「中学・高校と女っ気が無くて灰色の青春だった」

飲み会の席。中高一貫の男子校出身だった友人Aが、およそそんなようなことを言いました。

それを聞いていた別の友人Bが返して曰く。

「ンなことぁない。可愛いなとか好きだなとか思っても、そういう子はだいたい先輩とか学年のイケメンと付き合うんだよ。それを、指をくわえて見てるしかない気分というのは、あまり味わいたくない。なまじ女子がいるほうがつらいこともあるんだぜ?」

なるほど。モットモです。私は高校くらいから既に二次元専門だったので、そこまで実感を伴って友人Bのことばを聞くことはできませんでしたが、雰囲気とか感覚はなんとなくわかります。なんだかんだで可愛いなと思う子はやっぱりいて、そういう子がクラスでも「選ばれた者」と付き合っていく様子というのは珍しくもなかったですしね。

サークルなんかでも、フリーだった女の子がメンバーの一人と付き合いだした途端に空気が悪くなったりという話はよく耳にします。常日頃接触の機会が多い「身近な相手」というのは、それだけ惚れた腫れたになりやすいし、いざことが起こったときの気まずさとかダメージも大きいのでしょう。

別にモテたいとかそういう願望が無くても、「ちょっと良いな」とか思ってた子が他人のモノになっていくのは扱いに困る。というか、めんどくさい。

別に「彼女や彼」に責任があるわけじゃありません。友人Bのことばを借りれば(完璧に覚えてはないけど)、「『どうせ俺とはつりあわないしなー。告ってもつきあうことにはならなかっただろうなー』とか、『いや、別にそんな好きでもないしなー、付きあおうとかいう発想になる時点でおかしいなー』とかいろいろ考えて自己嫌悪になる」。そう、めんどくさいのです。主に自分のメンタルが。

友人Aが「灰色の青春」と言って表現したかったのは、そういうレベルの話とは少し違う気がしますが、私たち(と、友人達もまとめてしまいます)みたいなあんまり女の子に縁が無さそうな(そして実際に無い)野郎どもには、男子校みたいな閉鎖空間のほうがかえって心の平穏を保ちやすい。そういうこともあるのかも。

ってなことを、『ゴールデンタイム』の小説版読みなおしてて思い出しました。そんなお話。

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