よい子わるい子ふつうの子2(仮)

18禁PCゲームをメインに、ラノベや漫画についてもダラダラ話を書きます。長文多いです。

2014年11月

APストア閉鎖の話

先日、アクアプラスさんからこんなメールが来ていました。全文掲載。
お客様各位

平素より弊社通信販売サイトをご利用頂き、誠に有難うございます。

この度、弊社通信販売サイト『ap store』は2015年3月31日(火)を
持ちまして閉鎖し、4月より『とらのあな通信販売』内にて
弊社通信販売サイトを新設させていただくことになりました。

『ap store』でのご購入及びAPポイントご利用は下記期間までとなりますので、
予めご了承頂けますようお願い申し上げます。

・『ap store』閉鎖日:2015年3月31日(火)
・弊社通信販売サイト新設開始日:2015年4月中旬予定
※詳細な日付に関しては確定次第追ってお知らせ致します。

・ポイント加算終了日:2015年1月4日(日)
・ポイント利用終了日:2015年3月31日(火)

※今回の閉鎖に伴い、個人情報となる『ap store』で登録いただいた
 会員情報・購入履歴は、引き継ぐことは出来かねます。
 ご迷惑をお掛けいたしますが何卒ご了承の程お願い申し上げます。
 現在弊社通信販売サイトでお預かりいたしております個人情報は、
 閉鎖後に責任を持って適切な方法で破棄させていただきます。

ご不明な点がございましたら、
「ap store」画面右上にございますお問合せフォームより
お問合せ下さい。

今後とも、AQUAPLUSへのご愛顧を宜しくお願い申し上げます。

どうも、「ap store」を閉鎖し、とらのあな通販と合体させるので、ポイントの利用ができなくなる、というお話でした。また、現在のap store登録者の情報を引継ぎはしない、とのこと。同様の内容は、こちらからでも閲覧できます。

 ▼「お知らせ/<<弊社通信販売サイトの閉鎖と新設のお知らせ>>」(ap store)
 
私もまだポイント結構たまったままなので、きちんと使い切るの忘れないようにしないと……。アクアプラス通販を利用しておられた方は、くれぐれもご注意ください。
 

『春風センセーション!』のサイン会に参加してきた話

昨日発売されたういんどみるさんの新作『春風センセーション!』。発売記念イベントでサイン会が行われ、幸運にも参加することができました。

 ▼合同サイン会
11月28日(金)に発売となるういんどみるOasis最新作「春風センセーション!初回限定版」の発売を記念して、原画家のこ~ちゃと藤原々々による合同サイン会の開催が決定しました!
合同サイン会の会場となるのは、東京秋葉原・大阪日本橋・愛知名古屋の3都市。
会場ごとに参加方法が異なりますので、参加をご希望の方は以下の各都市ごとの参加方法をお読みください。
 
秋葉原会場の参加条件は(各都市によって条件が違う)、購入者が参加できるクジびき。レイヤーさんが前日の夕方体調不良になったということで(お大事になさってください)、スタッフのかたがメインで対応しておられました。スマホアプリによるデジタル形式のクジで、「演出過多」なアプリだったせいで当落が判明するまでの時間がかかったため、そのことをしきりに恐縮しておられました。

「次があったら自分たちでつくろう」みたいなことをおっしゃっていましたが、そういうブログパーツとかスマホアプリを販売or配布してくれたら個人的には嬉しいなぁ。

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当日の購入者クジの賞リスト。B賞がサイン会。

ういんどみるさんのサイン会といえば、『ウイッチズガーデン』の悪夢が思い出されますが、今回もそれに負けず劣らずで、私は6本、友人のモップ先生は4本買ってやっと当選……という感じでした。藤原々々先生の大ファンだったので、どうしても参加したかったのです。・゚・(ノД`)・゚・。 なお私の前の人は2連続で当選してたんですけどね~。これが運か(´・ω・`)。ハッキリとはわかりませんが3部制(お昼・夕方・夜)で各100人ずつくらいで倍率は3~5倍といった感じでしょうか。

なお、今回は「地方優待」があったりとなかなか粋な工夫と配慮も見られました。会場では、私の隣の方が長野から「地方優待」枠で来られていた模様。地震のことや噴火のことで少しお話をいたしました。

会場は、アキバソフマップ1号館7階のイベントスペース。

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サイン会と同時にういんどみるのスタッフさんによるトークが行われ、いろいろな情報や裏話的なものを聞ける楽しい内容でした。基本的に最初の方の人はサインが終わると退室する形式だったので、多くの話を聞きたければ後ろの方に並ぶか、残りたい旨をつたえてサイン会後も会場に居座るのが良いのでしょうか。他の会場はどういう感じになるか判りませんがご参考までに。

こ~ちゃ先生は別のサイン会などで何度かお見かけしたことがあったのですが、藤原々々先生はサイン会生まれて初めてだったそうで……。あの絵柄からは想像しづらい「漢」という感じの方で、ちょっと驚きました。でも、かなり緊張しておられたようで、そのギャップが「らしい」気も。ちなみにどうでもいい話ですが、この日のトップバッターでサインしてもらった人は、藤原々々先生の初めてのオトコになったわけですね。おめでとうございます( ̄ー ̄)。

あまりイベントのトーク内容を書きすぎると「他会場で喋ることがなくなる」ということでしたが、宣伝パートはOKということだったので、Twitterでも書いたのですがその辺をご紹介。ちなみに私が参加したのは秋葉原会場の第一部のみです。第二部・第三部ではどういう話があったのかはわかりません。

まず、冬コミ当選したそうで、おめでとうございます! 2年ぶりくらい? ともあれその情報。8年前にボーカルコレクション「つぶあん」を発売していましたが、これに続くボーカルコレクション第2弾、「こしあん」が販売されるそうです。また、「つぶあん」もジャケットをこ~ちゃ先生が新たに描き下ろして再販するとか。

他には、冬コミグッズも販売。これは近年の不況の影響なんかもあって、価格を抑えめにして2000円の予定。また、藤原々々先生の抱き枕カバーも販売予定で現在絵柄をコミケ側に審査依頼中だそうです。あと、会社から「発掘」されたグッズを詰め込んだ福袋も販売するとか。ただし、これはごくごくわずかな個数にとどまるということでした。

続いて、ソフマップさんで元旦から発売される「萌BOX」、ういんどみるバージョンの話。枕の絵柄はウィッチズガーデンの緋宮あやり嬢。『魔女庭』のソフマップ予約特典が同じく緋宮あやり嬢だったのですが、布質を高くしてほしいという要望が多かったため応える形にしたとか(ホントかな?)。とりあえず「ライクトロン」を使っているので肌触りは抜群だということでした。

また、同「萌BOX」には、『はぴねす!』のドラマCDつき。ういんどみる初のバイノーラル録音で、 日向裕羅さんの収録はそうとう久々だったとか。貴重なCDになりそうです。
新春初夢萌BOX2015 ういんどみる (15000円)
[1]こ~ちゃ先生 描き下ろし抱き枕カバー/「ウィッチズガーデン」緋宮あやり)
 カバー素材:A&J ライクトロン製
 サイズ:500mm×1600mm
[2]はぴねす!ヒロインズ録り下ろしドラマCD
  【タイトル】「はぴねす!ヒロインズ バイノーラルでイチャラブドラマCD」
[3]射ペストリーA3/297mm×420mm
[4]特製2015年カレンダー
 A4中綴じ(A3サイズ)タイプ
[5]萌絵馬

他に当たり障りのなさそうな宣伝といえば、次回作にはE-moteは使わない、というような話もありました。E-moteは利用契約が一年単位なので、現状では契約を更新するかどうか分からないので、次回作は使わない方向で考えているのだとか。たしかに、年に1~2本しか作品を出さないなら時間契約というのは元を取るのが厳しいですよね。E-moteがあまり爆発的に広がらなかったのには、プログラム的な手間暇だけではなく、その辺の事情もあるのかもしれません。どっちかというと本数(5作品までとか)で縛ってくれたほうがエロゲーには普及しやすそう。

と、これ以上書くと他の会場の楽しみを奪うことになりかねませんのでこの辺で。進行はスムーズだし、本人チェックなどマナー面でも凄いキッチリしていて気持ちよかったし、トークも面白いしで楽しく充実したサイン会イベントでした。両先生、スタッフの皆さん、ありがとうございました。

kochawarawara
いただいたサイン色紙。感動です。

2014年11月エロゲーの日

というわけで、今月もやってきましたエロゲーの日。

というか、もう今年もあと1月で終わりか……。早いものです。 信じがたい。

 01
『Bunny Paradise ばにぱら ~恋人全員バニー化計画~』 (SkyFish poco)
お試し枠。属性特化ものの抜きゲーだと思ってるんで、バニーさん好きとしては手を出したいなぁと。ただ、結構「力作」が揃ってるので、後回しになりそう……。


02
『ChuSingura46+1 -忠臣蔵46+1- 武士の鼓動(A samurai’s beat)』 (インレ)
ChuSinguraのFD。本編をそれなりに楽しんだので、お布施も兼ねて。新シナリオが展開されるとはいえ、正直あの本編に「付け足し」が必要かどうかは(かつまた、それがうまくいくかどうかは)分からないなぁと思っているのですが、果たして。もちろん、全く期待していなかったら買わないんですけどね。

03
『VenusBlood -HYPNO-』 (Dual Tail)
今月の触手枠+大本命。めっちゃ楽しみです。ただ、プレイする時間がとれるかどうか……。不安はそれだけ。


04
『lightBOX The Great 15th』 (light)
記念で購入。CDも入ってることを考えると、割とお得なお値段でしょう。

06
『春風センセーション!』 (ういんどみる)
藤原々々先生が久々の原画ということでテンション上がっています。シナリオにも力が入っていそうだし、真っ先にプレイするかも。サイン会、行けたらいいな。


07
『蒼の彼方のフォーリズム』 (sprite)
延期してこの激戦区に滑りこんできました。割と方向性かぶってる作品が多くて、食い合ってる感もあるんですが、音楽・CGともトップクラスですね~やっぱり。演出とかを見るだけでもワクワクできそう。あとはシナリオがどう転ぶか……。

上が予約枠。あと、当日買うか迷ってるのが下の二つ。

05
『七姫コレクション Princess Collection ~美しき巨乳姫と人類最強の男~』 (ANIM)
ANIMさん、だいぶいつもと違う路線だなぁという感じ。ファンタジー好きなこともあって、ちょっと興味アリ。

08
『恋する彼女の不器用な舞台』 (CUBE)
設定とか絵を見る限り「買い」なんですが、微妙に頭のなかで警鐘が。予約者イベントとかをガンスルーしてきたので、買わないと思うんですが、他の人が買っているのを見てその気になる可能性もありというところ。

幸い東京は今日雨が降らないみたいなので、さくっと購入してしまいたいですね。

去る者残る者

紅白歌合戦の参加者が発表されました。もうそんな時期なんですね。

 ▼「【紅白】出場歌手決定 初出場はV6、HKT48、薬師丸ら5組」(オリコン)

以下、出場歌手一覧(カッコ内は出場回数)

【紅組】絢香(7)、E-girls(2)、いきものがかり(7)、石川さゆり(37)、HKT48(初)、AKB48(7)、SKE48(3)、NMB48(2)、神田沙也加(2)、きゃりーぱみゅぱみゅ(3)、香西かおり(18)、伍代夏子(21)、坂本冬美(26)、椎名林檎(2)、天童よしみ(19)、中島みゆき(2)、西野カナ(5)、Perfume(7)、藤あや子(20)、松田聖子(18)、水樹奈々(6)、水森かおり(12)、miwa(2)、May J.(初)、ももいろクローバーZ(3)、薬師丸ひろ子(初)、和田アキ子(38)

【白組】嵐(6)、五木ひろし(44)、EXILE(10)、関ジャニ∞(3)、クリス・ハート(2)、郷ひろみ(27)、ゴールデンボンバー(3)、三代目 J Soul Brothers(3)、SMAP(22)、SEKAI NO OWARI(初)、Sexy Zone(2)、T.M.Revolution(5)、TOKIO(21)、徳永英明(9)、AAA(5)、長渕剛(4)、氷川きよし(15)、V6(初)、福田こうへい(2)、福山雅治(7)、細川たかし(38)、ポルノグラフィティ(13)、美輪明宏(3)、森進一(47)

そんな中、いつもの「あの方」のお名前が見当たらず……。どうやら「落選」されたようです。

 ▼「浜崎あゆみ、紅白落選…連続出場15回でストップ「ひとつの終焉」」 (スポニチアネックス)

歌手の浜崎あゆみ(36)が大みそかの「第65回NHK紅白歌合戦」(午後7・15)の出場者リストに入っていないことが22日、分かった。NHKと浜崎側で意思確認もしており、デビュー翌年の1999年からの連続出場は15回で途絶える。浜崎は「ひとつの終焉(えん)」と話している。来年からシンガポールを拠点にした海外活動を本格化させる意向で、紅白との決別は、海を渡る“あゆ”の象徴となりそうだ。

私は紅白を熱心には見ませんし(コミケとかで疲れてることが多いですから)、正直浜崎あゆみのファンでもなんでもないのですが、私の学生時代「歌姫」としてブレイクし、そこから15年続いていた連続出場が途切れた、という話を聞くと、ひとつの時代の区切りみたいなものを感じます。寂しさとかそういうセンチメンタルなものではなく、「ああ、こうやって時代は移り変わっていくのだな」という感慨。

ビジュアル系やらが流行っていた子ども時代、いかにも古めかしい昭和の歌謡曲がTVに映るたび懐かしそうに聴いている両親の姿を見て、「今の曲のほうが断然良いのに……」と思っていましたが、今になってようやく、ぼんやりとですがその気持ちが分かるような気がします。

きっとあの時両親は、歌を聴くだけではなくて、時の流れを感じていたんだろうなぁ。また、そういうふうに時代を思い出させてくれるからこそ、歌というのはいつになっても楽しく聴けるのかもしれません。

過ぎたるはなんとやら

ラノベやコミックで「長い題名」がときどき話題になりますが、ゲームでも120文字オーバーの作品が出るようで話題になっています。

 ▼「D3、オープンワールド学園恋愛ADV『夏色ハイスクル(略)』を発表!その正式タイトルが長すぎる」(INSIDE) 

その名も、『夏色ハイスクル★青春白書 ~転校初日のオレが幼馴染と再会したら報道部員にされていて激写少年の日々はスクープ大連発でイガイとモテモテなのに何故かマイメモリーはパンツの写真ばっかりという現実と向き合いながら考えるひと夏の島の学園生活と赤裸々な恋の行方。~』。なげぇ。

ネタとしては面白いのですが、宣伝とかには激しく向いてない気がします。この記事でも「今後インサイドでは『夏色ハイスクル★青春白書』という表記で統一していく」と省略処理されることになっちゃってますし、すごく覚えにくい。この正式名称を看板とかチラシに入れるだけでも結構レイアウトが面倒な気がします。

まあ基本的には略称なり愛称なりで呼べばいいし、こうしていまみたいに「長い題名のゲーム」として話題になることで一種の宣伝効果を狙っているのでしょうから、ある種の効果はあがってるんだと思いますが、目立たせるために文字数を多くしたというより、単に文字数が多い題名にすればいいだろうみたいな気配が見え隠れします。手段が目的になっているような。

個人的にですが、単に長いだけになっていて(120文字のほうに何らかの意味や遊びがない)「長い題名のゲーム」としてだけ記憶されてしまい正直内容を見る気にあまりならないんですけど、その辺の本末転倒な感じがちょっと残念。

とはいえゲームは内容で勝負ですからね。充実した作品を期待したいところです。

ふつうがいちばん。

夜中にカップラーメンとかカップ焼きそばを食べたくなることってありません? 私は結構ありまして……。ただ、結構同じ味に飽きてきたなと思うこともあるんです。こういうときこそインターネット! きっと、古今東西の斬新なアイディアに彩られた「美味しいカップ麺」の食べ方があるのではないか……ということで検索してみました。


 ▼「うま~いカップラーメンの食べ方!」 (NAVERまとめ)


 cupmen01 cupmen02

う~~~~ん。

これは無いですね。正直……。

やっぱカップ麺は普通に食べるのが一番か。 

データのそれらしさに騙されないために

まとめサイトなどにも取り上げられ、やや話題になったこのグラフ。2013年(2015年)の死因構成をグラフ化したものということですが、これに対してたくさんの「若者がやばい」的コメントが寄せられていました。ちなみに、グラフの作成者はツイート主である舞田さんの模様。データ系のブログなどを運営している方ですね。



graph01
一応画像も。

曰く、「日本、滅びます。若者に希望のもてる社会にと、思ってます。」、「異常事態です!」、「社会が病んでる‥」etc。しかし、このグラフは必然的にそういう結論を導くものなのでしょうか? 今回は、このグラフに潜む(ある種の)詐術について考えてみたいと思います。

コメントには、比較的冷静な意見も見られます。たとえば、「縦軸は何で取ってるんですか?」。「割合で表示するのはなんとなくアンフェアな気がする。」、「印象操作に使えるなあ。」など。

graph02

そう、まず根本的な問題としてこのグラフ、縦軸が何であるか分からないんです。「人数」なのか「割合」なのかで、大きく意味合いは変わってきます。もちろん、データ元とされている厚労省の「人口動態統計」を見れば済む話ですし、内容を見るにどう考えても「人数」であるわけはないのですが(20歳から100歳までほぼ同じ人数が死亡しているとは考え難い)、それでもこういったかたちでグラフ化するなら、きちんと書いて欲しいところです。舞田氏ご本人も「若いモンは病死が少ないから当然」とおっしゃっているので、なかば分かってやっておられるのかもしれません。(もしかすると前後のツイートでそれについて言及があったのかもしれませんが、ツイログ等がなく確認できなかったのでこのあたりは定かでありません。なのであくまで、このツイートのみで何かを判断する、ということを前提とします)

で、一応見に行ってみました。厚労省の人口動態統計(平成25年)。

 ▼人口動態統計概況(平成25年)

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おそらく、p.36~37の表をグラフ化したのが、くだんのツイートです。内容は、年齢別(5歳くぎり)の死亡原因1位~5位の「人数」および「死亡率(ただし、人口10万対)」を書いたものです。ちょっと確認してみましょう。

舞田氏が真っ黒に塗りつぶして強調している20~40歳代の死亡原因第一位は、自殺で間違いありません。その人数は、20~24歳が1250人、25~30歳が1423人、30~34歳が1598人、35~39歳が1977人です。60~64歳の死亡原因四位も自殺ですが、その数は2306人。若年層の自殺者数は、人数としては少ないということになります。

ちなみに、60~64歳の死亡原因一位である悪性新物質(癌など)では、30891人が死亡していて、文字通り桁が違う。

また、舞田氏のグラフは「死亡原因1位~5位の中に占める割合」を示しているのか、各年齢層の全死亡原因中に占める当該死因の割合なのかが、いまいち判然としません。(6位以下の死亡原因で死んでいる人も多数いるのでそれを考慮したグラフなのか、それともあくまで1位~5位しか問題にしていないのか)

ちなみに、全死亡数を考慮する場合は資料の9Pにデータが掲載されています。

graph03

数値のほうに注目すれば、(5歳区切りで見た場合)20代の自殺者数は、50代終盤から60代前半の自殺者より数が少ないのですから、「若者にとって生きやすい」あるいは相対的に「中高年にとって生きづらい」社会であると言えるかもしれません。いや、しかしそれぞれの年代で人口比率は違いますから、これも簡単に結論付けるわけにはいかないか。

……ということを考えていけば、何をピックアップしてどう並べたかもよくわからない舞田氏のグラフが、いかに曖昧なものかが分かるでしょう。また仮にこのグラフが「各年齢の死因上位1~5位の割合」を示したものだと明言していたとしても、そこから私たちは何を読み取れば良いんでしょうか? 正直、曖昧すぎて何も読み取れない……あるいは、いくらでも好きなように読めてしまうから意味がないと思います。

ちなみに、私は舞田氏の主張が正しいか間違っているかを問題にしているわけではありません(こういうことを書いておいても、正しいか間違っているかの二分法で判断される方がいらっしゃるのだとは思いますが)。日本の若年層自殺率が高い、というのはしょっちゅう話題になっていることですし。

 ▼「20代の自殺率はどの世代より高く就活自殺と学生自殺は最多-先進国で日本だけ若者の死因トップが自殺」(ガジェット通信)
若年層で死因トップが自殺となっているのは先進7カ国で日本のみで、その死亡率も他国に比べて高いものになっています。

ただ、こういう言説もまた「うのみ」にしてはいけない。自殺死亡率が高いということは、病死や事故死が少ないということでもありますから、国内の医療やインフラ・警備体制が非常に整っているということの裏返しなのかもしれません。実際日本は、「治安の良い国」として知られているわけでしょう? 他の死因が減れば、自殺の率は必然的に上昇するのですから。また、人数的に見れば、日本の半分ほどの人口のフランスで、若年層の死亡者は日本より割合が多いことになる。その辺を無視して考えるのはいかがなものか。もし20~25歳の死亡者が10人で、うち8人が自殺だったとしたら、この年代の死亡原因における自殺率は80%です。それでも大騒ぎするのでしょうか?

極論と思われるかもしれませんが、ことはデータの読み方の原則の問題です。「若年層の自殺問題」をただしく確認しようと思えば、単に年齢別の自殺人数や割合を調べるだけでなく、人口全体における若年層の死亡数や死亡原因をこまかく比較する必要があるはずです。

しかし、それは非常に根気がいるし面倒だし、やってみたところで明確な結論が出てくるか分からないわけです。そこで、データのほうを自分の都合のいい部分だけで解釈する、ということになるんですね。

結局舞田氏のグラフに多くの人が脊髄反射的にコミットしてしまったのは、

 (1)権威ある引用元が書かれてある
 (2)見やすく分かりやすい形式(グラフ、色付け等)におとしこんでいる
 (3)ある種の人が望む結論を導きやすいよう誘導している
 (自殺を黒く塗り、「自殺の膿」とコメントしたり)
 (4)ややこしくなりそうなことはうまく取り除いている

というところだと思います。他人に効率的に主張を伝えるための情報の取捨選択が巧いんですね。いやらしく言えば、見せかけのわかりやすさを演出するのが巧い。

こういうわかりやすさは、どうしても正確さと両立しづらいところがあって、嫌う人はすごく嫌います。私はある種のわかりやすさというのも大事だと考えていますが(自分ができるかはともかく)、まあある意味では、どうせ誰も確認しないだろうとか、誰も気づかないだろうという感じで相手のことをナメていると取られても仕方がないのかもしれません。

実際、TVなんかで一瞬だけ表示される「番組調べ」の棒グラフなんかは、縦軸がめちゃくちゃだったりすることがしばしばあります。ああいうのは、ちらっとしか映らないし検証もろくにされないのをいいことに、印象操作をしているわけですよね。

そして、そういう手口は何だかんだで「害悪」だと思います。ある問題について真剣に考え、解決のいとぐちを探ろうというときに、嘘やデタラメで塗り固めた部分というのはすぐ剥がれ落ちるし、それがかえって問題の本質を見えにくくするというのはよくあることです。たとえば朝日新聞の捏造問題なんかはその典型でしょう。日本の戦争責任について考えたい、という問題意識があったとしても、それを大げさに吹聴するために捏造記事を書いたということになれば、本質とは関係ない部分でしょうもない争いが起こるし、また周りに集まってくる人はろくすっぽ自分で考えない脊髄反射の「大衆」にしかすぎないわけです。およそ未来に繋がるやり方だとは思えない。

ちなみにちょっと調べていたら、舞田氏は過去、このようなツッコミも受けていました。

 ▼「博士課程修了者の多くが行方不明・死亡したと称するデマについて」(こりゃ、ほたえな)
舞田敏彦は、2012年に「博士が100にんいるむら」と同様のデマを流している。

記事のタイトルを煽情的な「~の惨状」とした上で、「(8)死亡・進路不明」を勝手に「死亡・行方不明」と読みかえて、不安を煽りたてている。かれは単なる書きまちがいだと言い訳するかもしれないが、ここだけが切りとられ、一人歩きして、当時はそうとうTwitterを賑わせたものである。

すぐに多くの批判が寄せられたが、大半は語彙の改竄についてではなく、統計処理の方法についてであった。そのため舞田敏彦は数日後、「分析の不備を補正する」と称してブログ記事を書いたが、けっきょく「進路不明」を勝手に「行方不明」と読みかえたことについては、謝罪も撤回もしないままであった。

やや感情的な論調ですが(この記事の最後に載ってる舞田氏とのツイッターでのやりとりは、たいへん趣深いものがあります)、これに続く下の部分などは、私が今回の記事で述べていることと大筋では同じ内容であると思われます。この方のブログのほうがコンパクトでまとまった言い方になってますね。

舞田敏彦が、冒頭ツイートにかかげるグラフにも問題がある。各専攻の人数が明らかにされていない。統計を専門的に行う者なら、サンプルのサイズやその偏りはとうぜん考慮するはずだが、舞田敏彦は社会統計学を専攻したと称しながら、まったく考慮した形跡がない。

2013年の調査対象となった学部別の学生数は、55万8853人である。一方、博士課程の修了者数は、わずか1万6440人である。約34倍の差がある。これだけサンプルサイズが異なるのに、同程度の精度で比較できるとでも言うのだろうか。

私は、氏がデマを流そうとしているのかどうなのかということは知りませんし興味もありませんが、引用した件と今回の件はどちらも統計処理の方法に問題があるというのは同意します。そのデータからその結論は早すぎる。そして、似たようなことは日本じゅういたるところで起こっているだろうとも思う。

私たちは胡散臭い手口に騙されないために、あるいは自分が胡散臭い手口に手を染めてしまわないように、データがじゅうぶんであるかチェックし、ソースを確認し、他の見方ができないかを探る慎重さを持つべきではないでしょうか。データはそこから情報を読み取る素材にすぎないのであって、特定の結論をみちびくために都合よく使ったり、自分の思い込みを強化するために用いるものではないのですから。

語と誤解

先日発売された、舞阪洸先生の『ロムニア帝国興亡記4』を購入。読んでいたのですが、その中で、こんな記述を発見して、いろいろと考えるところがありました。

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曰く。

 閑話休題。
 最近の若い学生諸子のあいだで、「確信犯」を「悪いことと知りながらも敢えて行うこと、または行う人」という意味で使う場合があるようだが、本来の意味は「政治的、道徳的、宗教的信念に基づいて自分の行為が正しいと信じて為される犯罪」のことである。
 ときたま読解力を問う試験で語意を問われることがあるので、筆者は敢えて読者諸賢に指摘しておこう。
 先刻承知という場合は流してくれればいい。
 では話を本編へ戻そう。

この作品は、ある歴史家(歴史学者?)が史料と資料をひもときながら、ロムニア帝国の興亡を記述する、というスタイルをとっているので、ときどきこうした「作中の語り手」の叙述が入るのですが、「おや?」と思った。

「閑話休題」というのは、話を脇にそらすのではなく、脇にそれていた話題を元にもどすときにつかうことばだからです。ルビでときどき、「それはさておき」などと振ってあるせいか、「さて措」かれても良いような内容に移るのだと誤解されている場合も多いのですが。

 ▼「閑話休題」(デジタル大辞泉)
かんわ‐きゅうだい〔‐キウダイ〕【閑話休題】
文章で、余談をやめて、話を本題に戻すときに、接続詞的に用いる語。それはさておき。あだしごとはさておき。

私は、別に文法至上主義者ではありません。なので、「全然」にしろ「荒らげる(あららげる)」にしろ「爆笑」にしろ、使われている意味の中で捉えれば良いとは思っています。また、この部分は「作中の語り手」によってなされているものですから、作者である舞阪先生が実際に「閑話休題」を誤解しているのか、それとも「確信犯」的に誤ってみせた(つまり、この語り手である歴史家をそういう人物として描きたかったのか)は判りません。

ただ、「確信犯」という語に対する知的なアピールを行っている場面で、別の誤解されがちな語をミスっているというのは、なんとも面白いなぁと思ったのでした。

こういう語法の問題というのはなかなか難しくて、きちんとした文法・語法にしたがって語るべき、という強い主張がある一方で、文法・語法というのはルールが先にあってつくられたものではないのだから、ルールのほうから「かくあるべし」というべき論を展開するのはおかしい、という意見もよく耳にします。たとえば、化学者がモノを観察して分子の動きを定式化することはあっても、分子はこう動くべきだ、などとは言わないように、文法学者も観察者であるべきだ、と。

私個人としては、もちろん辞書通りの意味で使えたほうがカッコイイとは思います。また、そういうルールに暗黙裡にしたがうからこそ相互の意思疎通も可能だとは思うのですが、かといって話している相手が辞書通りの意味を使えないからといってバカにしたり、それで話を打ち切ったりするのもどうかなぁという感じ。

コミュニケーションの目的は、語句を「ただしく使うことそのもの」にあるではなく、「それによって相手と意思疎通をすること」にあるはずですから、手段の側が多少ぐらついていたからといって、不可能でないなら適宜修正を図ったほうがいいかなと。

だからといって、自分勝手な語句の意味を押し通して開き直る態度は、相手と意思疎通する気がないということだから良くないと思うし、またそういう一般的な意味を知らずに使っているということは、これまで他の人の話を注意深く聞いてこなかった、読んでこなかったのだなということを吹聴しているようなもので、恥ずかしいことだとは思いますけれど。

ちなみにフォローでもなんでもなく、作品は面白いし好きです(でなきゃ4巻も買わない)。

ぞんたーく

『城プロ』の福山城ちゃんがしゃべっている「ゾンターク」なることば。

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一人称「ふっく~」はどう考えてもおかしい。

あんまりよくわかっていなかったのですが、「どんたく」のことなんですね。

 ▼「博多どんたく」(語源由来辞典)

「どんたく」はオランダ語で「日曜日」「休日」を意味する「Zondag(ゾンターク)」に由来するといわれ、zondagは「土曜日」や「半日休み」を意味する「半ドン」の語源でもある。

( ・∀・)つ〃∩ヘェーヘェーヘェー

「ゾンターク」といえば、私にとってはこれでした。ご存知の方もおられるのかな。ラーメン屋・「元気一杯」の外観写真。建物の名前が「ゾンターク博多」です。

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元気一杯というラーメン店は、福岡は博多にある「こだわりの店」として有名で、スープから先に飲まないと追い出される、携帯をいじっていたら追い出される、そもそも店に看板が無いから一見さんは入ることすらできない……等々さまざまな「伝説」がある有名店。

 ▼「元気一杯はラーメンのスープから飲まなければ激怒される?」(スーパー志郎のリアル福岡ウォーカー)

  • 店内での写真撮影禁止
  • 店内での携帯電話禁止
  • 禁煙
  • 営業時間はスープが出来てから、スープが無くなるまで
  • 最初にスープから飲む!

『こっちはお客だぞ、何様だ。』

という意見もありますが、個人的にはこだわりルールがある方が、ドキドキする上にありがたみを感じます。

これだけ客に「おしつけ」をしても受け容れられているお店ってやっぱ興味あります。もしかすると、そういう「ブランドづくり」がラーメンマニアの心をくすぐって、本来の味以上のありがたみを演出しているのかもしれませんけれど、それも含めて実際食べてみないと分からないですからね。

とはいえ、日常的にこんな思いまでしてラーメン食べたいかと言われれば個人的には相当微妙。話の種に、一度行ってみたいという程度。まあそもそも、博多に行く機会がめったに無いので絶望的か。

ことばの意味

言語学に「プロトタイプ意味論」という理論があるそうです。私は専門外なのでおそらくは不正確な言い方になりますが、要するにことばとその意味というのが1:1で対応するのではなく、ある典型例(プロトタイプ)からの距離を測るものさしにすぎない、という考えです。

たとえば、「歩く」とはなにか、「遊ぶ」とはなにかというふうに、あることばの定義をきちんと考える。自動車は「走って」いるけれど、「歩いて」いるとは言いません。その違いは何か――。こういうのは、ことばと意味が1:1対応しているという発想です。けれど、そんな「ことばの本質」みたいなものは存在しない、というのがプロトタイプ意味論です。私の説明だけでは不安なので、書籍から引用もしておきます。

カテゴリーの中心的な成員、つまりプロトタイプですが、人間が用いるカテゴリーというのは、これを中心として、類似性などによってプロトタイプと結び付けられた周辺的なメンバーによって構成されている。これが、認知言語学が提示する新たなカテゴリー観なんですね。「鳥」というカテゴリーは、たんなる鳥の集合ではなくて、鳥らしい鳥を中心としてペンギンやダチョウを周辺的なメンバーとする、そういうものとして捉えられることになります。  (『言語学の教室』 中公新書)

この本で、「嘘」について次のような話がありました。

(1)事実でないことを言う
(2)発話者自身が事実でないと思っていることを言う
(3)聞き手をだます意図がある

この3つすべてを満たすものが典型的な「嘘」であるとして、この3つの条件のうち、どれが欠けると「嘘」と言い難くなるか、という実験をしたそうです。ふつう、嘘とはなにかという「定義」を聞かれると「事実ではないことを言う」ことだ、という返事がかえってくるし、辞書にもそう書かれている。ところが、「プロトタイプ」としては、(1)の条件が抜けても「嘘」だと判断されることが多いという実験結果があるそうです。

たとえば、「このツボは室町時代の価値あるツボですよ」といってガラクタを売りつけたつもりだったけれど、実は本当に室町時代の貴重なツボだった、というのが(1)を除外した例でしょう。これは、事実を言ったけれどやっぱり「嘘」だというわけですね。

もちろん私たちはことばに厳密な意味を「持たせる」ことができるでしょうが、実際のコミュニケーションの中で使われていることばというのは、「60%嘘だけど40%は嘘じゃないと言えるんじゃないか……」みたいな判断が行われているかもしれない。

そうすると、そもそも単語単位でことばを考えるのではなく、文章の中におかれていることばを場面に応じて考える必要がある、ということになるのでしょうか。いろいろ面白いなぁと思って読んでいました。他にも言語論に関するいろいろな話が載っていて、「言語の創造性」の話なんかを読んでると、いろいろ考えてみたいことが出てきて時間がどんどん経ってしまった。

末尾には文献リストなんかもあり、自分でより奥深くに進みたい人にも良いと思います。興味深い本だったのでご紹介がてら。 
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