテンツ享受者の人間性やら何やらとそのコンテンツの内容はそんな直接関係するものではありません。それこそ「残酷なゲームをすると犯罪者になる」みたいなトンデモ理論と似たり寄ったり。また、オタク特有の行為というわけでもないはず。有楽町あたりのセレブな繁華街に行っても別にそこの客層が秋葉原のオタクたちと本質的に違う行動をとっているようには見えません。新宿なんかもっと酷い。

その「誤解」あるいは「偏見」はおいおい解いていかねばならないしいずれは戦うべき相手であるとしても、しかし、オタクの姿というのが異質に見えて感情的に拒絶したくなるのも分からなくはない気がします。エロゲーの日にはいませんでしたけど、全身に缶バッジを身につけ、キャラクターの絵の描かれた服をまとった人が歩いていたら、私だってぎょっとするでしょう。

東京都の健全育成保護条例やら何やらで締め付けが厳しくなっている昨今、むやみに敵対関係を続けてもこちらにとって「得」はありません。迎合するのではなく、むしろそういうことを言う相手に堂々ともの申すことができるだけの準備を整えておく必要もあるのではないか。変な人たちが謂われのない誹謗中傷をしてきたときに、「いや、私たちはきちんとしてますよ」と言えるのは大きな武器ではないかと思うのです。

コミケ帰りの人たちの「いかがわしい袋」事件にしてもそうですが、コンテンツの内容をよく知らない人というのは、とかく目に見える部分、見た目の印象で判断します。そして悲しいかな、そういう人が大多数であり、その大多数の声というのが影響力を持つのも事実です。それなら、そういう層が味方につくように無理のない範囲で「品行方正」にすることの意味は大きい。

たとえばゴミを捨てないとか通行の邪魔になるべくならないようにするとか、エロい絵のペーパーなんかはすぐ鞄にしまうようにするとか、そういう部分って私たちエロゲーマーの活動の本質にはあんまり関わらないところだと思うんですよね。でかい看板を展示するなと言われると困りますからそこは戦うけど、ちょっとした行動とかに気をつけていれば一般の人から見てお行儀よく見えて心証がよくなるというのなら、やらない手はない。少なくとも手を抜いて敵対される要素を増やすよりはよほどマシではないかと。

むろんそういう態度がズルズル譲歩と迎合につながって、事実上の自主規制とかに発展していくのは問題でしょうからそれはそれで考えなければなりませんが。

実際、オタクたちが非常にマナーよく振る舞うことで、いわゆる「聖地」の地元の人たちから快く受け入れられ、外の人間が「キモい」みたいなことを言ったときに地元から擁護の声があがったという話もあります。それと較べ、列が車の通行を邪魔し、大量の荷物を抱えた人間が周囲を見ずに走って一般歩行者とぶつかり……といういまの秋葉原で、果たしてエロゲーマーがそんな風に受け入れてもらえているか。たぶんムリだろうなぁと思う。

繰り返しになりますが、いま言った程度のこと――ほんとうにちょっとしたマナーとか良識程度のこと――に気をつけることで印象が良くなり、攻撃の矛先が鈍るというなら安いもんでしょう。ほんとうに譲れないラインを守るために、戦略的な、あるいは政治的な立ち回りというのも求められるんじゃないかなと思う。少なくとも私は気をつけていくつもりです。

月末エロゲーの日(2015年3月)の話。

ちょっと遅くなりましたが、月末エロゲーの日の話。

今月は注目作が多かったこともあり、朝から秋葉原は大賑わいでした。ソフマップさんも10時前OPEN。ただし、レジは4F、5F、6Fの3フロアーのみ。私はほぼ全ての予約をソフマップ1号館で予約していたので、9時前に列に並びます。

10時15分頃には受け取りを済ませ、そのまま発売日イベントへ。この日は、『シロガネスピリッツ!』、『ゆきこいめると』、『11月のアルカディア』の3タイトルが抽選サイン会を実施しており、どれか1つくらい引っかかるといいな~。ダメだったら『アルカディア』だけは複数買いしよう、というつもりでおりました。

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1号館前のサイン会告知ボード。この日は1号館前のイベントは撮影禁止で、これはOKをもらえた。

まず、1号館前の『花咲ワークスプリング』イベント会場へ。抽選で複製サイン色紙をはじめさまざまなグッズが当たるというものだったのですが……。

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余裕でハズレ。幸先悪いです。ちなみに『花咲ワークスプリング』はアミューズメント館前でもまったく同じ内容のイベントを開催しており、そっちは並ばずにクジをひけたけど1号館前のほうは結構な人数が並んでいて、10分待ちくらいの状態が長い間続いていました。私も結構待ち時間とられたんで、正直アミュのほう行けばよかったです……。

続いて、お隣の『ゆきこいめると』へ。三角クジを気合入れてドロー! 結果、みごとに「あたり」を引いてサイン会の権利をゲットします。やったぜ!

悪い流れを断ち切ったという確信のもと、本命『11月のアルカディア』サイン会抽選へ。こちらは棒クジ。指運にまかせて引き抜くと、赤いマークが入っていました。どうやらこちらも当選。

こりゃあ今日はツイてるかもしれん。この運気逃すべからず。急いでアミューズメント館のほうへ移動し、『シロガネスピリッツ!』のクジも引いたところ、これも赤棒を引き当てることができました。

まさかまさかの3イベント全当選。時間的にはアルカディアが12時から、ゆきこいが13時半から、シロガネが15時からという飛び石タイミングというか、非常に中途半端な時間のあき方のせいで他の予定をこなすことができず都合5時間近く秋葉原に釘付けになるという厳しいスケジュールになったのですが、まあ嬉しい悲鳴というやつです。

というわけで頂いた貴重な品々をずらり。まず『11月のアルカディア』。

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CCCPO先生(すりーしーぴーおー、とお読みするのだそうで、恥ずかしながら初めて知りました)と早川ハルイ先生のサイン。早川先生は同日発売の『Golden Marriage』でも原画をしておられて、なかなか凄いスケジュールだったんじゃないかと想像します。雑誌のインタビュー等では、『アルカディア』のほうは原画オーディションのようなかたちで応募して参加する運びになったとか。動きのある絵がお好きというだけあって躍動感あふれるキャラが魅力的で、プレイが非常に楽しみです。個人的には今月発売作品のナンバーワン注目作。

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続いて、『ゆきこいめると』、ななかまい先生。こっちは本名記名必須だったので黒塗りにしてあります。日付を「3.28」と書いておられたので、「センセー、今日は27です!」と思わずツッコミを入れてしまったところ、「どーしよう、前の人ぜんぶ28って書いちゃった!」と衝撃発言。一応その日の記念ということで記録しておきたいところもあったので、「もし可能なら27に訂正してくださいませんか」とお願いしたところ、「7です!!」という文字が下に。二重線引っ張って訂正かなと思っていたら、予想外に面白い色紙になりました。余計なお時間とお手間をとらせたので喜んだらいけないのかもしれませんが、良い記念になりました。ありがとうございました。

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ラスト、きのこのみ先生。Kino先生とKonomi先生のお二人それぞれからサインをいただけました。同人界で精力的に活動しておられることもあってか、集まったファンも歴戦の勇者という感じの方が多く、差し入れとかお花とか渡しておられました。丁寧に対応&サインしていただいて感謝です。大事にいたします。

という感じ。先生方、ほんとうにありがとうございました。作品のほうも心してプレイさせていただきます。

さて、話は発売日イベントの方に戻ります。

他には『戦極姫6』の抽選会にも参加しましたが、こちらはハズレ。無念……。サイン会のほう全部当選で、グッズ系のクジは全部ハズレという結果になりました。

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アミュ館前、『戦極姫6』、『パニカル☆コンフュージョン』、『Golden Marriage』などの購入者配布会会場。声優の蓬かすみさんもいらしてました。『クロノクロック』の予約者引き換えなどもここで行われていたので、ひっきりなしに人が来ていました。撮影OKしていただいたのでシャッター切ったらタイミング悪すぎてこんな感じになっちゃったのですが(ホントすみません……)、人多すぎでリトライとか言い出せなかったので、様子を伝える一枚はこれで。

アミュ館前のほうは基本どこも撮影OKだったのでパシャパシャ撮らせていただいたのですが、どこもレイヤーさんが多くて、私完全にレイヤーマニアだけどちゃんとしたカメラ持ってないうえに撮影技術もロクにない、ダメなカメコさん状態ですね、これ。

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順番に、『D.C.II』、『姉小路直子と銀色の死神』、『花咲ワークスプリング』、『シロガネスピリッツ!』のイベント会場です。一応「ブース」の撮影が目的なんですよ、ホント。ただ、やっぱりレイヤーさんにポーズしていただくと、そちらにカメラが向いてしまうというか……。

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この通り、ブースの様子もきちんと撮らせてもらってます。ほんとだよ。

ともあれ長時間立ちんぼうで配布を行ってくれているスタッフ&レイヤーのみなさま、ホントいつもありがとうございます。

あとは回収しそこねていた『ぜったい征服☆学園結社パニャニャンダー!!』のイラストカードとかもらいに1号館のほうに戻ったのですが、そのときプロメテウスさんの新作『恋と魔法と管理人』の予約者引き換えイラストカードも貰ってびっくり。

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龍牙翔先生の直筆サイン入ってました……。ビラ大量にあったけど、全部サイン書かれたんでしょうか。販促のためとはいえ、ホント頭が下がります。腱鞘炎とかならないようくれぐれもご自愛下さい。

というわけで、だいたいこんな感じ。

今月は結局大小含めて11本買ってしまい、時間とお財布の状態に汲々としています。4月は更に酷いことになりそうなので、それまでに何とかある程度見通しを良くしておかないとダメですね。がんばろう……。

イベントレポート:『なないろリンカネーション完全ファイル』発売記念イベントに行ってきた話。

本日はコミケットスペシャル1日目……だったのですが私は不参加。

かわりにというわけではありませんが、シルキーズプラスさん主催で夕方から行われた 『なないろリンカネーション完全ファイル』の発売日記念イベントに参加してまいりました。場所は、新宿のスペーススタジオ。

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 ▼「なないろリンカネーション完全ファイル発売決定!」(シルキーズプラス) 

Tさんは昨日の秋葉原エロゲーの日イベントでクリアファイルを配っているのを拝見しましたが、広報のたまさんは大阪におられたようで……。とんぼ返りしての本日のイベント開催、お疲れさまです。

『ななリン』のビジュアルファンブックはスタッフコメントとかお蔵出しの絵とか見られるかな~というあたりで正直結構楽しみにしていました。聞くところによると雑誌掲載の版権絵やアンケート回答者へのお礼CGなんかも含めた『ななリン』関連のイラストは全て収録されているということでしたし、パラパラとめくっていたのですが、すめらぎ琥珀先生へのQ&Aとか、かずきふみ先生へのロングインタビューとかもあって期待に応えてくれそう。これからじっくりと楽しみたいと思います。(本の最後にはちゃっかり、A5和牛の新作『根雪の幻影』のCMも入っていました。「愛欲のサスペンスAVG」なんだ……)

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なお、店舗特典があってメロンブックスさんはアイリス、とらのあなさんが小鳥、げっちゅ屋さんが由美。私はメロンで買いました。このアイリスから漂う犯罪臭。これはいいものだ。゚+.(・∀・)゚+.゚。 同梱のドラマCDには真くん(主人公)の声も入っているということで、ドキドキです。

『ななリン』は去年プレイしたエロゲーの中でもかなり好感触だった作品の1つで、終わった後もこうして触れる機会があるのは嬉しいし、そこに労力を傾ける甲斐のある作品だと思っています。

まああとわたくしごとですが、批評空間さんに投稿した感想が妙に反響あって、ブログ経由のメールで2通ほど「感想よかったです」(要約)的なことを言っていただいたりして、恐縮してます。うちのブログの閲覧数からすると2通ってかなり多いんですよね……。めったに来ないから気付かずに2ヶ月くらい放置してたという。その節はホントすみませんでしたOTL。今更ですがこっちでもお詫び。

私としては自分の感想はあくまで作品の一部分を自分で切り取ったものでしかなくて、感想に良いところがあったんだとすればそれは作品の力あってのことだと思っているし、しかも借り物の知識や話を継ぎ接ぎして書いたような感想なので自分の手柄のように言われると微妙な感もあるのですが、自分の感じた面白さが何らかのかたちで別の誰かに伝わっていたのならそれはそれで嬉しいことだなとも思うのです。そんなわけで、ゲームのユーザーとしてはもちろん、レビューとかを書いてる身としても印象に残ってる作品なのでした。

と、話をイベントに戻しまして、17時スタートということで、17時ちょっとすぎにお友達と会場へ。レンタルスペースとなっていましたが、地下にあるライブハウスっぽいつくりのところでした。「『泣ける成年向け』と話題のPCゲーム」なるコピーフレーズは分からんでもないけど、文字にすると途端に安っぽく感じるのは気のせいでしょうか(笑)。

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中には他のお友達も来ていらして、そのまま合流。打ち合わせたわけでもないのにこのイベントに集まってるあたりさすがという感じがします。

入り口で整理券を受け取り、まずはすめらぎ先生のサインをいただく流れ。

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冊子をひらいた右側にこんな感じで。なお、本日のすめらぎ先生はまさかの和服。お綺麗というかアホみたいに似合ってました。桔梗さんのイメージだったんでしょうか。あと、いつもおられる小鳥ちゃんのレイヤーさんも横に控えておられて、薄暗い店内ですがそこだけ明るく輝いて見えました。……いや、実際ライトがあたってたような気もします。

内部は撮影禁止なので様子をお届けできませんが、『ななリン』イラストのジークレー展もあり、数は少ないながらも見映えのするイラストが数点展示されていました。見たことないのがある! と思ったら雑誌掲載のヤツ。しかし、コトリンばっかりで梓さんがないぞ。・゚・(ノД`)・゚・。

17時~18時は、シルプラ広報のたまさんとTさんのトーク。ニコ生の影響などもあるのか、トークがだんだん軽妙になってきてる気がします。個人的にはもうちょっと溺れ芸(あっぷあっぷしてる感じ)気味のほうが好きなのですが……。いつも思うのですが、スタッフの方が『ななリン』を好きなんだなというのが伝わってくる内容なのが良いです。作品の面白さそのものとはあんまり関係ないのかもしれませんが、やっぱり、作り手が好きなもののほうが、ユーザーとしても好きになりやすい気がしますし。

18時からはお待ちかね、ムーサン・ベリーさんのミニライブ。

今回は以下のような曲順でした。

 1.リンカネーション
 2.Day Dreamer
 3.満月にて
 4.Fictional love
 5.Your ray send me
 (アンコール)
 6.題名のない歌

題名のない歌は「題名のない歌」というタイトルなのではなく、ほんとうに題名がないので曲名書けないのです。前回のCD発売記念ライブに続いて二度目でしたが、ホントに良い曲、良い歌詞ですね……。CD化されないかな~。

相変わらず美しい歌声とゆるふわ系のトークを堪能しました。が、しかし、そろそろ新しい曲も聴きたいな~とか思いはじめる贅沢マインド。その辺期待してますよ! (チラチラッ)

イベント自体は20時まであったのですが、19時のライブ終了をもってひとくぎりついたので撤退。最後まで居られませんでしたが、楽しい時間を過ごすことができました。

私が離脱するときには、50人以上のお客さんがいたと思います。お友達の1人曰く、この日程の新宿でこれだけ集まるのはかなり凄いんじゃないかと。なるほど言われてみればそうかもしれません。

今回のドラマCDをもって、ななリンの展開は一段落ということになるのでしょうか。もしかしたら続編とかFDがあるかな~という期待もあったのですが、そういう発表は残念ながらありませんでした。帰り道で合流したお友達と話していて、みんな言ってたのが「あの終わりは続編を期待させるよね」ということ。私もこれには同意で、あの余韻は「終わり」の余韻というより、次に繋がっていく感じの余韻だったよなぁ、と。

「加賀美探偵事務所」みたいなシリーズにしてほしいというのは贅沢かもしれませんが、あのメンバーでもう一度大きな話をやってほしいというのはあります。「なないろ」が7人の暗示だとすれば、そのうち4人しかスポットあたってないですし。 2年、3年待たされても良いので企画してほしいなぁという思いがあり。こういうのはメールとかで要望送ればいいんですかね(笑)。

ともあれ、シルキーズプラスの皆さん、ムーサン・ベリーさん、すめらぎ琥珀先生、ありがとうございました。また次回作を心待ちにしています。 

新社会人とか新大学生の選ぶ靴の話。

先日の記事でシェットランドフォックスに関する質問を掲載した時点でなんか予想ついてた人もいるなじゃいかと思うのですが、4月からの式典だのなんだのでちょっとフォーマルな靴が必要になり、いいのないかなーと思って探していました。

同じように、4月から新社会人、あるいは大学生……のような方もおられるのではないでしょうか。そういうとき、「靴」って結構気になりません? みんなどうしてるんだろうって。私は、自分が入学式や卒業式のときに靴を買いましたが、いまになってその靴は「全然外してる」靴だったことがわかって頭を抱えていたりします。外してるというのは、卒業式で使っちゃダメだとかそういうわけではないのですが、もっと堅苦しい他の式典なんかに行くにはフォーマル度がたりないとみなされる、というパターンです。ちゃんと考えて買っておけばよかったと後悔しまくるんですよね。安い買い物じゃないし。それに、見る人は見ていますので、就活やエライところへの営業なんかのときには念のため「礼儀は分かってますよ」というアピールをしておいて損はありません。

そこで、「最初の1足」を選ぶときの話を、何かの参考になればということで今回の私の購入体験を踏まえながらダラダラ書いてみたいと思います。まず基本としておさえておきたいのが次のこと

 【色】 [フォーマル]  黒 → 焦げ茶(ダークブラウン) → ブラウン → カーキー → その他 [カジュアル]
 【形】 ノーズが長い、とんがっている、やたら丸い、というのはカジュアルより
 【チップ】 [フォーマル] ストレートチップ → プレーントゥ → その他 [カジュアル]
 【デザイン】 内羽根がフォーマル。外羽根やメダリオンがつくとカジュアル。
 【甲材】 革がフォーマル
 【底材】 革がフォーマル
 【手入】 冠婚や式典の際は光らせる。葬儀の場合は光らせない(準備をしてきたとみなされる)。法要は光らせてOK
 
さて、いまの私はその辺の知識、最低限は仕入れたので目的をもって選びに行きました。式典用ですから、当然黒の内羽根ストレートチップです。いま、黒のストレートチプでないとダメ、恥ずかしい、みたいなこという人は減りましたが、それでも長い社会人生活、1年に何回かはそういうのに遭遇します。(堅苦しい式典の場合、靴のかたちとかデザイン、あげく底材にまでマナーというのがあるらしい。ホントうざいです)

見た目だけその場で取り繕うためだけに最悪その辺のホームセンターで買ってきてもいいんですが、ホームセンターのに1万5000円出すくらいならちゃんとしたのを30000円~40000円で買えないかと思いまして。正直、良い革靴とか履いたことなかったんで若い頃は「靴なんてぜんぶ同じだろ」くらいの気持ちでいたんですが、30代に入ってシェットランドフォックスの靴買った時、衝撃を受けました。歩き方とか歩く負担とかが全然違うんですよ。靴でこんなに歩くのが楽になるのか、と。以来、仕事で使うような長時間履く靴はちゃんとしたお店のをじっくり選んで買うようにしています。

逆に、どうせ冠婚葬祭なんてそんなにあるわけでもないし、こだわらなくていいやという人は、8000~10000円の、それなりにフォーマルな靴でじゅうぶん。実際、足元をそこまで丁寧に見てる人ほとんどいないですしね。

と、話がズレました。私の買い物の話続けます。折しもちょうど決算期ですし何かあるんじゃないかと。そういえば有楽町の阪急メンズ館が「JALAN SRIWIJAWA」(ジャラン・スリウァヤ)のフェアをやるとか言ってたなというのを思い出し、ぶらりと見に行ってきました。フェアというのは別に安くなる(セール)ではなく、いつもよりいろんなカラーや木型の靴が展開されているという感じです。まあ、黒のストレートチップなんかフェアだろうがフェアじゃなかろうがおいてあるので、私には関係無いことでした。

 ▼「JALAN SRIWIJAWA(ジャラン スリウァヤ) - BOQ」 

ジャラン・スリウァヤ。 聞いたことのないメーカーだという人も多いのではないでしょうか。名前からなんとなくイメージできるとおり、インドネシアの靴メーカーです。最近日本でかなり展開してきており、Amazonとかでも購入できるようになっていたはず。

インドネシアと聞くと、クオリティーは大丈夫なの? と思われそうですが、その考えは捨ててOK。凄くクオリティーはたかい。ヨーロッパの高級ブランド靴と遜色ないし、実際メゾン系(オフィスなどの高級衣装)ブランドのOEMを手がけていることからも、折り紙つきの技術力があることがわかります。

なぜインドネシアにこんな工場ができたかというと、もともとインドネシアは軍靴をつくる産業が盛んで、この工場もそういうものの1つだったそうです。しかし経営者のルッディ氏は平和の時代に軍靴は要らないということで、イギリスへ修行に行って紳士靴の製法を学び、その技術を持ち帰って自国に根付かせたハウスブランド。人件費が非常に安いことを活かして、手間のかかるハンドソールウェルテッド(機械の使用を極力おさえたグッドイヤーウェルテッド製法)で丁寧に靴を仕上げているそうです。

素材(革)もこだわったものを使っており、フランス・デュプイやアノネイのカーフを使っていて、日本でいえばスコッチグレインやシェットランドフォックスの最高級品と遜色のない革質を楽しめます。もちろん革のグレードが多少違うとかそういうことはありますが、基本的に「良い革」であることは間違いありません。

つまり、良い素材を使って良い技術で丁寧に作られた製品なわけです。

よく言われるのが、「ジャランの3万台の靴は、他だと6万はする」みたいなこと。これはジャランが安すぎるとか他が高すぎるという話というよりは、製造プロセスの問題です。

インドネシアは日本との貿易で関税がかからないので、ものが非常に安く入る。また、職人の工賃が安い。これはもう恐ろしく安いそうです。日本の職人さんはこの手の仕事ができる人が限られており、あちこちから引っ張りだこなのでとにかく工賃が上がりやすい。イギリスなんてもっと酷いようです。インドネシアでは、物価の違いもあって、それこそ「1/10とか1/20とかの値段で済む」と店員さんがおっしゃっていました。まあ百貨店の店員さんですから価格が正確かどうかは知りませんけれど、だいぶ差があるんだろうなというのは解ります。

あとは形の問題ですかね。ジャランの靴は割と「イギリスっぽい」です。と、店員さんに言われて何やらわからなかったのですが、イタリアやスペインの靴というのはノーズ(靴の先端)部分が尖っていたり、妙に長い、ファッショナブルなものが多いようです。いっぽうイギリスのはやや丸みを帯びて、ノーズも短い。土踏まずのところにツイストが入っていたりという細かい工夫はありますが、かなりオーソドックスな革靴というイメージです。

おしゃれ感を求める人には物足りないのではないかと思われますが、今回の私のようにフォーマルな靴を探していた人間にとっては渡りに船。いくつかあるシリーズの中で、いちばんかかとの締め付けが強い木型のものを購入しました。

リーガル系(シェットランドフォックスとか)の靴を履いていると忘れがちなのですが、海外の革靴というのはどうもかかとの部分が甘いというか、変な形にねじれて歩く度にカパカパ横が開くんですよね。あれが凄く気になるタチでして、できればかかとを密着させたいなぁと。かかとが浮きやすいと、地面にかかとがスレるので減りも早くなるし、空気が入ってきてニオイ菌も繁殖しやすくなるそうですし。

モデルによって28000~35000くらいで値段の幅があったのですが、これはクオリティの違いではなく、高いのは新しくデザインされた型だからまだ量産体制ができておらず高くなっているだけ、ということでした。

結局、いちばん無難な黒のストレートチップをふつうに購入して帰宅。フォーマルな場ではゴム底ダメというところもあるので(ホントにごくごく稀にですが)、念のため革底のタイプ。ほんとはゴムのほうが保ちがよさそうなんですけどね~。店員さんも、ゴム底のほうが分厚いし雨に強いしで良いと思う、というお話だったし。あと、黒は法要に履いていく場合もあるので、あまり光らせないほうがいいかなと、メンテナンスもクリームを塗りこむだけにとどめました。(磨きはしなかった)

昨日一日履いてみたところ、まあ履きやすいです。びっくりした。

リーガルはともかく、シェットランドフォックスの靴なんかは最初1ヶ月くらい痛くて履けないというか、一度なんか足の親指の皮がめくれて靴下が血塗れになってたこととかあったくらいですが、ジャランの靴は全体を締め付けつつも内部に適度な「遊び」があって、靴に窮屈さを感じません。底材のコルクがまだ落ちきっていないので、歩くと若干浮いている感じがありますが、しばらくしてコルクが私の足の形に落ち込んできたら、もっとフィット感がでるんじゃないでしょうか。

ただ、シェットランドフォックスの靴に感じたような、足をぐるっと包み込むような感じはありません。まだ足に引っ掛けているという感じがする。かかともやはり浮きますし、そこはシェットランドに軍配かな。やっぱ国内でも最高峰の靴ですしね。あれもインポートだったらヘタすれば桁が1つ上がる靴とか言われてますから。

シェットランドの靴の良さは、クオリティ面もさることながら、国内メーカーだからこそできる手厚いサポートです。どれも、靴を履きこんで、10年、20年と使い続ける中で意味のでてくる良さだと思う。ファッションとしての靴よりは、流行をあまり考えなくて良いビジネス用の靴と考えて、長く使う1足を選ぶなら私はシェットランドを推します。いや、他にもいろんな国内の靴メーカーありますからそこでもいいと思うけど、リーガルが一番日本人に広く知られてる感じがしたので、代表例としてシェットランド(リーガルのハイブランド)を挙げただけです。

ジャランの靴は、今回フォーマルのを買っちゃいましたけど、お値段的にも手頃だし、それでいて本格的な革靴だしということで、入門編として買ってお手入れとかいろいろしてみるといいんじゃないかなーと思います。はじめは凄い硬いソールが少しずつ柔らかくなっていく感覚とか、コルクが沈んで自分の足にあった靴に変身していく様子とか、見ていて楽しいですし。

他にこの価格帯でちゃんとした革靴となると、バーウィックとかかなぁ。ちょっと硬いんでなれるのに時間がかかるんですけどね。スペインのメーカーです。これも今見たらAmazonで買えそう。スペインだとヤンコもあるけど、お店で見るとフォルムやカラーリングが独特で個人的には使いづらそう。履いたことないからわかんないし。でも、ドレッシーなデザインが気に入ればアリかと思います。ただ、2万円台前半なら日本製の「Queen Classico」も良いと思う。

社会人1年目を迎える、という方もおられるでしょうから、その中で革靴とかしっかりしたのを……と考えている人がいたら、 ジャラン・スリウァヤを筆頭に、いま挙げたような靴はなかなか良いチョイスになるんじゃないかと思います。

操作のスピード

PC98時代のクセなのか何なのか、私は基本的にマウス操作よりキーボード操作を優先するクセがあります。カーソルの移動もTABやショートカットキー使ったりとか。エロゲーやるときも、ゲーミングマウスのボタンよりキーボードのほうにショートカット割り振って操作することが多い。

それが効率的だと思っていたのですが、なんか案外そうでもないらしいという実験結果があるそうで……。

 ▼「ショートカットキーはマウスより遅い」(WirelessWire NEWS) 

 しかし、実際にはショートカットキーを使用すると、マウスでメニューから「編集」「ペースト」を選ぶよりも平均2秒も遅いのです。

 「そんなバカな」

 と思いますよね。
 しかし、これはTogことブルース・トグナッツィーニがAppleでMacintoshの開発を担当した際に行った膨大な実験の結果、解ったことなのだそうです。

ホントかよ……? トグナッツィーニの説明(これ) はぶっちゃけ難しすぎてよくわからなかったのですが、どうも慣れとかそういう話ではなくて、思考回路とかそういうのに影響するということのようです。幾らかの特殊事例はあるんでしょうけど、一般的にキーボード操作による編集は、一瞬の「記憶喪失」を生む、ということなのでしょうか。

この辺は増井俊之『スマホに満足してますか?~ユーザインタフェースの心理学~』 (光文社新書)に書かれているそうなのでそれを読むことにして、この記事のライターさんが言う「ユーザーインターフェースによって「時間の流れ方が異なる」 」というのは面白いですね。「実際には処理速度が落ちているのに速く感じる」話も、なるほど、と思う。

人間は常にあらゆる「モノ」の動きを予測しながら見ており、その予測との「ズレ」を違和感と感じるようなのです。

しかしそれにしても、なぜショートカットキーを使うと記憶喪失になるのでしょうか。
また、逆になぜ我々はメニューから選ぶのを「遅い」と感じるのでしょうか。

その仕組を筆者なりに解釈すると、ユーザーインターフェースによって「時間の流れ方が異なる」ということなのではないかと思います。

(中略)

意識は受動的なものであり、身体的なすべての反応は意識より先に行われ、意識は起きた事実を追認する形で認識するだけです。

つまり意識は一種の情報の圧縮装置と考えることができるのではないでしょうか。
人間が瞬間的に受け取る情報は膨大です。それは視覚や聴覚のみならず触覚、痛覚など、無数の情報が常に脳に入力されています。そのすべてを記録しようとすれば、脳の容量がいくらあっても足りません。

そこで意識では起きた一連の出来事を単純化して記憶容量を節約する、という役割があると考えられます。


すると人間は、意識によって時間間隔を決められているとも言えます。

「運動準備電位」 の話は、よく私たちが「意識」と呼ぶものを疑う文脈で聞かれる話ですが、「意識は受動的なもの」という言い方あたりから察するに、前野隆司の受動意識仮説とかを参照しているのでしょうか(前野隆司『脳はなぜ「心」を作ったのか―「私」の謎を解く受動意識仮説』ちくま文庫、2010年)。本文にある0.2秒とか0.3秒とかいうあたりの話は、リベットの『マインド・タイム』由来ではないかと思われます。前野氏の本にも載ってたかな……。

つまり、「意識」が「動かそう!」と「意図」する指令と、「無意識」に指の筋肉を動かそうとする準備指令のタイミングを比べたのである。この結果は衝撃的であった。「無意識」下の運動準備電位が生じた時刻は、心で「意図」した時刻よりも約350ミリ秒早く、実際に指が動いたのは、「意図」した時刻の約200ミリ秒後だったのである。指が動くのが「意図」よりも遅いというのは、もちろん予想通りである。一方、運動準備電位が「意図」よりも350ミリ秒早いということは、心が「動かそう!」と「意図」するよりも前に「無意識」のスイッチが入り、脳内の活動が始まっているということを意味する。
   ベンジャミン・リベット『マインド・タイム 脳と意識の時間』(下條伸輔訳、岩波書店、2005年)

前野氏の「受動意識仮説」も、リベットの実験も、ともに学問的にはいろいろな方面から批判がなされており、「鵜呑み」にはできません。またこの記事の著者の方も、わりと独自の理解をしておられるようで、最後の方の「意識に入力されるものに応じて人間は時間間隔が変わります」というあたりは、なんか違う理論(相対論)になってるんじゃないかという気がします。

ただ、その辺を差し引いても、人の感覚というのが誤解に基づいているというのはありがちなことなのでしょう。ただ、私にはそれがいちがいに悪いことだとも思えません。たとえば某MMORPGをプレイしているとき、経験値効率は高いけど凄い退屈な狩場で延々狩りをするというのはとてもしんどくて、時間が恐ろしく長く感じたものです。そこよりちょっと経験値効率が悪くても楽しい(たとえばドロップアイテムにロマンがあったり)狩場での狩りは楽しくて、割と長時間続けられたし注意力が持続するので死亡事故も減りました。

さきのマウスとキーボードの話も似たようなところがあって、自分の「意識」にとって負担が少なかったり、あるいはもっと積極的に「自分が早くやれている」という実感のほうが重要なことというのはあるでしょう(もちろん、ほんとうの時間効率が大事なときもありますが)。 ユーザーインターフェースが、単純な効率だけでなく「意識」の負担を軽減するようなことを意識して作られると、もっと快適な操作というのが可能になるのかもしれませんね。

なぜ人は知恵袋に頼るのか

買い物しようとか、買ったけど使い方がよくわからないな……というときに、「~の方法」とか「~の評価」のような語で検索すると、Yahoo!知恵袋とか教えてGooのような、質問系サイトが上位でヒットします。誰かしら似たような疑問を抱く人というのはいて、その「先人」が質問してくれているわけですね。

しかし、中には「それってメーカーとかに直接聞けばいいんじゃ……」というようなのもありまして。逐一あげつらうのもアレなので引用はしませんが、メーカーHPとか質問用フォームがきちんとあるのに、わざわざ知恵袋で訊いてる人がいます。

中には、メーカーの人に聞きづらいんだろうなとかいうのもあります。たとえばこんなの

yahootie01

「シェットランドフォックス純正品以外だと、何を選び、どのようにしたらよいか」というのは、たしかに失礼な気がして店員さんとかには訊きづらいですわな……(実際には割と丁寧に教えてくれたりするのですが)。あと、比較的どうでもいい(内容が軽い)ことなので、わざわざ訊ねるのもめんどくさい、ということもありそうです。些細なことなら誰かしら知っている人がいるものですからね。

しかし、こういう場合を除いても、明らかに専門的な内容を知らなければ答えられず、結構メーカー直接もっていくほうが早そうな質問というのはあります。なのにあえて質問系サイトで訊く。なぜこんなことになるんでしょう?

たぶん、幾つかの理由があると思われます。

1.そもそもメーカーが質問を受け付けていることを知らない。
2. メーカーに訊くのは何か敷居が高い。(または、知恵袋系は敷居が低い)
3.メーカーの「大本営発表」は信用ならないと思ってる 。(または、知恵袋系では隠された情報も出てくると思っている)
4.なんとなく。(普段知恵袋を使っているから、ほとんどクセ)

こんな感じでしょうか。 

私の想像がある程度あたっているなら、こういった質問系サイトの利用者は、正しい情報を求めるいっぽうで面倒なことはしたくないとか、特定のタイプの回答は聞きたくないとか、そういう感覚も強くあるのではないでしょうか(「1」とか「4」の場合はともかく)。別の言い方をすれば、彼ら(あるいは彼女ら)が求めているのは情報の正確さだけではなく、それに自分が納得できるかどうかなのだろうと思われます。たとえば買い物の参考にするつもりの質問なら、自分が決断できる情報が与えられれば良い。何かをやりたくないなら、それについてマイナスのことを詳しく書いて欲しい……。

この結果、いわゆる「ベストアンサー」に選ばれるのが「おいおい、マジか」というような珍回答だったり、あるいはそれらしいことを言っているけど専門家に言わせれば「それはない」というような回答だったりする、ということがそれを物語っているし、またいま述べたような傾向はやはり問題ではないかと思います。

啓蒙家を気取るつもりはありませんが、誤った知見が流布して良いことというのはあまりないでしょうし、「負のサイクル」ができるのも考えものです。「負のサイクル」というのはたとえば、次のような感じ。

質問する → 不正確なことを教わる → 教わった人がまた不正確なことを他人に伝える → 更に不正確なことを「学ぶ」人がでる → 以下略

どこかでストッパーがかかれば良いし、かつて「クラウド型の思考」で目指されたのはそこに専門的な知識を持った人が入ってくることでストッパーの役目を果たし、遡行的に他の人たちにもその専門知が波及していくことで全体のレベルがあがるということでした。

しかし、現実には多くの人は「望まない答え」をスルーしがちだし、自分で調べたり考えたりするスキルが上達するわけでもなかった。いや、そもそもどうすれば正確な情報とそうでない情報とを見分けるか、ということもよくわからないままになってしまっているのかもしれません。

なぜこんな話をしたかというと、先日帰省した際に母親が何か怪しげな化粧品をかっていて、なんでそんなの買ったのかと聞くと、知恵袋に書いてあったからだ、と。そこには化粧品の専門家みたいな人が回答していて、信用できそうだったからだ、と。まあそんな会話があったのです。

知恵袋を鵜呑み、しかもそこにあらわれた「自称」専門家を無邪気に信じているというのはいかがなものなのか……。でも、たぶんこういうのは特殊事例ではないんだろうなぁとも思うのです。「私は元○○社員ですが」とか、「△△を専門に扱っている業者ですが」のように、いかにもな権威をアピールするところから入る回答が多く、しかもそれが「ベストアンサー」を獲得しているのはそんな傾向ゆえではないでしょうか。

中には本物の専門家もいるのでしょうし、質問をした人やそれを読んだ第三者も「信用できる」と自分なりに根拠を持って判断しているハズ。その辺のことはわかっているつもりです。ぜんぶがぜんぶというつもりはない。ケースバイケース。

しかし、飲み屋での話のタネにするとかならともかく、少なからぬ人がそれを実際に購買の参考にしてみたり、酷いときには学校のレポートに使ってしまったとしたら(中学・高校生では珍しくないし、最近関東の幾つかの大学で「論文・レポートの書き方」みたいな学生向け冊子が配られていたのですがその中に、「知恵袋やWikipediaは引用元として使うな」という主旨の文言か掲載されていました。さすがに論文に堂々と書く人がいたとは考えたくないのですが……)、やっぱりリテラシーについて考えなおす必要がありましょう。

もちろん、質問系サイトがダメだ悪だというのではありません。非常に良心的な回答をしておられる方もたくさんいらっしゃいますし、うまく使えば便利なのは間違いない。しかし、その便利さに引きずられてリテラシーを後退させてしまうのは、あんまりよろしくないんじゃないかなぁと思うのです。

レビュー:『サノバウィッチ』

sanobawitch

ブランド: ゆずソフト
定価: ¥8,800 (税込¥9,504)
発売日: 2015/02/27
ジャンル: おなやみ解決!魔女っ子ADV
原画: むりりん、こぶいち、こもわた遙華(SD原画)
シナリオ: 天宮りつ、籐太、保住圭
OHP: サノバウィッチ

▼批評空間投稿レビュー(81点): OYOYOの『サノバウィッチ』レビュー ※ネタバレ有

《ブログ用評価 S~D》 (S=非常に良い A=良い B=普通 C=やや難あり D=む~り~)
絵: S (これにSつけなかったらどれにつけるのか)
話: B (ストーリー重視かキャラ重視か曖昧。両方大事にしてどっちつかず。結局ここがボトルネック)
演: S (新しさはないが1つ1つが非常に丁寧。見る度に細かい配慮に唸らされる)
H: A  (各キャラ1回は抜きどころが。ちなみに寧々のオナニーがいちばん抜けました)
他: A  (これという欠点がない)
総合: A  (満足だが、まだまだ行けるんじゃという思いもある)
 


ストーリー(げっちゅ屋さんより)
保科柊史 (ほしな しゅうじ) は、とある秘密を抱えていた。
それは “他人の気持ちを感じ取れる” という不思議な力を持っているということ。
彼のクラスメイト・綾地寧々 (あやち ねね)。
彼女もまた、誰にも言えない秘密を抱えていた。 それは “自分の意思に関係なく発情してしまう” ということ。
 
ふたりはただのクラスメイトでしかないはずだった。
だがある日、柊史は不慮の事故から衝撃的なシーンを見てしまう。
彼が見てしまったものはなんと、発情した寧々のオナニーシーン!
そんなショッキングな事件を経て、ふたりの距離は急接近。

互いの秘密を共有する仲になり、彼は知る。
寧々が発情してしまう理由と、“魔女” と呼ばれる存在を――

時と場合を無視して発情する寧々に、密かに行われる “魔女” の活動。
それらに引き寄せられるように集まる、後輩・先輩・転入生。
静かだった日常は慌ただしいものへと変化して、柊史に淡い期待を抱かせる。
 
「ここから何かが始まるのかもしれない」

【雑感】
う~~~~~~~~~~ん。(モヤモヤ)

個人的な感想としては、共通がものすごく面白かったけど個別のほうで失速した感じ。そして、物語はやっぱり結末が面白くてなんぼというところがあるので、ちょっと残念です。比較で立ち位置のアタリをつけると、『DRACU-RIOT!』以上、『のーぶる☆わーくす』未満というところ。批評空間さんにつけた点数みると、『DRACU-RIOT!』と同点でしたけど(笑)。一応言い訳しておくと、楽しかったのは『サノバ』。キャラ気に入ったのもこっち。ただ、読後感は『ドラクリ』のほうが良かった、と。そんな感じでしょうか。

何が不満かっていうのは批評空間さんのほうで割とまじめに書きました。要約すると「噛み合ってない」ということです。本作への批判でよく耳にするのは、「シリアスはいらない」とか「シリアスがこけてる」とかいうことで、それと大差ないといえば大差ないんですが、一応分けてはいるつもり。というのは、シリアスがあってもいいしまったくなしにしてもよかったんじゃないかと。個別のパーツをとってみると、どれももの凄いクオリティで仕上げられてるから、どっちでも行けたと思う。シリアス路線にして残念扱いされてる寧々や憧子にしても、単独のルートとしてみればちゃんと一貫してやれていることはある。

しかし、この両ルートは作品全体の設定や構造に強くはたらきかける内容なのに、めぐるや紬のルートではその部分がスルーされてる、あるいはかなり違う解釈になっている、というのが問題です。寧々や憧子の「シリアスさ」が、彼女たちの話だけで完結する話なら問題なかっただろうし、逆にめぐるや紬のルートでもその「シリアスさ」の根本にある部分が引き継がれていたら、シリアス展開でじゅうぶんいけたと思うのですが、そうなっていなかったためにプレイしながら「あれ?」とか「いやいや、それこっちではこうじゃん」みたいな軋みがあちこちに発生して違和感を感じました。

寧々の凄いすっきりしないED、私は割とありだとは思っているのですが(好きかといわれると微妙だけど話のオチとしては深く納得できるところがある)、本作で言えばめぐるとか紬のような、いちゃいちゃ系の話のほうが面白かったです。寧々ルートみたいに深読みすることで余韻が出てくるタイプの話は、深読みを納得させるだけの説得力を全体に持たせないとダメで、それがうまく行っていない以上仕方ないかなぁ。世界の根幹に関わる部分でギミックを仕掛けたのに、他のルート見てると寧々悩み損じゃん、みたいなところがあるので。

と、文句から始まってしまいましたがキャラはほんと可愛かったです。ゆず史上ナンバーワンかもしれない。特に寧々。めぐるも可愛かったけど、やっぱ寧々。寧々かわいいよ寧々。

sano04
こんなんぬくしかないやろ……。

普段は真面目なくせに、妄想に下ネタにとネタ部分を一手に引き受けた感じのあるボケキャラになっていますが、何よりすばらしいのはエロ。とにかくエロい。自ら進んで見せてくるセクシー系じゃなくて、自分でもコントロールできない発情に悩まされてるウブい感じが最強です。お前がナンバーワンだ

sano05
これでHシーン突入しないんだから驚きです。レベル高すぎ。

微妙にこじらせた自意識とか、妄想エロふくらませて自爆とか、ダウナー通り越してヤンデレ気味になるところとか、ころころ変わる表情とメインヒロインとは思えないヨゴレっぷりが素敵。ちょっと余りの展開に可哀想になることもしばしばありましたが……。

sano03
SDキャラの演出もいい味出してます。ニヤニヤが止まらない。

ただ、寧々といえばこれ! というのはやっぱり「お家帰るぅ」。最強です。落ち着いた普段の雰囲気からの落差がたまりません。桐谷華さんの演技が光りまくってますね。ホントにすばらしい。

sano02

「表の顔」と「裏の顔」がいちばんはっきり分かれている(めぐるこそそういう設定だけど、見える範囲では一番落差が少ない)のが寧々で、「クラスメイト」、「仲間」、「恋人」という変化が楽しめました。

歴代ゆずヒロインの中でもトップクラスに好きなヒロインです。ただそれだけに、ルートのラストには残念なところがあり……。願わくは彼女には、平凡でいいからすっきりとした幸せを掴んで欲しかった。ゲームを終えて半月近く経ったいまでもそんな風に思います。

めぐるスタジャンの話。

なんとなくエロゲーサイトを見ていてふと気になってクリックしたらこんなものが。

meguru_sta2

 ▼「因幡めぐるスタジャン+マフラー
 ▼「椎葉紬パーカー

ヤバイ超ほしい(笑)。

いやー、さすが「男の子っぽい格好」をしているだけあって、紬パーカーはふつうに着られそうな感じがしますが、 めぐるスタジャンはムリやで! モデルの外人さんがシュール過ぎる。でも、これ着て行くと目立つしネタになりますねぇ。ツイッターで初めてお会いする人とかの目印には最適! こういう格好していきます! って画像送ればいいんですから。

meguru_sta3

…………まあ、実際にはこんな美少女じゃなくてむさ苦しいおっさんが来るわけですけどね。

いちおうスチールグレイもあるみたいなので、まっピンクは回避可能。グレイの方はかなり落ち着いた色合いで、男性が着ても違和感なさそうでした。でも、グレイ着るくらいだったらピンクですわな。めぐるスキーの皆さんには愛が試されてる感じ。

発売は4月。ちょっとシーズンはずれるかな……? ギリギリGW頃のイベントとかには着ていけるかもしれませんが、5月入るともうクールビズとか言い出す時期ですからね。温暖化怖い。

個人的には和奏の私服が結構好き。ただ、言ったらなんだけどふつうだしこういうグッズ展開はなさそう。残念無念。

どうせなら寧々さんの魔女衣装も、とか思ったけど完全に犯罪なのでNGですね。 

エロゲーの舞台はなぜ「学園もの」が多いのか

ツイッターでお題をいただきましたので、ちょっとこの話を書くことにいたします。

といっても、私はメーカーの中の人ではないので実体験にそくしたことは書けませんし、また目の覚めるような鋭い考察もできません。エロゲーのイベント等で聞いたことや、メーカーさんに直接質問したことを簡単にまとめていき(名前出しNGというメーカーさん多かったので今回もマスクです。すみません……)、それにちょろちょろっと私の考えを付け加えるかたちになりますので、過度な期待はしないでください。

また、基本的にメーカーさんから聞いた部分に関してはほぼそのままのつもりで(一言一句ではないにせよ)書いていますが、正式な質問状等を送ったわけでもないのでメモすらない場合もあります。なので、記憶違いや微妙なニュアンスの違いなどはあると思います。また、質問したメーカーさんにも偏りがあります(Viwes系列とラッセル系列のメーカーさんが大半なので、他では全然違う可能性もある)。ですので、参考程度に考えておいてくださいというのはあらかじめお断りしておきます。

1.「偉い人」 の意向
イベントなどでよく聴くのがこれ。「偉い人」の中身としては、社長さんと流通さん、というのがツートップです。 

割と歴史あるメーカーさんや社長のリーダーシップが強いメーカーさんは、「今回の作品は社長の鶴の一声で」みたいなことを言っておられるのを聞きます。クリエイターさんとしては別の企画があったんだけど、やはり学園ものははずさない方がいいだろうという判断がくだった、という類の話に2、3回遭遇しました。

流通さんの意向というのは、だいたいこういうジャンルで、みたいな話が流通さんからあるそうですが、その際に「学園モノ」とか「妹モノ」のような指定が入っていることが多いというお話。多くのエロゲーブランドは流通さんから資金を借りてゲームを制作していますから、パトロンの意向というのは非常に重要なわけです。

ただ、この場合「流通の意向」というのは単に担当者の好みとかではなく、一応マーケティングリサーチを行ったうえで「売れそうなものを作ってもらわないと困る」ということなのでしょう。ですから、(その分析が妥当かどうかはさておき)一応市場調査の結果を反映させた、戦略的なものだと言ってもいいのかもしれません。もっといえば、「学園ものなら当たる」という攻めの判断というよりは「学園ものなら大外しはしづらい」という守りの判断ではないかと思われます。

なお、学園ものではないうえに人死にがでるような作品の発売前イベントとかに行くと、「よくGOサインでましたね」とか、「いまこういうことができるのはおたくのブランドくらいですよね」みたいなコメントが飛び出します。英断を褒めているのか蛮勇を諌めているのかはわかりにくいのですが、何れにしてもこれらのような上層部によるしがらみは相当強烈だということなのでしょう。


2.「企画部(者)」の意向
月末イベントやキャララ!! のようなイベントで「デビューからずっと学園ものだけどこだわりがあるんですか?」とか、「学園もの以外つくる予定はありますか?」のような質問を直接したときに、もっとも多いのがこの回答です。曰く、「企画担当者の考えである」。こういうイベントに来ているのは広報さんや営業さんが多く、そもそもメーカーの中の人ではない場合もあるため仕方ないといえば仕方ない話。

「企画担当者の考え」(だから答えられない)を文字通りの意味でとると、社内で「学園もの」を作りつづける理由が共有されていないことになる。作品のコンセプトとかの部分で大丈夫なのかなという心配もあります。企画者がクリエイターとして参加している場合とかもあるし、一概には言えませんけどね。

ただ、こうやって書いておいてなんですが、これは「学園もの」がなぜ多いのかに対する直接の回答ではなく、要するに「わからない」あるいは「言えない」ということだと考えたほうが良いのかなと思っています。


3.クリエイターの意向
これを強烈に押し出してくるメーカーさんもあります。とはいえ、大抵の場合「学園もの」をやめたい、という希望が多いんですかね……。たとえばシナリオなライターさんが「ふつうの学園ものは避けたい」と言った、みたいな。今はなきYatagarasuさんなんかも、イベントでこの類のことをおっしゃっていました。

なので、私としては「学園ものがやりたいでーす」みたいなクリエイターさんがいるというのが驚きだったんですが、話を聞いてるとなるほど、と思いました。

絵師さんには割と多いそうです。学園もの希望。大学生だと制服描けないからイヤ! みたいな話がでたこともあったとか。

実際問題、制服なら慣れているので描きやすいとか、あるいは制服を描きたいとか言われるとうなずけるところもある。ここからは私の憶測になりますが、これは単純な好みだけではなく、これだけ世の中に学園ものが溢れかえっている状態だと必ず制服は描かされるということで練習もするのでしょうし、センスの良い制服をデザインしたりすることで目立ちやすくなったりというのがあるのかもしれません。

いや、もしかすると事態は180度違っていて、絵師さんに「どんな絵描きたいですか?」と訊ねると絵師さんは「(もう学園ものとかうんざりだけど、たぶん学園もの嫌だって言ったら困るよね……)何でも大丈夫、学園ものも好きですよ!」みたいなやりとりの末に決まってるのかもしれませんが……。

ただ、絵師さんの希望が云々というのは、外注の絵師さんの場合企画が決まってから声がかかるのであんまり関係なさそうです(たとえば今月発売の『11月のアルカディア』も、作品の骨格が決まってから原画家のコンペを行ったという話でした)。シナリオライターさんも同様ですね。基本的には企画が決まってから発注されるでしょうし。

実際、クリエイターの意向だ、というお話をしてくれたメーカーさんは2件だったのですが、どちらもそのクリエイターさんが社員か、準社員みたいな(チーム持ちで動いている)ところでした。


4.内容的理由
これまでのは、正直作り手の側の都合だけじゃないか、ユーザーの考えは売上数というデータ以外見てくれないのか……という感じの話ばかりでしたが、ユーザーへの配慮の結果である、という話もあります。

具体的には、ターゲットユーザーの年齢と近い舞台だということ。

自分がエロゲーマーのスタンダードだと思っているとすっかり失念するのですが、世間一般には30代エロゲーマーはやっぱりマイノリティのようです。2008年データですが、「エロヒャク」さんがエロゲー批評空間さんでSQL叩いて調査なさった結果、18~22歳が27.6%。22~27が40.3%。27~32歳が19.4%。32歳以上が12.7%。年齢の区切りがどうしてこういう中途半端なかたちになっているのかは判りませんが、10代~20代がやっぱり多い感じです。

 参考:▼「エロゲブランドとユーザーの年齢層」(エロヒャク)

2015年ではどうなってんのか実地で調べてみようと「ユーザー世代別統計表」のSQLを実行しようとしたのですがこれが動かず、自分で何とかしようにもSQLよくわからない……。えびさんあたりに頼んでみようかな(他力本願)。時間があったら自分で勉強してやります。あるいは、実際に叩いた人がいたら教えて下さい(超他力本願)。

ただ、実際のユーザー数だけでなく、「これから開拓していきたい層」というのも大きな要因のようです。たとえばある広報さんは、《最近の若い人は掲示板とかblogを見なくなったし、PCすら使わない。スマホが中心で、コミュニケーションや情報伝達はTwitterが主。だから、ムービーや体験版をスマホでできるようにしたり、キャンペーンもTwitter中心にしていく。そうやって主力購買層である若い世代にアピールして、若い世代をどんどんこの業界に呼び込みたい》みたいな話をしておられました。

私としては幾つか疑問があって、そもそもホントに主力購買層は若い層なのか? とか思ったりもするのですが、多くの他のメーカーさんも「30代になるとエロゲーマーは減る」みたいなことをおっしゃっているので、実態はどうあれ、メインターゲットを20代前半の若者においているところは多そうです。

これはオープンのだったので問題ないと思うのですが、onomatope*さんがいつぞやのイベントでおっしゃっていたのは、《学生時代というのはユーザーさんにとってほんの数年前の思い出なので、それを思い出して懐かしい気持ちになってほしい》のようなお話。私にとってはもう 20 15年くらい前の話になりますからそれこそタイムマシンにでも乗る気分ですが、年齢が近い、しかもほとんどのエロゲーマーが通ってきたであろう道というのは共有しやすいという魅力があるのかもしれません。

この、共有のしやすさというのは結構大事なことのようです。別の作品のシナリオライターさんがおっしゃっていたのは、学園もの、とくに「高校っぽい」(高校とは言っていない)舞台がやりやすいのは、ユーザーさんの間にだいたい共通の要素があるからだ、ということ。それ以上になると、専門学校や高専、大学とバラバラになるし、社会人モードだともう共通項探すほうが難しい。そもそも、社会人未体験の人も多いからぱっと入りにくい。とりあえず多くの人にとって無難な選択肢が学園ものなのだ、ということでした。まああと、箱庭的な舞台の作りやすさ(外をあんまり描かなくて良い)とかもありそうですね(想像)。

要は、18歳から始まるエロゲーマー生活の中で、ほぼすべてのエロゲーマーが共有できる最も身近な(時間的に)思い出の舞台というのは「学園」になるという話でしょうか。私なんかはハルキゲニアとかベーカー街の探偵事務所みたいな、未知の世界に憧れるのですが……。そういう2重の意味での「冒険」は好まれないんでしょうか。少し残念です。

あと、これは作り手の側の都合として、イベントが起こしやすいそうです。たしかに、学園祭とか体育祭とか定期テストとか卒業式とか何かと便利に物語を動かせる要素がありますね。ただ、私個人としてはこの辺は固定観念に縛られてるように見えるというか、たとえばオフィスものが主流になっていたとしたら、なんだかんだでオフィス内でイベントを起こす手法が作られていったんじゃないかという気もします。

学園ものが好きなんです! あの夕暮れに染まる校舎で見つめ合ってる二人とか、たまりませんよね……! みたいな方にはまだお会いしたことがなく。たぶんいらっしゃるとは思うんですけど、そういう人でも延々学園ものでないとダメ、という感じで、こだわりの結果学園もの量産マシーンになった、みたいな方は少ないのでしょうか。触手とか魔法少女系はそういう類の方多い気がしますが。


と、私が聞いているところではこんなものです。

なんとなく「学園ものが多いのはメーカーの意向なんだろう」くらいに考えていたのですが、詳しく見るとその内容も細分化されているんですね。ただ、データに基づいていると思しき部分に関して正直言うと、根拠となっている部分(ユーザーの年齢や売上実態)がいまひとつハッキリと見えないので、こういう判断が果たして妥当なものなのかという疑問は最後まで解消されませんでした。

たとえば、「ランス」シリーズやエウシュリーのファンタジーのように、学園ものでなくてもスマッシュヒットを飛ばしている作品というのはあります。数は少なく見えるかもしれませんが、非学園ものの中での比率で考えると、学園もののうち大ヒットしている作品の比率とそこまで大きな差がついているのでしょうか? エロゲーのマーケティングを考えるということなら、その辺で信頼できるデータを見たいなぁと思います。ソフ倫とかでデータ握ってる人が売上分析した結果だという話も耳にするのですが、そもそも実売数が販売店の自己申告という話も聞きますし、これがほんとうならどの程度売上データに信頼がおけるのかという問題も……。まあ、その辺言い出すときりがないんですけどね。

タイトルで最初に立てた問いの大きさ、センセーショナルさに内容が釣り合ってない気がします……。ただ、いまの私のちからの及ぶのはこのあたりまででしたということでご寛恕ください。

可能なら質問状とかをちゃんと送って、そこからさらに実態調査して考察を加えて……とかもやれるんでしょうけど、それってやっぱりもう本格的な取材の範囲なんでいろいろ気も使うし時間も使うしで気軽にできないんですよね。あるいはもう既にこういう関係について言及された調査記事、インタビューとかが載ってた、という情報があれば、是非教えてください。

最後に、今回はお題をありがとうございました。ブログのネタにはいつも汲々としているので助かります。ぜんぶは拾えないのでお断りすることもあるかと思いますが、今後もお題やネタをいただければ可能な範囲でお応えするつもりではおります。また、やってみて興味のある方が多いようならきちんとした企画として同人誌のほうとかで(企画が通れば)扱ってみようかなとも思っています。
《自己紹介》

エロゲーマーです。「ErogameScape -エロゲー批評空間-」様でレビューを投稿中。新着レビューのページは以下。
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