飲食店に入ると、先に食券を買ってから注文するか、食べ終わった後で料金を払うか、システムがまちまちです。私はどちらかといえば食券制のほうが好きなのですが、昔は券売機をみるたびにギョッとしたし、いまでも、年配の方が「なれない」と仰っているのを時折見かけます。

食券制の魅力――というとおかしいですかね、まあ、「いいところ」というのは、何よりもまず「食い逃げを防止できる」という、店側のメリットだろうと思います。また、店員さんがレジ打ちに拘束されずに済む、などとというのもありそう。

お客の側としては、店員さんと余りコミュニケーションをとらなくて良いとか、食べ終わった後、いつでも自分のタイミングで退店できることなどが、人によっては魅力として感じるでしょうか。

一方、後払い制にもメリットはあります。

たとえばよく言われるのが、食べ終わった人に必ず挨拶できるということ。これは効率的には無駄なことのようでいて、終わった人の表情とか態度から、満足度を測って次に活かす情報にすることができるので、重視する人は重視するようです。また、お客の側としてもコミュニケーションがあるお店のほうがリピーターになりやすいとか、そういうのはあるのかもしれません。この辺は統計とってみないとわからないところですが。

他にも、「食べる前にお金をもたせる」(手が汚れる)のを避ける店側の配慮、なんていう話を聞いたこともあります。

お客の立場から言えば、食べるメニューについて悩んでしまう場合、券売機だと後ろに並んでいる人がいるとゆっくりと選べないし、そもそも「立ったまま選ぶ」必要があるので、座ってメニューをみながらゆっくり決められるお店と比べると、やや不親切感があるというか、少なくとも落ち着いた感じはしません。

また、「食い逃げはしない」という信頼をしてもらっていると考えれば、悪い気持ちはしないでしょう。

こんなふうに考えてみると、食券制は店側の都合を優先している感じがして、後払い制はお客側本位という感じもします。ただ、一概にそればかりとは言えないのは、食券制で店側の負担が軽減されることで、結果的にお客が利益を受ける場合もあるからです。

たとえば、レジ打ちに店員さんが拘束されないことで、サービスが向上するということはありえます。というか、忙しい時間帯になるとレジ対応があるせいで店内の手が足りない状態になっている、というのは割とよくある話。食器とかが、片付けられないまま放置されていたり……。

ってなことを考えて、飲食店やってる友人に「食券制か後払い制かって、やっぱり店の思想的なところで決まるの?」ってきいたら、「どっちかというと、場所とカネの問題」っていう返事が帰ってきました(笑)。そりゃそうですよね~。まったくもってごもっとも。

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