よい子わるい子ふつうの子2(仮)

18禁PCゲームをメインに、ラノベや漫画についてもダラダラ話を書きます。長文多いです。

2012年08月

反応に困る話

なんか友人が悲鳴を垂れ流していると思ったら、『PSP化物語ポータブル』を購入したそうで。

ぶっちゃけいろんなとこで話題になってますよね。いちいち挙げるのも申し訳ない気持ちになりますが、一応チェック。

まずはAmazonさん。アニメ関係の作品で☆が2つに届いてないのってもの凄くレアな気がします。話題作でこのレベルの評価なのって私の中では水嶋ヒロ(齋藤智裕)先生の『KAGEROU』以来ですが、本作のレビューはヒロ先生のアレとちがってネタがほとんど入っておらず、皆さん大まじめに書いておられるあたり、怒りと失望の深さを感じる。

いわゆるまとめ系ブログに属するであろう「はちま起稿」さんや「やらおん!」さん。ファミ通クロスレビューで23点という低得点(満点40点)がついた、あるレビュー者が4点をつけたというあたりのことを中心に取りあげておられます。あとは「アルファルファモザイク」さんとかもそんな感じ。発売前で実際プレイできていないということもあってか、あんまり批判的ではなく、むしろ穏やかにフォローをいれて期待値を落とさないよう配慮されている感じでした。

一方、「ばるろぐ!」さんなどは上と対照的に批判的な言説も積極的に取り出して掲載しています。

そして、みんな大好き「アキバblog」さん。こちらは、8月24日付けの記事で「PSP化物語ポータブル 初日から大特価」というセンセーショナルな見出しと共に、初日の価格爆下げっぷりとユーザーの反応をとりあげています。賛否両論をとりあげ中立的な立場を維持しつつ、ショップさん側が必死に在庫を減らそうとしている現実もきちんと紹介してくれている。まあもちろんこれもバイアスがかかってはいるでしょうが、比較的落ち着いた感じ。

と、他にも色々あるけれど、ざっと見ただけで「いまいち期待できなさそう」というのは全くノーチェックだった私にも分かりました。ちなみに動画を見た限りでは……正直よくわからない。これを判断基準にはなかなかできないかなー。

いや、私はやっていないのでこの作品について良いも悪いもありません。私が『化物語』ファンなら買ったと思うし。ただ、日々エロゲーの当たりはずれを検討して購入プランを練っている身としては、無策でつっこんで自爆したら責任の所在の大半はとりあえず自分というか。不満を漏らすなとは言いませんし、作品に対して意見するのは全然構わないと思うのですが、よく調べもせずにタイトル買いしてぶつぶつ私に文句言ってくる友人はちょっとリサーチが足りないと思うの。

あとは、買っちゃったものは仕方ないので最大限楽しむ方法を考えた方が建設的かなという。まあ、なんとか持ち直して楽しんでくれることを遠くから祈っています。

話がオチてない……ネタ振りの段階で失敗だった気がする! それでは、また明日。

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論理的にって言われても

学校とかではよく、「論理的に~」というのが決めぜりふのように使われます。論理的な文章を書きましょう、論理的に考えましょう、論理的に言いましょう……。でも、「じゃあ論理的ってなんですか」と訊いたら、どんな答えが返ってくるか。これは意外に統一されてない気がします。ちなみに私は高校時代、担任の先生にその質問をぶつけたことがあるのですが、「しっかり考えることだ」というわかったようなわからないような返事を頂きました。

ひとくちに「論理」と言っても、さまざまな種類があります。論理についての学である論理学を見れば多少見通しが良くなるかな? そんなわけで、いちいち辞書はめんどくさいからWEBの頼れる先生、Wikipediaさんの「論理学」を参照してみましょう。すると、なにやら大量に名前が出てくる出てくる。

弁証法的論理
形式論理
数理論理学
二値論理
多値論理
様相論理
演繹論理
帰納論理
命題論理
述語論理
量子論理
虚偽論
非形式論理学
因明 - 仏教論理学
直観論理
…………。

うん。意味がわからん

とにかく、どのような立場の「論理」を中心に据えるかということによって、「論理的」の意味合いも多少変わってくるということは理解しました。ということは、あまり厳密に考えず、それらに共通する最大公約数的なところを拾いにいくのが良さそうです。

ためしに「論理的推論」とか「論理的帰結」についても、Wikipedia先生に聞いてみましょう。ぶっちゃけちんぷんかんぷんなことも多いですが、どうやら「規則」と「前提条件」と「結論」の関係をさまざまな形で結ぶのが「論理的」というのは間違いないようです。

ということは「論理的」というのは、「ものごとの繋がりを明確にして論証を行い、妥当性の高い結論を導く」くらいの意味になるでしょうか。ここで詰まっていたら話にならないので、とりあえずそんな感じにしたいと思います。なんでやねん! 違うやろ! と言うひとは、ここで中断しちゃってください(そういう厳密な人はそもそもここを見ていないか、既に最初の二行くらいで読むのを止めているかとは思いますが)。

ちょっと具体的に考えてみましょうか。たとえば、「今日は晴れだから、明日も晴れだろう」。これはどうでしょう。論理的でしょうか?

さすがに無いわ、という感じですよね。確かに《だから》という接続詞によって、繋がりは明確です。しかし、論証がザル。いくらなんでもこれは「論理的」ではない。では、次はどうでしょう。

「今日で三日連続晴れが続いている。そして、三日とも気温は30度をこえていた。三日間晴れが続いて、気温が30度以上だった日の翌日は、過去50年の統計ではずっと晴れであった。だから、明日は晴れだ。」
(※この内容はフィクションです。実際のデータに基づいた話ではありません

おお、一気にそれっぽくなりました。根拠も明確、繋がりも明示されていて、結論は十分納得できるものです。経験則に基づいた「論理的」な文章だ。そのように思えてくる。

ところが、これに反対する人がいたとしましょう。曰く、こうです。

「過去50年っていうけどさ、50年の中で《三日間晴れが続いて、三日連続30度こえた日》って3回しか無いみたいだけど?」

さて、どうでしょう。3回もあれば十分でしょうか。それとも、3回程度では偶然の一致で片がつくと考えるところでしょうか。ぶっちゃけ3回あてるだけなら、ワールドカップの試合結果を適中させたタコの予知能力を信じるのと同じレベルになりますから、私なら「偶然かなぁ」と思うところです。

『古色迷宮輪舞曲』では、サキが行人に自分の「予知能力」を信じさせるために、10回の試行を演じてみせましたが、あの場面で「天文学的な低確率であっても、10回じゃ信用できないね!」と言い張ったとしたら、行人は論理的でしょうか。それとも非論理的でしょうか。

このように考えるとおわかりでしょう。たとえある人にとってはじゅうぶん「論理的」であったとしても、別の人にとっては「論理」性が足りない、と思われる場合はあります。その辺の区別というのは、実は案外ハッキリしていないかもしれない。

もちろん、厳密な記号論理やら何やらの話となれば別です。けれど、私達が日常生活の中で使う論理や、あるいはそもそも曖昧な「言語」にのせた論理の場合、私達には常に「自分が考えている「論理」とは違う「論理」の持ち主がいるかもしれない」という可能性を考慮しなければならないのではないかと思います。全てが「A=B、B=C、ならばA=C」のような形で片づくわけではないのですから。

ここで言いたかった論理というのは、決してただ厳密さを誰かに押しつけたり、ものごとの正しい/間違いを判断するための根拠としてではなく、相手に説明を伝えることで相互理解を助けるものとしての論理、ということでした。自分が(そして相手も)何を基準にどういうプロセスを経てその結論に至ったかをきちんと説明するスキルとしての「論理性」というのが、おそらく私達にとって最も身近で、そして最も必要とされるスキルではないかと思うのです。

というわけで、久々になんかエロゲーじゃない話でした。頭で考えてるだけで実際には全然論理的じゃない私がこういう話をするのもいい笑い話ですが、まあ私くらいいい加減だからこんなこと臆面もなく言えるのかもしれません。

というわけで、今日はおしまいです。それでは、また明日。

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これはなぁ……。

どうも、こういう事件があったそうで。

阪大がメールアドレス誤送信 999人分を「CC」で」(朝日デジタル新聞、2012年8月17日)

日数が経つとニュースは消える可能性もあるので、一応全文引用しておきましょうか。
大阪大学は17日、9日に開かれた工学部オープンキャンパスに参加した高校生らのメールアドレス999人分の一覧を、他の参加者からも見える形で誤って送信した、と発表した。

 同大学によると、オープンキャンパスではオンラインアンケートを実施。回収率が悪かったため、工学部の教員が16日、入試課から入手した参加者のメールアドレス(3167人分)を4グループに分け、アンケートを再度送信した。そのうち999人に同送したメールを他の送信先が見えない「BCC」ではなく「CC」で送ったという。教員が送信後にミスに気づき、誤送信を謝罪し、メールを破棄するよう求めた。参加者の一人から「他人のメールアドレスが見える」と指摘があったという。
だそうです。

うーん、まあよくあることといえばよくあることなのですが、よくあっちゃまずいことでもありますよね……。

携帯のメールなんかでもそうなのですが、i-phoneとかの人が一斉メールをすると、その人が登録している「名前」が相手にも表示される、ということがあります。これが困る。

ちょっと分かりにくいですかね。たとえばAさんが、B、C、D、Eさんに一斉送信する。AさんとBさんはリア友なんだけど、BさんとC、D、Eさんはネットだけの知り合いでお互いにHNしか知らない。そういう状況を想定してください。AさんはBさんをリアルネームで登録しているのですが、一斉送信で「送信先」にその名前がC、D、Eさんにも表示されてしまうことがあるんですよね。C、D、Eさんがガラケーだったら心配ないのですが、スマホでG-mailだったりすると、Aさんの送信設定次第で一気に暴露です。

「アドレス変更しました」といって一斉送信してくるパターンも同じで、誰だか全くしらない人のメアドと名前が一気に手に入ったりする。この辺は結構慎重になるべきセキュリティの問題だと思うのですが、イマイチ徹底されてないよなー、と。

いや、私もセキュリティ意識が褒められたものではないので偉そうには言えませんが、メール送信は色々気を付けた方が良いな、と思ったのでした。

それにしても阪大の人、「誤送信を謝罪し、メールを破棄するよう求めた」って、それしかやってないとしたら凄いですね……。いや、送ったことについては手の打ちようがないけど、むしろやるべきなのはメールの破棄ではなく(もちろんメールの破棄も求めるべきですが)、漏れた可能性のある人にメアド変更を促すことなんじゃないのかな。既に色々ズレてる気がするのは私だけでしょうか……。

というわけで、本日はこの辺で。また明日!

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「古色迷宮輪舞曲」という現象に思うことなど

目下、今年の話題作の一つとなっている『古色迷宮輪舞曲』。しばらく品切れ状態が続いていたのですが、再入荷も始まり入手の機会があったようです。先日『白神子』の話をしていた友人もその機会に購入・プレイしたそうで、ちらちらと感想の言い合いをしました。その時に彼が、「こっちのほうが(『白神子』より)、90年代のエロゲーっぽいけどな」と、そんなことを口走った。これのどこが90年代!? と一瞬ぎょっとなったのですが、話をきくうちに、その言い方が果たして正しいのかどうかはともかく言わんとすることが分からないでもないな、と思いました。

※割とどうでも良い追記:会話をしていた友人であるM氏から物言いがつきまして、曰く「僕は(インターフェースの悪さが)DOS時代を思い出すとしか言って無くて、90年代がどうこう言い出したのはOYOYO君のはずだ」と。どうも私とM氏のクオリアが違っているようです。私の記憶ではこのままなので、訂正はしませんが、一応そういう話があったということだけ。(2012.08.24)

『古色迷宮輪舞曲』というこの作品は、確かに古いかもしれない。ただしそれは、絵柄とかシステムとかそういう問題ではなくて、底を流れる精神の話として。

「古い」と言ったのはむろん、貶したいからではありません。この作品のタイトルは「古色迷宮輪舞曲」(ふるいろめいきゅうロンド)。ですが、舞台となる喫茶店「童話の森」の店主・舞がアンティーク趣味であることなどを考慮すれば、「古色」はむしろ「こしょく」(patina)と読みたくなる。「古色蒼然」や「古色古香」の、「古色」です。古びた建物や焼きものや街並みが、張りつめた美しさをたたえ、匂い立つような色気を孕むことがあるように、古さというのは必ずしも新しいものに劣ることを意味しないでしょう。むしろ、古き良き時代、というイメージで語られることも多いものです。

では、友人や私が感じた、本作の精神の「古さ」とは何か。なかなか言葉にはしづらいのですが、敢えてひとことで言うならそれは、「挑戦的」というのが近いでしょうか。

もちろん他の多くのブランドも創意工夫を繰り返し「挑戦」しているということは理解しているつもりです。「古色」だけが特別ではない。そりゃそうです。ただ、今回は「古色」が売れた理由分析とか作品のレビューのつもりじゃないのでご容赦下さい。「古色」の売れ方とか認められ方、自分の抱いた感想なんかをもとにした雑感みたいな感じで書いていきます。

繰り返しになりますが、90年代のエロゲー的という言い方が必ずしも適当かどうか、私には分かりません。80年代には黎明期の熱気があったのだろうし、2000年以降もさまざまな形で力の入った作品が世に送り出されている。そもそもまだ30年ほどしかないエロゲーの歴史を、10年単位で区切って何か述べるのは大ざっぱに過ぎる、という人もいるでしょう。そりゃあまあ、ごもっともな話です。それに、あんまり90年だ何だと言うと、懐古厨乙、と一笑に付されるかもしれない。

ただそれらを勘案しても、90年代はPCゲームにとって、技術的に激動の時代だった。そのことは事実としてあると思います。

8ビットから16ビットへ、フロッピーからCD-ROMへ、そしてMS-DOSからWindowsへ。プラットフォームが大きく動くということは、それだけやれることが増えるということです。もちろん、客層だって変化する。その中で各エロゲーブランドは、どんなゲームを作ればいいか暗中模索の状態でした。(16ビットは正確にはもうちょっと前ですが、定着し始めたのがこの頃ということで大目にみてください)

けれど、「何をして良いかわからない」ということは、裏を返せば「何をしても許される」空気でもあったわけです。また、まだまだ生まれたてだったこのジャンルにおいては、ぶっちゃけ何をやっても新しかった。そんな事情が重なったこの時代、後のエロゲーに多大な影響を与えるような名作と呼ばれる作品はもとより、あまりの奇抜さゆえに全く後に遺伝子を残すことなく消えていくような作品まで、数々の「意欲作」が雨後の筍よろしく生みだされていました。私がエロゲーを買い始めた頃には、80年代後半から90年代前半のそういう激動の「余震」が、時代依存的な独特の熱気が、思い返すと確かに存在していた。(※1)

一山あててやろうという野心とか、面白いものを作りたいという情熱とか、人と違ったものを作ろうという個性主義とか。言い方はいくらでもあって、まぁたぶん、どれでも良いでしょう。私自身は全てをリアルタイムに経験したわけではないけれど、熱量を肌で感じる機会には恵まれたのだと思います。そして本作から友人と私が感じたのは、たぶん「そういうもの」。

実際のところどうなのかという客観的なデータ無しに語るので、随分いい加減な印象論ではあるのだけれど、古いエロゲーマーの方と話しをしていると、最近のエロゲーが「停滞」している感じがある、という話を多く耳にします。人によって言葉はさまざまですが、どれも売上的に行き詰まっているというような単純な意味ではなく、ノベル形式や三行ウィンドウで選択肢を選んで文章を読むだけのADVゲームの勢力が強くなりすぎだという感じ。共通するのは、マンネリズムに陥り業界の多様性や推進力が失われつつある、という危機感のように私には聞こえます。

ただの懐古趣味。そう言われればそうかもしれません。ですが、私の感覚に照らしあわせても否定しづらい。今の主流は間違いなく読みもの系のADVで、その生産はさながら自動作用によって成されているのではないかという錯覚を覚える時が、ままあります。

そんな中登場した『古色迷宮輪舞曲』は、非読みもの系のADVとして、斬新なシステムとその難度がまず話題になりました。選択肢を排したキーワード入力、運命量の増減によるシナリオ分岐とは関係のないキャラクターの生死、並行世界の現象を移動してチャートを埋めていく運命図……。ADVでありながらただの読みものではない、というのは、上に述べたような問題意識を持つユーザーにとってなかなか刺激的な、思わず手を叩きたくなるような魅力に満ちています。

けれど、たとえばキーワードの入力ウィンドウは操作しづらく、入力のタイミングは異様に分かりにくく、しかもシビア。また、キーワードが初出のシーンを見ると既読判定がリセットされるのも不親切。(※2)作品を貶したいのでも、評価している方の揚げ足をとりたいわけでもないのであげつらうのは止めますが、とにかく私は本作のシステムがそれほど良いとは思いませんでした。(※3)

しかし、にもかかわらず私は、本作を簡単には切り捨てたく無い気持ちを抱きました。何というか、妙に愛嬌がある作品なのです。

本作を不親切に感じた、あるいは少なくとも洗練されてはいないシステムだと感じた人が少なからずいることは、WEB上に出ている感想を見ていれば分かるでしょう。それでも本作は、口コミで評判が広がり、メーカーの在庫がすっからかんになるくらい売れた。他の人の評価の真意は想像の域を出ませんが、私と似たような気持ちを抱いた人もいたのではないかと思います。実際、「エロゲー批評空間」のレビューの中には、作品の出来映えそのものの完成度は低いという留保をおいたうえで、作り手の「情熱」やPCゲームにおける「意義」といった視点で本作への評価を行っているものが少なくない。それはこの作品が、単に完成度という一点から機械的に切り捨てられることを惜しいと思う、そういう愛着の為せる業と言って良いはずです。本作には、ユーザーにそういう思いを抱かせるような熱が籠もっている。

なぜ本作が売れたのか――私の興味は、そういうマーケティング戦略的なところには無いし、分析する能力も持ちません。注目したいのはむしろ、不満があるのに何となく許したくなってしまうような――不満にもかかわらず楽しいと思えるような、「愛嬌」の部分です。私はそれが、新しいこと、他と違うことを盛り込んでいこうという気概に依るものだと思う。「挑戦的」と最初の方で言ったのは、そういう意味です。何か、「これおもしれーだろ!」とか、「この発想は無かったでしょ、どうよ!」みたいな、新しいものを目指しつつ自分たちも楽しんでいる、そういうノリがある。

もちろんこれは憶測です。実際は全くかけ離れた拝金主義的欲望や、間に合わせの手抜き企画であるかもしれない。けれど、もしそれだけならわざわざこんな七面倒くさいシステムを組んで出す必要はなかった。普通のADVを出せばいくらでも誤魔化しが効いたし、それが嫌ならどっかのブランドがやっているネタを拝借すれば良かったわけです。でも、そうならなかったという事実はやはり、重く受けとめたい。

何より、本作のシステムは基本的につぶしが効かない。これがヒットしたからと言って、何シリーズも似たようなのを出すわけにはいかないことくらい、すぐに分かります。いやまあ、あと1本2本はアリかもしれませんが、汎用性は明らかに低い。システムをウリにする必要のないADVでこういう設計をすること自体、効率や商売っ気を飛び越えてやっているということなのではないかと。もし打算だったとしても、ここまでやってくれたら満足ですし。

本作の前にYatagarasuというブランドが作っていた『ObsceneGuild』や『闇夜に踊れ』、『テンタクルロード』(処女作の『ココロの住処』はプレイしていません)といった作品もまた、「普通の」ゲームから距離を取ろうというさまざまな工夫が詰まっていました。私がプレイしてきたYatagarasu作品にはどれも、何か新しいものを作ろうという姿勢が貫かれていた。姉妹ブランド48Teの新作はボロクソ言いましたが……。ともあれ『テンタクルロード』までさほど面白いと思わなかったこのブランドの作品を、なおも買い続けたのはそのためです。

ちょっとしたことであっても、「工夫」した新しい作品を出すというのは難しい。考え、作るのに手間も時間もかかるし、そもそも自分が面白いと思うビジョン、やりたいことが無いとなかなかアイディアも出てきません。そのくせ、必死にひねり出して自信満々で送り出しても、ウケる保証は無いときている。自分も文章を査読されることがあるので気持ちはわかるのですが、決められたフォーマットに沿って書くときのほうが、よほど楽です。他と違ったものを書き続けるというのは、簡単なようでいて実はかなりの精神力を要求される。

ただ同時に、それでは自分が面白いとはなかなか思えない。少なくとも、自分が書きたいものを書いている時ほどの勢いは無いし、逆に言えば書きたいものを書いているからこそ、うまくいかないのが悔しくて悩むし、受け入れられないのが怖くて怯えるわけです。フォーマットに沿って適当にこなしていればなんとかなる文章というのは、そういうプレッシャーが無いかわりに、気持ちのノリも無い。書いているうちに楽しくなってくることもそりゃあありますが、まあ基本的には作業のように処理していく感じになります。私はゲームを創ったことが無いので確かなことは言えませんが、およそ創作である以上、似たようなところがあるのではないかと想像します。

だから、敢えてその困難を引き受けるブランドというのがあっても全然驚かないし、むしろ応援したくなる。そして業界を眺めてみると、新しいものを創ろうとして成功した――たとえばエウシュリー、ソフトハウスキャラ、九尾のようなブランドもあれば、見向きもされずに消えていった有象無象もあるわけです。というよりも、圧倒的に後者の方が多いですね。正直、Yatagarasuもそんな消えていくブランドの一つになるかな、という危惧はあったのですが、今回のブレイクによって風向きは変わるかも知れません。否、変わって欲しいと願いたいところです。

ヒットするブランドと消えていくブランドの差がどこにあるか。それは分かりません。良い物を創れば必ず売れる、という世界でも無いでしょう。ただ、「新しいもの」を創ろうとしているブランドが、チャンスを掴み、自分たちのやりたいこと、やってきたことが評価されるというのは、作り手・ユーザーを含めて歓迎すべきことのようにも思います。他にもそういうブランドは、どんどん注目されてほしい。

誤解のないように断っておきますが、私は本作が単に、選択肢形式の読みものゲームで無くしたから良い、と言っているわけではありません。ノベル系ADVを創っているブランドでも、ういんどみるやLatte、HOOKのように次々と新しい試みをしているブランドというのはある。読みもの系のゲームか否かということは確かにシステムを巡って大きな議論が期待されるし重要な問題をいくつもはらんでいるところではありますが、そこに問題を落とし込むことは、今回の記事を書いた私の本意ではない。

『古宮迷宮輪舞曲』は、ノベル形式のエロゲーに飽き、ゲーム性重視のものを待ち望む人にとっては福音に見えるかも知れません。けれど本作を単に手法やスタイルの問題に還元しても、本作のもつ可能性や魅力の説明としては足りないようにも思われます。本作に業界の停滞を打ち破り、発展をもたらす力があるとするならば、表にあらわれているシステム故にではなく、その精神故にではないでしょうか。そしてそれは、この作品だけではなくYatagarasuというブランドの底を流れているものと考える方がいいかもしれない。たとえ本作が一代限りのパイオニアで、この後に似たようなシステムのものが根付かなかったとしても、作品の持つ力は変わらない。私はそんな風に思うのです。

というわけで今回は、普段あまりしない作品外在的な(内容とは直接関係のない)ことを喋ってみました。きっかけは、「なんでこれをそんなにプッシュするの?」と訊かれたことで、まあ作品の内容も好きと言えば好きだけど、推す理由はそれだけでも無いかな、と。作品のデキとか内容の話ではないので、だからこのゲームが良いんです! という話では全然ないんですけどね。お薦めする理由でもないし。単に、ブランド好きですみたいな感じでしょうか。

文章を圧縮するためにカットした部分がだいぶあるので、蛇足かも知れませんが以下にちょっと註釈的なことを書いて補足しておきます。

暑い日があと二週間は続くということなので、皆さまくれぐれもお体にはお気を付け下さい。それでは、本日はこの辺で。また明日。

《補足》
※1……たとえば、エロゲーのRPGシリーズとして有名になる『ドラゴンナイト』一作目は89年。『闘神都市』が90年。かの『同級生』が92年。格ゲーというジャンルは『人形使い』(92年)、『V.G. -ヴァリアブル・ジオ-』(93年)あたりのヒットで軌道に乗った感じがある。94年には『愛姉妹』(シーン回想の導入)、『Libido7』(抜きゲー、エロ声CD)、『EVE burst error』(ザッピング)や『学園ソドム』(時間制限)など、その後のジャンルの礎となるような作品が出た。そして、『野々村病院の人々』、『鬼畜王ランス』、『雫』、『Pia キャロットへようこそ!』、『この世の果てで恋を唄う少女 YU-NO』はどれも96年。今みると凄いラインアップ……。以前紹介した「パニックドールズ」もこの年。都市経営SLGという一風変わったチャレンジをした『めい・king』(98年)というのもあった。そして、今もトリッキーなシステムが話題にのぼる『書淫』がでたのが丁度2000年のことである。知っているソフトをずらっと並べただけ、といわれそうだが、一応それなりに系統の違いは見えるのではないかと思う。

斬新なんだか奇抜なんだか良くわからない路線としては『あゆみちゃん物語』(実写版)や、まさかのグロ系18禁『ネクロノミコン』(クトゥルー神話が題材です。20年早かった……)。プレイしたことはないが『吉永サユリがやってくる』、絵柄もさることながら工事現場でひたすらクリック連打を強いられる『Theガッツ!』のような(今度新作がでるようだが、やはり多くの人が驚いている)、脳みそのどの回路を使ったらこういうデキになるんだろう? という作品もこの頃は大量に溢れかえっていた。

明確に「90年代的」という区切りをつけることは難しいし、そもそも意味がないとは思うものの、今とはだいぶ雰囲気を見てとることはできないだろうか。特に、システムとシナリオを連動させる、というのはこの時期多くのブランドが意識したテーマだった。それだけに、マルチシナリオの中で矛盾無く流れが解決できる、といったような整合性・ギミックの巧みさなどに評価が偏ったゲームもあった。

一部の上澄みは別として全体としてはお世辞にも洗練されていたとは言えないし、もちろん平均的なクオリティーは今と比べるべくもない。だが、フリーダムというかカオスというか、意味不明な勢いと活気があった、と私は思う。まあ、本当にただの印象論以上のものではなく、懐古厨のたわごとと言われても仕方がないので、あまり真に受けないほうが良いかもしれない。
※2……私が評判を見る限り、「難しい」と不満が多いのがキーワード。「わかりにくい」というのが運命量。そして「無駄に煩雑」だと不評なのがチャート移動というところ。

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公式HPのシステム紹介。

チャート移動で特に問題視されているのは、「各ブロックの移動には必ずリスタートポイントを通らなければ」ならないというルール。なるほどこのせいで、事象移動が飛躍的に面倒になっている。ちょっと下に図を描いてみたのだが、要するにポイント(1)からポイント(2)に移動するには、「ポイント(1)→リスタートA→リスタートB→ポイント(2)」というふうに、合計3回の移動をしなければならないということである。

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移動のイメージ図。

しかも、リスタートポイントを必ず経由する意味があるかというと、これがシステム的には余り無い。リスタートポイントを経由する移動と、普通のイベントポイント間の移動コストの違いというのは確かにあるのだが、それなら差を織りこんだ移動コストを設定すれば良いだけの話で、ワンクリックで飛べない理由にはならない。これが、リスタートボタンからイベントポイントへ飛べないというのなら、不便さはますもののまだ意図が理解できなくもないのだが。

ドラクエで言えば城と城の間でルーラを一回、その城のある大陸の街に移動するにはもう一回ルーラを使わないといけない、という感じ(距離によってMP消費量が変わるから厳密には少し違うのだが)。それなら最初からルーラの消費MPを倍に、城に行くときは半分で済むようにして一発でどの場所にでも飛べるようにしてほしい。城を経由するワンステップに何の意味があるのか……そう考えればまあ、不満はとても納得できるだろう。

※3……もちろんこれらのシステムにはある種の必然性があり、それを踏まえれば美しい完成度を誇っていると言えなくはない。そのような主張があることは承知しているつもりだし、なるほどと唸らされる部分は多々ある。だが、敢えて踏み込んでみると二つほど看過できない疑問が出てくる。

まず、必然性があるシステムが「ゲーム」にとって必ずしも良いことだとは限らないということ。たとえばの話、剣を振り回してモンスターを倒す行為のリアリティを追求するために、重さ10kgもある鉄製の剣の形をしたコントローラーを振り回さないとクリアーできないRPGがあったとしたら、そこにはなるほどシステム的「必然性」はあるかもしれないが、誰も喜ばないだろう。あるいは、「魔王の賢さを強調したかった」といってアリアハンからアークデーモンが襲いかかってくるドラクエだったら、ユーザーはコントローラーを投げ捨てるしかない。ゲームはエンターテインメントである。このイロハを忘れて「作り手の意図」の名のもとにユーザーに過度な負担を強いてしまっては、身も蓋もない。果たして本作のシステムは、良き「ゲーム」たり得ていただろうか。

もう一つは、この完成度が言うほど美しくもないのではないか、ということ。たとえばキーワード入力のタイミングが異様にシビアなのは、「行人」の視点に沿った話として解釈すれば納得はできる。だが、「行人」に寄りそうならば各人の「運命量」は見えないはずで、そこに齟齬が生じる。また後半、ある事象へジャンプすることが求められたとき、リスタート地点を経由しなければ事象を移動できず、作中では無かったことになる無駄なワンクッションが挟まれてしまう。


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古色迷宮輪舞曲キーワード(ネタバレ)

『古色迷宮輪舞曲』の攻略を書くつもりは無かったのですが、「攻略して」みたいなお便りを何通か頂きましたので、キーワードリストだけ掲載してみることにしました。ネタバレ要素が少ないことと、何が欠けているか、キーワードを逆引きすることで攻略の「手助け」になると考えたからです。

ネタバレをせずに、攻略の手助けになる情報というとやっぱり、キーワード一覧かなぁ、と。

ただ、出来れば自力での攻略が一番楽しむ方法だ、というのは変わらない意見なので、それは重ねて申し上げておきます。まあフルコンプ目指すときは攻略サイトにお願いもありかなあ……。一周目は自力推奨!

以下ソーシャルボタンの下側、「続きを読む」にキーワードを載せます。ネタバレ怖い、という方はご覧にならないようご注意ください。

……ということで情報を載せてみました!

だいぶ縦に長くなってしまいました。もしどうしてもクリアーできないぞ! とか、なんかキーワード集まらん、という人の参考になれば幸いです。とはいえ、もう既に非常に優れた攻略サイトさんなんかもあるので、そちらで解消しておられる方も多いかも知れません。

一応差別化としては先ほども申し上げた通り、「自力攻略に行き詰まった人のヒントになること」というのを念頭にしたのですが、まあ大差ないですね……。

というわけで本日はこれまで。それでは、また明日。

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これはセウトです。

アキバblogさん2012年8月17日の記事に、こんなのがありました。

乳首全開 ToLOVEるダークネス(5)DVD付限定版

もはや多くを語ることは無いというか、モノも言えない感じなのですが、なんでしょうね、このセウト感。これで一般向けとか、わけがわからないよ。

※セウトとは……ニコニコ大百科参照

さすが『To Loveる』さん半端ないっす。いまの若い子たちのリビドーの引受先は、やっぱりこの漫画なのでしょうか。凄いよなあ。

私が子どもの頃はそれこそ、桂正一先生の『ウィングマン』とか『電影少女』とかで盛り上がっていたし、『ダイの大冒険』のマァムのパンチラで大喝采という感じだったんですが、ホンマ最近の子どもさんは進んではるわァ……(遠い目)。

まあ確かにこういうのは凄いエロいと思うものの、ちょっと可哀想だなーという気もします。何がかって? そりゃ、こんなに直接的で質の高い刺激に慣らされてしまうと、もうここから開発の余地が無いじゃないですか。

まちこせんせい最高! とは言わないにしても、かつての「ちょいエロ」の良さって、そこから先を自分で想像する良さみたいなところもあったと思うんですよね。ぱんつの下とか、ホラ。チラリズムとはちょっと違う、その先への想像力というか妄想力というか。でももう、『To Loveる』ってあとは煙を吹き飛ばせばよくて、それもDVDを買えば叶ってしまう。というかコミックで既にアウトだろ!?

私はどっちかというと妄想を楽しむタイプの子どもだったのですが(子どもの頃から変態とかいわないで!)、たぶん自分の子ども時代にこの漫画があったら、妄想とかしなかったと思います。これで十分! 必要ないし!

でも、今になって思うとそういう妄想って楽しかったし、なんか世界を広げていた気がする。私はこの世代で育っているわけじゃないから分かりませんけども、なんでも過剰に、直接的にしていくだけがエロではないということもあると思うんです。

……と、言ってはみたものの、こういうエリート教育(笑)を受けると成長して一層エロのレベルが上がる可能性もあるわけでして、それを思うと羨ましくもあり。まあ、どうでもいいから5巻買いにいってきます、ハイ。

それでは、本日はこれで。また明日お会いしましょう。

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トンデモ怪談

先日、「会社のソーシャルメディア担当になったらクビになりそうになってる件」というスレッドが仲間内で話題になっていました。

まとめサイト「痛い信者」さんで紹介されているので、さくっと見たい方はこちらを。

内容が本当かどうかはともかくとして、会社の公式アカウントを使って外には言えないようなことを平気で言っちゃう……こういうのは割とよくあるなあと思います。ツイッターの犯罪自慢ツイートじゃないですけど、自分のいる場所が世界と繋がっているという意識が希薄……というか無い。

そして、そういう良くわかっていないことをもとに判断を下すからかような悲劇が起きるのでしょう。この時は「あるある……」と思うくらいで軽く流していたのですが、その直後に次の記事を読んで、ちょっと色々と考えてしまいました。

●山本弘のSF秘密基地BLOG 2012年8月16日記事「コミケにトンデモさん襲来

内容は何というか、コミケでトンデモさんに絡まれました、自分の狭い了見が絶対的なものだと思わないようにしましょう、という内容を刺激的なエピソードとともに述べている記事なのですが、やはりこういう話に触れると、私は相互理解の難しさということに思い至らざるをえない。お互いに思っているはずなのです。「どうして俺の言ってることを、奴は理解しないんだろう?」と。そしてそれは、上記のような特殊なシチュエーションでなくても常に存在しているものです。

私はエロゲーのレビューを書いたり読んだりしますが、やっぱり自分にあう感想とそうでない感想というのはある。逆に自分の感想について厳しい意見を頂くこともあります。最近はだいぶ減りましたが、メールで熱心に「指導」してくださる方もおられました。

そう言うときにつくづく感じるのは、人によって本当にものの見方は千差万別で、自分の見ているものは他人の見ているものとは違うのだな、と言うことです。先日『古色迷宮輪舞曲』の感想で「クオリア」がらみの話を色々と書きましたが(ブログではなく投稿したほうの感想)、たぶん日常のあらゆることが、人によって違う見え方をしているハズなのです。私達は普段、その違いをうまく見なかったことにして、あるいは気付かないことにしてやり過ごしている。ずっと気を張っていたら疲れますからね……。でも、ふとしたきっかけでそれが噴出することもある。それが、上にリンクを貼ったようなエピソードなのかもしれません。

人と人の考え/ものの見え方が違うことは、これはもう必然です。どうしょうもない。だから私達は、その中でいかにして関係を作っていくかというその方法を考える必要がある。だいたいですが三つくらいパターンがあるでしょうか。

一つは、これまで通り「違いなんてなかったことに」する。多くの場合はこれで何とかなるでしょう。たまに、上の例のようにとんでもないことに巻き込まれるかもしれないけれど、それはごくごくレアなケース。普通に暮らしているぶんには、そう滅多にお目にかかることは無い。

考えられる次の手は、「ごり押し」。高橋昌一郎『理性の限界』(講談社現代新書、2008年)には「チキンゲーム」のエピソードとともに次のようなことが書かれています。

チキンゲームの最も合理的なナッシュ均衡によれば、どちらかが車を避けなければならない。そこで、相手に避けさせるためには、最も非合理的な戦略を取るというわけですね。そこで、理性を捨てること自体が、理性的な決断と言えるのか……。(p.101-102)

少し補足します。ここで言うチキンゲームというのは、車2台が向き合ってアクセルを踏み、先に逃げた方が負け、というゲームです。この時最悪なのは車の衝突による死亡。次に敗北。一番良い結果がゲームの勝利、ということになります。「ナッシュ均衡」というのは簡単に言えば、あるゲームにおいて各プレイヤーが最大の利益を得るような合理的な選択の均衡解が一意的に存在する、ということです。

そしてチキンゲームにおけるナッシュ均衡は、どちらか一方が勝利すること(両者死亡よりは良い)です。だとすれば、必ず片方が避ける、というのがチキンゲームの合理的決着となる。すると、次のような結論が理性的に導かれます。すなわち、チキンゲームの参加者の片方が理性もなにもないイカれた奴で、「俺は絶対避けない!!」ということを相手に伝えてしまうと、相手は自分の利益を最大にするため(少なくとも死なないようにするため)に、避けるしかない……。

「無理を通せば道理が引っ込む」ではありませんが、無茶苦茶を言っても最後まで言い続けていたら勝ち、というパターンです。しかしこれはやはり「理性を捨て」なければならない。ある意味でとても精神力が必要です。先のブログで紹介されていた「マギカ陰謀論」の方なんかはこのパターンだと思いますが、少なくとも負けは無いかわりに、色んな意味で頭のネジを飛ばす必要があるだろうことは想像に難くありません。そして、そういう彼を「かわいそうな人」と切り捨ててしまった山本弘氏もまた、形は違うけれどこの図式に巻き込まれていると言える。

最後に、「それでも対話を目指す」という選択肢がある。ただ、これは恐ろしく困難。しかも、先が見えない。なにせ、自分の言いたいことをただ伝えるだけでなく、相手が何を言いたいかもくみ取り、その相手に対して伝わる言い方で自分の考えを表現していかなくてはならないのですから。

この時に必要なのは恐らく、自分の考えを説明する力以上に、相手が何を言わんとしているか、そのことを読み取る力でしょう。相手の考えを理解することは不可能だという前提に立つなら、それが無理だと分かっていて、それでもなお相手の立場に立った解釈を試み続ける精神力が求められる。

私にはこの能力がかなり欠けているし、こう言うことが失礼でないなら、現代の多くの「評論」や「批評」を読むと同様に感じることが多々あります。作品や、あるいは作品に対してなされた批評をどのくらい丁寧に見ているか。自分の枠組みを単に押しつけるだけになっていないか。分かるところだけ適当にうけとってしまっていないか……この道を目指すと、常にそういう自問自答になやまされます。

もちろん単に、相手に表面的に迎合すればいいわけではありません。私が思うにですが、「対話を目指す」というときにまず必要なのは、相手の考えを自分なりに突き詰めて考えるということだと思います。そうすることで、良いところも悪いところも見えてくる。そのうえで、自分の考えとどこがどう違うのかを考えてみる。そうしなければ、相互理解の可能性というのは開けない気がする。

これは相手の言い分を「不当に」軽く見ない、ということでもあります。軽く見て、所詮こんなもんだ、と思ってしまったらその時点で押しつけになり、交流の可能性は減ってしまう。

それはチキンレースで言えば、途中でお互いに車を止め、同時に車から降りる。そういう選択肢を探るということかもしれません。

どの選択肢がベストなのかは人それぞれでしょう。中途半端な引き分けを選ぶくらいなら是が非でも勝ちを目指さないといけないという人もいれば、時には自分から負けを認めてでも命を大事にするという生き方もある。そうやってそれぞれに道を選ぶしかない/選ぶことができるということこそが、「人間の理性の限界と可能性」だと信じたいところです。

と、うまくいえたか分かりませんが本日はこの辺で。それではまた明日。

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「キャララ!!」に行ってきた話

昨日(8月17日)の話になりますが、たまたまツイッターでお友達になったある方とお会いする運びとなり、フラフラと出かけておりました。ただ、完全ノープランだったのでどうしたもんかなぁ……と思っていたら、丁度「キャララ!!」なる定期イベントが開催される。しかも、『古色迷宮輪舞曲』の購入者限定イラストシート配布会(レシートもってきてね♪ というやつ)もある……。ちょっと興味あるなぁ、と言うことで話してみると相手の方も賛成してくださったので、ちょっと参加して参りました。

整理券もらって会場に入ってみると、定期イベントだけあって常連さんとおぼしき人が多い。私達は初参加で完全お上りさん状態。独特のクローズな雰囲気があって結構肩身狭いにゃぁ、というのが第一印象でした。会場のスペースもそれほど広くないところに人が30、40人くらいずらっと並んでいたのでシャイでチキンで人見知りな私は一人だったら心折れていたかもしれません。

好印象だったのは、割と開始時間厳守なのと参加者の方がだいたいどの方も非常に落ち着いた感じだったこと(両方とも後に一部が裏切られますが)。あと、割とゆったり座るスペースがあった(地べた)ことでしょうか。司会のおねーさん(キャララガールズ)の挨拶に元気よく挨拶を返し、ブース紹介の後、イベントが始まりました。どうやら各メーカーさんやブランドさんのスタッフの方が近況報告や作品紹介をしていくようです。「キャララ!!」で通常どんなことが行われているかは、初参加の私には残念ながらわかりませんので、他の方のレポートなどをご参照ください。

ここから各ブランドさんのお話に入っていきましたが、今回の目的だったYatagarasuさんの内容についてまずは詳細をレポートします。

▼Yatagarasuさんのばあい
番手は、ボンボンカンパニーさん、D:drive.さん、Alcotさん、Vanadisさんに次ぐ5番目。まずメーカーの蒼鴉さんが颯爽(?)と痛チャリで登場なさいました。車輪部分を彩るイラストは、『古色迷宮輪舞曲』のサキ嬢。

ユーザーの写真撮影は禁止、という注意は事前に読んでいっていたのでその場での撮影は行いませんでしたが、全イベント終了後に会場スタッフの方に確認してカメラを使う許可を頂き、Yatagarasuさんにもお願いして自転車の写真を撮影させていただきました。

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サキ印の痛チャリ。かなり綺麗な塗装です。

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アップだとこんな感じ。

で、トークについて。蒼鴉さん、非常に穏やかな物腰かつ落ち着いた声で、なんというか人柄がにじみ出てる。良い人なんだろうなあ(修羅場のときとか苦労なさってそう)という感じの方でした。

他のメーカー・ブランドさんは複数のスタッフで来られていたり、声優さんや主題歌の歌い手さんも来ておられ、スタッフ間でのかけあいをする場合が多かったのですが、Yatagarasuさんは蒼鴉さんお一人。主に参加者との間でやりとりで進行します。「紅茶の作り方覚えた人」と訊かれたので、とりあえず手を挙げておきました。「熱湯」にはじまり「祈り」で終わるんですよね!

一応トーク内容を記憶の限りでまとめておきます。まず痛チャリの話から、開発中にリフォームがあった際、蒼鴉さんが自転車で大移動をしたという開発秘話的なネタでスタート。続いて「古色」が大ヒット御礼で在庫が本当に全く無い状態であるというお話があり、その流れで「古色」を知らない人のためにどんなゲームかを紹介。「紅茶の作り方を覚えておけば大丈夫!」という説明でしたが、さすがにそれは「嘘だッ!」と叫びたくなりました。プレイ時間は平均30時間くらい、ただ蒼鴉さんは作業の裏でゆっくり進めたので50時間かかったそうです。

その後、会場に「何か質問ありませんか」と割と無茶振り。しかしパッと手が挙がったあたりはさすが話題作ですね。サウンドモードについての質問がお2人ほどからでていました。それによると、近日中にサウンドモードを追加するパッチが公開予定である。OPのFULLバージョンも聞ける。サウンドモード追加によってゲームシステムに何か変更がある訳ではない。バグがでたらごめんなさい、ということでした。

最後は今後の展開について。新作『星彩のレゾナンス』が鋭意制作中であるということ。今回は無理だったけど、次回の『キャララ!!』には「古色」のスタッフ(原画や声優さんなど)も出来れば参加してもらえるように頑張ってみるので期待してほしいということ。そしてその際はまた、購入者特典をつけるつもりなので購入証明書はまだ捨てないで欲しい、ということでした。

トーク終了後、購入者用に用意されたイラストシートの配布会が実施され、私もイラストシートを頂いてきました。キャラは何故かサキでも舞さんでもなく、美月さんだった(笑)。

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購入者特典のイラストシート。

イベント終了後、自転車の写真を撮影させていただく時にどうしても気になったので、失礼かと思いつつ訊くだけなら良いかと「どうして原画がTEL-Oさんじゃなかったんですか?」とうかがってみました(別にTEL-Oさんのほうが良かったという意味ではなく、単にそれまでとの違いがあるのかなというだけ)。すると蒼鴉さん、「TEL-Oはですね、ちょっと休ませて欲しいって……」というお返事。鵜呑みにして良いかどうかはともかく、思っていた以上に大したことのない理由でした。まあ、今回の原画お三方も私はとても好きですし、TLE-Oさんの絵だったらおっぱいに目がいってキーワードどころじゃ無かった気がするので、かえってこれで良かったのかもしれません……。

Yatagarasuさんについてのレポートはこんな感じで。この内容ですので、私は当然次回も参加が決定してしまいました……。次も楽しみにしています! そして不躾な質問や撮影のお願いに快く応えてくださりありがとうございました。

▼他の参加メーカーさんのばあい
以下、ざくっと各メーカー・ブランドさんの内容をまとめてみます。記憶に限界があるので全部は無理かもしれません。そこはご容赦ください。

◆ボンボンカンパニーさん
新作『貧は僕らの福の神』の紹介とマスターアップ報告。声優の雪村とあさんが参加してトークをしてくださいました。さすが喋りのプロだけあって、トークの引き出しは凄かった……まあメーカーの広報さんとかと比較するのは双方涙目かもしれません。

雪村さんは同時参加の他作品にも出演しておられましたが、前に立ったのはこの時だけ。 どうもトップバッターだったこともあってネタの打合せがあまり出来ていなかったらしく、メインシナリオを担当した大三元さんが別ブース(確かWhirlpoolさん)で参加していたのを無理矢理引っ張り出して前に立たせるも、無言のまま時間が過ぎ、結局一言も喋ることなく「はい、ありがとうございました!」で〆るという一幕も。

マスターアップ30時間前にPCがぶっ壊れてしまい、最後は携帯電話の録音機能で足音のSEを補うなど大変な苦労の後にできあがったという制作秘話が聞けました。製品楽しみにしています。

◆D:drive.さん
今回のメーカートークの中でピカイチに面白かったのがここ、D:drive.さん。といっても洗練されたネタ……というよりあまりのドタバタっぷりが笑いを誘うという感じでしたが。多少わざとネタをやっているところはあったにせよ、あれ全部打合せ済みの計算ずくだったとしたら、エロゲーブランドではなくお笑いの会社を立ち上げても通用すると思います。

内容は、月末発売の『ツゴウノイイ彼女 ~遥編~』の紹介、主題歌を歌っておられる歌手SIONさんの主題歌ライブ、BLACKRAINBOWさんと開発している『痴漢のライセンス』の三本立て。

メーカーの方とゲストのSIONさんが和やかトーク……と思いきや、開口一番メーカーさんがSIONさんにゲーム紹介を丸投げ。SIONさんが「私ゲーム全然しらないんですケド……」と戸惑いながら必死に紹介するというとんでもないスタートに。お互いにゲーム紹介を押し付けあい、しまいにはSIONさんが「私、「ツゴウノイイ」女じゃないんで」と切り返し。ごもっともです。ちなみに主にお金の都合などでD:drive.さんがチラシを刷れなかったということで、D:drive.ブースで配布されていたのはSIONさんのバンド「ROSE&ROSARY」の残暑お見舞いチラシ(笑)。そんな事情もあってSIONさんとROSE&ROSARYさんのお話がしばらく続き……おい、ゲームの話はどうなった。

メーカーさん曰く「パッケージ版、DL版、Android版という三つを同時発売は業界初」とのこと。どっかで聞いた話だなと思ったら、昨日紹介した『白神子』も似たようなことを言っていました。あちらは、Win版、Mac版、Android版の3プラットフォームでしたが。要はAndroid版の発売が始まりつつある、ということなのかもしれません。ただ、曰く「Android版作るのは相当難しい」とのこと。まずAndroidのバージョンによって動作が違いすぎてしんどい。そしてスマホでやるならとにかくメモリの問題があり、「GALAXY SIII」くらいメモリがあれば問題無いけど、他の機種だときつい。また同一機種でも旧型だと動かないとか、予想外のトラブルが次々と起こるそうで。実はAndroid版だけはまだ調整が難航していて完成にこぎつけておらず、ギリギリまでひっぱることになりそうということでした。個人的にはとても興味があったので、この辺りの話を詳しく聞けたのは良かったです。

会場のアンケートでは、もし買うとしたらパッケージ版が圧倒的。DL版がごく少数。Android版はゼロでした(笑)。ただその辺はメーカーさんも「だいたい想定通りです」とおっしゃっていました。Android版は本当に様子を見つつ何か画期的なことができないか探っている状態なのかもしれません。でもそんなわけで出荷本数は(特にAndroid版は)少ない。しかも、ショップさんはフルプライス製品のほうを置きたがる(一本の利益額の問題だと思います)ので、パッケ版やAndroid版が欲しい方は予約しないと手に入らない可能性のほうが高いと思ってください、ということでした。まあ私はDL版買うつもりだったので余り関係ないかな……。ともあれ「インストール終了時点でフラグが立って、あとはクリックするだけ」のゲームだということで、楽しみです。

中盤以降はウォームアップが終わって調子が出てきたようで、原画のふさたか式部さんがお盆で実家に帰省したところに無理矢理特典イラストの仕事をねじ込んで親戚勢揃いの中でおっぱい絵を描かせて羞恥プレイを強いたエピソードだとか、「俺たちピザって呼ばれるけどピザみたいに高価なもんくわねえよ」みたいなトークで会場の笑いを誘っていました。なお原画は既に12月発売予定の瑠璃子編の途中まであがっているということで、結構順調みたい。

SIONさんのライブは、主題歌「フロントライン」。ご自分でピアノを弾いておられるということで、なかなかかっこいい、良い感じの曲。甘酸っぱさと仰っていたか、切なさと仰っていたか忘れてしまったのですが、そういうのを詰め込んだのだそうで。このブランドの曲はいつもかなり良いのが多いですね。楽曲提供はROSE&ROSARYさんがメインだったようで、ビラをみて初めて知りました。

最後は、姉妹ブランドのC:drive.さんとBLACKRAINBOWさんが共同開発中の『痴漢のライセンス』の話が少し。ヒロイン3人でDL版は3分割、全部購入するとハーレムルートっぽいのを追加DLできるようにする予定だけど、パッケージ版にはもとから全部はいってるのでパッケージ版買ってください、ということでした。ちなみにヒロインのCVが、一色ヒカル、かわしまりの、乃嶋架菜と豪華な布陣。メーカーさん曰く「痴漢をすると普通のゲームだと捕まってゲームオーバーなんですが、このゲームの主人公は痴漢のライセンスというのを持っていて、それを見せると「ライセンスがあるのかー、じゃあしょうがないネ」と許されてしまうという、まあ、バカゲーです」。いやいや、なかなかどうして面白そう。むしろこっちのが買いかもしれません。参加していた他メーカーさんにも大うけしてました。

◆ALCOT/ALCOTハニカムさん
新作『中の人などいない!』の紹介。ここは広報のお二人が非常に馴れていらっしゃって、トークが軽快に進みます。……前が前だけに余計そう感じられたのかな。

既に初回特典(プラスチック製ヒーロートレーディングカード)、予約特典のカードホルダー(7月29日〆切だったやつ)は品薄状態で、今から予約してもギリギリ間に合うかどうかだとか。ソフマップさんあたりで当日何ごともなかったかのように置いてある可能性は無きにしもあらずですが、どうしても欲しい! という方はこの土日が最後のチャンスかもしれません。

ヒロインの絢乃はとんこつラーメンが大好きで、とにかくラーメンラーメン言うのでお腹が空いてしかたがないそうです。深夜にプレイする場合は、とんこつラーメンを準備しておくが吉かも……。

なお、『リアル妹がいる大泉くんのばあい 』、『キッキングホース★ラプソディ 』、『春季限定ポコ・ア・ポコ』に続く宮蔵プロデュース作品の第四弾、『あえて無視するキミとの未来』の予約が本日(17日)から受付開始とのこと。というか、宮蔵プロデュース作品がその3つだったことを初めて知りました……。それらとは別に、「まだお話しできない」ビッグニュースもあるそうです。色々と楽しみですね。

◆脳内彼女/Vanadisさん
新作『聖もんむす学園』のマスターアップ報告と開発秘話。プロデューサーにしてシナリオライターの影花さんのトーク。ぶっちゃけ他のブランドさんと比べるとエンターテインメント性は高くなく、寝てる人が結構いたのですが……私は凄く興味深く拝聴しました。

何といっても影花さんの戦略性とかもんむすに対する静かな情熱が伝わってくるのが良い。たとえば、もんむす系といえばこれまでロープライス作品を出し続けてきたけれど、最終的にはフルプライスでやるのが目標で、とうとうそれが通ったこと。モンスター娘もののブランドとして知名度も上がってきたし、これまでの集大成のつもりで作ったこと。サブヒロインには過去作のヒロインの娘が出てきているが、それはもともとこうして使うつもりでEDに娘を出していたこと。こういう話を聞くと「スゲェな」と思いませんか? 思いますよね! 思え。

ゲームは魔物娘たちの通う学園に教師として赴任した主人公と彼女たちとの交流を一年スパンで描くのだそうで、「原画のぶぶづけにかなり無理を言って各季節の衣装を描いてもらった」とのこと。ぶぶづけさんは「死にそうになっていた」そうです。また、ぶぶづけさんは絵をよく動かすので、フェラの差分CGなどで顔の位置が大きく動いたりして、そのせいで差分なのにほとんど1から塗り直しのような状況になることが多く、CG陣から不満が出まくった話とか、4ヶ月も伸びちゃってごめんなさいな話とか、とにかく大変だったエピソードが多かったですね。ただ、それだけに出来映えには自信ありげだったし、私もにわかに興味がでてきました。買うつもり無かったけど、当日買いにいくつもりです。ぶっちゃけこれは面白そう。

やはりかなりニッチなジャンルのせいか「体験版やったひと?」と訊かれて手はほとんどあがらなかったのですが、どうも海外で注目されているようでYoutubeのムービーに海外からのコメントがついたり、「外人から『どうやったら買えるのか』『ローカライズしろ(英訳版だせ)』というメールが来た」そうです。メールには日本国内限定でしか買えないという返事をしたけれど話が通じなかったので最後は「日本に来い!」と言ったら「じゃあ行く」という返事が来たのだとか。もし本当にその外人さんが来たらニコ生で放送してくださるそうです。いまからとても楽しみですね(違)。

◆Whirlpoolさん
Yatagarasuさんのイラストシートイベントに参加していたので余り聞けませんでした……。

おぼろげに記憶している限りになりますが、ざくっといきます。内容は『竜翼のメロディア』の紹介。いつもは発売日に秋葉原でイベントをしているけれど、今回は9/28(金)~10/8(月)の間、川崎の駅前のカフェ兼バー「club 月あかり夢てらす」でタイアップイベントをなさるそうです。作品世界観に沿った内装にしたり、ドリンクがでたりするそうです。またその際、作品のマスコットである竜の「ドーラ」の像を設置予定だとか。ドーラ像は、『王様のブランチ』などでも紹介されいてた発泡スチロールアートの大家・ヤジマキミオさんに依頼しているので楽しみにしてください、とのこと。あと「ドーラは女体化とかしませんからー」だそうです。

なお、シナリオの大三元先生は当日(17日)が誕生日だったそうで。おめでとうございます!

◆CANDYSOFTさん
新作『かみデレ』の情報がメイン。ここも広報の方が随分馴れておられて、楽しいトークでした。

『かみデレ』は七福神をモチーフにした作品で、差分・SDは含まないイベントCGだけで110枚という大ボリューム。現在鋭意制作中で多分発売予定日にお届けできるのではないか、ということです。「7」が結構キーワードのようで、タイトルロゴには虹(七色)を模したデザインを入れたり、主題歌が『 Baby☆Seven Flight colors 』(seven)だったり、EDの歌い手さんが「NANA」さんだったり、企画がマイルドセブンスターさん(セブン)だったり……。ナルホド! でもゲームの内容はそれじゃわからんぞ(ガンガン)。

初回特典にはミニサウンドトラックがついてOPとED曲が収録されますが、それとは別に作中、桃井いちごさんが歌う挿入歌があるそうです。こちらはミニサントラには入らないようですが……製品買えってことですね(。・x・)ゝ なお現在バナーキャンペーンをやっていて、声優さんのサイン色紙などが結構な確率で当選するみたい。狙う人は応募してみるのも良いと思います。応募期間は2012年9月27日18時までです。

それとは別に8月10日(金)~8月20日午前9時までで発売前キャラクター人気投票を開催中。投票トップのキャラにはマスターアップイラストに登場してもらう等の特典がつくそうです。メーカーさんはどうもウサギのユキちゃん(CV:桐谷華)がイチオシのようで、「ユキちゃんが人気投票トップだったらどうするんですか? ウサギがマスターアップイラストに登場するんですか?」みたいなネタ振りで組織票を促していました(笑)。実際問題ユキちゃんはサブヒロイン扱いになっているので、ちゃんと女体化しそうです。ドーラとは違って。

頂いたビラを見たり帰ってからHPの紹介をチェックしていたのですが、声優陣やイラストから察するになかなか面白そう。月末まで待って雑誌を確認したら、予約に行こうかなと思っています。

◆ねこねこソフト/コットンソフトさん
発売中の『終わる世界とバースデイ』開発秘話と新作『サナララR』の紹介。「終わるバ」のシナリオライター海富一さんがいろんな話をしてくださいました。面白かったのは、作中重要なポジションを占める織塚美咲や諏訪郁生といったサブキャラクターは、もともとシナリオの予定には無かったけれど原画の司ゆうきさんがイラストを先に仕上げておられ、「こういうキャラどうかな。ポジション的にはここにいれて……」とキャラが先にできあがっていたという話。最初から全部できあがっているのではなくて色んな人との関わりの中で作品というのは出来上がっていくんだ、という実感がこもっていてなるほどなあ、と思います。私はあんまり作家論的な読みを好みませんが、エロゲーとかで作家性について考えるなら、シナリオライターだけに絞らないことで見えてくるものもあるのでしょうね。いやまあ、そんなこと10年以上前から言われ続けていますが、現場の話というのはやはり説得力があります。

『サナララR』なんかもそうで、『サナララ』(旧)時に海富さんが担当した某キャラが他の娘と毛色の違う終わり方になったのは、海富さんの考えというより全体の方針が先にあって、「こういう終わりになる話も一つ入れよう」というところに海富さんが入ったということのようです。こういう場合も、ライターの方にシナリオの内容をすべて還元しづらくなってくるかもしれません。

なお『サナララR』はコミケの巨大スクリーンでデモムービーが流れていたのですが、それよりちょっと長いバージョンが店頭で流れるようになるみたい。なめらかではないけれど割と雰囲気のあるアニメーションで見応えありです。『サナララ』がでてからもう7年も経っているんですね……あれやったの昨日のことのように思い出せるのに。時間が経つのは早いものです。スタッフの方も、当時と今とでできることが随分変わったと言っておられたし、そういうこともあって(OPを入れようとか)最初は単なる移植の予定だった『サナララ』が、リニューアルというかリメイクというかリファインというか、とにかく新しい『サナララR』としてフルプライスで販売する流れになったようです。

来月の「キャララ!!」に、できれば『サナララR』の体験版を持ってこられるようにしたい、ということなので期待ですね。

なお、「ねこねこラジオ」ではお便りが不足しているので、是非お便りをください……! という熱いメッセージが最後に。

◆KISSさん
好評発売中『××な彼女のつくりかた 2』の紹介ムービー上映会でした(笑)。社内一の変態に作らせたらこうなった、という話ですが、これがめちゃめちゃ面白くてみんな見入ってました。特にキャララガールズの方が大笑いしながら見ていたのが印象的だった……。

一応話をうかがっている限り店頭デモのようですが、13分あるムービーを流しているショップさんがどのくらい存在するのか……。でも必見です。私は買いたくなった! もともとカスタムシリーズ結構好きですしね。

『かのつく2』は、ヒロインのエディットだけでなく彼女と暮らす街を作るという楽しみもあるようで、都市を開発して建物をつくることで、そこでのHイベントなんかも発生するのだとか。だいぶいろんな要素が絡んで面白いゲームになってそうな予感。最後はひたすら女の子をカスタムしてHを繰り返すという結構ストイックな展開になるのが目に見えているゲームなんですけど、今回はかなり遊べる要素が増えてそうだし買っちゃおうかな……。

他には、『キャララ!!』で最初に発表する情報として「××な彼女のつくりかた シークレットデータパック」(SDP)というのが開発されており、発売が決定したそうです。プラグインパックで名状しがたい衣装がついてくるようなメーカーさんなので、どんな内容かすごく興味あるぞぉ。

◆Purple Softwareさん
トリを務めたのはパープルさん。新作『ハピメア』についてのお話。いつものパープルのような明るい学園モノとは一線を画し、ちょっとミステリアスな「夢」の世界を扱う――その世界観や「明晰夢」について色々話がある……かと思いきや、途中から斜め上の方向に脱線。耳掃除のためのアイテム、「ミミクリン」のコマーシャルになっていました。

ミミクリンは耳垢をとるのに凄く良いけれど、耳垢というのは弱酸性で、昆虫とかが耳に入ってくるのを防ぐ役割を持っているからあんまり取りすぎるのも問題だよ! という知識は覚えたのですが、他のことはあんまり……。結局「ハピメア」ってどんなゲームなんだろう(´・ω・`) 本当にネタでミミクリンのCMをして、作品の紹介を全然しないことによって逆に「ハピメア」への興味を煽ろうという高度な戦略か、まだ内容が全然できてなくて紹介できることがあんまり無かったので苦肉の策でミミクリンがでてきたか……。

まあでも、何か雰囲気はありそうな作品なのでちょっと楽しみです。原画は『未来ノスタルジア』の克さんと、『しあわせ★家族部』の月杜尋さん。


▼まとめ
うう、意外とまとめたら長くなった……。疲れたしこの辺で終わりにしよう。とりあえず「キャララ!!」の初参加、すごい楽しかったです。タイムスケジュールは19時半終了(整理券には19時となっていたけど、HPとかでは19時半とかいていました)となっていて実際に終わったのは20時半近くになってからでした。約1時間延びたけれど全然ダレなかったし、最後の方がテンション上がっていたくらいです。

こういうイベントに来る人というのはやっぱりそれだけ特別な情熱を持っているし、また秋葉原近隣にいる(このイベントに参加可能である)という意味で熱心なファン、他のファンと差別化できる特徴を持つと自分で思うことができるファンなのでしょう。各メーカー・ブランドさんは「ここだけの情報」とか「ここだけのグッズ」を出しながらうまくそういう「自分は特別」という想いを盛り上げつつ、「自分にとってこのメーカー/ブランド/作品は特別」という方向にもっていっているように見えました。このイベントはなんというかメーカーとユーザーの間が物理的に凄く近くて、妙な一体感がある。自分もこの企画を作っている、みたいな状態になりやすくて、ブランド側/メーカー側に肩入れしやすいんだと思います。やりすぎるとただの狂信者集団ですが、お互いその辺は分かって演じてる部分もあり、丁度良い塩梅でバランスを保っていたかな。

ともあれ、毎月こういう企画をしておられるスタッフの皆さんは本当にありがとうございます。また次回も参加できたらいいなあ。

というわけで本日はこれで。

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レビュー:『らぶなどーる! 』

らぶなどーる1らぶなどーる2
上月司 『らぶなどーる! 』
(電撃文庫、2012年5月10日(1巻)/8月10日(2巻)、イラスト:アマガイタロー)

『れでぃ×ばと!』の上月司氏の新シリーズ、『らぶなどーる!』。正直余り期待していなかったのですが、思わぬ掘り出し物。かなり良い感じのラブコメでした。というか、私はこういうベッタベタなのが好きなんですよ!! そうだ、これが俺たちの求めていた面白さだ!

イラストのアマガイタロー氏の絵も良いですねー。バッチリハマってる。なにげに男キャラやマスコットが丁寧に描かれているのも好感度高いです。というわけで、一躍私の中ではお薦め本になってきたので簡単に2巻まとめて紹介記事を書いてみることにしました。
(あらすじ)
私立愛杜学園高等部二年・雪村虎太郎(ゆきむらこたろう)は、どこにでもいるごく普通の男子学生……よりはちょっと目立たない、いや、だいぶ目立たない影の薄い少年。2年間一緒にいたはずのクラスメイトからも名前を覚えて貰えない不遇っぷり。それでもメゲずに学園生活を送る彼に、とんでもない不運が訪れる。なんと、入学早々一人暮らしをしていたアパートを焼け出されてしまったのだ……。

途方に暮れる虎太郎だったが、幼馴染み・相羽空(あいばそら)の助けで何とか住む場所を見つける。しかしそこは、現役モデルにして生徒会長をつとめるスーパー女子(ただし留年中)・玖珂セレスティア(くがせれすてぃあ)の私邸を改造したアパートだった。しかも、住人は女性ばかり。その中には空の妹・蒼海(うみ)や、学園のアイドルにしてクラスで最も人気のある女子・百合川雛姫(ゆりかわひなき)まで……。

入居早々、トイレで真っ裸のセレスティアと鉢合わせしてしまい、追放の危機に逢う虎太郎だったが、他の面々の説得によってなんとか執行猶予がつくことに。そのかわり、虎太郎は生徒会のマスコットであるラブラドールレトリバーの着ぐるみ「ラブらん」として働かされることになったのだった。

そんな日々を送るうちに、虎太郎は雛姫のある「秘密」を知ってしまう。結果、二人は急接近して――。
Amazon先生の評価などを見ると、「1巻はどこにでもあるラブコメ」「別に普通」みたいな評価を見かけますが、私はむしろ1巻でかなり惹きつけられました。2巻もセットで読んだ方が面白くなっていますが、1巻でも十分綺麗にまとまった良い感じの話だと思いますけどね~。

古来、恋はシーソーゲームだなんて言われますが、それは単に駆け引きというだけでなく、惹かれ合う二人の間にはどこかアンバランスなところがあったほうが面白い、というニュアンスもあると思います。美人の管理人さんと平凡な五代くん然り、女神さまと蛍一くん然り。本作で言えば、存在感抜群の「孤高の百合姫」(ひどい二つ名です)こと雛姫と、存在感ゼロどころかマイナスの虎太郎、という二人を中心に話が回るところが面白い。

加えて、途中雛姫が虎太郎にある「約束」をしてくれるように頼むのですが、そこからが本番。表面的な付き合いではわからなかったお互いの新しい面をどんどん知っていく虎太郎と雛姫二人の関係が、次第に動いていきます。雛姫と虎太郎、二人の間に流れる想いもどこかアンバランスになってきて、その微妙な崩れ具合が良い感じ。

2巻では、雛姫以上に虎太郎のことを深く理解している幼馴染み・空の存在感がぐいーんと上昇すると同時に、巻末では爆弾発言が飛び出し、波乱の予感に期待が高まります。まあ、たぶん彼女のことなんだろうけど……。虎太郎の「影が薄い」という特性も、実は意外とプラスの意味に捉えられるかもしれない可能性が示されるなど、今後に向けた土台作りが盛りだくさんの内容。

この展開だと、一度アパートを追い出されそうになる虎太郎を雛姫がかばって関係が変わるとか、そういうパターンになりそうだな……と予想しつつ、そういうベタベタな展開で良いので雛姫が素直になるチャンスが早く来ることを祈るばかり。

『れでぃ×ばと!』的なハーレム展開になるかと思いきや、今回はかなりヒロインがしっかり絞られている感じが(今のところは)しています。そしてむしろ、変にハーレムにするよりこっちのほうが軸が定まっているぶんメリハリがついていて面白い。今後の展開は正直、空の頑張りにかかっている感がしないでもありませんが。

なお心理描写や事情の説明(整合性)をきっちりやろうとするあたりが上月氏らしいところで、その意味では余りにぶっ飛びすぎてちょっと無理矢理感が拭えなかった『れでぃ×ばと!』より本作のほうが舞台設定もうまくいっている感じがします。次巻も楽しみに待つことにします!

というところで本日はおしまい。それでは、また明日。

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企業ブースの想い出

コミケ行ってきた写真をぽちぽち整理。適当に貼り付けながら、初日に企業ブース回ってきた感想など振り返ることにします。

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恒例の、コミケ限定ドリンク。200円。たっけー! 会場内を回っていると金銭感覚がどんどん麻痺していくのですが、ここに来ると我に返ります。貴重なストッパー。

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『英雄戦姫』の天狐ブース。最初は凄い列でしたが、12時過ぎたあたりから割と落ち着いてきていました。たぶんこの写真を撮った時間でも、Sold Outはしていなかったと思います。会場にはここのショッパーを抱えた人がたくさんいました。

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今回の私の目的・相変わらずもの凄い人手のLeaf/AQUAPLUSブース。列形成がイマイチなのも相変わらずで、今回も会場の外(ここからは見えませんが、右手に出口があります)に形成していた列が意味不明なくらい伸びていました。

私は始発到着で10時半前に会場に入ったのですが、その時既にスタッフの人が列をどう形成して良いか分からない状態になっており、すったもんだの挙げ句「AQUQPLUSブースに行きたい方は手を挙げて私について移動してください。移動しながら、なんとなく2列を形成してください」みたいな指示がでて、みんなでニヤニヤ。

『WHITE ALBUM2』のOST(についてくるコミケ限定のmcディスク)目当てだったので結構無理して並びましたが、購入できたのが12時半すぎ。2時間は並んだ計算です。「まだ買えないから、時間ロスしすぎてもう他は回れない」みたいなことを言っている人もちらほら。

売れ行きは相当順調で11時半くらいにタマ姉の「冷え冷えシート」は完売。それ以外は後半でも割と余裕で購入できたみたい。たぶんかなりの数を用意してきていたのだと思います。去年の冬は『WA2』の小説が少数配布ということでどうしても早く並ぶ必要があったのですが、今回はそこまで気にしなくても良かった予感。とにかく時間を消費してしまうので、複数ブースをまわるつもりなら、最初にLeafブースは鬼門かもしれません。

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OVERDRIVEブース。13時半ごろに行ったのですが、ガラガラでした(笑)。『超電撃ストライカー』や『キラ☆キラ』のムービーが流れていて、ブースに並んでる人よりそっちをじっと見ている人が多かった。やっぱりカッコイイですからね。曲もインパクトあるし。

原画の片倉真二先生がその場でサインしてくださるということを大々的に宣伝していたというのに、食いつく人が意外に少なく……。私は『カナリア』の昔から大好きだったので、CDを買ってジャケットにサインしていただきました。日付を入れてくださる際、2010年って書いて「しまった!」みたいな顔をなさったあと、申し訳なさそうに「0」をそっと「2」に直す様子に思わず和んでしまった。

片倉先生、ありがとうございました! これからも応援しております。

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モンスターブースの一つ、オーガストブース。しかし相変わらず神がかり的な列さばきによって、あまり混雑した様子もありません。実際にはここも外に列が形成されているのですが、それでも他の大手と比べて圧倒的にスピーディー。立地の良さも手伝っているにしても、列の順番抜かしとか発生しない(Leafブースはそれでストレスがたまります)よう蛇行しにくい工夫がされているなど、配慮が行き届いていました。デモムービーとかも列から外れた位置で見ることができるので、とてもありがたい。

ちなみに前の記事でも書いたとおり、『大図書館』関連全く視野に入っていなかったのに、紙袋のイラストがあまりにも良くて思わず購入してしまいましたとさ。3000円だしね! 安い安い! 2限だから使っても6000円! 諭吉さんでおつりが来るよ!

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公式HPにあるこのイラストの紙袋です。スク水がまぶしすぎる……。


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色々回った後、「そういえば……」と思ってTYPE-MOONブースに行ってみましたが、当然のように何も残っていませんでした。もう15時まわっていたし、そりゃそうですね。

とりあえずエロゲー関連のブースをピックアップしてみました。他にも色々回ったけど、ひとまずこんなところで。行くと疲れるし行くのを決めるまでにかなり助走つけないと思い切れなくなってきたとはいえ、えいやっと参加してしまうと楽しいものですね。

今回は曇りの日が多く、だいぶ恵まれていたかなあ。二日目には制汗スプレーでミントの香りを巻きまくってる人が近くにいましたが、そこまでするほど汗くささも感じなかったし(笑)。あんまり好きじゃない夏を楽しく乗り切れたので、冬もまた参戦しようかと思います。

というわけで本日はこれにて。また明日、お会いしましょう。

※撮影については基本、一応ブースの遠景写真を撮らせて頂いて良いかスタッフ(があんまり忙しそうな場合はコスプレ係の方)の方にうかがっています。が、自販機等一部は確認をとっていません。問題がございましたらお申し付けください。即撤去いたします。

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