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報道各社が昨日の夕方~夜にかけ イノセント 猪瀬都知事辞任の見込みを伝え始めていました。深夜から早朝には、速報も入り。朝日新聞やNHKのニュースも更新されていました。

▼「猪瀬都知事、辞任へ 徳洲会5千万円問題で」(2013/12/19) [朝日新聞デジタル]

▼「猪瀬都知事 現金授受問題で辞意表明へ」 [NHKニュースWEB]

割とまとまっていたので、NHKニュースのほうを引用します(レイアウトを一部変更)。

猪瀬都知事 現金授受問題で辞意表明へ

12月19日 3時42分

 東京都の猪瀬知事は19日に緊急の記者会見を開くことになり、この中で、大手医療法人「徳洲会」グループ側から5000万円を受け取っていた問題を受けて辞職する考えを明らかにするものとみられます。
 猪瀬知事は都知事選挙の告示日直前の去年11月、「徳洲会」グループから5000万円を受け取り、ことし9月に徳洲会が東京地検特捜部などの強制捜査を受けたあと全額を返却していました。
 猪瀬知事は「受け取った資金は個人的な借入金だ」と強調し、徳田毅衆議院議員から受け取った際、書いたとされる借用書を公表するなどして公職選挙法で報告が義務づけられる選挙のための資金ではなかったと繰り返し説明してきました。
 これに対して都議会は総務委員会で集中審議を行うなどして受け取った資金への認識や返却するまでの経緯などについて猪瀬知事を追及してきましたが「猪瀬知事の説明は二転三転し信用できない」として18日にこの問題を調査する「百条委員会」を設置することを決めました。
 また都議会や都庁内からは猪瀬知事の資金を巡る問題が長引けば都政が停滞し、オリンピックの開催準備やこれから本格化する新年度予算案の編成作業などに深刻な影響が出かねないと懸念する声が強まっています。
 こうした状況を受け、猪瀬知事は19日午前、緊急の記者会見を開くことにしており、これ以上、都政運営を続けていくことは難しいとして辞職する考えを明らかにするものとみられます。猪瀬知事は辞意表明に合わせて辞表を都議会議長に提出する見通しです。その後、選挙管理委員会に辞表が通知された翌日から50日以内に後任を決める都知事選挙が行われます。
 また都の幹部によりますと、猪瀬知事の辞意表明を受けて来週の24日にも都議会が臨時に招集され、猪瀬知事の辞職が正式に決まる見通しです。これに伴って都議会が18日に決めた百条委員会の設置は見送られる見通しです。

東京地検特捜部が告発受理へ

 猪瀬知事が徳洲会グループから5000万円を受け取った問題で、東京地検特捜部は今後、市民団体から出されていた告発を正式に受理して捜査を始めるものとみられます。
 猪瀬知事の資金問題については、大学教授などで作る市民団体が、「公職選挙法違反」や「政治資金規正法違反」の疑いがあるとして、猪瀬知事の刑事責任を問うべきだとする告発状を、東京地検特捜部に提出しています。
 公職選挙法は、選挙資金として「寄付」を受けた場合、陣営の出納責任者に報告することや、「選挙運動費用収支報告書」に記載することを義務づけています。しかし猪瀬知事は、「個人的な借入金」だと主張して、5000万円を受け取ったことを出納責任者に伝えず、収支報告書にも記載していません。
 これについて告発は「本当に個人的な借入金なら、5000万円もの大金を、現金で受け取ることはありえない。世間に公表できない『選挙のための闇献金』だ」と批判して、公職選挙法違反に当たるとしています。
 さらに候補者が「選挙のための寄付」として、一個人から受け取れる上限を、150万円と定めた政治資金規正法にも違反しているとしています。
 特捜部は、徳洲会グループの選挙違反事件の捜査の過程で、猪瀬知事への資金提供を把握し、これまで慎重に情報収集を続けてきましたが、5000万円の趣旨などを徹底して解明する必要があるとして、今後、告発を正式に受理して、捜査を始めるものとみられます。

作家から都知事に

 猪瀬氏は、作家として政治や社会問題について積極的に発言をしてきました。著書「ミカドの肖像」などで日本の近代や権力構造について鋭く切り込みました。平成19年には当時の石原知事の要請で東京都の副知事に就任、日本道路公団などの民営化に関わった実績が買われました。
 去年10月には辞職を表明した石原前知事から後継者に指名されます。告示日直前に都知事選挙への立候補を表明、433万票余りと過去最多の得票で都知事の座を射止めました。 第7代の都知事に就任した猪瀬知事は、スピード感のある改革を訴えます。真っ先に取り組んだのが2020年のオリンピックとパラリンピックの招致でした。みずからニューヨークやロンドンなど世界各地を走り回って東京への招致を呼びかけました。そして迎えた、ことし9月のIOC総会では、招致活動の先頭に立ち、56年ぶりとなるオリンピック開催を勝ち取りました。
 猪瀬知事は、選挙での圧倒的な支持とオリンピック招致成功の勢いに乗って都政を運営してきました。しかし、みずからの金を巡る問題によって大きくつまずきました。


う~ん。 なんか見事に「晩節を汚す」という感じですね。私も都知事選では猪瀬氏に投票していたので言い訳じみたことしか言えないのですが、作家として、あるいはジャーナリストとして一線で活躍していた時と比べると、見る影もなし、という感じがして寂しいです。

 まあもともと、清廉潔白という人柄ではないような感じはあった(失礼ですが)というか、どっちかというと目的のために手段を選ばないタイプだろうと思っていました。ただ、それでも責任ある立場になった後は「弱み」を見せないように我が身を慎むとか、そういうことのできる人でもあるだろうと思っていたんですね。あるいは、自らの悪事が露見したらそれを潔く引き受けて責任をとるのではないか。そういう潔さみたいなのを期待していたところもあった。

でも、ごらんの有様ですからねぇ。責任追及している側から体調を心配されてるようでは……。

そう考えると、良かったのかもしれません。自制もできないうえに、あんだけ見苦しいうえにわけわかんない答弁(五千万円の札束がかばんに入らなかったやつ)するようになったんじゃお終いでしょう。あそこでふてぶてしい態度をとり、切り抜けるくらいの器量があれば、これからの都政をむしろ任せたかったところもあるのですが。

まだ真相は明らかになっていないものの、話を聞いたり報道を見たりしている限りでは、もう都政を運営していける人望も意欲も無いでしょうし、なによりあの「ふてぶてしさ」を失ってしまっては、能力がダメなのではないかと思います。こういうふうに、人を堕落させるのが「政治の闇」 なのでしょうか。

しかし、オリンピック招致成功して、人生の絶頂かと思いきや急転直下ですねえ。人生には「まさか」という坂があるとはよく言ったもの。

それにしても、まさに辞任というこのタイミングで、猪瀬知事の新著勝ち抜く力が発売されるというのはなんとも皮肉というか、ブラックジョークに近いですね、もはや。おそらくはお祭り会場となるであろう、アマゾンのレビューを読むのが今から楽しみです。